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野原委員 三十七条違反だというあなた方の見解を聞いたものだから——それまで
佐賀県の
教育委員会は、
地方公務員法の二十九条だけで実は
行政処分を
考えておった、ところが文部省の方から三十七条違反だ——大臣としてはこういう公けの場所ですから、自分の下僚がどういう発言をしたか、あなたに正確な
報告がないから御
答弁ができないかと思いますけれ
ども、私
ども各般の情勢からそんたくしてみるのに、実はこの指導に当ったところの
諸君が、これは三十七条違反だ、この種の
行為を
教員組合の
諸君がやって困るから断固やれというような激励、鞭撻もあったやに
考えられるふしがたくさんあるのであります。こうなって参りますと、
検察庁は——法務大臣が見えていないから井本さんによく聞いてもらいたいが、
佐賀の司波
検事正は、
教育委員会が三十七条違反だという判断をしたから、このことを重要な参考にして、二カ月の期間を置いて実は
検挙をやったのだ、こういうことを言っております。そうなって参りますと、これは
検察庁としても
検察庁独自の
考えもあっただろうけれ
ども、たとえば公労協にいたしましても、
公務員でこの種の違反事実があった場合には、刑事処分よりも
行政処分を先行するということが慣例になっております。
地方公務員法の三十七条違反は、これは初めての例なんです。これはいまだにないケースですが、事実これに類する問題が起ったときに、
行政処分をやる前に司法処分をやるということはやっていないのです。これは私、法の建前からも当然だろうと思う。監督官庁が処分しないのに、いたずらに
検挙をやって司法処分をやるということはすべきではない、これは当然だろうと思う。だから、その意味では、司波
検事正は、
教育委員会の判断は三十七条違反とある、だからこれを重要な参考として
検挙したのだ——ところが
教育委員会の三十七条違反というのは
一体だれがそそのかしたのか、教唆したのか。教唆したというので六十一条四号で処分しようとしておりますが、
佐賀県の
教育委員会を教唆したのは文部省なんです。
灘尾文部大臣ではないかもしれないが、文部省なんです。これが教唆して、三十七条違反だということでうんとたきつけておいて、
検察庁まで出て、今日
佐賀県の
教育委員会があの泥沼状態に陥っておる。鍋島県知事は泣いておりました。遺憾なことでございます、私は良識のある
教員諸君と
教育委員会が、私が仲立ちをするから話し合いをして、何とかならないものか、
教員組合としても反省すべき点は反省して、
教育委員会としてもいたずらにこの強権を振りかざして、
警察権の介入にのみたよる事態はやめてもらいたい。鍋島県知事は泣いて自分の
意見を言っておる。ところが知事以上に
教育に最も
責任のある文部省が、いたずらに
警察権の介入を促進してきておるということは、私は了解できません。これは
灘尾さん個人の人格はともかくといたしまして、私はこの種のことをしかも
初等中等教育局がこれをやっておる。
初等中等教育局がこういう状態に追い込んで、そうして楽屋裏では拍手かっさいしておる。ざまを見ろ、こういうたんかを切るに至っては、
一体どこの文部省だ、
警察のための文部省か、弾圧のための文部省かと言いたい。きのうの朝日新聞の夕刊の論壇に何と書いてありますか。次のように朝日新聞の論壇は書いておる。「定員過剰の方は、教室をふやし、
先生を増員すれば、いますぐにでも改善されよう。それはやらずに、
教員の整理をやって、
警察の介入まで起している有様では、国や地方公共団体が、子
どもの学力低下をどう思っているのかと、心配になるのである。」と書いてあります。
そこで改めて
お尋ねいたしまするが、この単位制を改めて教科系統云々ということをまじめに検討されることもけっこうですが、
教員の資質の問題を論議するということも大事です。ところが
佐賀県のあの実情はどうなのです。二百五十九人の整理、しかも長い間五十人ということを
学校教育法で規定されておるにもかかわらず、六十人、七十人もすし詰めにされて、今度の場合また同僚が三百人も首を切られて、
佐賀県の
教育は非常に悲惨な状態になったから、がまんできなくなって立ち上ってやった
行動に対して——規制の足りなかった、おもんばかりの足りなかった点もあるいはあるかもしれない、PTA等の話し合いが十分でなかった点もあるかもしれない、そういう点について今日率直に
教員諸君も反省を持ってきておるのです。それを
教育委員会と
教育長と教職員課の主任が来たのをもっけの幸いとして——呼んだのかどうか知りませんが、三十七条違反だ、こう教唆をして、やれやれ。三十七条違反ということになれば、
行政処分だけでは終らぬのです。三十七条違反は、六十一条四号によって三年以下の懲役云々に発展することはわかっておりながら、そのような指導の仕方をする文部
当局を私は今日信頼するわけにいかぬ。まずこの点について、
警察権の介入を促進しておるという私
どものこの見解は間違いであるのか。間違いであるとすればどこが間違いなのか。断じて
警察権の介入を文部省が促進したのではないと断言できる点があれば、文部大臣から御
説明願いたいのであります。