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1957-04-16 第26回国会 衆議院 本会議 第33号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
三十二年四月十六日(火曜日)
━━━━━━━━━━━━━
昭和
三十二年四月十六日 午後二時 本
会議
━━━━━━━━━━━━━
●本日の
会議
に付した案件
一般職
の
職員
の
給与
に関する
法律
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
)
特別職
の
職員
の
給与
に関する
法律
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
)
防衛庁職員給与法
の一部を
改正
する
法律案
(内 閣
提出
)
判事補
の
職権
の
特例等
に関する
法律
の一部を改 正する
法律案
(
内閣提出
)
裁判所法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
)
引揚者給付金等支給法案
(
内閣提出
) 午後三時七分
開議
益谷秀次
1
○
議長
(
益谷秀次
君) これより
会議
を開きます。
————◇—————
益谷秀次
2
○
議長
(
益谷秀次
君) この際御紹介申し上げます。ただいま
オーストラリア内閣総理大臣ロバート
・ゴードン・メンジス氏が
貴賓席
にお見えになりました。本院に同氏をお迎えいたしましたことは、まことに喜びにたえません。ここに
諸君
とともに心から歓迎の意を表します。 〔
拍手
〕
————◇—————
一般職
の
職員
の
給与
に関する
法律
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣
提出
)
特別職
の
職員
の
給与
に関する
法律
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣
提出
)
防衛庁職員給与法
の一部を
改正
す る
法律案
(
内閣提出
)
山中貞則
3
○
山中貞則
君
議案上程
に関する
緊急動議
を
提出
いたします。すなわち、この際、
内閣提出
、
一般職
の
職員
の
給与
に関する
法律
の一部を
改正
する
法律案
、
特別職
の
職員
の
給与
に関する
法律
の一部を
改正
する
法律案
、
防衛庁職員給与法
の一部を
改正
する
法律案
、右三案を
一括議題
となし、
委員長
の
報告
を求め、その
審議
を進められんことを望みます。
益谷秀次
4
○
議長
(
益谷秀次
君)
山中
君の
動議
に御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
益谷秀次
5
○
議長
(
益谷秀次
君) 御
異議
なしと認めます。
一般職
の
職員
の
給与
に関する
法律
の一部を
改正
する
法律案
、
特別職
の
職員
の
給与
に関する
法律
の一部を
改正
する
法律案
、
防衛庁職員給与法
の一部を
改正
する
法律案
、右三案を一括して
議題
といたします。
委員長
の
報告
を求めます。
内閣委員会理事大平正芳
君。 〔
大平正芳
君
登壇
〕
大平正芳
6
○
大平正芳
君 ただいま
議題
となりました三
法案
につきまして、
内閣委員会
における
審議
の
経過
並びに結果を簡単に御
報告
申し上げます。 まず、
一般職
の
職員
の
給与
に関する
法律
の一部を
改正
する
法律案
について申し上げます。
本案
は、
委員会付託
に先だって、去る三月十四
日本会議
に
上程
、
政府
より
提案理由
の
説明
があり、
質疑応答
が重ねられたものであって、その
内容
はきわめて複雑かつ精密なものでありますが、その本旨とするところは、昨年七月十六日になされた
人事院勧告
の
趣旨
にかんがみ、
一般職
の
職員
の
俸給制度
を
職務
の特性に応ずるように
改正
すると同時に、新
制度
への切りかえに当って必要な
調整措置
を講じようとするものであります。その結果、
職員
の
給与額
は前年度に比し平均約六・二%の
改善
になる見込みであります。 次に、
特別職
の
職員
の
給与
に関する
法律
の一部を
改正
する
法律案
について申し上げます。
本案
は、
一般職
の
職員
の
給与制度
の
改正
に伴い、
特別職
の
職員
のうち、
東宮大夫
、
式部官長
及び秘書官につき、
一般職
の
職員
との
権衡
を考慮して、
俸給月額
を若干増額するほか、
特別職
の
職員
であって常勤を要する
国家公務員
として長期間在職した者につき
特別手当
を支給できるようにする等のため、
所要
の
改正
を加えようとするものであります。 次に、
防衛庁職員給与法
の一部を
改正
する
法律案
について申し上げます。
本案
は、今回の
一般職
の
職員
の
給与制度改正
の
趣旨
に準じ、
防衛庁職員
の
給与
の
改正
を行おうとするもので、その
要旨
は、参事官、
自衛官等
それぞれに適用される
俸給表
につきましては、
従前
と同様の
方法
でこれに対応する
一般職
の
俸給表
にならって
改訂
を行い、
事務官等
につきましては、
従前
の
通り一般職
の
職員
の
俸給表
によることとしようとするものであります。なお、
俸給制度改正
に伴う
新旧俸給額
の切りかえ及び切りかえに伴う
措置
に関しましても、
一般職
の
職員
のそれに準じて定め、その他
関係
諸
規定
の整備を行なっておるのであります。 以上が各
法案
の
要旨
でございます。
一般職
の
職員
の
給与
に関する
法律
の一部を
改正
する
法律案
は三月十四日、他の二
法案
は三月六日それぞれ本
委員会
に
付託
となり、三月十五日
政府
より各
法案
について
提案理由
の
説明
を聴取、三月十九日より
審議
に入ったのであります。
質疑
の焦点となりましたことは、
現行給与法
を延長した場合と
改正案
を適用した場合との
給与額
その他処遇の
比較
、新
等級制
の意義並びにその
運用方針
、
民間
並びに三公社、五現業の
給与
との
比較
、
本案
の
地方公務員
に及ぼす影響、
公務員制度改正
の
方針等
に関するものでありましたが、その詳細は
会議録
により御
承知
を願うことにいたします。
内閣委員会
としては、
本案
の
重要性
にかんがみ、特に
給与
に関する小
委員会
を設け、周到な
検討
を委託したのでありますが、小
委員諸君
は、終始熱心かつ周密なる
検討
を続けられ、与野党の対立を超克しつつ、小異を捨てて大同につかれ、四月二日には新
俸給制度
並びにその
運用
に関し、四月十二日にはさらに
地域給制度
に関し、それぞれ帰一した
結論
に到達されたのであります。 かくて、本日
地方行政委員会
との
連合審査会
を行なった後、
質疑
を終了いたしましたところ、小
委員会
の
結論
に基き、三
法案
に対する
自由民主党
並びに
日本社会党共同提案
にかかる
修正案
が
提出
され、
大平委員
よりその
趣旨弁明
がなされたのであります。 その
要旨
を申し上げますと、第一点は、
俸給制度
の
改訂
中、
行政職
及び
技能職
の
俸給表
の
細分化
は、これにより
職員
に身分上の
差別感
を与え、
勤労意欲
を阻害するおそれがあるので、
行政職
及び
技能職
の
俸給表
をそれぞれ一本に統合し、その呼称をかえること、第二点は、
民間
その他との
権衡
上、
初任給
を
新高卒
につき三百円、
新中卒
につき二百円、それぞれ引き上げ、これに伴って
俸給月額
を若干手直しすること、第三点は、
地域給
を
廃止
し、
暫定手当
を設けることにしたこと等であります。 第三の
地域給
の
廃止
について一言付言いたしますと、
現行
の
勤務地手当
の
制度
は本年三月三十一日限り
廃止
するが、各
地域
に在勤する
職員
の
勤務地手当
の現給を保証するため、当分の
間現行
の
地域区分
に応じて定額の
暫定手当
を支給するとともに、
現行
の
無給地
に在勤する
職員
に対しては、本年十月一日以降一級地の
暫定手当額
の五分の二
相当額
を、明三十三年度にはその五分の三
相当額
をそれぞれ支給することとし、
昭和
三十四年四月一日以降は、その五分の五
相当額
を
本俸
に繰り入れ、もって
現行
の
無給地
を解消することといたしたわけであります。 他の二
法案
に対する
修正案
は、
一般職
の
職員
の
給与
に関する
法律
の
改正案
に対する
修正点
を準用して策案したものであります。 以上が各
修正案
の
要旨
であります。 次いで
採決
に付しましたところ、三
法案
はいずれも
全会一致
をもって自社両
党共同修正案
の
通り
修正
議決すべきものと決した次第であります。 なお、
石橋政嗣委員
より両
党共同
の
附帯決議案
が
提出
されましたが、これまた
全会一致
の議決を見たのであります。
附帯決議
を朗読いたします。
本案
の
実施
に当っては、
政府
は、
左記事項
について必要なる
措置
を講ずること。 一、
一般係員
で現在六級以上の者は、
原則
として、
行政職俸給表
(一)の七
等級
へ格付すること。 一、
翻訳職
、
専門職等組織
上の
役職名
のない
職員
で現在十一級の者は、その
職務内容
に応じて
行政職俸給表
(一)の四
等級
へ格付すること。 一、
研究職員
で部長、課長、
室長等
の
役職名
のない
職員
についても、その
研究業績
、
職務内容
に応じて
研究職俸給表
の四
等級
以上の
等級
へ格付すること。 一、
行政職俸給表
(二)に該当する
職員
で、鑑定、模写、
工芸品製作
、
欧文ステ
ノタイプその他高度の
特殊技能
を有する者及び特に規模の大きい官庁における
配車係長
その他
技能関係
の高度の
管理的業務
に従事する者は、
行政職俸給表
(一)を適用させること。 一、機器の
運転操作
その
地技能
を必要とする
業務
に従事する
職員
で現在六級以上の者は、
原則
として、
行政職俸給表
(二)の三
等級
へ格付すること。 一、その他右に準じて取扱うことを適当と認められるものについては、格付上十分考慮すること。 一、
改正旅費法
中、
現行
より不利となる
部分
については十分考慮すること。 一、
暫定手当
の整理を行う場合には
現行
一級
地相当額
はこれを
本俸
に繰入れること。 一、
勤務地手当廃止
に伴って生じた
余剰経費
は、本年度中において、これを
給与改善原資
に充当すること。 一、
市町村合併
に伴う
同一市町村
内の
暫定手当支給
の不均衡は、なるべく、すみやかにこれを是正すること。 右決議する。 以上でございます。 以上をもって御
報告
を終ります。(
拍手
)
益谷秀次
7
○
議長
(
益谷秀次
君) 三案を一括して
採決
いたします。三案の
委員長
の
報告
はいずれも
修正
であります。三案は
委員長報告
の
通り
決するに御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
益谷秀次
8
○
議長
(
益谷秀次
君) 御
異議
なしと認めます。よって、三案は
委員長報告
の
通り
決しました。
————◇—————
判事補
の
職権
の
特例等
に関する
法律
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
)
裁判所法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
)
山中貞則
9
○
山中貞則
君
議案上程
に関する
緊急動議
を
提出
いたします。すなわち、この際、
内閣提出
、
判事補
の
職権
の
特例等
に関する
法律
の一部を
改正
する
法律案
、
裁判所法
の一部を
改正
する
法律案
、右両案を
一括議題
となし、
委員長
の
報告
を求め、その
審議
を進められんことを望みます。
益谷秀次
10
○
議長
(
益谷秀次
君)
山中
君の
動議
に御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
益谷秀次
11
○
議長
(
益谷秀次
君) 御
異議
なしと認めます。
判事補
の
職権
の
特例等
に関する
法律
の一部を
改正
する
法律案
、
裁判所法
の一部を
改正
する
法律案
、右両案を一括して
議題
といたします。
委員長
の
報告
を求めます。
法務委員会理事池田清志
君。 〔
池田清志
君
登壇
〕
池田清志
12
○
池田清志
君 ただいま
議題
となりました
判事補
の
職権
の
特例等
に関する
法律
の一部を
改正
する
法律案
及び
裁判所法
の一部を
改正
する
法律案
につきまして、
法務委員会
における
審議
の
経過
並びに結果を御
報告
申し上げます。 まず、
判事補
の
職権
の
特例等
に関する
法律
の一部を
改正
する
法律案
につきまして申し上げます。
本案
は、当分の間の
措置
といたしまして、
判事補
としての
職権
の制限を受けない、いわゆる
職権特例判事補
に
高等裁判所
の
判事
の
職務
を行わせることができるようにしようとするものでありまして、これによって
高等裁判所判事
を第一審の
裁判官
に配置がえし得る道を開き、もって第一審の
充実強化
を円滑に行うようにするのを目的としたものであります。 さて、
法務委員会
におきましては、
判事補
の特認を当分の間の
措置
としているが、
裁判官
の質が低下していく
折柄
、これに対する
根本方策
はあるのか、また、一
審強化
の
方法
として、現在
最高裁判所等
において
司法行政事務
ないしは
調査事務
に従事しておる百余名の
判事
を可能な範囲で
裁判事務プロパー
に配置転換させることがよいではないかなどについて
質疑応答
がありましたが、詳細は
速記録
に譲ります。 かくて、本日
質疑
を終了し、
討論
に付しましたが、別に
発言
もなく、直ちに
採決
に入りましたところ、本
法案
は
政府原案
の
通り全会一致
をもって可決せられた次第であります。 次に、
裁判所法
の一部を
改正
する
法律案
について申し上げます。
本案
の
改正点
は次の二点であります。第一は、
家事事件
の
審判
及び調停並びに少年の
保護事件
の
審判
に必要な
調査事務
を担当いたしまする
家庭裁判所調査官
の養成、
研修
のため、新たに
最高裁判所
に
家庭裁判所調査官研修所
を設置しようとするものであります。第二は、戦後、民、
刑訴訟法
の
改正
によりまして、事実審の手続は著しく丁重となるとともに、証拠に関する
規定
も厳格なものとなりましたため、
証人等
に対する尋問及びその供述の
内容
はおのずから複雑かつ詳細なものとならざるを得ないこととなったのであります。従いまして、従来の
裁判所書記官
の作成する
調書
のみでは不十分なうらみがありまするので、
速記者
による
速記録
を
調書
に引用添付することによって詳細かつ正確な記録を整備する必要があるものと考えられますので、今回、新たに、
裁判所職員
として、
裁判所速記官
及び
裁判所速記官補
の
制度
を設けようとするものであります。
法務委員会
におきましては、
裁判所書記官
と
速記官
との権限の
調整
問題、
調書
と
速記録
との
関係等
について、
政府当局
と
質疑応答
がありましたが、その詳細は
会議録
に譲りたいと存じます。 かくて、本日
質疑
を終了し、
討論
に付しましたところ、これまた別に
発言
もなく、
採決
しましたところ、本
法案
は
政府原案
の
通り全会一致
をもって可決せられた次第であります。 以上、御
報告
申し上げます。(
拍手
)
益谷秀次
13
○
議長
(
益谷秀次
君) 両案を一括して
採決
いたします。両案は
委員長報告
の
通り
決するに御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
益谷秀次
14
○
議長
(
益谷秀次
君) 御
異議
なしと認めます。よって、両案は
委員長報告
の
通り
可決いたしました。
————◇—————
引揚者給付金等支給法案
(
内閣提
出)
山中貞則
15
○
山中貞則
君
議案上程
に関する
緊急動議
を
提出
いたします。すなわち、この際、
内閣提出
、
引揚者給付金等支給法案
を
議題
となし、
委員長
の
報告
を求め、その
審議
を進められんことを望みます。
益谷秀次
16
○
議長
(
益谷秀次
君)
山中
君の
動議
に御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
益谷秀次
17
○
議長
(
益谷秀次
君) 御
異議
なしと認めます。
引揚者給付金等支給法案
を
議題
といたします。
委員長
の
報告
を求めます。
社会労働委員長藤本捨助君
。 〔
藤本捨助君登壇
〕
藤本捨助
18
○
藤本捨助君
ただいま
議題
となりました
引揚者給付金等支給法案
につきまして、
社会労働委員会
における
審議
の
経過
並びにその結果の大要を御
報告
申し上げます。 過般の大戦の終結により、きわめて多数の同胞がその
生活
の
本拠
とする
外地
からほとんど無一物になって引き揚げ、その
再起更生
については、
内地
の
戦災者等
に
比較
いたしまして、さらに大きな障害があったことは、すでに御
承知
の
通り
であります。従来、これら
引揚者
に対しては、その
実情
にかんがみ、応急的な
援護
とともに、
住宅
の供与、
更生資金
の
貸付等
の
援護更生施策
が行われて参ったのでありますが、昨年十二月、
在外財産問題審議会
より、
内閣総理大臣
に対し、
在外財産問題処理
のための
引揚者
に関する
措置方針
について
答申
が
提出
されたのであります。今回、
政府
は、右の
答申
の
趣旨
にのっとり、
引揚者
に対する
施策
を
実施
する
基本方針
を定め、その
実施方法
に関する諸般の
調整
を終り、ここに
引揚者給付金等支給法案
として提案いたしたのであります。 以下、本
法案
の概要について申し上げますれば、まず第一は、
終戦
時
外地
に六ヵ月以上
生活
の
本拠
を有していた
者等
、所定の要件を具備している者を本法にいう
引揚者
とし、これら
引揚者
に対しましては、
終戦
時の
年令
の
区分
により、五十才以上の者に二万八千円、三十才以上五十才
未満
の者に二万円、十八才以上三十才
未満
の者に一万五千円、十八才
未満
の者に七千呼の
引揚者給付金
を支給することといたしたことであります。なお、
外地
に長く残留することを余儀なくされ、
講和条約発効
後引き揚げた者は、その
実情
にかんがみ、
外地
に
生活
の
本拠
がなかった場合においても
引揚者給付金
の
支給対象
とし、さらに、そのうち、いわゆる
戦争受刑者
につきましては、
年令
にかかわらず、すべて二万八千円を支給することとしたのであります。 第二は、ソ連の参戦または
終戦
に伴って引き揚げねばならなくなった者、あるいは、
外地
に残留することを余儀なくされていた者が、
外地
において死亡した場合及び引き揚げ後二十五才以上で死亡した場合は、それぞれその
遺族
に対し
遺族給付金
を支給することとし、その額は、
外地
で死亡した者の
遺族
につきましては、死亡した者の
終戦
時の
年令区分
により、十八才以上であった場合は二万八千円、十八才
未満
であった場合は一万五千円とし、引き揚げ後死亡した者の
遺族
につきましては、
引揚者給付金
と同様の額を支給することとしたことであります。 第三は、
一定金額
以上の
所得
のある
者等
、現に
生活基盤
の再建をなし得た者には
給付金
を支給しない
趣旨
のもとに、その
所得税額
が八万八千二百円をこえる者及びその
配偶者
には
引揚者給付金
及び
遺族給付金
を支給しないこととしたことであります。 第四は、
引揚者給付金
及び
遺族給付金
の
支給方法
は、
償還期限
十年以内の
記名国債
で交付することとし、利率は年六分、
発行期日
は
昭和
三十二年六月一日としたことであります。 その他、不服の申し立て、
国債元利金
の免税、
実施機関等
、
所要
の
事項
を
規定
いたしているのであります。 なお、本
法案
による
引揚者給付金
及び
遺族給付金
の
支給件数
は約三百四十万、
国債発行総額
は五百億円に達するものと見込まれているほか、この
法案
による
措置
にあわせて、
政府
は、
引揚者
に対する
生業資金
の
貸付
、
住宅貸与
の
援護施策
につきましても、その拡充をはかろうとするものでございます。 本
法案
は、三月二十二
日本委員会
に
付託
せられ、同二十五日
神田厚生大臣
より
提案理由
の
説明
を聴受した後、きわめて熱心なる
審議
が行われ、なお、慎重を期するため、本
委員会
と海外同胞引揚及び
遺家族援護
に関する
調査特別委員会
との
連合審査
を行なっておるのでありますが、それらの詳細につきましては
会議録
により御
承知
願いたいと存じます。 かくて、本月十日
質疑
を終了し、本日の
委員会
において、
自由民主党
及び
日本社会党
の
共同提案
にかかる
修正案
が
提出
せられ、
野澤委員
よりその
趣旨
の
説明
がありました。その
要旨
は、
日本国
との
平和条約
第十一条に定める
裁判
により拘禁された者で、
昭和
二十七年四月二十九日以前に本邦に引き揚げ、かつ引き続き
当該裁判
により同日以後にわたって
内地
で拘禁さられた者を、第二条第一項第四号の
引揚者
に含めることといたそうとするものでございます。 次いで、
討論
を省略して
採決
に入りましたところ、
修正案並び
に
修正部分
を除く
原案
の他の
部分
はいずれも
全会一致
をもって可決し、本
法案
は
修正
議決すべきものと議決いたした次第でございます。 右、御
報告
申し上げます。(
拍手
)
益谷秀次
19
○
議長
(
益谷秀次
君)
採決
いたします。
本案
の
委員長
の
報告
は
修正
であります。
本案
は
委員長報告
の
通り
決するに御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
益谷秀次
20
○
議長
(
益谷秀次
君) 御
異議
なしと認めます。よって、
本案
は
委員長報告
の
通り
決しました。
————◇—————
益谷秀次
21
○
議長
(
益谷秀次
君) 本日はこれにて散会いたします。 午後三時三十二分散会
————◇—————
出席国務大臣
内閣総理大臣
岸 信介君 法 務 大 臣 中村 梅吉君 大 蔵 大 臣
池田
勇人君 労 働 大 臣
松浦周太郎
君 国 務 大 臣 宇田 耕一君 国 務 大 臣
大久保留次郎
君 国 務 大 臣 小滝 彬君
出席政府委員
人事院事務総局
給与局長
瀧本
忠男君
厚生政務次官
中垣 國男君
厚生省引揚援護
局長
田邊 繁雄君
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