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緒方政府委員 仰せのように
大学の入学試験は非常に激しいのでありまして、いろいろと問題もあるのでございますが、入学志願者の
状況を申し上げてみますと、
高等学校の卒業者が三十二年度の推定によりますと七十二万でございます。そのうち四〇%くらい進学をするものといたしますと、二十九万余の進学希望者が出てくるわけでございます。それから、今申しましたのは三十二年度の卒業生でありますけれ
ども、前年度以前の卒業生、いわゆる浪人というものも相当あるわけでありますので、これも進学の志望をいたしますので、これをいろいろ合せますと、しかも一人が何ヵ所にも受けるということになりますから、延べ数から申しますと相当な入学の志願者がある。それに対しまして現在
大学で収容できまする入学者は、三十一年度にいたしまして十七万
程度でございます。従いまして四人以上に一人というような倍率になりまして、試験が激烈になってこれが問題になっていることは御指摘の
通りであります。ただこれの緩和につきましては、現在
大学の数が多いというような批判もありますが、しかしこの観点から見ますと、総数から申しますとまだ多過ぎるということにはならない。これはほかの問題もございますけれ
ども、この
関係からだけ申し上げます。この緩和の問題は、ただ
大学行政の観点からだけではなかなかむずかしい問題でございまして、世の中の父兄の
考え方、必ず
大学に進学しなければいかぬといったような
考え方を是正するという観点もございましょうし、あるいはまた根本的には
学校制度の検討という問題も伴わなければならぬと存じます。ただ私
ども非常におそれますことは、
大学入学の試験がこういう激烈なために、そのために
高等学校以下の
教育も従って影響があるというようなことになりますと、これは問題でございますので、入学試験のやり方等につきましては十分注意を払いまして、問題の出し方等につきましては
大学の方にも十分要望いたしまして、あるいはまた
文部省でもそれらの
研究をしまする協議会等を作りまして、検討いたしておるような次第でございます。ただいま御指摘の点は、この緩和策に何か妙案はないかということでございます。これはなかなか一朝一夕には参りません。先ほど申しましたような根本的な問題もあわせ
考え、なお私
どもとしましては
大学試験のやり方等については十分注意を払って、これが
高等学校の
教育をゆがめていくということのないようにしたい。御
質問とはかなりお答えがそれますけれ
ども……。