○
河野(正)
委員 先般もこの問題につきまして関連をしていろいろ御
質問を申し上げたのでございますけれ
ども、私
どもは単にそういった
事態に対しまして追及のみを事とするわけではないわけでございます。私の願いますことは、
患者がどこまでもこの医療に対しまして不安を抱かないように、あるいはまた
研究におきましても伸び伸びと
研究ができるように、あるいはまた
治療する者はそういうことで萎縮するようなことがないようにというふうな、こういういろいろな立場からお尋ねを申し上げ、また当局に対しまして御善処をお願い申し上げたい、かように考えておるわけでございます。たまたま
櫻井委員の方から結論的なことを申し上げられましたので、いずれそういった機会におきましてもそういった
事態を明らかにしていきたいというふうに私
ども考えておるわけでございますが、ただ一点、本日の御答弁を承わりまして私
どもが非常に心外に思いましたのは、きょう御
説明を願いまする場合に、むしろ
厚生省当局の方が私
どもの納得するような御
説明を願えるかというふうに実は期待しておったわけでありますけれ
ども、あにはからんや、法務省当局の方がきわめて具体的な御
説明があって、
厚生省当局の御
説明を聞いておりますと、全くおざなり式な御答弁で、私
どもはその点非常に遺憾に存ずるわけでございます。もちろんこれは
厚生省当局の方が最も専門的な立場でございますから、私が先ほど申し上げましたようないろいろな不安なりいろいろな問題を除去するためには、
厚生省当局の方がもっと積極的にこの問題の解明に当られる方が至当ではなかったかというふうな印象を強く持って参るわけでございます。ところが残念なことには、きわめて抽象的な御
報告ばかりでございますし、なおまた私
どもが非常に残念に思いますのは、法務当局の御
説明と
厚生省当局の御
説明に非常に食い違った事実があるという点でございます。このことは具体的に行われた事実でございますから、率直に申し上げまして、いろいろな考え方ならば相違するということもあると思いますけれ
ども、行われた事実に対する
調査が食い違っておるということはまことに残念だと思います。ことに、専門的な立場から見られたという
厚生省当局の御答弁の中に、私
どもがどう専門的に見ても不可解に思われることがたくさんある。少くとも専門的な立場から見ればこういう御
説明はあり得ぬと私は思うのです。たとえば一例を申し上げますと、高熱
療法というものが
脊髄癆とかあるいは麻痺性痴呆の
治療にきくということは私
どもも了解するにやぶさかではございません。ところが、学問的定説によりますと、これは少くとも三十九度以上の熱を少くとも十発作くらい出さなければきかないというのが定説なんです。ところが法務当局の御
見解によりますと、大体一回か二回熱を出しているというふうな御答弁である。そうすると、もしそういったようなやり方を
厚生省の方がおとりになりますならば、この
治療というものがいかにずさんなものか、いかに学問的に不合理なものであるか、これが
治療だったかあるいは
実験であったかということがこの
一つだけではっきり断定できると思うのであります。これは、
専門家でなくても少くとも
精神病学を習った人ならば、熱
療法がどういうことで
効果があるかということは御承知であると思う。
ツツガムシを植えましたけれ
ども、一回か二回熱を出してあとは
抗生物質で落している、この
一つだけでもこの問題が
実験であったということはもうすでに私は断定できると思うのであります。これについては私は聞きたいことがたくさんあるが、先ほど法務当局から御
説明がありまして、私の立場から見れば、これも
実験だ、これも
実験だと断定する事実がたくさんございます。ところが、先ほど
櫻井委員から、いずれ
参考人等々を呼んでいただいてここで事実を明らかにしたいという結論が出ていましたから、いろいろ申し上げませんけれ
ども、私はこの一事だけで明らかだと思う。だれが考えても事実だ。
専門家でなくてもこの事実というものは明らかだと私は思うのです。
そこで
一つだけ申し上げたい点は、先ほど私御指摘申し上げましたように、非常に残念であったのは、むしろ
厚生省当局から具体的な詳しい私
どもを納得させるような
事情が
説明されると思いましたけれ
ども、本日はまことに不幸なことでございましたが、そういったことが聞かれなかった。この点については私はむしろ
厚生省当局がこの問題についてあまり
責任を痛感しておらぬのではないかという
感じを持つわけです。事人命に関することであり、非常に重要な問題でありますから、もし
責任を
感じておられましたならば、専門的立場でございますから、少くとも法務当局よりもっと具体的な
資料をきょう出されたのではないかと考えますので、
一つこの点はともかくもっと私
どもを納得させるような
資料を、いい悪いは別として、そういった
資料をおまとめにならんことを最後に要望いたしておきます。