○磯崎
説明員 ただいまの御質問にお答え申し上げます。この問題はただいま先生からお話がございました
通り、いろいろいきさつがありました問題でございますので、多少長くなりますが数項目に分けまして御
説明させていただきます。まず第一にバレイショの運賃でございます。これは御説の
通り私の方で運んでおります数千の物資を分けました十五の等級のうちの一番下の二十三級という等級に属しております。米その他と同等に取り扱っておるわけであります。ただしさらにそれに対しまして特に農家その他の
関係の生活必需品の程度が非常に高いというような意味もございまして、さらにそれに一三%の割引をいたしておるわけでありまして、これは
昭和二十八年以来今日まで実施いたしておるわけであります。過般の運賃の改訂をお願いいたしました際に、これらの点がいろいろ問題になりまして、私どもといたしましては、こういう特殊割引、個々別々の割引よりも全般的な賃率の問題としてこれを解決いたしたいと考えておりましたが、時間その他の
関係上それが不可能でございましたために、一応現在実施しております特殊割引は残すという建前で考えてみたのでございます。さらにそれに、かてて加えまして、実はこの運賃は、私どもの言葉でございますが、遠距離逓減と申しまして、遠距離に参りますほど非常に割安になっておるわけでございますが、そのために非常に船運賃との競合その他を来たしまして、さなきだに逼迫いたしております貨物輸送を一そう逼迫させているというようなこともございまして、ある程度遠距離逓減の調節をいたしたいと考えたのでありまして、六百キロ以上の逓減率を多少修正するようにいたしたわけであります。ところがそれが非常に一般物資特に
農林水産物資に対する影響が大きいという結果に相なりましたために、先ほど申しました現行の割引をさらに強化する。品目におきましては、当時やっておりましたのは、件数といたしまして七十九件ございましたが、それを百四十五件に、ほとんど倍に件数を増加いたしました。さらに運賃の割引率といたしましては、六百キロ以上のものを一%以上六%まで割引の率を強化いたしまして、
農林水産物資に対する影響を極力少くするという方策をとったわけでございます。たとえばそのふえた物資といたしましては、その当時で毛割引いたしておりましたものをさらに範囲を拡大いたしましたが、これは主として北海道向けのものでございますが、するめ、焼きちくわ、農機具、花むしろというようなものにつきましては、北海道向けのものの割引をする。あるいは下級塩干魚、豆類、バレイショ澱粉というようなものにつきましても、割引の範囲を拡張したのであります。さらに現在の割引しておりますものよりも品目をいろいろふやしまして、たとえば福神づけ、しょうゆ、あるいはカンショ澱粉、切りぼしカンショ等の二十数品目を増加いたしまして、結局七十四件のものを百四十九件に増加いたしました。これによって三億三千万円程度の私どもの運賃
負担を重くしたようなことになっておるわけでありますが、そのほかにさらに
水産関係といたしましても、従来のいろいろ御
要望でございました東北、北海道方面と
九州方面とのバランスをとる意味におきまして、東北、北海道方面の
負担を相当軽減いたしました。そのような
措置をとりまして、
農林水産関係につきましては非常に大幅な割引をいたしまして、一応運賃改正の御了承を得たわけでありますが、その際に今申しました
通り、建前といたしましては遠距離逓減の修正をさらに修正する。すなわち日本の地形から申しまして、どうしても遠距離逓減の輸送というものはやむを得ないのだ、そのために今後の割引というものは遠距離逓減をあまり急激に修正しないという方面の割引で進むべきではないかというようなお話などもございましたために、今までのいろいろ物資別の割引を遠距離掃滅の修正に対する割引、すなわち端的に申しますれば遠距離割引に置きかえてしまったわけでございます。従いましてただいまお話のものにつきましては、種バレイショにつきましては一三%はそのまま残してございますが、七%は物資別の割引ということでこの際廃止して参りたいと考えております。
さらに北海道
関係についてただいまお話がありますので申し上げますが、北海道
関係につきましては、当初私の方は青函の航路の方のキロ程をただいまお話の
通り四百五十キロのものを三百五十キロに修正いたす考えでございましたが、それをさらに三百キロまで短縮しろというお話のために三百キロに短縮いたしました。私どもといたしましてはそのかわり北海道なるがゆえの割引といたしましてやはり二十数品目をやっておりましたが、その割引をこの際ぜひ廃止させていただきたいというお話をいたしたのでありますが、それは存置しろというようなお話のために存置いたしたのでございまして、ただいま先生のお話の中にございました七%と五十キロと見合いになったというようなことはその経過においてはないのでございまして、その間において種々お話はございましたが、個々の物資についてよりも北海道発の農林物資全体というお話でお話を承わったように私は記憶しておるわけでございます。さらにその
関係上北海道につきましては、先ほど申しました
通り二千三百キロ以上につきましては一分だけの割引の強化をすることにいたしまして、遠距離の割引につきまして内地のものと北海道のものとの歩調を合せたということに相なっておるわけでございます。従いまして私どもでいただいております運賃を申しますと、私どもの方では輸送いたしましたトン数とキロ数をかけ合せまして、いわゆるトンキロ当りの運賃ということを申しておりますが、トンキロ当りの運賃で申しますと、バレイショは大体一円四、五十銭、米が二円三十五銭になっておりますが、バレイショのキロ当り運賃は食用バレイショで一円五十七銭、種バレイショで一円四十八銭で、一円五十銭内外のトンキロ当りの運賃ということになっております。こういう
関係上私どもの方としましては、種バレイショといたしまして一番大きな問題はやはり輸送の問題でございますが、十月以降三カ月の間に十七万トンの輸送を北海道から内地向けにいたさなければならないということになりますので、さなきだに小さい青函連絡船の輸送力を種バレイショは非常に余分にとるわけであります。従いましてその時期になりますとあるいは木材を押え、あるいは場合によっては魚を押えても種バレイショ等の輸送をしなければならないということからいたしまして、私の方といたしましては計画輸送に非常に重点を置きまして、北海道を出たものは、先生お話の
通り、
鹿児島に着くものにつきましても実は急送品と申しまして五分の割増しをいただくべきものを割増しもいただきませんで、実際上の輸送
措置といたしまして大量の貨物の輸送の万全を期すという意味におきまして輸送上も実は格段の
措置を講じて今までもやって参りましたし、また今後もやって参りたいというふうに考えておる次第でございます。
最後に
災害地問題でありますが、御質問が出なかったので恐縮でございますが、
長崎県、
熊本県、愛知県等に対する
災害地向けのこういう救恤物資ということになりますれば、私の方は無賃輸送の手配を講じておりまするし、また
罹災者向けのものでございますれば、なお三カ月間五割引の運賃割引をいたしているわけであります。