○
野原委員 教員諸君は好きこのんでこういうことをやるのではないのです。PTAからPTAの解散決議を突きつけられたり、新聞でたたかれたりするのに、だれが好きこのんでこういうことをやりますか。こういうことをやらなければならぬ今日までの長い経過というものがある。従ってあなた方が新聞記者に談話を発表する際には、もちろん文教
委員会で
文部大臣が
発言する際には、そういう点についての反省をまずやりなさい。まずやって、いけないところはいけないとしかりなさい。今日までのあなた方の態度というものは、この問題に関する限り何らの反省もしておらない。今初めてあなたから、私が追及した結果、それはいろいろ足らなかった点があるだろう、こういうことを述べられておりますけれ
ども、いろいろあったのです。あったからこうなったのです。
佐賀県の
教育委員会をここへ追い込み、
佐賀県の
教職員をこういう実情に追い込んだのは、
文部当局の力が足らなかったからである。だからいけない点はいけない点として個人的に反省を求め、なお
文部当局も努力をする、
教員諸君と一緒になって
佐賀県の
教育再建のためにやろうではないか、
教育委員会も呼び、
教員組合の代表者も呼んで、われわれもこう
考えるから、この問題は、君らもいろいろあっただろうけれ
ども、来年を期待してくれというような話し合いをすることこそ、
教育の最高権威の
文部省です。それを、首切るのは当りまえだ、
警察に引っぱられるのは当りまえだ、何たることです。自分は何もしてない、自分が何もしないから、こういう
事態になって当然なんだということになれば、われわれにそれを批判させると、いろいろな陰謀をたくましくし、さてはこの機会に
教員組合をたたく
行動としかとれない。こういう点について私はもっと謙虚な態度に出てもらいたい。
この問題は重要でございますから、なお私はまだこれから十分われわれの
見解も述べるわけでありますけれ
ども、一体正常な
事業の
運営を
阻害したかどうかという
判断は、一日や二日の自習時間でやれるものではない。あなたは小
学校、中
学校、高等
学校の全国の
教育を
監督する初中
教育局長なんです。あなたは調査
局長ではない、社会
局長でもない。今度は初中
教育局長になったあなたです。あなたの意見というものは、国務
大臣である
文部大臣の意見とはまたおのずから違うのです。
教育の
内容に立ち入った意見をあなたが出さなければうそです。一日や二日の自習時間で正常な
事業、
学校教育が
阻害されるという、しかも
労働基準法三十九条のここに該当するような、正常な
事業の
運営阻害だ、こういう
判断をするということはとんでもないことだ、
教育の何たるかも知らぬ。私ははっきり言います。
労働法の学者はこういうことをいっております。
教員諸君が
有給休暇をとって、あるいは一日自習時間になる、二日自習時間になる。一体
有給休暇をとれば自習時間になるのは当りまえです。だからこの
ただし書きをそのつど
適用されたのでは、
教員諸君は
有給休暇はとれないから、
教員諸君の場合に関しては一日や二日という短期間で正常な
事業の
運営を
阻害したと見るべきではない、正常な
事業の
運営阻害は、少くとも
一つの学期間において、その学級のレベルというものがそのために非常に低下をした、あるいはその学級の経営に困難を来たした、いろいろな事故が起ったというような総合的な
判断から、正常な
事業の
運営を
阻害したと見るべきである、こういっておる。だからこういうことをも
考えて、
佐賀県の
教育委員会諸君がもっと慎重に考慮をしてほしかったのでありますが、そういう考慮がないのです。しかし、あなたは、こう言ったら失礼ですけれ
ども、
佐賀県
教育委員会よりも賢明なはずですから——賢明でなかったら、われわれは、
文部当局を退いてもらわなければなりません。国民の一人として全国の
教育を担当させるわけにいかぬ。賢明であろうから、あなたが
発言をする場合には慎重であってほしいのです。
なお、これは
委員長に
要求いたしますが、
警察庁長官が十二君に
逮捕状を
執行しております。私は個人的に
石井警察庁長官とも昨日面談いたしましたが、何と
考えてもこの
逮捕状の
執行はわれわれは了解できないのであります。この種の問題で
教員諸君の
逮捕状を
執行する場合には、証拠隠滅のおそれがあるか、逃亡のおそれがあるか、そういうことが前提にならなければならぬ。しかし明々白々、公々然とこの種の
行動を、
佐賀県の
教員の
諸君は県民の批判の前に立ってやっておる。証拠隠滅しようにも隠滅しようがない。逃亡するにも逃亡のおそれはない。そういう者にまで
逮捕状を国警が
執行したということは、これはどう
考えても、いろいろな連絡やその他あって、この際
教員組合活動というものをたたきつぶせというような動きが確かに流れておることを私は感知せざるを得ません。重大でございまするから、これは早い機会に、できれば本日の午後、
石井警察庁長官を本日ここに来ていただいて、私は
質問したいと思いますから、
委員長の方でお取り計らいを願います。それで一応終ります。