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1957-05-15 第26回国会 衆議院 本会議 第41号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十二年五月十五日(水曜日)     —————————————  議事日程 第三十四号   昭和三十二年五月十五日     午後一時開議  第一 建築士法の一部を改正する法律案参議院提出)     ————————————— ○本日の会議に付した案件  国立近代美術館評議員会評議員任命につき国会  法第三十九条但書規定により議決を求めるの  件  日程第一 建築士法の一部を改正する法律案(  参議院提出)  水道法案内閣提出)  生糸製造設備臨時措置法案内閣提出)  蚕糸業法の一部を改正する法律案内閣提出)  私立学校教職員共済組合法の一部を改正する法  律案内閣提出)  交付税及び譲与税配付金特別会計法の一部を改  正する法律案内閣提出)  臨時通貨法の一部を改正する法律案内閣提  出)  預金等に係る不当契約取締に関する法律案(  内閣提出)  日本輸出入銀行法の一部を改正する法律案(内  閣提出参議院送付)  国際原子力機関憲章批准について承認を求め  るの件  千九百五十三年十月一日にロンドン署名のた  め開放された国際砂糖協定改正する議定書の  受諾について承認を求めるの件  特殊核物質賃貸借に関する日本国政府アメ  リカ合衆国政府を代表して行動する合衆国原子  力委員会との間の第二次協定締結について承  認を求めるの件  特殊核物質賃貸借に関する日本国政府アメ  リカ合衆国政府を代表して行動する合衆国原子  力委員会との間の協定第一条の特例に関する公  文の交換について承認を求めるの件  国民の祝日に関する法律の一部を改正する法律  案(纐纈彌三君外三十七名提出)  地方交付税法の一部を改正する法律案内閣提  出)    午後四時二十二分開議
  2. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) これより会議を開きます。      ————◇—————  国立近代美術館評議員会評議員任   命につき国会法第三十九条但書   の規定により議決を求めるの件
  3. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 内閣から、国立近代美術館評議員会評議員に本院議員佐藤觀次郎君、同竹尾大君及び参議院議員津島壽一君を任命するため、国会法第三十九条ただし書きの規定により本院の議決を得たいとの申し出があります。右申し出の通り決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 御異議なしと認めます。よって、その通り決しました。      ————◇—————  日程第一 建築士法の一部を改正   する法律案参議院提出
  5. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 日程第一、建築士法の一部を改正する法律案議題といたします。委員長報告を求めます。建設委員会理事荻野豊平君。   〔荻野豊平登壇
  6. 荻野豊平

    荻野豊平君 ただいま議題となりました建築士法の一部を改正する法律案につきまして、建設委員会における審議経過並びに結果を御報告申し上げます。本案は、建築物の質の向上をはかるため、一級建築士または二級建築士でなければ設計または工事監理をしてはならない木造建築物範囲を、従来の延べ面積百五十平方メートル以上から百平方メートルに拡大すること、並びに、建築士の品位の保持、向上及び業務進歩改善をはかるために建築士会及び建築士会連合会を設けることを、そのおもなる内容とするものであります。  本法案は、参議院先議でありますので、去る四月二十七日本委員会に予備付託され、五月十三日本付託となったものでありまするが、格別の質疑もなく、討論を省略して採決の結果、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたした次第であります。  以上、御報告申し上げます。(拍手
  7. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 採決いたします。本案委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 御異議なしと認めます。よって、本案委員長報告の通り可決いたしました。      ————◇—————   水道法案内閣提出
  9. 山中貞則

    山中貞則君 議事日程追加緊急動議提出いたします。すなわち、この際、内閣提出水道法案議題となし、委員長報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
  10. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 山中君の動議に御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  11. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。  水道法案議題といたします。委員長報告を求めます。社会労働委員長藤本捨助君。   〔藤本捨助君登壇
  12. 藤本捨助

    藤本捨助君 ただいま議題となりました水道法案につきまして、社会労働委員会における審査経過並びに結果を御報告申し上げます。  水道は、国民日常生活に直結した公衆衛生上の基本施設であり、国民生活合理化生活水準向上等のためまことに不可欠の要素でありますが、これを規制する現行の水道条例は明治二十三年に制定されたものでありまして、近年、水道事業の規模の拡大、技術高度化に伴い、種々不備な点が生じておりますので、この際、国民の利便と、これによる生活合理化と、その積極的な育成をはかるとともに、他方、水資源の総合的、合理的利用の促進、近代技術力確保等水道の普及と健全なる発達をはかろうとするのが、政府の本法案提出理由であります。  次に、その内容のおもなる点について申し上げますれば、第一は、水道を大別して一般国民対象とする水道事業特定個人対象とする専用水道とに分け、それぞれにつきまして、水質基準施設基準技術者による布設及び管理、水質検査従業員健康診断等規定を設けることとしたこと、第二は、市町村等水道事業経営者に対し給水義務供給規程設定義務、消火せん設置の義務等を課することとしたこと、第三は、各戸への給水装置基準を設け、あるいは需要者の求めによる水質給水装置検査等規定することとしたこと、第四は、市町村等水道事業経営者に対して、浄水を供給する事業を規制し、また、水道事業合理化のための勧告、市町村による買収規定を設けることとしたこと、第五は、水道事業認可、その取り消し、専用水道布設工事の確認、水道施設改善命令給水停止命令、その他の監督規定を設けることとしたこと、第六は、給水人口五千人未満の簡易水道に対する国庫補助、その他水道事業に対する助成の規定を設けることとしたこと等であります。  本案は三月二十五日本委員会に付託せられ、同日神田厚生大臣より提案理由の説明を聴取した後、五月七日審議に入り、数回にわたり審議を行い、本日質疑終了し、討論を省略して採決に入りましたところ、本案原案の通り全会一致可決すべきものと議決いたした次第でございます。  以上、御報告申し上げます。(拍手
  13. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 採決いたします。本案委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  14. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 御異議なしと認めます心よって、本案委員長報告の通り可決いたしました。      ————◇—————  生糸製造設備臨時措置法案内閣   提出)  蚕糸業法の一部を改正する法律案   (内閣提出
  15. 山中貞則

    山中貞則君 議事日程追加緊急動議提出いたします。すなわち、この際、内閣提出生糸製造設備臨時措置法案蚕糸業法の一部を改正する法律案、右両案を一括議題となし、委員長報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
  16. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 山中君の動議に御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  17. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。  生糸製造設備臨時措置法案蚕糸業法の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。委員長報告を求めます。農林水産委員長小枝一雄君。   〔小枝一雄登壇
  18. 小枝一雄

    小枝一雄君 ただいま議題となりました法律案について、農林水産委員会における審査経過及び結果の大要を御報告いたします。  まず、生糸製造設備臨時措置法案について申し上げます。  近年、製糸設備原料繭供給関係が不均衡のために、原料獲得に対する冗費の増高操業率低下等を来たし、製糸業経営が不安定となり、生糸輸出にも障害となっておりますので、この際、過剰設備を円滑に処理して製糸業合理化するための措置を講じようとして、本案が提案されたのであります。  本案内容について概要を申し上げますと、第一に、生糸製造業者が自主的に共同してその設備処理できるようにするために、免許可を受けている生糸製造業者は、機械製糸機械座繰製糸玉糸製糸の各業態別設備処理組合を組織することができます。しかして、機械製糸及び玉糸製糸は、全国地区とする組合を組織し、機械座繰製糸は、まず、地域別組合を組織し、次いで全国地区とする連合会を組織することとしております。第二に、組合事業として、組合は、組合員申し出により、過剰設備を買い上げ、スクラップとして処分することになっておりますが、申し出の数が目標数に達しないときは組合員に割り当てることができることとしております。買収価格残存価額とし、三十二年度予算には製糸設備処理費補助金五千万円を計上しており、これと少くとも同額を組合が負担する予定であります。第三に、組合の定める設備処理規程については農林大臣認可を必要とすることといたしております。第四には、農林大臣の発するアウトサイダー規制命令規定しております。第五に、設備処理期間は二カ年とし、なお、組合または連合会は、残務整理のためさらに二カ年間存続することとしております。  本案の実施が養蚕業のあるいは労務者等へ与える影響を考慮して、その審議には特に慎重を期し、関係業者労働組合代表等から参考意見を徴する等、熱心な検討を行なったのでありますが、詳細は省略いたします。  本日一切の質疑終了しましたが、採決に先だち、社会党栗原委員より、自民社会共同による修正案提出されました。修正個所は三点ございます。その第一点は、過剰な生糸製造設備処理を行うに当っては過剰設備の全部の処理を行うものでない旨を明記したことであります。第二点は、農林大臣設備処理規程承認を与える場合の条件の中に、養蚕農家に不利益を与えることとならないように明記したことであります。第三点は、本法の施行期日について、原案では公布の日から六カ月以内に政令で定めることといたしておりますが、蚕糸業振興審議会における審議関係を考慮して、これを昭和三十二年十一月一日と明定したことであります。  右の修正案及び修正部分を除く政府原案について採決を行いましたところ、いずれも全会一致をもって可決いたしました。  なお、本案については、自民社会両党の共同提案により五項目にわたる附帯決議を付しましたが、時間の都合上省略いたします。  次に、蚕糸業法の一部を改正する法律案について申し上げます。  蚕糸業は、わが国農家経営安定向上並びに輸出を増進して一そう外貨を獲得するため、積極的な振興が要望されております。これがためには、この際広く各界有識者によって再検討を加え、基本的な振興対策を樹立する必要があり、これが調査審議機関として農林省に蚕糸業振興審議会を設置しようとして、本案提出されたのであります。  審議会は、蚕糸業に関し学識経験を有する者の中から任命された三十人以内の委員をもって構成され、農林大臣の諮問に応じ蚕糸業振興に関する重要事項調査審議する等の権能を与えられております。  本案は、生糸製造設備処理法案と一括審議いたして参り、本日採決いたしましたが、これまた全会一致をもって可決いたしました。  なお、本案に対しましても、両党共同提案附帯決議を付し、行政運営の万全を要求することといたしましたが、詳細は会議録によりごらんを願うことといたします。   以上をもって御報告を終ります。(拍手
  19. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 両案を一括して採決いたします。生糸製造設備臨時措置法案委員長報告修正蚕糸業法の一部を改正する法律案委員長報告可決であります。両案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  20. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 御異議なしと認めます。よって、両案は委員長報告の通り決しました。      ————◇—————  私立学校教職員共済組合法の一部   を改正する法律案内閣提出
  21. 山中貞則

    山中貞則君 議事日程追加緊急動議提出いたします。すなわち、この際、内閣提出私立学校教職員共済組合法の一部を改正する法律案議題となし、委員長報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
  22. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 山中君の動議に御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  23. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。  私立学校教職員共済組合法の一部を改正する法律案議題といたします。委員長報告を求めます。文教委員会理事佐藤觀次郎君。   〔佐藤觀次郎登壇
  24. 佐藤觀次郎

    佐藤觀次郎君 ただいま議題となりました内閣提出にかかる私立学校教職員共済組合法の一部を改正する法律案につきまして、文教委員会における審議経過及びその結果を申し上げます。  本案要旨は、国家公務員共済組合法改正に伴い所要改正を行うとともに、組合財政健全化組合事務簡素化をはかるため、他の社会保険制度の例をしんしゃくして規定整備を行わんとするものでありまして、その改正の主なるものとしては、一、従来不明確であった組合員資格を明確にしたこと、二、標準給与の最低及び最高の額をそれぞれ引き上げ、その標準給与決定については定時決定方式を採用したこと、三、組合員資格喪失後の継続給付受給条件として、従来は何ら規定がなかったのを、今回組合員としての期間が一年以上であることを要する旨の規定を新設したこと、四、組合員資格喪失後再就職した場合、前後の組合員であった期間を通算することなどでございます。  本案は、去る三月七日当委員会に付託されまして以来、私立学校教職員共済組合振興について国の積極的な施策を要求するなど、各般にわたって熱心に審議を重ねて参りましたが、その詳細については会議録によって御承知を願いたいと存じます。  かくて、五月十五日に至り質疑終了、続いて竹尾弌君から本案に対する修正案提出せられたのでございます。本修正案要旨は、原案規定の大部分が本年四月一日から施行する旨を規定しているのでありますが、四月一日はすでに経過しているため、この施行日を本年六月一日に改め、これに伴って規定事務的整備をするものであります。  かくて、本修正案に対する質疑終了修正案及び本案に対し、それぞれ討論を省略し、採決の結果、修正案及び修正部分を除く原案起立総員をもって可決すべきものと決定した次第でございます。  次いで、河野正君から本案に対して附帯決議案提出せられました。すなわち、   学校教育における私学重要性とその財政的実情とにかんがみ、私学教職員待遇改善に資するため、政府は、すみやかに、私立学校教職員共済組合短期給付及び福祉事業に要する費用に対し、国庫補助の途を講ずべきである。  以上の附帯決議案は、採決の結果、起立総員をもって原案の通り可決すべきものと決定した次第でございます。(拍手
  25. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 採決いたします。本案委員長報告修正であります。本案委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  26. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 御異議なしと認めます。よって、本案委員長報告の通り決しました。      ————◇—————  交付税及び譲与税配付金特別会計   法の一部を改正する法律案(内   閣提出)  臨時通貨法の一部を改正する法律   案(内閣提出)  預金等に係る不当契約取締に関   する法律案内閣提出)  日本輸出入銀行法の一部を改正す   る法律案内閣提出、参議院送   付)
  27. 山中貞則

    山中貞則君 議事日程追加緊急動議提出いたします。すなわち、この際、内閣提出交付税及び譲与税配付金特別会計法の一部を改正する法律案臨時通貨法の一部を改正する法律案預金等に係る不当契約取締に関する法律案日本輸出入銀行法の一部を改正する法律案、右四案を一括議題となし、委員長報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
  28. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 山中君の動議に御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  29. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。  交付税及び譲与税配付金特別会計法の一部を改正する法律案臨時通貨法の一部を改正する法律案預金等に係る不当契約取締に関する法律案日本輸出入銀行法の一部を改正する法律案、右四案を一括して議題といたします。委員長報告を求めます。大蔵委員長山本幸一君。   〔山本幸一登壇
  30. 山本幸一

    山本幸一君 ただいま議題となりました四法律案について、大蔵委員会における審議経過並びに結果を御報告申し上げます。  まず、交付税及び譲与税配付金特別会計法の一部を改正する法律案について申し上げます。  この法律案は、別途今国会に提案されました特別とん譲与税法案及び地方交付税法の一部を改正する法律案の成立に伴いまして、交付税及び譲与税配付金特別会計法につきましても所要改正を行おうとするものであります。  すなわち、第一に、特別とん譲与税制度の創設に伴いまして、特別とん税収入及び特別とん譲与税譲与金に関する経理をこの特別会計において行うことといたしております。第二に、地方交付税法改正に伴いまして、毎会計年度地方交付税相当分として一般会計からこの会計に繰り入れるべき金額は、当該年度における所得税法人税及び酒税の収入見込額の百分の二十五に相当する金額と定められておりますものを、百分の二十六に改めることといたしております。  本案につきましては、質疑及び討論を省略いたしまして、本十五日採決いたしましたところ、起立多数をもって原案の通り可決いたしました。  次に、臨時通貨法の一部を改正する法律案について申し上げます。  この法案は、最近における経済取引実情等にかんがみまして、新たに百円の臨時補助貨幣を発行し、この百円硬貨を日本銀行券と並んで流通させるとともに、その法貨としての通用限度を二千円に定めようとするものであります。  本案につきましては、本日質疑終了し、討論の通告がありませんでしたので、直ちに採決いたしましたところ、全会一致をもって原案の通り可決いたしました。  なお、横山利秋委員より本案に対する附帯決議提出されましたが、詳細は速記録に譲ります。  附帯決議についても採決いたしましたところ、全会一致をもって可決いたしました。  次に、預金等に係る不当契約取締に関する法律案について申し上げます。  この法案は、いわゆる導入預金の典型的なものを取り締ろうとするものでありまして、すなわち、預金者が特別の利益を得る目的をもって、あるいは預金の媒介を行う者、すなわち、いわゆるブローカーが預金者に特別の利益を得させる目的をもって、その預金を担保とすることなく、金融機関をして特定の第三者に対して資金の融通をさせるような契約を結ぶことを禁止しようとするものであります。このようなことは、預金契約の本旨に反し、このため金融機関経営が破綻に瀕した事例もあり、ひいては金融秩序を乱すものであるとの観点から、各禁止規定に違反した者及び脱法行為をした者に対し刑事罰を課するとともに、所要の両罰規定を設けることといたしております。  最後に、日本輸出入銀行法の一部を改正する法律案について申し上げます。  この法案は、最近における内外の経済情勢にかんがみまして、日本輸出入銀行の機能を一そう効果的に発揮させるために、海外投資金融及び海外事業金融に関する業務範囲を拡張するとともに、技術の提供のために必要な資金及び外国政府等に対する開発資金を新たに融資の対象に加え、また、償還期限についての制限を緩和し、借入金及び債務保証限度を拡張する等の措置を講じようとするものであります。  右両法案につきましては、本日質疑終了し、討論を省略いたしまして、直ちに採決いたしましたところ、両法案とも全会一致をもって原案の通り可決いたしました。  以上、御報告申し上げます。(拍手
  31. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) これより採決に入ります。  まず、交付税及び譲与税配付金特別会計法の一部を改正する法律案につき採決いたします。本案委員長報告可決であります。本案委員長報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立
  32. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 起立多数。よって、本案委員長報告の通り可決いたしました。  次に、臨時通貨法の一部を改正する法律案預金等に係る不当契約取締に関する法律案及び日本輸出入銀行法の一部を改正する法律案の三案を一括して採決いたします。三案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  33. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 御異議なしと認めます。よって、三案は委員長報告の通り可決いたしました。      ————◇—————  国際原子力機関憲章批准について承認を求めるの件  千九百五十三年十月一日にロンドン署名のため開放された国際砂糖協定改正する議定書受諾について承認を求めるの件  特殊核物質賃貸借に関する日本国政府アメリカ合衆国政府を代表して行動する合衆国原子力委員会との間の第二次協定締結について承認を求めるの件  特殊核物質賃貸借に関する日本国政府アメリカ合衆国政府を代表して行動する合衆国原子力委員会との間の協定第一条の特例に関する公文交換について承認を求めるの件
  34. 山中貞則

    山中貞則君 議事日程追加緊急動議提出いたします。すなわち、この際、国際原子力機関憲章批准について承認を求めるの件、千九百五十三年十月一日にロンドン署名のため開放された国際砂糖協定改正する議定書受諾について承認を求めるの件、特殊核物質賃貸借に関する日本国政府アメリカ合衆国政府を代表して行動する合衆国原子力委員会との間の第二次協定締結について承認を求めるの件、特殊核物質賃貸借に関する日本国政府アメリカ合衆国政府を代表して行動する合衆国原子力委員会との間の協定第一条の特例に関する公文交換について承認を求めるの件、右四件を一括議題となし、委員長報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
  35. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 山中君の動議に御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  36. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。  国際原子力機関憲章批准について承認を求めるの件、千九百五十三年十月一日にロンドン署名のため開放された国際砂糖協定改正する議定書受諾について承認を求めるの件、特殊核物質賃貸借に関する日本国政府アメリカ合衆国政府を代表して行動する合衆国原子力委員会との間の第二次協定締結について承認を求めるの件、特殊核物質賃貸借に関する日本国政府アメリカ合衆国政府を代表して行動する合衆国原子力委員会との間の協定第一条の特例に関する公文交換について承認を求めるの件、右四件を一括して議題といたします。委員長報告を求めます。外務委員会理事須磨吉郎君。   〔須磨吉郎登壇
  37. 須磨彌吉郎

    須磨吉郎君 ただいま議題となりました国際原子力機関憲章批准について承認を求めるの件、特殊核物質賃貸借に関する日本国政府アメリカ合衆国政府を代表して行動する合衆国原子力委員会との間の第二次協定締結について承認を求めるの件、特殊核物質賃貸借に関する日本国政府アメリカ合衆国政府を代表して行動する合衆国原子力委員会との間の協定第一条の特例に関する公文交換について承認を求めるの件並びに千九百五十三年十月一日にロンドン署名のための開放された国際砂糖協定改正する議定書受諾について承認を求めるの件につきまして、外務委員会における審議経過並びに結果を御報告申し上げます。  まず、国際原子力機関憲章について御説明申し上げます。  原子力の平和的利用を促進するために国際機関を設置する構想は、一九五三年国連総会において米国大統領が原子力の国際プールを提案いたしたことに端を発し、その後国連を中心として協議が進められ、昨年十一月二十三日に至り八十一九国の国際会議においてこの憲章が正式に採択され、わが国も二十六日にこれに署名いたし、すでに米ソ等世界の主要国を網羅した七十八カ国が署名を了しております。  この機関が行う事業のおもな内容は、加盟国が提供する物質、施設、役務等を、この機関が、直接に、または仲介者として援助要諸国に対して供給するという、いわば原子力の国際銀行の役目を果すところにあります。また、これを有効に果すために必要な保障措置、原子力に関する情報交換、その他、機関みずからの組織、運営等が規定されております。わが国は、この機関の設立に対して当初から深い関心と熱意を持って協力して参り、すでに昨秋の憲章採択会議において機関の準備委員国の一つに選出され、また、機関発足の上は理事国に選ばれることがほぼ確実となっております。わが国は、この機関に参加することによって、原子力の平和利用の促進という、人類の福祉に重大な関係のある国際協力の分野に参加することができるとともに、機関が活動を開始した暁には、物質その他の援助を得ることにより、わが国における原子力の研究開発及び実用化の発展をも期することができるものと考えられます。  第二に、特殊核物質賃貸借に関する日米第二次協定について申し上げます。  一昨年十一月、原子力の非軍事的利用に関する日米協定締結されまして、この原協定に基きまして、わが国は、昨年十一月第一次日米細目協定を結び、茨城県東海村原子力研究所に設置される溶液型研究用原子炉に使用するための濃縮ウランを米国から賃借いたしましたが、続いて、第二号炉といたしまして重水型研究用原子炉も昨年十月発注されまして、来春には完工を見る予定であります。よって、政府は、この重水型研究用原子炉に使用するための濃縮ウランの賃借を取りきめるため、一昨年締結されました日米原子力協定に基き、ワシントンにおいて米国政府との間に交渉を行い、五月八日この協定署名された次第であります。  この協定におきまして、わが国は四キログラムをこえない量の同位元素U二三五を含有し、一九・五%ないし二〇%に濃縮されたウラン約二十キログラム、及び、補てんのため必要なウランの追加量を米国の原子力委員会から賃借することができることになっております。賃借に関する経費としましては、濃縮ウランの使用料、消粍及び濃縮度低下補償料及び再処理料金を米国の原子力委員会に支払うこととなっており、その他、わが国は濃縮ウランの加工業者に支払う加工料、輸送料等を負担することになっております。  第三に、特殊核物質賃貸借に関する日米第一次協定第一条の特例に関する交換公文について申し上げます。  昨年十一月に締結されましたこの日米第一次協定第一条につきまして、溶液型研究用原子炉のためのフイッション・チェンバー、すなわち、原子炉の始動に際し必要な装置に装填される極微量のウランの濃縮度は、この第一条に定めるウランの濃縮度を下回っても支障がないことが判明しましたので、この第一条の特例を設けることとし、これまた五月八日ワシントンにおいてこの交換公文署名された次第であります。  第四に、国際砂糖協定改正議定書につき御説明申し上げます。  わが国は、一九五四年、すなわち三年前に国際砂糖協定に参加いたしまして以来、砂糖輸入国の立場から国際市場における砂糖需給計画の策定に参加いたして参りましたが、この協定改正のために、昨年中ニューヨーク及びジュネーヴで国際会議が開かれ、わが国もこれに参加し、十一月二日この議定書が採択され、十二月十一日これに署名を了しました。  この議定書による改正の結果、わが国が受ける利益のおもなるものを申し上げますれば、第一に、協定に基く輸出国の輸出割当量が増加すること、第二には、輸出割当量を調整する価格点の水準が引き下げられること、第三に、わが国の投票数の増加に伴い、砂糖理事会におけるわが国の発言力が強化すること等であります。  以上四案件は、三月二十六日、五月九日、五月九日及び四月十一日、それぞれ外務委員会に付託されましたので、政府提案理由の説明を聞き、質疑を行い、特に原子力関係の三案件につきましては、科学技術振興対策特別委員会との連合審査会を開き、慎重審議を重ねましたが、その詳細は会議録により御了承を願います。  質疑終了の後、今五月十五日、右四案件につき一括して討論を行い、日本社会党を代表して松本七郎君から賛成の意が表明され、直ちに採決の結果、右四案件はいずれも全会一致をもって承認すべきものと議決した次第であります。  以上、御報告申し上げます。(拍手
  38. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 四件を一括して採決いたします。四件は委員長報告の通り承認するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  39. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 御異議なしと認めます。よって、四件とも委員長報告の通り承認するに決しました。      ————◇—————  国民の祝日に関する法律の一部を   改正する法律案(纐纈彌三君外   三十七名提出
  40. 山中貞則

    山中貞則君 議事日程追加緊急動議提出いたします。すなわち、この際、纐纈彌三君外三十七名提出国民の祝日に関する法律の一部を改正する法律案議題となし、委員長報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
  41. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 山中君の動議に御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  42. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。  国民の祝日に関する法律の一部を改正する法律案議題といたします。委員長報告を求めます。内閣委員長相川勝六君。     —————————————   〔相川勝六君登壇
  43. 相川勝六

    ○相川勝六君 ただいま議題となりました、纐纈彌三君外三十七名の提出にかかる国民の祝日に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、内閣委員会における審査経過並びに結果を御報告申し上げます。  まず、本案要旨並びに提案の趣旨を申し上げます。  提案者の説明によれば、昭和二十三年七月国民の祝日に関する法律が制定されるに先だって、政府並びに民間において行われた世論調査の結果、建国記念日を設けることには国民の圧倒的な支持を得ていたこと、また、建国記念日を二月十一日とするについては、当時国会の二つの文化委員会において多数をもって賛成されたにもかかわらず、占領軍の強い反対によってやむなく保留せざるを得なかったこと、その後、講和条約の成立後、再び建国記念日を国民の祝日に加えるべきであるとの声が年とともに国民の間にほうはいとして起っていることなどの経緯にかんがみ、本案は、この国民の世論を尊重し、七十余年の長い間国民に親しまれてきた二月十一日を建国記念日として、国を愛する心を養おうとするものであります。  本案は、去る二月二十六日当委員会に付託され、四月二十三日質疑に入り、五月八日に公聴会を、十四日には文教委員会との連合審査会を開くなど、慎重に審議を重ねたのでありまするが、その詳細については会議録によって御承知願うこととし、ここに質疑のおもなる点について述べまするならば、次の通りであります。  すなわち、建国記念日を設けることについては、いずれの委員においても異論はなく、ただ、二月十一日をその日とするについては熱心な論議が行われたのであります。  第一点は、「神武天皇即位の年月は、歴史上、科学的に根拠が薄弱であり、今後学問的検討を待って決定すべきではないか」という点であります。これにつきましては、「科学的に正確であると断定することは不可能であるが、同時に、これを否定する根拠も存在せず、また、近い将来において正確なる科学的断定を下し得る見込みもない以上、建国の日は、正史たる古典を尊重し、かつ、大多数国民の希望をいれて二月十一日とするのがふさわしいではないか。また、他にふさわしい日もないのではないか」との答弁がありました。  第二点は、「過去において、神武東征の物語りが、征略国家として支那事変、大東亜戦争において利用され、偏狭なる忠君愛国の教育とも相待って、日本の進路を誤まらせたものではないか」という点であります。これにつきましては、「古事記、日本書紀に述べられている神武東征並びに神武天皇即位の大精神は、絶対にそのような侵略主義によるものでなく、むしろ積極的な平和主義、民主主義であったことは、これをすなおに解釈すれば明らかであり、ことに、民主主義日本の現状並びに将来においては、再び政治的に悪用されるおそれはないと信ずる」旨の答弁がなされたのであります。  かくて、本日質疑終了し、討論に入り、自由民主党を代表して保科委員より賛成、日本社会党を代表して受田委員より反対の意見がそれぞれ述べられ、採決の結果、多数をもって原案の通り可決いたしました。  以上、御報告申し上げます。(拍手
  44. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 討論の通告があります。これを許します。高津正道君。   〔高津正道君登壇
  45. 高津正道

    ○高津正道君 私は、ただいま上程されております国民の祝日に関する法律の一部を改正する法律案に対し、日本社会党を代表して反対討論をいたします。(拍手)  この法案は、中小企業の組織に関する法案とか最高裁改革案などに比べる場合、一般からは若干小さい問題のように受け取られているかもしれませんが、わが国当代の良識を代表する学者、思想家を初め、また、世論を大いに動かす有力なる新聞の論説委員の大都分からは、きわめて重要視され、かつ、もちろん反対されているところの問題であります。(拍手)  日本社会党は、他の党と異なり、努めて知性と良識を代表せんとする党として、各議員とも常識上わかってはいても、二月十一日を建国記念の日として制定せんとするこの法案をあらゆる角度から検討いたし、そして、百害あって一利なきことを確実に突きとめ、内閣委員会で十二分にそれらの見解を表明したのであります。  本案に対する第一の反対理由は、本法案が出されたということだけでも国会議員というおとなが子供や青年から笑われると思われますが、もしこれが両院を通過して実施を見るに至れば、それは戦後の新教育の成果に対して重大な悪影響を与えると思われるからであります。(拍手)戦後の新教育は保守党の諸君から近年特に好んで攻撃目標とされてきておりますが、われわれの見るところを申しますと、すばらしく青少年が体育によって体位を向上したこと、ひじけない、朗らかな性格となったこと、その朗らかさは、これによって政界の派閥的、寝わざ的抗争などすっかり忘れた民族が、数十年を出ずして生まれるかとも思えるほどのものであります。(拍手)また、文章を書かせると、実に自由にすらすらと表現する能力が養われております。また、戦争をきらい、平和を愛する思想の持ち主となっているが、それは足音高く訪れようとする新時代の市民にふさわしい性質のものであると考えます。さらに、また、批判精神を身につけ、歴史をも含めて、およそ何ものに対しても、けなげにも科学的に見よう、科学的に考えようという態度を持っています。すべて、これらの長所は、根深い身体細胞の一々にまでしみ込み、いわゆる板につくものにまでなっているとわれ、われは認めるものであります。(拍手)  そこで、申し上げるのでありまするが、まさに五十余万人の、正確にはそれより以上の多数の全国の教育者諸君の労苦に対し、私たちは感謝の気持で一ぱいであります。しかるに、政治に携わる国会のおとなたちが、死んだはずだと思った伝説をかつぎ出して、国民的祝日として押しつけると、彼ら青少年たちは、第一、当惑するでありましょう。教壇の教師は、児童、生徒の前に建国記念の日二月十一日を説明して、きのうまでの権威をすっかり台なしにしてしまうでありましょう。また、数週間前、本院で満場一致通過したばかりの科学技術教育振興の決議は泣くでありましょうし、また、文部省の科学技術振興政策はその迫力を欠くことはもちろん、さらに、青少年がようやく批判精神、科学精神を身につけ、日本の将来はいよいよこれからだと思わせられる今日、この若い芽をつみ取るものがこの紀元節復活の法案であって、(「紀元節じゃないよ」と呼び、その他発言する者多し)わが党は、議場の静まるを待つために、建国記念日と言いかえて話を進めるでありましょう。(拍手)わが党は、新教育をめちゃくちゃにせんとするこの企てに絶対に反対するのであります。(拍手)  第二の反対理由、これは説明を簡単にいたしますが、わが国の神話、伝説から、また戦前の状態からようやくにしてのがれ出て、その権威を確立した科学的な歴史教育が、根底からくずれ去りゆく結果をもたらす点であります。(拍手)それなのに、提案者代表は神主である纐纈彌三君であるが、この提案者たちはそのような蛮勇をふるおうとしておるのであります。  反対理由の第三は、この法案がもし通過すれば、わが国は必ずや諸外国から大へんな誤解を受けると思われるからであります。(拍手)諸外国は、過去の軍国主義日本、超国家主義日本、その思想内容は天皇中心、八紘一宇、撃ちてしやまん、これらのものに悩まされた体験者でありますからして、たとえば、フィリピン訪問のわが親善視察団の中に、ただ一人の元憲兵が加わっていたというこの事実のために、マニラであのような大騒ぎとなり、国際的な大恥をかいたのであります。(拍手)この法案は、外交を知らず諸外国の反響などを軽視する人々の意見が大自民党を動かしたのであろうと思えるけれども、結果は、わが国が、そして、私たちが迷惑をこうむるのであります。(拍手)  本年の五月、すなわち今月の三日に、主権在民、平和、民主の現行憲法が十周年を迎えたにもかかわらず、政府としてはその記念行事をことさらに行わないという大きいミステークを犯しました。しかるにもかかわらず、今回は隴を得て蜀を望む態度に出て、二月十一日の復活を押し切って実現しようとする。諸外国がこれを知るならば、何と考えるでありましょうか。それ、日本が急速調で逆コースに進み始めた、これは今後は日本警戒すべし、あるいは、熱心に日本は原水爆実験禁止運動を展開しているが、あれには裏があるのじゃないか、岸総理は原子力の使用は憲法にもとらないなどと国外において発言したではないか、諸外国、特に東南アジア、そしてアジア大陸、これらの地域では、こんなふうに受け取るでありましょう。  この際、私は、戦後、最近初めて心から一つの喜びを感じておることを申し上げたい。それは、日本がよいことで世界一という点数を一つかせいでおることであります。何かと申しますと、戦前では綿製品輸出で世界一、特攻隊精神で世界一というふうなものでありましたが、現在では、それが全世界、全人類の悲願である原水爆禁止運動において日本が世界をリードしておる形が現われておることであります。(拍手自民党から憎まれておるところの総評、そして原水協、そして名誉あるわが日本社会党、それらの民主団体、民主的政党がこのような原水爆反対運動の大津波を巻き起したのであり、それが全国を風靡するに至ったのであり、才人である岸総理も、これを無視することは選挙に損だとばかり、松下特使の派遣となったのでございます。(拍手)しかし、多年の民主団体の涙ぐましい運動が、そうした保守政党の諸君には、はからざりき松下使節のイギリス訪問となり、大きい手柄を立てる結果を偶然にもたらしたのであります。しかるに、本案のごとき逆コース、反動的法案を衆議院が出し、多数決で通過させれば、戦後ただ一つの世界一の、この願ってもない平和運動の一大業績は大きく傷つくに違いないと思います。(拍手)傷つけ、つぶすべきものこそ本法案であると、私は確信いたすものであります。  反対理由の第四は、しゃにむに多数決で通して実施したところで、この国民的祝日に対し、——入れ歯をお許し願いたい。——一方では、右翼や神主や旧思想から脱せざる元軍人が、わが世の春来たりとばかりに台頭し、横行濶歩し、他方では、これを憲法改正の橋頭堡だ、逆コースの象徴であるとして反対し、また、特に、学校教育の場においては、これを児童、生徒、学生に対し、いかに説明すべきか、学校でこの行事を行うべきかいなかなど、国論が全く二分されて、国がつぶれないにせよ、相当の紛争となることは火を見るよりも明らかであります。(拍手)今は二大政党の対立時代といわれます。二大政党は衆議院議席の九九・四を占め、ここからはみ出しているのは、共産党二名、無所属の小林信一君、計わずかに三人のみであります。本日は、その三名は御欠席で、出席全員が二大政党で独占している形であります。(拍手)この二大政党の地位と責任の重大性にかんがみる場合、その一方がかくばかり反対をしておる際には、大紛争の題目を一つ新たに加えることを思いとどまるべきだと、われわれは考えるものであります。(拍手)おそらくは、良識ある知性が動いて、流産的処置をおとりになるのではあるまいかと考えております。  反対理由の第五点、これは事衆議院の名誉に関連いたして参ります。議員各位は議席を得るのに常識を問いませんが、国民からはその知性と良識をある程度高いものと大まかに認められているのが現状であろうと思います。日本書紀に辛酉の日とあるから、この日をきめる以外にないというように申しますが、しかし、神武天皇の時代に暦自体がなかったという事実は動かすわけには参りますまい。十干十二支もずっと後に大陸文化として入って来たものだったのですから、このような怪しげな根拠によって建国記念日とすることは、衆議院の名誉と威信とに対し影響なしというわけにはいかないでしょう。(拍手)また、私たちは、現代ほど世論調査のパーセンテージがしばしば用いられることはないということを気づいておるものであり、もちろん、前世紀においては、そのようなことは一切経験をしていないのでありますが、今日は、この統計のパーセンテージを読むコツというか、読む心得をれわれは持つ必要があると考えます。私は、少くともそれには二つ必要であると思う。一つは、たとえば紀元節の問題を日本の町村長を対象として世論調査をするならば、今提案者が利用されておるパーセンテージよりもはるかに高いパーセンテージが現われるというそのことであります。層化法というけれども、統計の形成は、その裏面やいろいろな実情をわれわれは読みとらねばならないのであります。また、日本は、資本主義の進歩とともに、給料生活者は日に月に増大しておるのでありますが、それらの諸君を対象として世論調査を行うならば、この愛すべき労働に疲れた勤労者諸君は、何また一日休日がふえるのかと、ニコリと笑って賛成と書くでありましょう。統計は横からも見なければなりませんし、裏からも見なければならぬ。おそらく、提案者は、統計のパーセンテージを唯一のよりどころにしておられたが、賛成討論もまた、いろいろな統計の数字を並べられるに違いない。しかし、われわれは、統計に対しては、高い見地から、良識を失わないように、これを見破る力を国会議員は備えておく必要があると存じます。(拍手)私は、三・一五、四・一六と聞くと、これは共産党弾圧を思い起すし、二・二六といえばファッショを思い出すし、二・一一といえば、天孫降臨、神武即位、八紘一宇、超国家主義、それらを連想するのでありますが、私は、一九五七年、それも憲法十周年の該当する、月もあろうにその月に、二月十一日を建国記念日として復活することは、日本国衆議院の良識、さらにその常識を内外から疑われるに違いないと思うのであります。(拍手)  以上、数知れぬ反対理由のうちで五つだけあげて討論を進めて参りましたが、どの一つだって大きい根拠ありと確信するものであります。  この際、今日まで本案の提案説明に当り、あるいはそれに賛成してきた議員諸公に対し、諸君が反対されないところの一つの歌を私ははさみたいと思います。それは、明治維新の勤皇の歌人、桜東雄の作であります。「天照大御神すら聞き直し見直し思い直したまいき」——「天照大御神すら聞き直し見直し思い直したまいき」(拍手)いわんや、自民党の聡明をもって自認する議員諸公も、やはり思い直し、見直し、聞き直し——本法案のごとき、世界の非難を浴び、そして、新教育の成果を乱し、歴史教育を根底からくつがえし、二大政党の一方から猛烈に反対されて、これより国論が二分されて、争いは一そう苛烈になり、メーデーにいま一つ新しいスローガンを提供するのが、この法律案であると私は考えます。(拍手)  私は、さらに、この際、私の論旨に点睛のためと言おうか、あるいは魂を入れるためと言おうか、論旨徹底のために、重大問題に触れようと思う。(拍手)それは原水爆反対運動についてであります。さきには、この道のみで、この点のみで、戦後初めて日本が世界一をとり、世界をリードすると言ったのでありますが、もしもこの法案が通れば、それが台なしになるとまで言っておったのであります。私は、硫酸や硝酸を使う大工場の下流にある魚類が全滅するし、貝類も全滅し、海草類も全滅するので、その地の漁業組合は大てい百万円、二百万円の損害補償を受けておる事実を知っております。しかし、この原水爆戦争は、魚類にとっての水と同じように、人類にとっての空気の濁ることであって、これ以上大きな問題はないのである。(拍手)私は、この戦争をせきとめ得る実力は、やはり日本が中心になって——そして方法がある。それをわれわれは持っておる。今から五十年前に、かの科学者であり、生物学者であり、理想主義者であったクロポトキンが相互扶助論を書いておりますが、国会議員のすべては、これの中の一カ所だけは覚えておく必要があると思う。(拍手)砂漠の、あるいは草原において、馬は群棲動物でありますから、五十頭、百頭と群をなして生息いたしておりますが、そこに猛獣が来ると、数十万年の体験により、本能により、一頭の馬が変ないななきをすると、直ちに百頭の馬が頭を中にして足を後にして円陣を描き、トラであろうと、ハイエナであろうと、オオカミであろうと、一生懸命けるので、猛獣はみなのがれ去るという動物の現象を詳細に書いているのであります。われわれは、この中からこそ、一つの教訓を学びとらねばならない。物の元素は九十あるが、世界の国の数は、偶然に、おもしろく、九十であります、モナコなどを捨てて。この九十の国の中で、原水爆の製造の実力を持っておるのは、言うまでもなくアメリカとソ連であり、中なる八十八の国はみな持たないのであります。持っておっても、それはほとんど問題にならないものである。イギリスやフランスは植民地がある。数年のうちに必ず離れて、裸になって、満州、台湾、樺太を失った日本と状態が同じようになることは明らかであるから、この八十八の国の条件が同質的になり、イギリスの労働党は、わが社会党をモデルとして相当に左転回をするであろうし、国際連合の総会に九十の国がつどい、アメリカのステートメントが悪いならば、八十八がノー、ノーと叫べば、ソ連もにこりと笑ってこれに同調する。八十九対一でアメリカは引っ込む。ソ連の場合もまた同じであります。諸君、八十七はい、わが国を目がけて迎えの船を出しておるので、われわれは出でて乗らずばなるまいと考える。諸君、この道こそが、この道こそが、(拍手)原水爆反対、この中なる八十八を結束して平和に尽そうというのが、私は日本の持っておる唯一の切り札であると思うのであります。(拍手)われわれは、原水爆禁止運動を叫べば叫ぶほど憲法改正運動の理論は薄れていくと思うけれども、これさえとって離さなければ、世界をリードし、全世界の全人類から日本は予言者の国のように感謝される日がくると信ずるのであります。(拍手)  諸君、どうか先の桜東雄の歌を思い起されまして、天照大御神にとても及びもつかないはずであるから、さらに見直し、聞き直し、思い直したまいきを諸君に期待して……。(拍手
  46. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) これにて討論は終局いたしました。  採決いたします。この採決は記名投票をもって行います。本案委員長報告可決であります。本案委員長報告の通り決するに賛成の諸君は白票、反対の諸君は青票を持参せられんことを望みます。閉鎖。  氏名点呼を命じます。   〔参事氏名を点呼〕   〔各員投票〕
  47. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 投票漏れはありませんか。——投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。開匣。開鎖。  投票を計算いたさせます。   〔参事投票を計算〕
  48. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 投票の結果を事務総長より報告いたさせます。   〔事務総長朗読〕  投票総数 二百八十九   可とする者 (白票) 百六十七   〔拍手〕   否とする者 (青票) 百二十二   〔拍手
  49. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 右の結果、本案委員長報告の通り可決いたしました。     —————————————  纐纈彌三君外三十七名提出国民の祝  日に関する法律の一部を改正する法  律案委員長報告の通り決するを可  とする議員の氏名    阿左美廣治君  相川 勝六君    愛知 揆一君  青木  正君    赤城 宗徳君  赤澤 正道君    秋田 大助君  荒舩清十郎君    有田 喜一君  有馬 英治君    五十嵐吉藏君  伊藤 郷一君    池田 清志君  石坂  繁君    稲葉  修君  今松 治郎君    植木庚子郎君  植原悦二郎君    植村 武一君  臼井 莊一君    内田 常雄君  江崎 真澄君    小笠 公韶君  小笠原三九郎君    小川 半次君  小澤佐重喜君    越智  茂君  大倉 三郎君    大島 秀一君  大高  康君    大坪 保雄君  大野 市郎君    大橋 武夫君  大平 正芳君    岡崎 英城君  荻野 豊平君    加藤 精三君  加藤 高藏君    加藤鐐五郎君  鹿野 彦吉君    上林山榮吉君  亀山 孝一君    川崎末五郎君  川崎 秀二君    川島正次郎君  菅  太郎君    菅野和太郎君  木村 文男君    菊池 義郎君  北 れい吉君    北澤 直吉君  吉川 久衛君    倉石 忠雄君  黒金 泰美君    小枝 一雄君  小金 義照君    小坂善太郎君  小島 徹三君    小平 久雄君  小林  郁君    小山 長規君  河野 金昇君    纐纈 彌三君  佐々木秀世君    笹本 一雄君  笹山茂太郎君    志賀健次郎君  椎名悦三郎君    椎名  隆君  重政 誠之君    島村 一郎君  白浜 仁吉君    周東 英雄君  杉浦 武雄君    助川 良平君  鈴木周次郎君    鈴木 直人君  薄田 美朝君    砂田 重政君  瀬戸山三男君    田口長治郎君  田中 龍夫君    田中 久雄君  田中 正巳君    田村  元君  高岡 大輔君    高木 松吉君  高瀬  博君    高橋 禎一君  高橋  等君    竹内 俊吉君  竹尾  弌君    竹山祐太郎君  千葉 三郎君    塚田十一郎君  徳田與吉郎君    徳安 實藏君  床次 徳二君    内藤 友明君  中垣 國男君    中川 俊思君  中嶋 太郎君    中山 マサ君  永田 亮一君    永山 忠則君  長井  源君    灘尾 弘吉君  西村 直已君    根本龍太郎君  野澤 清人君    野依 秀市君  馬場 元治君    橋本登美三郎君  橋本 龍伍君    長谷川四郎君  畠山 鶴吉君    花村 四郎君  早川  崇君    林  譲治林  林   博君    原  捨思君  平野 三郎君    廣瀬 正雄君  福井 順一君    福井 盛太君  福田 赳夫君    福永 健司君  藤本 捨助君    淵土房太郎君  船田  中君    古井 喜實君  古川 丈吉君    古島 義英君  保利  茂君    保科善四郎君  坊  秀男君    本名  武君  眞崎 勝次君    前尾繁三郎君  前田房之助君    前田 正男君  町村 金五君    松澤 雄藏君  松永  東君    松野 頼三君  松山 義雄君    三浦 一雄君  三木 武夫君    三田村武夫君  南  好雄君    粟山  博君  森   清君    森下 國雄君  森山 欽司君    八木 一郎君  山崎  厳君    山下 春江君  山手 滿男君    山中 貞則君  山本 正一君    山本 友一君  横井 太郎君    横川 重次君  吉田 重延君    米田 吉盛君  早稻田柳右エ門君    渡邊 良夫君  否とする議員の氏名    阿部 五郎君  青野 武一君    赤路 友藏君  赤松  勇君    淺沼稻次郎君  足鹿  覺君    飛鳥田一雄君  淡谷 悠藏君    井岡 大治君  井谷 正吉君    井手 以誠君  井上 良二君    井堀 繁雄君  伊藤卯四郎君    池田 =治君  石田 宥全君    石橋 政嗣君  石村 英雄君    石山 =作君  稻村 隆一君    今澄  勇君  今村  等君    受田 新吉君  小川 豊明君    大西 正道君  大矢 省三君    岡  良一君  岡本 隆一君    加賀田 進君  加藤 清二君    春日 一幸君  片島  港君    勝間田清一君  上林與市郎君    神田 大作君  川俣 清音君    川村 継義君  河上丈太郎君    河野  正君  木原津與志君    菊地養之輔君  北山 愛郎君    栗原 俊夫君  小平  忠君    小牧 次生君  小松  幹君    五島 虎雄君  河野  密君    佐々木更三君  佐々木良作君    佐竹 新市君  佐竹 晴記君    佐藤觀次郎君  坂本 泰良君    櫻井 奎夫君  島上善五郎君    下川儀太郎君  下平 正一君    杉山元治郎君  鈴木茂三郎君    田中 武夫君  田中 利勝君    田中 稔男君  田万 廣文君    多賀谷真稔君  高津 正道君    滝井 義高君  楯 兼次郎君    辻原 弘市君  戸叶 里子君    堂森 芳夫君  中井徳次郎君    中居英太郎君  中島  厳君    中原 健次君  中村 高一君    中村 英男君  永井勝次郎君    成田 知巳君  西村 榮一君    西村 彰一君  西村 力弥君    野原  覺君  芳賀  貢君    長谷川 保君  原   茂君    原   彪君  日野 吉夫君    平岡忠次郎君  平田 ヒデ君    古屋 貞雄君  帆足  計君    細迫 兼光君  細田 綱吉君    前田榮之助君  正木  清君    松尾トシ子君  松平 忠久君    三鍋 義三君  三宅 正一君    水谷長三郎君  門司  亮君    森島 守人君  森本  靖君    八百板 正君  八木 一男君    八木  昇君  矢尾喜三郎君    安平 鹿一君  柳田 秀一君    山口丈太郎君  山崎 始男君    山下 榮二君  山田 長司君    山本 幸一君  横銭 重吉君    横路 節雄君  横山 利秋君    吉川 兼光君  吉田 賢一君    和田 博雄君  渡邊 惣藏君
  50. 山中貞則

    山中貞則君 議事日程追加緊急動議提出いたします。すなわち、この際、内閣提出地方交付税法の一部を改正する法律案議題となし、委員長報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
  51. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 山中君の動議に御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  52. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。  地方交付税法の一部を改正する法律案議題といたします。委員長報告を求めます。地方行政委員長門司亮君。   〔報告書は会議録追録に掲載〕     —————————————   〔門司亮君登壇
  53. 門司亮

    ○門司亮君 ただいま議題となりました地方交付税法の一部を改正する法律案につき、地方行政委員会における審議経過並びに結果の概要を御報告申し上げます。  政府は、地方財政の現況にかんがみ、国税所得税の減税に伴う地方交付税の減収を可及的に回避するため、地方交付税の率を引き上げてその総額を増加し、これに伴って、単位費用の改訂、測定の単位の数値の補正方法の一部改正など、地方交付税の算定方法の適正化によって、この増加財源の合理的かつ適正な配分を行うこととし、本改正案を提出したのでございます。   〔議長退席、副議長着席〕  改正内容を簡単に申し上げますと、第一は、地方交付税の率を、所得税法人税及び酒税の収入額の百分の二十五から百分の二十六に引き上げ、これにより、昭和三十二年度に交付すべき本来の交付税の総額を、三十年度分の精算額約六億円を差し引いた千八百六十八億円としたことでございます。三十一年度の当初計画における千六百二十八億円に対し、約二百四十億円の増でございます。第二は、基準財政需要額の算定に関して、まず、地方財源の増強、歳入構成の是正ともにらみ合せ、投資的経費算定の適正化を中心として、給与改訂、施設の耐用年数の合理化等を織り込んで、単位費用の全般にわたり改訂を加え、さらに、測定単位の新設、補正方法の合理化など、算定方法の明確化及び合理化をはかったことでございます。第三は、さきに成立を見ました昭和三十一年度分として交付すべき地方交付税に関する特例に関する法律規定により、昭和三十一年度分の地方交付税の増額分の一部八十六億円が昭和三十二年度に繰り越されて、本年の交付税の総額に加算されることになるのでございますが、これによって、同法の立法趣旨に基き、昭和三十二年度における地方債の元利償還費の一部を措置するため、昭和三十二年度分の基準財政需要額の算定については、経費の種類に特別地方債償還費を加える等の特例措置を講じたことでございます。これによって、昭和三十二年度においては、給与費の増加財源補てんのための特例措置として発行された地方債で自治庁長官の指定するものにかかる元利償還金の全部及び公共事業費等特定事業費の財源に充てるため発行された地方債にかかる利子の半額が、交付税方式によって財源措置をされることとなるのでございます。その他、地方交付税の交付時期及び錯誤に関する取扱いなどにつき規定整備をはかっているのでございます。  本案は、三月十四日衆議院本会議において政府より提案理由の説明があり、質疑が行われたのでございますが、同日直ちに本委員会に付託せられましたので、翌十五日田中国務大臣より提案理由の説明を聴取し、本案の地方財政に及ぼす影響のきわめて重大なるにかんがみ、昭和三十二年度の地方財政計画、昭和三十一年度の地方交付税特例措置、地方税制改正などとも関連せしめて、慎重な審議を行なったのであります。  論議の焦点となりました点は、第一に、地方財政の現状は、行政水準を著しく低下せしめつつ、しかも、巨額の地方債を財源としてようやく全体として収支の均衡を保ち得る状態であって、この際、国税の減税に伴う地方税の減収の上に、さらに地方交付税の自動的減収を甘受すべき余地は全くなく、政府案における繰入率一%程度の調整をもってしては、かりに地方税の自然増収が全体として予想の額に達するといたしましても、少くとも自然増収を期待し得ない弱小団体については、その財政構造の悪化、行政水準の低下は救いがたい事態に至り、せっかくの財政再建の努力も水泡に帰するであろうということ等でございます。第二は、地方交付税制度本来の建前から見まして、繰入率決定の前提となった、国、地方相互間の制度的関係が別段の変更を加えられていない現状において、単に国税の制度が改正されたという、いわば他動的な事由に基いて、地方団体が当然に得べきであった収入を失うということは、財政運営の安定を阻害し、本制度の趣旨を没却するものであるという点でございました。第三は、三十一年度における地方交付税法特例措置によって、三十一年度分に増額された交付税額の一部を三十二年度に繰り越し、これを三十二年度における公債費対策に充当するという本年度の特例措置につき、第一に、この増額分は、本来の自然増収分として、三十二年度の地方交付税に加算さるべき財源であり、これを繰り上げて使用するとすれば、その財源補てんは当然政府が行うべきであるにかかわらず、その措置を明確にしていないこと、第二に、この地方財政健全化のため残された最も重要な施策である公債費対策を、昭和三十二年度限りの地方交付税特例措置というような変則的な措置で当面を糊塗し、来年度以降についての対策を明らかにしていないということ、これらはいずれも無責任のそしりを免れないという点でございます。  これらの論議に対しまして、政府は、いずれも、三十二年度における地方税の自然増収その他の財政状況の推移を見定めた上、三十三年度以降につき措置決定する、公債費対策については、本年度の臨時的措置は当然来年度以降の本格的対策の第一歩をなすものと考えている趣旨の答弁をいたしているのでございます。  五月十五日質疑終了いたしましたところ、北山愛郎君提出にかかる修正案提出され、同君より趣旨の弁明がありました。修正案内容は、地方交付税の総額を、改正原案の国税三税の百分の二十六から百分の二十八に改め、これを昭和三十二年度分の地方交付税から適用しようとするものでございます。これに対する内閣の意見を聴取いたしましたところ、田中国務大臣は、予算も成立した今日、遺憾ながら賛成できぬ旨答弁されたのでございます。  かくて、原案並びに修正案を一括して討論に付し、加賀田進君は、日本社会党を代表して、修正案賛成原案に反対の意見を述べられ、次いで採決の結果、修正案賛成少数をもって否決され、原案賛成多数をもって可決せられました。よって、本案原案の通り可決すべきものと決しました。  なお、本案に対しまして附帯決議を付すべしとの動議が鈴木直人君より提出せられ、趣旨弁明がありましたが、その全文は、    附帯決議   政府は、地方財政の現況にかんがみ、左の措置を講ずべきである。  一、昭和三十三年度以降における公債費の処理及び勤務地手当制度の改正に伴い増加する財政需要額に対し、地方交付税率を一・五%引き上げることにより措置すること。  右決議する。  これに対して内閣の所見をただしましたところ、池田大蔵大臣は、政府は誠意をもって決議の趣旨に沿いたいと思う旨の答弁がございました。  次いで、採決に入り、賛成多数をもってこの決議を付することと決した次第でございます。  さらに、本案と関連して、この際次のごとき決議を行うべしとの動議が鈴木直人君より提出されました。その趣旨弁明があり、採決の結果、全会一致をもって、これを本委員会の決議とすることに決した次第でございます。  その全文は、    交付公債に関する決議   国の直轄工事に対する地方団体の分担金は、その特殊性に基き、交付公債により納付することができるものとされているが、地方財政の現状及び直轄事業の本質等に鑑み、政府は、交付公債を無利子とする措置を講ずべきである。  右決議する。 というのでございます。  以上、御報告申し上げます。(拍手
  54. 杉山元治郎

    ○副議長(杉山元治郎君) 討論の通告があります。順次これを許します。北山愛郎君。   〔北山愛郎君登壇
  55. 北山愛郎

    ○北山愛郎君 ただいま議題となりました地方交付税法改正案について、私は、日本社会党を代表して、政府原案に反対するの趣旨を明らかにいたしたいと存じます。  まず最初に、私は、与党内にあって本案修正のため最後まで努力された議員各位に対し、深く敬意を表したいと存じます。(拍手)  言うまでもなく、社会党は、交付税率をとりあえず昭和三十二年度から百分の二十八に引き上げることを方針としているのでありますが、与党一部の、地方財政に正しい理解を持つ諸君と協議した結果、明年度から百分の二七・五に引き上げることに同調し、昨日まで両党の共同修正の成立を期待しておったのでございます。しかるに、これら与党良識派の努力も頑迷なる幹部を動かすに至らず、共同修正が水泡に帰し、私がこの壇上から反対の討論をなさなければならないことは、私のはなはだ残念に思うところであります。(拍手)わずかに附帯決議でお茶を濁したようでありますが、自民党内部の御決定がどうであろうとも、われわれの知るところではございません。附帯決議は、国会に関する限りはあくまで附帯決議でございまして、断じて法律ではないのであります。われわれ社会党は、今までの附帯決議の実績にかんがみまして、このような附帯決議に責任を分担するわけには参らぬのでございます。  自民党の幹部各位は、料理店や、キャバレーの要望にこたえ、遊興飲食税の公給領収証制度を骨抜きにすることについては、あらゆる反対を押し切ってでも実行するが、全国府県、市町村一致の希望である地方交付税の引き上げについては、はなはだ消極的であることに納得ができないのは、私一人ではないと思うのであります。(拍手)岸内閣の新政策の中には、当然地方財政対策が入るであろうと期待をいたしたのであります。ところが、その新政策なるものが、まず核兵器が憲法違反ではないというような新しい解釈であったり、あるいは公定歩合の引き上げであったり、あるいはまた公給領収証の選択制採用ということでは、はなはだしくわれわれの期待を裏切るものがあるのでございます。  本年度の地方交付税は、減税がなかったものとすれば、二五%の率に据え置いたといたしましても、二千二十二億円になるのが当然であります。これが減税政策の影響を受けて千八百六十七億円、すなわち百五十五億円を減額されたのでありまして、このことは、地方交付税制度の建前である、安定した地方の一般財源を確保する趣旨に全く違反するものであるといわなければなりません。(拍手)すでに、昨年の十二月、地方制度調査会の答申は、この点に触れまして、国税所得税の大幅な減税が実現され、これに伴い影響をこうむる地方税や地方交付税について所要の補てん措置が講ぜられないならば、地方税、地方交付税制度の本旨は没却せられ、ようやく立ち直り始めた地方団体の財政再建の意欲を阻喪させ、これを妨げるであろうと指摘をいたしておるのであります。さらに、所得税に大幅な減税が行われる場合は、これに伴う自動的減収を回避できるように、地方交付税の率を調整すべきであるとも言っているのであります。今回の政府案は、この地方制度調査会の答申を無視し、地方自治体一致の要望を黙殺した不当な措置といわなければなりません。  次に、このような地方交付税の実質的切り下げは、地方団体相互間の財政調整の点から見ても、きわめて妥当を欠くものがあります。臨時税制調査会は、この点について、経済発展の地域的不均衡は避けがたい、また、行政水準の均衡化あるいは後進地域の開発の要請はますます強くなるのであるから、地方団体間の財源調整機能は一そう強化充実する必要がある、かように指摘しているのであります。年々累増する地方財政需要に対応しながら、さらに貧富の経済的不均衡を調整する有効かつ強力な手段としての地方交付税がますます増大することは当然でございましょう。今度の政府案はこの調整機能をはなはだしく弱めるものといわなければなりません。今年度の地方財政計画を一見すれば、このことは一そう明らかでございます。一兆一千四百六十一億円の地方財政計画のうち、交付税の配分を受けない、いわゆる不交付団体の方は二千九百六十三億円、これに反して交付団体の分は八千四百九十七億円であり、それぞれ前年に比べて一四%及び六・六%の増加を示しているのであります。すなわち、大都市や富裕団体の財政規模は一四%もふえるのに、交付税をもらわなければやっていけないような地方団体の分はわずかに六%しかふえないということは、明らかに両者の財政不均衡の拡大を示しているものであります。しかも、財政の大きさにおいては三分の一しかないところの不交付団体の税収の自然増は三百八十億であります。これに反して、交付団体のそれは二百四十七億円にしかすぎないのであります。ちょうど大都市に神武景気が偏在しているように、地方財政にも貧富の断層がいよいよ深くなっているのであります。今年の地方財政計画に示されたこれらの数字は、地方交付税の財政調整機能を軽視した政府案の誤謬の結果であり、われわれの断じて容認し得ないところであります。(拍手)  最近地方財政は改善されたといわれますが、それは、人員の整理、昇給昇格のストップ、事業の極端な圧縮によることは申すまでもありません。試みに佐賀県の例をとれば、二百五十九人という大量の首切りに端を発して、教員組合の抗議闘争に対する警察の弾圧に発展した、あの佐賀県におきましては、これは代表的な赤字県であります。しかも、昭和四十年まで十年間の長きにわたって、再建団体として準禁治産者の状態につながれているのであります。その間に一千名の職員を整理し、投資、建設の経費は、昭和三十年度の二十五億六千七百万円から、昭和三十四年度にはわずかに九億九千一百万円に急減し、その反面、県税の税率の引き上げ、法定外普通税の新設、授業料、手数料の値上げ、徴税の強化と、住民負担の増大が再建計画で命令をされておるのであります。その上に、税金の大半は借金の償還に充てなければなりません。昭和三十一年佐賀県県税収入十億四千九百万円のうち、実に七億七千五百万円は地方債の借金の元利償還に回さなければならない状態であります。職員給与の昇給は過去七回にわたってストップ状態であります。学校の児童生徒は一教室当り五十五名ないし六十五名というふうに詰め込んでおるのであります。十年という長い間、職員に犠牲をしい、事業を縮小し、税金だけはどんどんふやし、その大半を借金にとられるということでは、どこに一体地方財政の確立があり、どこに地方自治体の生命があり、どこに政治があるかと言いたいのであります。(拍手)先日、佐賀県の知事が地方行政委員会に参りまして、その陳述の中で、昭和二十九年の警察法の改正以来、佐賀県は毎年五千万円ずつ県の一般財源から警察費に持ち出しをしておると申しておりました。他の府県も同様でありますが、府県警察の設置以来、地方交付税の算定が不足であるために、毎年数十億円の負担を赤字の府県に加えて参ったのであります。五千万円の警察費負担がなかったならば、佐賀県では二百五十九名の教員の首切りはしなくても済んだのであります。佐賀県の教員組合も抗議闘争などの必要もなかったのであります。ましてや、警察の介入などは思いも寄らないのであります。(拍手)これをたとえて言うならば、少したとえは古いのでありますが、春秋の筆法をもってすれば警察法の改正こそが佐賀県数百名の教員の首切りをやらせた原因であります。(拍手)警察によって首を切られ、また、その警察によって逮捕、弾圧をされるということでは、これは泣くにも泣けない、まさに踏んだりけったりではありませんか。(拍手)法を守ることは、もとより大切であります。しかし、法を守らせるためには、まず道理を守らなければなりません。佐賀県財政の窮迫の原因を解決しないで、大法全書の片すみにある罰則規定などを探し出して、権力によって法を守ろうとすることは、愚かなる反動政治以外の何ものでもありません。(拍手)  問題は佐賀県だけではないのであります。昭和三十年度の地方の決算報告の数字は、地方団体の行政水準が急激に低下していることを示しております。地方の投資的、建設的経費は、昭和二十九年に比べて実に四百六十二億円、すなわち二二%の減少となっており、ふえたのは警察費の三七%、借金の元利償還の四〇%だけであります。政府が、国家予算の上で、いかに総合開発の促進をうたい、社会保障の拡充や教育水準の向上を宣伝しても、これを実施する第一線の地方自治体がこのありさまでは、せっかくの政策も羊頭狗肉の結果に終ることは、火を見るよりも明らかでありましょう。(拍手)地方団体の行政水準の低下は国全体の政治の貧困を物語るものであり、保守党政府の重大な責任と申さなければなりません。(拍手)  本年度は、公共事業等の増加によって地方の負担は約百億円ふえるのに対して、地方債のワクは五十五億円逆に減っておるのであります。差引合計百五十五億円だけ事業に伴う地元負担を一般財源から回さなければならぬ。これに加えて給与の改訂による二百二十五億円、そのほかに借金の元利償還等が昨年よりも百四十三億円もふえて参るのであります。市町村国民健康保険は軒並みに赤字に苦しみ、医療機関に対する未払いはふえ、保険税は大幅に増加をしいられております。市町村国民健康保険事業維持のため、一般会計から持ち出しをしておる四十億円は、地方財政計画では無視されております。地方交付税対象にもなっておらぬのであります。国民健康保険の財政を今のままで置いて国民皆保険を唱えることは、愚劣なナンセンスといわなければなりません。(拍手)文化国家、福祉国家建設のための新政策の第一歩は地方財政の確立であり、まずもって地方交付税の率をわが党修正の通り二八%に引き上げるとともに、地方債元利償還の一部を国家から補給することから始めるべきであることを、われわれは強く主張するものであります。(拍手)しかも、これは、社会党だけの主張ではなくして、全国の府県、市町村の総意であります。  先日来の春闘処分をめぐる論争の中で、政府与党の諸君は、国民に迷惑をかける労働者を攻撃して、自分たちだけが国民利益と福祉の擁護者であるかのようにお話をされました。しかし、その国民の味方であるはずの政府与党がへ地方交付税引き上げに対する全国民的要請をすら受け入れをすることができないとは、何たる矛盾でございましょうか。(拍手)もとより、労働者のための政党でもなく、農民の利益を守る政党でもなく、全府県、市町村の要望をも顧みないとするならば、それは一体だれのための政党でございましょう。(拍手政府与党幹部は、独占資本の要求や、料理屋、キャバレーのおかみさんたちの陳情よりも、知事、市町村長の要請を軽視することによって、みずからの墓穴を掘ろうとなさるならば、私はあえてこれをとめようとは思いません。(拍手)しかしながら、最後に、与党内一部良識の人々の努力がついに本案修正の実を結ぶに至らなかったことについては重ねて深く遺憾の意を表しつつ、私の反対討論を終る次第でございます。(拍手
  56. 杉山元治郎

    ○副議長(杉山元治郎君) 永田亮一君。   〔永田亮一君登壇
  57. 永田亮一

    ○永田亮一君 私は、自由民主党を代表いたしまして、ただいま議題となりました、政府提案にかかる地方交付税法の一部を改正する法律案につきまして賛成をいたし、日本社会党の修正案に対して反対の意思を表明いたしまして、討論を行わんとするものであります。  今回、政府の提案いたしました法律案目的は、申すまでもなく、再建途上にある地方財政をさらに健全化することでありまして、その方策の一環といたしまして、地方交付税の率を現行の百分の二十五から百分の二十六に引き上げたのであります。   〔副議長退席、議長着席〕  地方財政の現状につきましては、ここ一両年にわたる政府並びに自由民主党の適確なる諸施策と、たゆまざる努力によりまして、ようやく長年の財政窮乏から徐々に回復いたしまして、地方財政は健全化の道を進みつつあるのであります。(拍手)しかしながら、長年の窮乏による疲弊は早急には回復しがたく、人件費のような消費的な経費の増加、あるいは公債費の累増というようなことが地方財政の運営を困難にし、しかもなお、財政収支の均衡を保持する必要のために事業費を強く圧縮することとなりまして、そのため各種地方行政の水準低下を招きつつあることもまた事実であります。  政府は、さしあたっての地方財政の改善策といたしまして、今回、昭和三十一年度分といたしまして交付すべき地方交付税の自然増の一部を昭和三十二年度の地方交付税の総額に加算して交付することができるように、特別の措置を行いました。そして、これを本年度の地方公債費の財源としたのであります。また、地方交付税の総額につきましては、本法案によりまして率を一%引き上げまして、これによって、国税所得税の減税に伴って地方交付税に生ずる減収をできるだけ回避したのであります。この第一の方法によりまして、昭和三十二年度八十六億円の措置が行われ、第二の税率の引き上げによりまして七十二億円が増加いたしました。両者を合すれば百五十八億円増額されることになりまして、実質的にこれを見るならば、その率は二・一九%の引き上げとなるのであります。もとより、本年度の公債費処理に対する政府措置及び地方交付税の税率の引き上げが一%にとどまったということにつきましては、これを純理論的に見れば、あるいは明確を欠くきらいのある便宜の措置であり、また、地方交付税の性格にもふさわしくないものとして議論の余地があるということは、私もあえて否定するものではございません。しかしながら、地方行財政の要請にかんがみまして、しからばどの程度に交付税率を定めるかということは、きわめて慎重に各般の事情及び条件を考慮して、現実に即して、国及び地方の両財政の大局に立って適正な率を定めることが政治の要諦と考えるのであります。(拍手)  この点について検討いたしますときに、日本社会党の修正案は、地方交付税の税率を、今直ちに、本年度から、百分の二十五を一ぺんに三%飛び上げて百分の二十八に改めようとするものでありますが、これは、理想に走って現実を忘れ、理屈にとらわれて実際を無視したものであります。(拍手)責任の地位を離れて理想のみを論ずるということは、いとたやすいことでありまするが、とうてい実行不可能なものには、遺憾ながら反対せざるを得ないのであります。しかしながら、日本社会党の諸君が、民主政治の基盤としての地方自治に深い関心を持たれて、地方財政の現状をいたく憂慮せられて、地方財政確立のために従来より大へんな熱意を傾倒せられましたことにつきましては、私は衷心から敬意を表するものであります。(拍手)今回の御提案もまた地方財政に対する御熱情の表現といたしまして理解するのに苦しむものではありませんが、ただ、現実政治の問題といたしましては、ここに反対の意思を表明せざるを得ないのを遺憾とする次第であります。  これに反しまして、わが自由民主党は、しっかりと大地に足をつけ、空論に走らない地方財政の確立について従来よりあらゆる努力を続けてきたのでありまするが、本年度は公債費処理として八十六億円が措置せられまして、一%の交付税率の引き上げと相待ちまして、実質的には二七・一九%となることを考えるならば、これをもって一応は財政の健全化は進められると思うのであります。ただ、公債費の問題は、本年度限りのことではなく、相当長期にわたることと考えられますので、少くとも交付税の繰入率は実質的に本年度程度の率であることが至当と思われるのであります。この見地に立ちまして、わが党は、これを附帯決議に明示いたしまして、昭和三十三年度以降は地方交付税の率を百分の二十七・五とすることとし、政府当局は責任を持ってこれを実現する旨言明しておりまするので、地方財政の再建は期して待つべく、(拍手)各般の事情を勘案いたしますときに、わが党のとる方策が最も時宜を得たるものと思うのでありまして、日本社会党の修正案には遺憾ながら反対せざるを得ないのであります。  よって、ここに、政府案に賛成いたしまして、日本社会党の修正案に反対をして、私の討論を終る次第であります。(拍手
  58. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) これにて討論は終局いたしました。  採決いたします。この採決は記名投票をもって行います。本案委員長報告可決であります。本案委員長報告の通り決するに賛成の諸君は白票、反対の諸君は青票を持参せられんことを望みます。閉鎖。  氏名点呼を命じます。   〔参事氏名を点呼〕   〔各員投票〕
  59. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 投票漏れはありませんか。——投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。開匣。開鎖。  投票を計算いたさせます。   〔参事投票を計算〕
  60. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 投票の結果を事務総長より報告いたさせます。   〔事務総長朗読〕  投票総数 二百五十八   可とする者(白票) 百五十二   〔拍手〕   否とする者(青票) 百六   〔拍手
  61. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 右の結果、本案委員長報告の通り可決いたしました。     —————————————  地方交付税法の一部を改正する法律案委員長報告の通り決するを可とする議員の氏名       阿左美廣治君    相川 勝六君       愛知 揆一君    青木  正君       赤城 宗徳君    赤澤 正道君       秋田 大助君    荒舩清十郎君       有田 喜一君    有馬 英治君       五十嵐吉藏君    池田 清志君       石坂  繁君    稻葉  修君       今松 治郎君    植木庚子郎君       植村 武一君    臼井 莊一君       内田 常雄君    江崎 真澄君       小笠 公韶君    小笠原三九郎君       小川 半次君    小澤佐重喜君       越智  茂君    大倉 三郎君       大島 秀一君    大高  康君       大坪 保雄君    大野 市郎君       大平 正芳君    岡崎 英城君       荻野 豊平君    加藤 精三君       加藤 高藏君    加藤常太郎君       加藤鐐五郎君    鹿野 彦吉君       上林山榮吉君    亀山 孝一君       川崎末五郎君    川崎 秀二君       川島正次郎君    菅  太郎君       木村 文男君    菊池 義郎君       吉川 久衛君    倉石 忠雄君       小枝 一雄君    小金 義照君       小島 徹三君    小平 久雄君       小山 長規君    纐纈 彌三君       佐々木秀世君    笹本 一雄君       笹山茂太郎君    志賀健次郎君       椎名悦三郎君    椎名  隆君       重政 誠之君    島村 一郎君       白浜 仁吉君    周東 英雄君       杉浦 武雄君    助川 良平君       鈴木周次郎君    鈴木 直人君       薄田 美朝君    砂田 重政君       瀬戸山三男君    田口長治郎君       田中伊三次君    田中 角榮君       田中 龍夫君    田中 久雄君       田中 正巳君    田村  元君       高岡 大輔君    高木 松吉君       高瀬  傳君    高橋 禎一君       高橋  等君    竹内 俊吉君       竹尾  弌君    竹山祐太郎君       千葉 三郎君    塚田十一郎君       辻  政信君    徳田與吉郎君       徳安 實藏君    床次 徳二君       内藤 友明君    中垣 國男君       中嶋 太郎君    中山 マサ君       永田 亮一君    永山 忠則君       長井  源君    丹羽 兵助君       根本龍太郎君    野澤 清人君       野依 秀市君    馬場 元治君       橋本登美三郎君    橋本 龍伍君       長谷川四郎君    畠山 鶴吉君       花村 四郎君    林讓  治君       林   博君    原  捨思君       平野 三郎君    廣瀬 正雄君       福井 盛太君    福田 赳夫君       福永 健司君    藤本 捨助君       淵上房太郎君    船田  中君       古井 喜實君    古川 丈吉君       古島 義英君    保利  茂君       保科善四郎君    坊  秀男君       本名  武君    眞崎 勝次君       前尾繁三郎君    前田房之助君       前田 正男君    町村 金五君       松澤 雄藏君    松永  東君       松野 頼三君    松山 義雄君       三浦 一雄君    三木 武夫君       三田村武夫君    粟山  博君       森   清君    森下 國雄君       森山 欽司君    八木 一郎君       山崎  巖君    山下 春江君       山中 貞則君    山本 正一君       山本 友一君    横川 重次君       吉田 重延君    米田 吉盛君  否とする議員の氏名       青野 武一君    赤路 友藏君       足鹿  覺君    飛鳥田一雄君       淡谷 悠藏君    井岡 大治君       井谷 正吉君    井手 以誠君       井上 良二君    井堀 繁雄君       伊藤卯四郎君    池田 禎治君       石田 宥全君    石橋 政嗣君       石村 英雄君    石山 權作君       稻村 隆一君    今澄  勇君       今村  等君    受田 新吉君       小川 豊明君    大矢 省三君       岡  良一君    岡本 隆一君       加賀田 進君    加藤 清二君       春日 一幸君    片島  港君       上林與市郎君    神田 大作君       川俣 清音君    川村 継義君       河上丈太郎君    河野  正君       木原津與志君    菊地養之輔君       北山 愛郎君    栗原 俊夫君       小平  忠君    小牧 次生君       小松  幹君    五島 虎雄君       佐々木更三君    佐々木良作君       佐竹 新市君    佐竹 晴記君       佐藤觀次郎君    坂本 泰良君       櫻井 奎夫君    島上善五郎君       下平 正一君    杉山元治郎君       鈴木茂三郎君    田中 武夫君       田中 利勝君    田万 廣文君       多賀谷真稔君    高津 正道君       滝井 義高君    楯 兼次郎君       辻原 弘市君    堂森 芳夫君       中井徳次郎君    中島  巖君       中原 健次君    中村 高一君       中村 英男君    永井勝次郎君       西村 榮一君    西村 彰一君       西村 力弥君    野原  覺君       芳賀  貢君    原   茂君       原   彪君    日野 吉夫君       平岡忠次郎君    平田 ヒデ君       古屋 貞雄君    細迫 兼光君       細田 綱吉君    前田榮之助君       正木  清君    松尾トシ子君       三鍋 義三君    三宅 正一君       門司  亮君    森島 守人君       森本  靖君    八百板 正君       八木 一男君    八木  昇君       矢尾喜三郎君    安平 鹿一君       柳田 秀一君    山口丈太郎君       山崎 始男君    山下 榮二君       山田 長司君    山本 幸一君       横錢 重吉君    横路 節雄君       横山 利秋君    吉田 賢一君       和田 博雄君    渡辺 惣蔵君      ————◇—————
  62. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 本日はこれにて散会いたします。    午後六時三十七分散会      ————◇—————  出席国務大臣         文 部 大 臣 灘尾 弘吉君         農 林 大 臣 井出一太郎君         建 設 大 臣 南條 徳男君         国 務 大 臣 宇田 耕一君         国 務 大 臣 田中伊三次君  出席政府委員         内閣官房副長官 北澤 直吉君         行政管理庁管理         部長      岡部 史郎君         外務政務次官  井上 清一君         大蔵政務次官  足立 篤郎君         厚生政務次官  中垣 國男君         厚生省公衆衛生         局環境衛生部長 楠本 正康君      ————◇—————