○野原
委員 そうなるとよほど私は文部行政として
考えなければならぬと思う。私
どもは実はこの前の
委員会におきましても、とにかく
文部省は、
灘尾さんが九州に行って発言されたということであるが、この問題は局地で
解決すべきだ、当事者双方が十分話し合って
解決する、私はこの基本的な態度に対して、さすが
灘尾さんだと思って賛意を表しておるのです。なるほど高村さんの
質問に対しては、あのときはああいう答弁をしておるけれ
ども、久留米に行かれてそういう態度に出られたことは実に賢明であった。それならば
灘尾さんの力によってこの問題は
解決できるな、あるいは日教組の
委員長と二人会って、そうして何とかしようじゃないかということで話ができるなと実は喜んでおったやさきに、こういう事実がどんどん上ってくる。はなはだ遺憾にたえない。だからこの問題には、私もすなおに、
文部省は関与していないと実は受け取りたいのだけれ
ども、関与しておるじゃないか。それは県において県の社会党と県の自民党とが対立しておることは、どこの県においてもあることです。だから
教育委員会側を佐賀県の自由民主党が支持し、
教員組合側を社会党が支持するということも現実でしょう。しかし私はそのことは問題にいたしません。そういうことはあることですから問題にいたしませんけれ
ども、いやしくも国の官庁が、積極的にこういう問題に首をつっ込んでいくということは、自分の腹の底にこの際
教員組合をたたきつぶしてやれという意図があると断定されてものがれられませんよ。これだけの事実があがってくると、そういう意図はございませんでしたとは絶対に言えないのです。そのことを
一つ銘記してもらいたい。これはいずれまた、こういう事態がめったということが本日ここで明確になったのでありますから、後日問題にしたいと思うのです。
そこで佐賀県の県会が、これは私もまだ期日は明確に調べておりませんけれ
ども、県
会議員の
質問に対しまして、
教育委員会が答弁をしておる。この問題はいろいろいきさつはありましたけれ
ども、私たちとしては何とかして処分をするということなしに円満に
解決するよう努力をする、こう答弁をしておる。ところがこう答弁をしておる
教育委員会に対してはっぱをかけたのが
文部省であり、これを支持する政党なんです。そういう弱腰ではだめだ、君らがそういう弱腰だからということではっぱをかけて、一ヵ月ないし六ヵ月の行分処分ということになっておる。労働組合なり、この教組側を支持する団体があらゆる声明書、あらゆる演説の中に、政党なり
政府が今や
教育委員会のあと押しをして、そうして組合断圧の政治的陰謀だとか意図だといっておるのはこのことをさしておるのです。こういう点はもう少し私も的確な資料を収集いたします。だからあなた方が従来の態度を改めないで、片方だけを使嗾して徹底的に
教育界を混乱せしめるということで初中局がいけるものならやってみて下さい。そういう初中局に対しては、私
ども微力ではありますけれ
ども、国会であらゆる
機会に徹底的に問題にいたします。
初等中等教育局というのは、
初等中等教育界がほんとうにその
教育のために専念できるような情勢を作るために存在する国の機関です。それが今や片方に加担して泥沼にころがしておいて、手をたたいておる。弁護士を推薦してやれやれと言っておる。そういうことは私はがまんできないのです。時間もありませんから、これだけ明確になればいずれまた後日の問題資料もできたわけで、私はこれは継続して、五月十八日、国会終了まで、事態が明確になるまではやりますから、
委員長としてもお
考えを願いたい。
最後に
灘尾文部大臣にお伺いいたします。私はけさ朝日新聞の佐賀版を入手したのです。これは四月二十五日の日付であります。県のPTA内田会長がこういう談話を発表しております。「警察権が介入しては問題がますます紛糾し県
教育界の混乱は収拾つかなくなるのではないかと心配している。」これは佐賀県全県民の偽わらざる気持だろうと思う。同時にこれは組合側がこの談話を発表したのじゃない。朝日新聞の発表です。佐賀市唐人町主婦野中多賀子さんはこう言っている。「はっきり
内容は分りませんが、この問題で、先生を逮捕までするのは行過ぎではないかと思いました。この前の三、三、四割の休暇闘争も父兄としていいこととは思いませんが、警察権を発動せずとも当事者同士がもっと話合えば分ることではないでしょうか。」子供たちをどうしてくれるのだ、こういう声になっておる。一方組合の方では一ヵ月から六ヵ月停職処分、片一方は犯罪人扱いされて、今日九ヵ所に分断されておる。私は文部大臣の
質問が終ったら、きょうは何時になりましても、一人になっても、これは重大ですから中村法務大臣と国警長官を要求しておるのです。分断して、しかもあるところでは、ある執行
委員、名前はあがっておきますが、お母さんが脳溢血で重態で寝ておるのに、警官がどやどやと入ってきて、のけ、捜査をするのだと言って、そこにあるその先生の書類や何かを、その脳溢血で重態で医者から絶対安静を宣告されたお母さんの上に載せた事実すらある。こういう犯罪人扱いしなければならぬくらい悪いことをしておるのかしてないのか。こういうことは許びがたいのです。そして内田というPTA会長さんは保守的な方なんです。県のPTA会長ですよ。お母さんだって、これは私と同意見です。三、三、四割というものも、私も社会党としてもこれは当りまえのことだとは思いませんよ。こういうことは非常事態のことなんです。好ましくないことです。好ましくないことにはだれがしたかというその原因の追及はおのずからある。しかしこういう事態が起ったからこういうめちゃくちゃなやり方は
教育界を混乱さすからというので、私らは問題にしているのです。だから文部大臣にお聞きしたいことは、このように県下の人、
教育に関心のある者が実は非常な心配をしておるのであります、文部大臣としてはこの問題に対して、
教員組合の行き過ぎ、得手勝手なことをしたの、だからざま見ろ、こういう冷淡なお
考えで臨まれるかどうか、今や検察庁が関与してああいう法務というところは、事
教育がどうなろうとも、そう判断すれば徹底的にやる、しかし今の
教育界、佐賀県における
教育の実情というものはえらいことになっておる。このことについてどういう所見を持っていらっしゃるか、どうなさろうとお
考えなさるか、私は誠意のある大臣の御所信をここで承わっておきたいと思います。