○
池田(清)
委員 最高裁判所の機構を改めることはなかなかむずかしい
事柄であろうかと思います。
中村法務大臣は近く
法律案を
提出される、こういうことに伺いましたので、その法案がわれわれの
委員会にかかりました際には、さらに詳しく
お尋ねを申し上げることにいたします。
第五点といたしましては、犯罪の予防鎮圧のことでございます。およそ、犯罪が起きた後に捜査、検挙をして
裁判するということは、末のことであると思うのです。従来はえてしてこの方法に重点が置かれておったやに思うのでございますけれ
ども、犯罪ができない前にこれを防止するということが何よりも大事な
事柄であると思うのでございます。これらにつきましては、
法務省あるいは検察庁等におきましていろいろと
努力をしていただいておるのでありますが、この点につきまして
お尋ねをしてみたいのは青少年の犯罪であります。青少年の犯罪が、日々新聞紙面をにぎわしておると言っても過言でないくらい盛んに行われております。まことに残念に思うのです。青少年の
方々は
日本の将来を背負って立ってもらわなければならない大事な
方々でありますから、私、願いまするのは、健全なる心身を持ったところの青少年であり、そしてそういう
方々が犯罪などをなさらないようにしていただきたい、こう思うのです。ここにおきまして、青少年犯罪の予防、鎮圧ということは、
刑事政策上最も重要な
事柄になって参ると思うのであります。そこで、
一つ資料としてお願いを申し上げておきまするものは、
昭和二十九年以降今日までの青少年犯罪の
増加の
傾向を統計資料によってお
示しをいただく、こういうことであります。映画館に入ってみますと、一時にぎわっておりました太陽族映画というのがございます。太陽族映画そのものよりもさらに感心しない映画があることを
刑事政策
担当の方はお気づきになっていただきたいのです。旧劇におきましてはドスで切り合うというのでありますが、これはわれわれ現代の生活には遠い
事柄であり、歴史上の
事柄として画面を見るでありましょう。ところが、現代劇においては、われわれの生活に取り入れて行うことのできるような
事柄が画面に現われておるのがあります。たとえて申しますと、賭博の現場が出ておる。ピストルで撃ち合う、ドスで突き合う現場が出ておる。これは現在のわれわれの生活に直ちにもって取り入れることができるような
事柄なんです。青少年の
方々がこういうものを見て、それを利用するという気持に全部がならないということであるなら申しませんが、えてしてこういうような影響を受けて青少年犯罪を犯す若い
方々があるであろうと懸念いたしまする際、これらの
事柄について当局といたしましては心を配ってもらわなければならないと思う次第であります。
犯罪の予防、撲滅について次に
お尋ね申し上げまするのは、多数の人々が集まりまして公務の
執行を妨げるという事例があるように見受けます。たとえば、砂川
事件というものの中において、測量をしようという公務
執行の一団が多数の威力によって公務
執行ができなかったということも聞いております。あるいはまた、官庁の廊下に多数がすわり込んでおる、
大臣や次官その他要職の部屋の中にまで入り込んですわり込んでおるというような事例も、御
承知のようにだんだんあるのであります。これが公務
執行妨害となりまするには、暴行脅迫という行為がなければ、その暴状に従ってこれを処断することができません。暴行脅迫に至らない程度の多衆の威力によって公務が
執行されないという場面がだんだんあるのではないかと思うのです。公務は
法律によりまして
国家社会の利益のために
執行されるのでありまするから、その公務
執行は平穏にかつ円滑に行われなければならないと思います。そういう大事な公務
執行であるのに、多数の力によってそれが制約を受けるという事態は、見のがすことができないと私は思うのです。ここにおきまして、当局に
お尋ねいたしますのは、現在ありまする
法律によってこれを処断することができるのかできないのか、それができないとするならば、これについての特別の
立法をいたすべきではないか、こういうことについてお伺いをするわけであります。