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1957-05-15 第26回国会 衆議院 農林水産委員会 第42号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十二年五月十五日(水曜日)    午前十一時五十二分開議  出席委員    委員長 小枝 一雄君    理事 吉川 久衛君 理事 笹山茂太郎君    理事 白浜 仁吉君 理事 助川 良平君    理事 田口長治郎君 理事 芳賀  貢君       赤澤 正道君    五十嵐吉藏君       石坂  繁君    大野 市郎君       木村 文男君    草野一郎平君       鈴木 善幸君    綱島 正興君       永山 忠則君    原  捨思君       本名  武君    松野 頼三君       赤路 友藏君    足鹿  覺君       石田 宥全君    石山 權作君       栗原 俊夫君    楯 兼次郎君       田中 利勝君    中村 英男君       日野 吉夫君    細田 綱吉君       山田 長司君  出席国務大臣         農 林 大 臣 井出一太郎君  出席政府委員         農林事務官         (大臣官房長) 永野 正二君         農林事務官         (蚕糸局長)  須賀 賢二君  委員外出席者         農林事務官         (蚕糸局糸政課         長)      保坂 信男君         農林事務官         (蚕糸局繭糸課         長)      古西 一郎君         農林技官         (蚕糸局蚕業課         長)      小林 明隆君         専  門  員 岩隈  博君     ————————————— 五月十五日  委員阿部五郎君及び鈴木義男君辞任につき、そ  の補欠として田中利勝君及び細田綱吉君が議長  の指名で委員に選任された。     ————————————— 五月十四日  農地売渡し及び登記に関する請願外二件(細田  綱吉紹介)(第三一四八号)  都農町に営林署設置請願(片島港君紹介)(  第三一四九号)  韓国抑留船員救済等に関する請願池田清志  君紹介)(第三一八一号)  同(星島二郎紹介)(第三二三四号)  桑園等の凍霜害対策に関する請願外一件(保科  善四郎君紹介)(第三一八二号)  鹿児島県に全国緑化大会誘致に関する請願(池  田清志紹介)(第三二三五号)  農業改良資金助成法による施設資金利率引下  げ等に関する請願星島二郎紹介)(第三二  三六号)  七ケ宿村内国有林特別払下げ等に関する請願(  愛知揆一君紹介)(第三二三七号)  みつばちの入地許可手数料撤廃に関する請願(  三浦一雄紹介)(第三二三八号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  生糸製造設備臨時措置法案内閣提出第七八  号)  蚕糸業法の一部を改正する法律案内閣提出第  九五号) 五月初旬の関東、東北地方等におけ  る凍霜害による農業災害対策に関する件     —————————————
  2. 小枝一雄

    小枝委員長 これより会議を開きます。  生糸製造設備臨時措置法案及び蚕糸業法の一部を改正する法律案一括議題といたし、審査を進めます。質疑を続行いたします。足鹿覺君。
  3. 足鹿覺

    足鹿委員 この際蚕糸業法の一部を改正する法律案につきまして、審議最終段階に参りましたので、農林大臣の御所見を承わりたいと思うのであります。  まず第一に、本案が通過成立を見た暁において、問題はその審議会構成運営にかかると思うのであります。従来蚕糸局関係のこの種審議会あるいは委員会構成並びにその運営に徴しましても、養蚕農家やあるいは中小製糸業者意見というものが必ずしも尊重され、かつまた政府の施策に正しく反映しておると思われない点が多々見受けられるのでありますが、これは単にこの審議会構成運営のみならず、政府蚕糸政策自体にも大きな関連のあることは申すまでもありませんが、何はともあれ、今回この蚕糸業振興審議会が出発するに当っては、この機会に日本の蚕糸業を大きくその困難を切り開き、また蚕糸政策にも抜本的な改革を行う基礎的な調査研究をする重大な任務を持つものでありまして、従ってその構成運営については、従来見るがごとき実情に陥らないように、特に養蚕農家中小製糸業者意見が反映をするような構成並びに運営が特に必要であると考えるのでありますが、この点について農林大臣の、今後の審議会構成についての、あるいは運営についての御所信のほどを承わっておきたいのであります。
  4. 井出一太郎

    井出国務大臣 ただいま述べられました御趣旨は全く同感でございます。従いまして蚕糸業振興審議会構成に当りましては、養蚕農家あるいは中小製糸業者、こういった階層の意見が十分に反映できますように処置をいたしたいと考えます。
  5. 足鹿覺

    足鹿委員 次に、ただいまも関連して申し上げましたように、昭和二十六年当農林委員会において審議し、現在成立をし運営を見ております繭糸価格安定法に基く繭糸価格安定審議会組織をされ、現在長きにわたってその運営が続けられてきておるのでありますが、私どものの見るところによりますと、この繭糸価格安定審議会構成は、著しく業者的な構成に偏しておるのでありまして、従って公正な第三者的見解が反映することに著しく欠くるところあるように思うのであります。この点につきましては、先日の本委員会におきましても、私はその事例をあげて当局にただしたのでありますが、これは今後生まれるであろう蚕糸業振興審議会と車の両輪のごとき関係において運営をさるべきものでありまして、その両者が総合的な機能を発揮して初めて所期の目的が達成されるように思うのであります。従ってここに蚕糸業振興審議会構成も、新たなる構想に基いてその公正なる運営が行われようとするときに当り、繭糸価格安定審議会組織についても、公正な第三者意見がもっと十二分に反映できるように、その構成運営について再検討せられ、十分蚕糸業振興審議会と相並んで本来の目的達成のために資するよう御善処願いたいと思うのでありますが、この点について農林大臣の御所信を承わっておきたいのであります。
  6. 井出一太郎

    井出国務大臣 繭糸価格安定法に基きまする安定審議会構成なり運営の仕方が、従来業界的な考え方が非常に強い、あるいは業界人をもって構成されておる、こういう御指摘でございましたが、今後は振興審議会の発足ともにらみ合せまして、御趣旨のごとくこの価格安定の面についても、第三者的な公正な意見が反映せられるように努めたいと考えております。
  7. 足鹿覺

    足鹿委員 この問題に関連して具体的に大臣にただしたいのでありますが、最近においては、この種審議会国会議員を参画せしめることが通常の措置としてとられるようになりましたことは、私はきわめていい傾向であろうと思うのであります。ところがこの繭糸価格安定法成立した前後の事情は、何か国会議員を排撃というと語弊がありますが、敬遠し、この種審議会に参画せしめることをあまり好まないというような風潮が当時あったように思うのであります。今度の蚕糸業振興審議会においても、国会議員をそのメンバーに加えることは大体予定されておると承知しておるのでありますが、先ほども第一点のお尋ねで申し上げましたように、これは相互関連のある審議会でありまして、繭糸価格安定審議会のみが国会議員を排除しておるかのごとき構成になっておることは、私ども納得がいかないのであります。そういう点において、任期満了等の適当な機会において、蚕糸業振興審議会メンバー国会議員を加えると同様に、第三者的見解を反映せしめるために、国会議員その他適当な者をこれに参画せしめるように御考慮になる御意思がありますかどうかということを、この際具体的に伺っておきたいのであります。
  8. 井出一太郎

    井出国務大臣 繭糸価格安定審議会委員任期は明年三月に切れることと相なりますが、その際には、ただいまの御趣旨をくみ取りまして、今回発足する振興審議会とのバランスを考えて、国会議員の方にも安定審議会に御参加をいただくように措置をしたいと考えます。
  9. 足鹿覺

    足鹿委員 第三点としてお尋ね申し上げたいのは、蚕繭処理指導についてであります。従来蚕糸局がとってこられました蚕繭処理指導についてみますと、これは明らかに独占禁止法に抵触すれすれの措置をおとりになった事例があるのであります。またとられんとして、当委員会指摘を受けて思いとどまられた事例も私は承知いたしておるのでありますが、いやしくも蚕繭処理の問題については、これが共販態勢を推進強化していくということについては、私どももちろん異議のあるはずはございません。だがしかし、蚕繭処理方法を一歩誤まりまするならば、農家利益を阻害する。そしてその結果として製糸業者等利便を供するような結果を生ずるおそれが多々あるのでありまして、この問題についてはきわめて慎重を期さなければならないことは、申し上げるまでもございません。昭和三十年五月二十七日蚕糸局長名をもって三十年産の繭処理指導方針なるものが、各都道府県知事に流されております。これには共販態勢の強化を中心として必要な指示事項が示されておるのであります。昨日も蚕糸局長お尋ねをいたしましたが、蚕糸局の内部において、昭和三十二年度の蚕繭処理指導要綱案を作成をし、これを都道府県関係に内示をして、もし同意を得るならば、その要領を実施するような段取りがついておったように思うのであります。それはたとえばある都道府県においては、一定製糸業者売買契約を締結せしめ、その締結した相互以外には売買を禁ずるような指導を行わんとしたり、またその売買契約を破棄した場合には、過怠金を徴収するような指導をせんと試みたり、あるいは蚕繭価格の決定に当って糸歩の問題その他二、三の点を加味して、蚕繭取引価格を一応決定し、これを勧告していくかのごとき一つ価格統制行政措置として蚕糸局当局がその指導要綱によって行わんとした事例を私ども承知しております。昨日もこの点を蚕糸局長お尋ねをいたし、その猛省を促したのでありますが、これらの点につきまして、いやしくも独占禁止法に抵触し、しかもその結果が養蚕農家利益を阻害するようなあやまち、行き過ぎがあってはならないと思うのであります。しかもこのたび、あとで審議されまする生糸製造設備臨時措置法案成立を見まするならば、買い手を制限する結果になることは明らかでありまして、一方においては買い手整理、制限をし、一方においては蚕繭処理に名をかりて、事実上においては価格一定限度に支持決定する指導を行い、あるいははある一取引単位業者との特売契約を勧奨するような指導を行い、あるいはそれによってその契約の破棄に際しては、過怠金をとるかのごとき指導を一方においてとられまするならば、この生糸設備臨時措置法蚕繭処理行政指導が表裏一体となって行われ、誤まり行われた場合には、その結果はあげて養蚕農民にしわ寄せをされ、一部製糸業者利便を提供する結果を招来することなしとしないのであります。この法案はきわわめて簡単な蚕糸法案であります。従来の蚕糸当局のとった措置等に基きまして、この運営を誤まらんか、きわめて重大な結果を招来し、養蚕農民期待に沿わざること遠い存在になり、怨嗟を招く結果にならぬとも限らないのであります。この点につきましては、いずれまた適当な機会大臣にるるお尋ねを申し上げ、建言を申し上げたいのでありますが、そういった意味から、蚕繭処理指導については共販態勢を整備することはけっこうでありますが、今私が述べたような、独占禁止法に抵触し、かつ養蚕農民利益を阻害するような行き過ぎや間違いの絶無を期し、養蚕農民利益の伸張と、公正な業界指導に当ってもらいたいと思うのであります。この点について農林大臣の確たる御所見を、この際承わっておきたいのであります。
  10. 井出一太郎

    井出国務大臣 従来の蚕繭処理対策については、御指摘のような点があった場合もございましたかと思うのでありますが、ただいま御指摘のように、政府がこういった経済問題にいろいろ介入するということは不適当であろうと考えておるのであります。今回成立を予定されております振興審議会の重大な一つの項目は、一つはこの蚕繭処理をどうするかというようなことを御審議いただくことに相なろうと思うのでありまして、これらの御検討と相まちまして、御指摘の点は十分に配慮をいたす所存でございます。
  11. 小枝一雄

  12. 栗原俊夫

    栗原委員 この際農林大臣に一、二点伺っておきたいのでありますが、御承知通り蚕糸業法の第十五条は繭の検定取引を強制しておるようであります。いろいろな物産で強制検査というものはありますけれども、繭の強制検定は特殊な事情のもとにある。なぜかというと、自分で作った繭が単独に検定してもらえない実情下にあるということです。おそらく他の物品で、個々に作ったものを検査を受けろといっても、なかなか容易に受けない。ところが繭だけはあたり近所のものを突っくるみに検定を受けるということが強制されておるということであります。ここに非常に問題があり、またこういうことがある、からこそ一方においては、その他の事情もあるが、共販体制というものが必要になっておるわけですが、こういうことを強行しておる。ところが実際においては、そうした目的を持った共販体制がなかなか思うにまかせない。漸次苦しくなってきておる。これが蚕繭処理上の非常に大きな問題点だと思うのです。そしていろいろな方法を講じてやるが、一番共販体制が信頼を受けない根本はどこにあるかというと、農民が委託しておるその代表である養蚕団体が、技術指導費を売り方である製糸家から受けておるということである。技術指導というものはこれはどこまでも大事だと思うし、共販体制もどこまでも大事だと思うのですが、養蚕団体として技術指導費をまかなうだけの金がなかなか農民からは集められない。もちろん今では国からも県からもその必要性を認めて、一部は補助してあるわけですが、この際ほんとう養蚕農民自分たち団体である養蚕団体というものを信頼して、ほんとう共販体制を確立していくためには、売る相手方から金をもらうということを根本的に排除していかなければならぬと思うのです。そこで国是産業でもあるこの養蚕業を根本的に立て直す一こまとして、技術指尋に対する技術指導員費用を、その大きな部分を国が、そして一部を主要府県において負担していく、かりにも養蚕団体が売る相手方である製糸会社から金をもらうという姿はここで芟除する、こういうことが絶対に必要だと思いますが、この点に関する農林大臣決意を明らかにしていただきたいと思います。
  13. 井出一太郎

    井出国務大臣 先般も予算委員会の席上でございましたか、お答えをした記憶がありますが、御指摘のように現在の姿は正常であろうとは思いません。いやしくも売買相手方から費用を捻出してもらっておる姿は、いかにも自主性のないあり方だろうと思うのでございます。従いまして、基本的にはやはり養蚕農家の力を強めて、あるいは団体の基礎をもっと培養していくということでございましょうが、あわせて国なり県なりの助成ということも考えなければならぬと思うのでございます。従いまして今後これを正常なる姿に持って参るために努力をいたす所存でございます。
  14. 栗原俊夫

    栗原委員 どうも答弁があまり抽象的で納得がいかぬのですが、このように理解してよろしゅうございますか。今のようなあり方ではなるほどうまくいかない本来ならば技術指導農民がお互いの負担においてやるのが当然であるけれども、現在はその力がない。その過程において、農民に力がつくまで、できる限り早く国がめんどうを見るように努力する。またそうしてもらわなければ、いかに法を積み重ねていっても、自分たちの繭を売ってくれる代表が信頼できない状態にある限り、共販体制というものは絶体に確立いたしません。そこで、すでに今日でも一部国が負担しておる技術指導費を、可及的すみやかに国がめんどうを見る。そうして売方と買方との間で金の授受がそうした形で行われない事態を招来する、こういう決意なんだ、このように理解してよろしゅうございますか。
  15. 井出一太郎

    井出国務大臣 養蚕農民に力をつけるという意味は、直接あるいは間接、方法はいろいろあろうかと思うのでございます。それらを総合的に努力をして予算措置を講じたいと存ずるのでございますが、今御指摘技術指導の面にも十分な配慮を用いて参りたいと考えます。
  16. 小枝一雄

  17. 芳賀貢

    芳賀委員 この際農林大臣お尋ねしますが、まず国用生糸取引所上場の問題です。今日まで国用生糸というものは全く上場されておらぬし、また上場することを許されておらなかったのですが、非常にふしぎな現象だと思う。何のためにこういうような現実が今日まであるのか、この点は農林大臣も関心を持たれておると思いますので、大臣に直接お尋ねします。
  18. 井出一太郎

    井出国務大臣 御案内のように従来生糸産業というものは、その圧倒的大部分輸出でございましたし、また戦前の姿はくつ下に向けるということであったわけでございます。従いまして国用の持っておるウエートが比較的低かったということでございました。戦後の今日の事態はだいぶん趣きを異にしておると思うのでございます。従いまして今すぐにその措置を講ずるというところまでは参っておりませんが、御趣旨の点は十分に検討いたしまして、そういう問題も考えなければならない事態になっているのであろうと考えるわけであります。
  19. 芳賀貢

    芳賀委員 もう少し具体的に、すでに検討をしておると思うのですが、大臣も御承知通り生糸生産の約二五%ぐらいは国用生糸生産されているのですから、生糸産業全体の中からも決して軽視できない。生産量から見ても、また国内における商品の市場性から見ても、これを上場させないとか、そういう論議の時代ではないと思う。ことさらに理由があって、かくかくの理由のために今日までは上場しなかったけれども、今後はやるならやるということは、当然の理由の上に立って処理さるべき問題だと思う。聞くところによると製糸協会のごときは上場に反対しておるというようなことも一説にはあるわけです。そういう国内のそれぞれの部面における業者間の思惑なんかは、政府当局は顧慮する必要はないと思う。ですから農林省も明確な所信の上に立って、この上場問題をどうするというふうなことは、この機会に、大事な二法案審議過程において農林大臣から責任のある態度を表明される絶好の機会だと思って私はお尋ねしておるのですが、もう少し具体的な答弁を願いたいと思います。
  20. 井出一太郎

    井出国務大臣 この点は一方において輸出の面などをもあわせ考えなければならない面があろうかと思うのであります。また今御指摘のような業界考え方も、調整のできる面は十分に調整していかなければならぬと考えまして、それら諸般の情勢を十分に検討した上で処置をしたいと考える次第でございます。
  21. 芳賀貢

    芳賀委員 蚕糸業全体の立場から見ても、先般来の蚕糸局長答弁の中にも、単に輸出産業としてだけでなく、国内における需要なるものが——国民生活の水準が高まることによって、そういう期待現実に実現していく傾向の中において、国内需要というものは相当期待が持てる、そういう中において、今後の蚕糸業の発展、振興というものは相当見通しがあるということを局長は専門的な立場から述べているのですから、国用生糸というものは私が言うまでもなく、国内消費がほとんどなんですからして、輸出との競合はないと思いますし、また製糸自体がそういう目的のもとに製造されているのですから、輸出関係とのそういういきさつとかいうものはそれほど考慮する必要はないと思うのです。この国用生糸上場するということは、すなわち国用生糸製糸業者は、製品が上場されるということになれば、自然品質の良否とか、銘柄とか、そういうものがやはり市場における一つの価値を作っていくのだから、国内需要にこたえ得る優秀な製糸がそういう上場という一つの場を通じて今後ますます改善されるのじゃないか、そこにも一つ期待があると思うのです。そういうことは明白なる事実なんですから、やるならやるとかいうことを明らかにしたらどうです。
  22. 井出一太郎

    井出国務大臣 御趣旨の点はよくわかりますし、また情勢戦前とはだいぶ趣きを異にいたしまして、国用生糸重要性にかんがみまして、そういう問題をも取り上げなければならない段階にきているというふうに思うのであります。ただそれを明確に、いつどういうふうに踏み切るかということにつきましては、私にももうしばらく検討の時間をお与えいただきたい、かように存じます。
  23. 芳賀貢

    芳賀委員 たとえば農林省関係にしても、農産物等相当の品目はもう取引所法等によって上場されているのです。それから見れば、農林省所管の中において相当製糸関係は大きなウエートを占める、国用生糸が全く上場されないままで取引されているというようなことは不思議な一つなんですが、速急にこの解決をされるということを私は大臣期待しておくわけであります。ぜひこれは井出農林大臣在任中に実現をしてもらいたいと思います。  次にお尋ねしたいのは、生糸製造施設処理法案の問題であります。今日までいろいろ審議を進めたのでありますが、この法律のねらいは、あくまでも過剰施設整理することによって生糸製造業合理化の促進と生糸輸出の増進というところにねらいがあるのであって、これとの相関関係を持っている養蚕農家に対する利点というものは全く強調されていないというところに問題があるわけであります。もちろん今日の状態過剰状態を放置していいという論はありませんけれども、もしもこの法律が通過するといたしました場合、適正な整理が行われて、しかもその整理機会にして製糸業者企業努力というものが相当払われた場合においては、生産費の面におけるコスト低下期待が持てると思いますし、その生産費の低減はすなわち利潤の増大という形に当然現われてくるわけです。たとえば利潤部面を、主として原料繭買上代金の値上げであるとか、あるいは工場従業員待遇改善とかいうような方面に充当するんだということは、審議過程において明確にさるべき問題だと思いますけれども現在までこの点に対しましても非常に答弁があいまいで遺憾にたえないわけです。この点に対しては、設備処理が行われて企業合理化等によって、現在よりも企業利潤がある程度高まる、その利潤部面に対しては当然繭代金の引き上げであるとか、あるいは工場従業員待遇改善のために重点的にこれを充当すべきである、そういうように指導するというようなお考えだと思いますが、その点はいかがです。
  24. 井出一太郎

    井出国務大臣 この過剰設備整理いたしますることによって、生産コストが低減されるということは明らかであり、またそれを望んでの法律でございます。従いまして、そこから生まれました利潤がただ単に製糸業者のふところに入っていくべきではなくして、適正にこれがが分配せられるということが当然のあり方であろうと思うのであります。従いまして、これが原料繭部分にどれだけ、あるいは労務者の給与にどういった改善があるということをあらかじめ分け前として指示をするというようなことは無理かと思いますけれども、経済の循環過程においては当然そういうことに相なる、こう思うのであります。これらの点は振興審議会におきまして十分御検討いただき、またわれわろ行政当局もそこから生まれた結論の御趣旨に従って措置をいたしたい、このように存じております。
  25. 芳賀貢

    芳賀委員 この点は非常に大事だと思うのです。今日全国的に養蚕農家の不安というものは、設備処理か行われることによって、原料生産者と、それから工場原料消費する側でありますが、生産消費相関関係の中において、設備が減少するということは、やはり市場関係からいってもこれは売手市場から買手市場に逆転する場合もあるのじゃないかというような危惧感か非常に多いと思うのです。ですからそれを払拭するためには、設備整理はそういうマイナスのことにはならぬ、むしろプラスの面においては、繭の価格の安定とか、さらに今日よりも堅実な安定した条件の上に立った繭の取引か行われるというような条件とか、あるいは繊維関係の産業の中では、一番低賃金のもとに苦しんでおる従業員の待遇改善等も行われるということがやはり実証されなければいかぬと思うのです。政府がわずかであっても、たとえば今年度五千万円の予算を計上されたということも、単にこれは製糸業者設備処理一つのてこ入れとしてやるということでなくして、そのことは、よってもって生産農家に対してもこういう利点があるんだという一貫性の上に立った国の財政支出でなければならぬと思いまするので、この点はやはり、今後設備処理が行われた場合においてはこうなるのだということが実証されるような政府の自信のある見解というものはどうしても必要であると思いまするし、このことが今日の養蚕農民の不安を、ある程度無用の不安があるとすれば、それを解消するような大きな理由になると思うのですが、いかがですか。
  26. 井出一太郎

    井出国務大臣 生糸のコストは、大部分原料繭であり労賃であろうと思うのであります。従いましてこのコストの分析というものは、他の複雑な化学製品なんかと比べますと、ガラス張りと言いましょうか、比較的単純であるというふうに私は見るのでございます。従いましてこの法律の効果というものは、今御指摘のような点において、当然繭生産者あるいは労務者の福音となるべきものだ、こういうふうに信じておるわけでございまして、それらの点は審議会の御検討とも相待ちまして、御趣旨のような方向に指導をいたして参る所存でございます。
  27. 芳賀貢

    芳賀委員 次にお尋ねしたい点は、今回の法律趣旨に従って設備整理を行う場合の方法の問題ですね。その場合考えられることは、やはり大企業の中小企業あるいはごく零細企業に対する圧迫を排除しながら、それぞれの企業分野において適正な整理が行われるということが一番望ましいと思うのでありますが、特に生糸製造の場合においては、機械製糸からあるいは座繰製糸に至るまで、企業内容においても力の差というものが非常に懸隔がはなはだしいことは言うまでもありませんが、この整理の場合においても、小さい企業もある程度の規模を整えて、そうして維持でき健全化できるというようなことの配慮は一番必要なことと思いますが、その場合における適正操業の基準であるか、あるいは整理基準等を立ててやる場合における最末端の小さい企業を守るというような立場の上に立った考慮というようなものが必要であると思いますが、これらに対する具体的な政策というものが必要なことになる。ですからこの点に対する実施計画上の政府の配意というものをお示し願いたいと思います。
  28. 井出一太郎

    井出国務大臣 御指摘のように製糸業の形態というものは、大から中を経て小に至るまで千差万別であろうと思うのでありますが、私はこの産業はラージ・スケール・インダストリーといいますか、その利点というよりも、むしろ中小の経営にやり方によっては非常に堅実に運営し得る要素があるのではないかというふうに見ておるのでございます。さような意味でこの中小に重点を置くつもりでございまして、かま数整理に当りましても、さような点を配慮いたしまして、これらの規模の企業が十分に成立し得るように、政令その他に譲るべき部分でございますが、そのあたりの配慮を十分いたしまして、中小企業が特に大幅な整理を受けるというふうなことでなく、一定基準の基礎控除というような考え方を導入いたしまして、これらの企業の立ち行くような方策を講ずる所存でございます。
  29. 芳賀貢

    芳賀委員 次に設備整理の場合には、設備買い上げの補償等、国の補助あるいは自主的な組合の方針に基く相互補償等が行われると思うわけでありますが、その場合に現在休止しておる施設と稼動しておる施設がそれぞれ対象になると思います。現在まで全く休止しておるとか、あるいは完全なスクラップのようになっているやつを同じような対象にして補償するというようなことはおやりにならぬと思いますが、稼働中のものを整理する場合とか、あるいは休止施設等を補償するような場合においては、当然その評価の上においても勘案というものが必要になってくると思います。これらに対してもやはり具体的な適正な補償というものが必要になってくると思いますが、これらの勘案というものはおやりになるかどうか。
  30. 井出一太郎

    井出国務大臣 全く同感でございまして、操業しておるもの、休止しておるもの、これらは十分に調査をいたしまして、その補償についても差等をつけて実施をいたしたいと考えております。
  31. 芳賀貢

    芳賀委員 次にこの際無免許がま、いわゆるやみがま問題の対策、この設備整理関連し、これを機会に適切な措置を講ずる必要があると思いますし、またこの機会を逸した場合においては、なかなか政府としてもこれに手をつけるというようなことができないと思うんです。先般当委員会関係の参考人を呼んで意見を聞いた場合においても、国用製糸の会長の茂手木さんの意見もこれに関連しておりましたけれども国用製糸としてもやや見通しを持ってこれに当りたいというようなことも言われておりましたけれども、これは単に業者間にまかしてうまくいくだけの問題でもないと思うわけです。政府といたしましても、無免許がまの問題を、この設備整理に合してどのように軌道に乗せて、そして納得のいくような方途を立てて、これらの人たちにも協力を求めながら、期待に沿ったような解決をされる御方針であるか、お尋ねいたします。
  32. 井出一太郎

    井出国務大臣 免許がまの整理だけをやって、無免許の部分に手を触れないというわけには参らないと思うのでありまして、その点は国用製糸の側において自主的にその整理をするというふうな案もできておるように私聞いておりまするが、それだけにのみまかせてできる筋合いのものでもなかろうと思うのであります。従いまして、これは法律的な規制は免許がまだけでございますけれども行政措置をあわせ行うことによりまして、近くそれぞれ地方庁の関係者を招致いたし、その上でバランスのとれた整理をいたしたいと、かように考える次第でございます。
  33. 芳賀貢

    芳賀委員 この点については、名前はやみがまなんと言って非常によくない名前のもとに置かれておるわけですが、これを権力的に抹殺するとかなんとかいうことは当然許されることでありません。しかしまたこの状態をいつまでも放置しておくということもこれは好ましくないことである思いますし、この機会にやはりこれらの諸君にも協力を求めて、この施設整理機会に全体の生糸産業一定の軌道に乗って、そして強力な態勢に発展できるようにするということは、最も望ましい機会だと思いますので、政府としても特にこれに力を注いで、誤まりのないような方法でぜひこれはやる必要があるので、繰り返してお尋ねしておきます。
  34. 井出一太郎

    井出国務大臣 御趣旨通りに善処いたしたいと思っております。
  35. 小枝一雄

    小枝委員長 ちょっと速記をとめて下さい。   〔速記中止〕
  36. 小枝一雄

    小枝委員長 速記を始めて下さい。  他に質疑はありませんか。——質疑がございませんから、これにて質疑は終了いたしました。  この際栗原俊夫君より、自由民主党、社会党共同提案にかかる生糸製造設備臨時措置法案に対する修正案が提出されております。まず修正案の趣旨について、提出者の説明を求めます。栗原俊夫君。
  37. 栗原俊夫

    栗原委員 ただいま議題となっております生糸製造設備臨時措置法案に対する自由民主党並びに日本社会党の共同になる修正案の提案説明を申し上げます。  まず修正案を読み上げます。   生糸製造設備臨時措置法案の一部を次のように修正する。   第三条「当該過剰分に見合う生糸製造設備」を「過剰生糸製造設備相当部分」に改める。   第十二条第二項第三号中「関連業者」を「養蚕業者その他の関連業者」は改める。   附則第一項を次のように改める。  1 この法律は、昭和三十二年十一月一日から施行する。このような修正案でございます。  なお、修正案提案の理由につきましては、審議過程におきまして、各委員の方々が十分御了承であるのでございまして、以上修正案を読み上げることによって、提案理由の説明にかえさせていただきます。
  38. 小枝一雄

    小枝委員長 修正案について質疑はありませんか。   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
  39. 小枝一雄

    小枝委員長 なければこれより討論に入ります。討論はありませんか。   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
  40. 小枝一雄

    小枝委員長 なければ採決いたします。  まで生糸製造設備臨時措置法案について採決いたします。修正案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔総員起立〕
  41. 小枝一雄

    小枝委員長 起立総員。よって修正案は可決されました。次にただいまの修正部分を除いた政府原案について採決いたします。賛成の諸君の起立を求めます。   〔総員起立〕
  42. 小枝一雄

    小枝委員長 起立総員。よって本案は修正案の通り修正議決すべきものと決しました。  次に、蚕糸業法の一部を改正する法律案について採決いたします。賛成の諸君の起立を求めます。   〔総員起立〕
  43. 小枝一雄

    小枝委員長 起立総員。よって本案は原案の通り可決するものと決しました。  この際、生糸製造設備臨時措置法案について、中村英男君より付帯決議を付したい旨の申し出があります。中村英男君。
  44. 中村英男

    ○中村(英)委員 生糸製造設備臨時措置法案に対する付帯決議を朗読いたします。   政府は、本法の施行に当り、左記各項の実現につき万遺憾なきを期すべきである。     記  一、生糸製造設備の処理に当り必要限度をこえてこれを行い、そのために養蚕農家に不利を招くような事態の生じないよう万全の注意を払うこと。  二、生糸製造設備の整備に当っては、中小製糸業者が適正規模の操業を維持できるよう企業単位に相当数の基礎控除を行う等中小製糸業者立場を考慮して実施計画を樹てること。  三、設備買上の補償については現に稼動しているものと休止しているものとによって評価額に相当の差等をつける等実態に即して適正な補償を行うこと。  四、過剰設備の処理によって生ずる生産費の引下げに応じ、繭代金の引上げ、労務者の給与改善等に充当することとなるよう留意し、その対策に遺憾なきを期すること。  五、免許蚕の整理と併行してヤミ蚕の整理をも推進するものとし、なお爾後におけるヤミ蚕の発生防止に万全の措置を講ずること。  以上でございます。
  45. 小枝一雄

    小枝委員長 ただいまの付帯決議を付するに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  46. 小枝一雄

    小枝委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。  次に蚕糸業法一部を改正する法律案について、足鹿覺君より付帯決議を付したいとの申し出があります。これを許します。足鹿覺君。
  47. 足鹿覺

    足鹿委員 蚕糸業法の一部を改正する法律案に対する付帯決議を提出いたします。案文を朗読いたします。    付帯決議   政府は、蚕糸業の拡大発展を期するため、繭の合理的増産、技術指導の強化等積極的な養蚕振興方策を強力に推進し、特に産繭処理対策については、至急に具体的な方策を樹て実現を図るべきであるか、本案に関連して当面左記の如く実施すべきである。     記  一、蚕糸業振興審議会構成に当っては、養蚕農家中小製糸業者意見が十分反映できるように措置すること。  二、繭糸価格安定審議会組織につき、これに公正な第三者見解を反映せしめることができるよう再検討すること。  三、産繭処理指導に当っては、独禁法に抵しょくし、かつ、養蚕農家利益を阻害するおそれのあるような措置は厳に防止するごと。  以上であります。
  48. 小枝一雄

    小枝委員長 ただいまの付帯決議を付するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  49. 小枝一雄

    小枝委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。  この際政府所見を求めます。
  50. 井出一太郎

    井出国務大臣 蚕糸関係法案につきまして、当委員会におかれましては、連日非常な御熱意をもって御審議に当られ、当初予想せられました難関をそれぞれのお話し合いで円満な妥結が見られまして、ここに成立いたしましたことは、政府といたしましては厚く御礼申し上げるわけでございます。この法案につきましては、それぞれ審議過程において御指摘相なりました点を十分勘案をいたして施行をしたいと存じまするし、また両案について、それぞれ付せられました付帯決議の御趣旨を体して、運営に誤まりなきを期したいと考えております。今国会におきましては、非常な御協力をたまわりまして、政府提出の法案はことごとく御可決をいただきましたことを最後に御礼を申し上げまして、ごあいさつといたします。(拍手)
  51. 小枝一雄

    小枝委員長 なお両案の委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  52. 小枝一雄

    小枝委員長 御異議なしと認めさよう決定いたしました。     —————————————
  53. 小枝一雄

    小枝委員長 五月初旬の関東、東北地方等における凍霜害による農業災害対策について調査を進めます。この際現地の被害状況について御報告をいたしたい旨の申し出があります。これを許します。栗原俊夫君。
  54. 栗原俊夫

    栗原委員 五月上旬の凍霜害による農業被害について、五月十一日より三日間にわたり、自由民主党代表の中馬議員及び日本社会党代表の私とで群馬県下並びに長野県下の被害状況を調査して参りました結果につきまして、簡単に御報告申し上げます。  まず、群馬県の状況についてでありますが、十一日県庁に参りまして、竹腰知事を初めとする県当局、県会議員、農業団体等の諸君より概況説明及び陳情等を聴取いたしたのであります。その際の説明によりますと、五月三日の最低気温は山間部を除き、さほど低くなかったようでありますが、五月四日は前橋で二・八度、沼田マイナス三・一度、中之条マイナス二・五度となり、主として県の北部、西北部、西南部等の山間地帯に降霜がありまして、その被害は桑にあっては、凍霜害常襲地帯といわれる東毛地方をややはずれて、利根川を境とするその西方及び北部の山間やその中間地帯に広範かつ甚大な被害をもたらし、麦については、平坦部を除き、利根、吾妻地方が特にはなはだしく、バレイショ及び果樹等についても同様であるとのことでありました。その被害は、五月九日現在において、桑の作付面積二万六千三百四十八町歩のうち被害面積一万一千八百五十九町歩、損害額約八億円、麦類は調査中であるといわれますが、その損害見込み額一億余円、果樹七百四十五町歩のうち被害面積四百七十四町歩、その被害額八千余万円、バレイショ作付三千七百四十九町歩のうち被害面積八百四十五町歩で被害額二千五百余万円、計十億五百余万円の損害見込みであるということであります。これは昨年の凍霜害による損害額二十数億円と比較いたしますと、半分見当でありますが、麦類の被害は相当日時を経過しないとはっきりしないのでありますから、この被害額はかなり大きくなると思われるのであります。  これらの被害に対し、関係者が国に要望いたしました事項は、応急対策として、樹勢回復のための肥料購入費、稚蚕共同飼育施設費、病虫害防除の農薬、掃き立て不能の蚕種代、重油燃焼等の防霜施設、蚕業技術の指導強化、麦、バレイショ等の種子購入費等に対する助成措置のほか、災害麦類の政府買い入れ、共済金の即時概算払い、低利長期の経営資金の貸し出し、土地改良資金の償還条件の緩和、農業共済損害評価の早期実施、被害農家の所得税の軽減または免除、県及び被害市町村に対する普通交付税の繰り上げ交付並びに特別交付税の増額交付、災害対策特別起債の許可及びその償還金の全額元利の補給等であります。  以上のような事情の聴取を終りまして、多野郡吉井町、甘楽郡福島町、新屋村、富岡市一宮、坂井、碓氷郡妙義町丹生、高田、富岡市宇田、黒川、黒岩、高尾、碓氷郡安中町高別当、原市、後閑、秋間、板鼻等の各地の桑について現地調査をいたしたのであります。このうちで特に被害の激甚な地区は、丹生、宇田、黒岩、高別当、原市、後閑等でありますが、これらの桑園は見渡す限りほとんどまっ黒になっておりまして、その間に重油燃焼等の防霜処置によって若干の青葉が点在しているというありさまであります。この地方では農業所得のうち半ば以上を養蚕によって得ており、今回の被害によって、春蚕の掃き立てが不能となりその半分の収入が失われ、農家労力は時期的に遊休する結果をもたらすなど、陳情する農民の苦悩の色は、惨たんたるありさまでありまして、察するに余りあるものがあるのであります。  私どもは、連年凍霜害に痛めつけられるこの地方の農民諸君に見舞の言葉を贈るとともに、今後積極的な対策を農民自身も立てるよう激励して参ったのでありますが、なかんずく、重油燃焼等による効果をまのあたり見て、政府のあたたかい援助とともに彼らみずからの適切な処置を力説いたしてきた次第であります。  次に長野県下の事情について申し上げたいと思います。  長野県下の調査は県選出の松平忠久議員が加わり、十二日及び十三日の二日間にわたり行なったのであります。  県当局、県会議員及び農業団体等の関係者から軽井沢町役場において、概況の説明並びに要望事項等を聴取いたした後、現地調査を行なったのであります。すなわちその概要説明によれば、五月三日の気温は平年より四度以上低く、松本、軽井沢でマイナス〇・七度、五月四日平年より五度以上低く、長野、諏訪でマイナス〇・六、七度、松本、軽井沢がマイナス一・九度及びマイナス四・九度で、ところによってマイナス六度を上回ったというのでありまして、このため特に県北の長野市周辺の善光寺平、更級、南佐久の各郡、上田市、小県郡及び県中央部の松本市周辺地帯等に甚大な被害を与え、高冷地の水稲苗代を初め、麦類、果樹、桑等五月十日現在において八億七千万円に上る損害額が見込まれているというのであります。  本県も凍霜害の常襲地帯で、昨年も数十億円に及ぶ大被害を受け、また今回も十億円に近い被害を受けるなど、たび重なる痛手を受けたわけでありまして、関係者ひとしく、昨年と同様すみやかな救済措置を講ずるよう、樹勢回復及び代作用肥料の購入助成、夏秋蚕種の購入助成霜害防止に要した経費の助成、災害対策技術指導強化費の助成、被害農作物の病虫害防除に対する助成、被害農家に対する営農資金の融資並びに既融資金の償還期限の延期、自作農維持資金の増額融資並びに既融資金の償還期限の延期、農業共済金の早期支払い、農業所得税の減免、県下市町村財政確立のための地方交付税交付金の増額、開拓農家に対する特別融資対策等の要請がなされたのであります。  これらの事情を聴取いたしました後、当日は軽井沢町の水稲苗しろ、小諸市三岡地区のリンゴ、北佐久郡滋野本のクルミ、東部町の桑、クルミ、上田市中之条地区の桑を、翌十三日午前中は坂城町のリンゴ、桑、屋代町、松代町等川中島の千曲川に沿う地帯の桑について現地を調査いたしたのであります。  現地調査において、高冷地の水稲苗しろは、保温折衷苗しろや水の調節等によっては、相当の被害が防げるとの説明がありまして、管理に万全を期する指導態勢の確立が必要であることを痛感した次第であります。  また、リンゴの被害は、降霜時に開花中のもの、デリミャス等の高級リンゴはほとんど中心果はしんが黒くなって腐っており、側果も大部分がやられ、残ったものは変形変色する等、市場価格の安いものしか実らないとのことでありまして、特に小諸市はひどく受け、県北のリンゴ園等の果樹が相当大きな被害を受けていたようなわけであります。  桑につきましても被害を受けましたものは黒くなっており、ようやく副芽が出始めたというようなありさまで、川中島の千曲川沿いの所が特に甚大であったのであります。その他本県特産のクルミはほとんど全減でありまして、上田市、小県郡下等九万貫の生産のうち三分の二の減収となるとのことでありまして、これから雌花が咲いても、すでに雄花が枯死しているので結実できないというのであります。  以上が両県にわたる調査の概況でありますが、現地調査の際特に農民の切実なる声といたしましては、被害農家の経営資金の貸付に当り、天災法による三分五厘の資金ワクを拡大し、かつ長期にしてもらいたいこと。また連年の被害農家には借りかえ融資を行なって、だれでも融資してもらえるよう貸し出し資金の完全消化の措置をはかられたいこと。次に、重油燃焼には桑、果樹等反当三千円から四千円くらいを要するので、これが機具及び重油等の備蓄に対し半額を助成されたいことの二点でありました。  なおこの際特に申し上げておきたいことは、群馬県においては桑園の、長野県においては果樹園の重油等による防除の実施について調査した結果をわれわれに報告いたしたのでありますが、これによりますと、群馬県の桑園の防除実施による経済的効果としまして、反当重油カン三十から三十六個、費用六百六十円から七百九十四円、使用重油百リットル、費用千七百円、人夫二人、所要経費二千三百六十円から二千四百九十六円によって、五月四日の予防を行なった実績はいずれも百パーセントの効果を上げ、予防実施面積十三町、桑反当七十貫で九万一千貫、一貫百二十円として千九十二万円、これから重油カン及び重油代二百九十九万九千円を差し引き七百九十二万円の利益を上げることができ、重油等の防除処置費用と直接間接の凍霜害の被害とを比較すれば、三分の一ないし五分の一の経費によって損害を免れるとのことであったのであります。  次に、長野県における果樹園の防除の実施は、リンゴ四千二百八十六反、ナシ千四百十反、桃三十四反、ブドウ十反、計五千七百四十反に重油千六百六十三石その他を入れ、四千四十五万円の費用を要したのでありますが、そのうも三カ町村を選び調査した結果によりますと、東部町でリンゴの場合、たいたもの被害程度は無被害、たかないもの被害程度二〇から三〇%、クルミの場合、たいたもの被害七〇%、たかないもの収穫皆無、小県郡神科村でリンゴの場合、たいたもの被害二〇%、たかないもの収穫皆無、東筑摩郡宗賀村のナシの場合、たいたもの被害一二%、たかないもの被害四五%でありまして、これらは反当六斗ないし十斗くらいを午後十一時ごろから翌朝五時ごろまでに使用したというのであります。また本県では、本年初めて、低温時に果樹に散水して温度を低下させず、常に零度を保たしめているから、水便のよいところは、これによっても凍霜害の防止ができるとの試験的実験を行なったというのであります。このように防除実施の調査の結果によりましても、その効果は多大なるものがあると認められ、凍霜害のある時期もおおむね一定しており、かつ被害地もいわゆる霜道として、常襲地帯がわかっている点などにかんがみまして、自後の措置ももちろんのこと、重油等の燃焼資材の備蓄または指導奨励あるいは新しい処置の研究等、事前の予防的対策に対し助成措置を講ずることが肝要であると考えるのであります。両県とも気象通報に基き、いち早く対策本部を設け、年ごとに適切なる防除対策がとられていることに対して意を強くしたのでありますが、われわれも被害農民の切々たる要望の声をすみやかに実現して、昨年のときと同様これが救済のあたたかい手を差し伸べるべきであることを痛感して参ったのでありまして、その早急な実現を希望いたして、御報告とする次第でございます。
  55. 小枝一雄

    小枝委員長 助川良平君。
  56. 助川良平

    ○助川委員 去る五月三日及び四日の両早朝、東北、関東、甲信越等の各地方に発生した降霜による農作物の被害状況の調査のため、福島、宮城の両県に、自由民主党から私と村松委員が、そして日本社会党からは、日野委員田中利勝委員がそれぞれ派遣されましたので、この際両党を代表いたしまして、現地調査の状況を御報告させていただき、今後の対策樹立のための資に供したいと存じます。  調査期間は十一日から十三日までの三日間でありますが、報告の方法といたしましては、最初調査の順路に従い、その都度調査見聞いたしましたことを申し上げ、最後に今回の災害の特殊性、要望事項等を総括的に御報告することといたします。  まず私どもは十一日福島県に向う途中、車中で栃木県農務部長その他関係者より、栃木県下における被害状況の報告と陳情を受けたのであります。栃木県における今回の被害は、全県的に見ると昨年ほどではないが、局部的には昨年を上回るものであり、被害地区は県北部が特に激甚で、次いで県中部にも相当の被害があるとのことであります。被害作物は、桑樹、果樹、麦類、タバコ、苗しろ、茶等が主であり、その被害額は、十一日現在で約二億二千万円と推定されており、今後なお増加の見込みのことであります。車窓からも、黒変した桑園、麦等の被害の一部を望見することができました。県の要望事項として陳情された事項は、営農資金の貸し出し、共済金の早期支払い、樹勢回復用肥料代、病虫害防除用農楽代の助成等でありますが、大体あとで申し上げます、福島、宮城等と同じでありますので、最後に一括申し上げることといたします。栃木県の状況を聴取しながら、われわれ一行は白河市に到着、福島県経済部長、農林省福島統計調査事務所長より、県下の被害状況の概略について説明を聴取した後、白河地方凍霜害対策協議会の代表者から、白河地区の被害状況の陳情を受けました。要望事項として、特に本年も肥料代、農薬代、果樹園の防除用燃料代の助成等を強く要望されました。次いで大沼果樹試験地に向い、カキ、桃及ナシ等の被害を見たのであります。ここは県の試験地であるだけに、ある程度経済を度外視して、重油、古タイヤ等の燃焼により予防措置にも万全を期したようでありますが、何分氷点下四度から五度にも気温が降下し、しかも零時から六時にまで及ぶ長時間の低温のため、全く処置方法がなかったようでありまして、重油燃焼の周囲ですら、すべて凍死している惨状でした。何らの効果もなかったのであります。かかる状態でありますから、一般の果樹園においても相当の予防対策を講じたにもかかわらず、自然の威力の前には抗すべくもなく、その被害はきわめて大なるものがありました。  次いで滑津稚蚕共同飼育所において、繭蚕共同飼育桑園の被害状況を調査したところ、一町八反に及ぶ同桑園は全く黒変、手の施しようもなく、丹精の結果りっぱな模範的桑園として管理されている枝条が一方から切り捨てられている。ところで、昨年は蚕児の病気で春蚕を行えなかったのに引き続いての被害で、指導員、組合長以下ぼう然自失の姿でした。後、棚倉町役場において被害状況の報告と陳情を受けました。当地方は養蚕、果樹及び苗しろの被害が大きく、共済金の早期支払いを特に強く要望されました。  棚倉町から野木沢に至り、石川地方の被害状況と陳情を聴取しましたが、ここでは、営農資金の借りかえ、所得税の減免等を切望されました。次いで鏡石村において岩瀬地方の状況を聴取しましたが、養蚕地帯であるだけに、黒変した桑園の中でぼう然自失、ただ政府の差し伸べる手を待つ被害農民代表者の気の毒な姿に接し、われわれ一行は一日も早くあたたかい施策を講ずべきとの決意を新たにしたのであります。鏡石をあとに、途中、桑園、果樹、菜種、麦等の被害状況を見ながら郡山市に到着、第一日目の日程を終了しました。  翌十二日宿舎を出発し、三春町の地方事務所に至り、田村郡下の被害状況を聴取したのでありますが、当地方は海抜二百ないし四百メートルの準高原地帯であり、農業経営にも特異性があり、以前は、わが国屈指の養蚕地帯であったのでありますが、その後作付の転換を行い、現在、養蚕は春蚕が主で、夏秋蚕はやめてタバコの栽培を行なっておるので、今回のごとく春蚕が皆無にもひとしい被害を受けることとなると、養蚕は年間ほとんど断念せざるを得ないのであり、農家経済に及ぼす影響は至大となるのであります。従って農民の苦悩のほども深刻であり、対策についてもきわめて真剣であり、一般的要望事項のほか、自作農資金を中心とした融資、農業所得税の減免措置、失業対策事業のワクの拡大等特別に要望されました。  次いで今回の被害の中も本特に激甚な地方である白沢村、小沢町、川俣町、月館町等において被害調査を行い、農民から切実なる訴えを聞いたのであります。そして福島市に至り、知事公舎において、県農業会議議長、副知事等より、県全体としての被害状況と県としての要望事項を聴取いたしました。  今回の福島県の被害は県下全般にわたっており、その被害額は昨年をはるかに上回っており、掃き立てを目前に控えた全楽園の約九〇%に及ぶ一万三千二百余町歩は黒変し、春蚕の減収見込みは六十余万貫、その金額は約十億円と見込まれております。二十八年の大凍霜害をはるかに上回り、二十八年の共済全概算払いは約九千万円であったが、現在の被害調査から見ると約一億八千千を上回ると見られるほどであります。この際特に要望されました点は、作物統計における被害統計の数字と被害農家の被害の実際についてであります。桑園の中に幾ばくかの桑葉が見受けられるとしても、これは経済的には農家の経営に入り得ないものであって、統計数字よりも農家の経済的被害が、さらに上回るもののあることを指摘されたわけであります。また、満開直後のナシ、リンゴ、桃を初めその他果樹類に対しても、その被害額は全果樹面積の約三八%、二千二百余町歩、被害金額は目下のところ約三億六千余万円と推定され、さらに一般農作物の被害を合せると、被害総額は実に二十数億円の巨額と見込まれており、麦類の被害は、今後さらに増加が見込まれておるため被害金額はさらにふえる見込みであります。これら農作物の現金収入の源を断たれたことは、今後の営農に一大暗影を投じております。被害地域は全県にわたっておりますが、特に安達、田村、石川、岩瀬、東白川、安積、西白川、相馬の諸郡下の被害が最も激しく、伊達、信夫の両郡がこれに次いでおり、さらに会津、浜通りに及んでいます。  県の要望事項については一括後述することといたし、知事公舎をあとに、信夫郡下の果樹、桑園等の現地調査を行い、県立園芸試験場に参り、スプリンクラー、すなわち散水装置による氷結防霜法を見学いたしました。昨年の凍霜害のとき、恒久予防対策として助成を受け、重油燃焼の発煙法による防霜方法とともに、恒久対策として、試験研究を行なっておるのでありますが、スプリンクラーによる防霜法とは、端的に申しますと、霜害を水で制せよということであり、凍害を起すような低温になってきたら散水して水をかけると、水は凍結するが、水をかけ続けると、潜熱により零度以下にはならず、作物体温を保てるから、作物の凍害は防げることになる。散水は作物についている氷が解け始めるまで続けるわけであります。この方法はドイツで詳しく実験が行われ、すでに実用化されておるとのことで、ある種の作物の栽培北限は氷結防霜によって北に伸びて、今まで凍霜害のため栽培できなかった地方まで作れるようになったとのことで、また早害の場合には、灌水の用にも役立つわけであるが、わが国ではようやく試験研究の緒についたばかりであり、試験研究のデータもなくて、また設備類の点等よりの経済的の問題もあるが、連年、いわば年中行事のように繰り返されておる凍霜害に対する、恒久対策の一環として、発煙による防除法等とともに、これらの研究を積極的に奨励し、その早期確立をはかるべきとの感を深くいたしました。  以上見学を終了し、上保原を経て梁川町に至り、福島の調査を終了し、宮城県農林部次長、県議団等の案内で宮城県下の調査に移りました。まず伊具郡丸森町役場に至り、宮城県下の被害状況の概況について説明を聴取したのであります。本県も三日から四日にわたり気温は急激に降下し、県下全般にわたり降霜があり、百葉箱内において最低零下三・八度に下り、地表温度は零下六度にも降下したところもあり、局部的には薄氷が張るほどであり、桑園、果樹、苗しろ、麦類等にまれに見る被害の発生を見たのであり、被害地域は全県にわたっておりますが、伊具郡を中心とした県南の地方が最も激甚であり、次いで県北部に相当の被害が発生したのであります。作物は桑園が最も大きく、五月十二日現在において、桑園の被害は全面積四千十五町の約八六%が被害を受け、これを皆無換算すると、全桑園の四九%が被害を受け、金額にして二億二千余万円と推定され、そのほか果樹その他の農作物の被害も約二億円見込まれており、さらに今後も増加する予定で、ほぼ昭和二十八年の被害に匹敵するが、今回は局部的に集中しておるために、地区によっては未曽有の大被害を受けたのでありました。かかる被害に対して県としても独自の立場において種々対策を講じておりましたが、他県と同様の事項を国に対して要望いたしておりました。県下の状況聴取後、丸森町長より地元の被害について、当地方は養蚕に依存するところ大であるため、共済金の早期支払い、営農資金の早期貸付を望切されました。丸森町から角田町に至り、ここで竹谷源太郎君、保科善四郎君が調査に加わり、被害状況の調査を行い、川崎町の宿舎に到着、地元の代表より陳情を受けました。当地方は、地表では最低零下六度以下にも降下したため、農作物の被害は大きく、苗しろは凍結し、多大の被害を受けたため、苗しろ購入に対する助成策を講じてもらいたい旨要望されました。  これで十二日の予定を終り、翌十三日は川崎町の桑園、果樹、苗しろ等の被害と開拓地の麦の被害の現地調査を行い、刈田郡蔵王町に至り、役場にて町長、農協会長、農業委員会代表者等より陳情を受けました。当地方は果樹の栽培地帯であるため、果樹の被害に対する対策等を特に要望されました。ついで蔵王町の果樹の現地調査を行なった後、柴田郡大河原町金ケ瀬にて陳情を聴取し、仙台市に到着、県庁において県全般についての総合的なる要望を聴取いたし、続いて隣県の岩手県よりも県議会の代表者から陳情を受けました。  以上もちまして調査の順路に従っての報告を終りますが、次に今回の被害の特徴とも考えられます点は、被害が局地的に集中いたしましたために、きわめて激甚なる被害地の発生を見た点及びかかる激甚地においては、極端な地方では実に零下六度以下にも及んだため、人力と経済の許す限りの防除を行なったにもかかわらず、被害を食いとめることができなかった点等が見のがせない事実であり、われわれ対策を立てる場合、この点に深く留意すべきであろうと考えられます。  最後に、以上の各県の調査の過程において要望されました事項につきまして、総括的に申し上げて私の報告を終りたいと思います。  一、樹勢回復用及び再発芽促進用肥   料購入費に対する助成。  一、病虫害防除用薬剤購入費に対す   る助成。  一、農業共済金の早期支払い。  一、夏秋蚕種購入費に対する助成。  一、蚕種製造業者に対する経営資金   の融資。  一、低利営農資金並びに自作農資金   の融資並びに既融資金の償還延期   措置。  一、霜害予防対策費に対する助成。  一、凍霜害対策別稚蚕共同桑園設置   助成。  一、蚕業技術員及び農業改良普及員   並びに共済事業損害評価員等に対   し災害復旧促進並びに調査のため   の特別指導費に対する助成。  一、転作用種子購入費に対する助   成。  一、失業対策費の増額。  一、県並びに被災市町村における地   方税の減免とそれに見合う地方交   付税交付金の増額。  一、被害農家に対する所得税の減   免。  一、凍霜害に対する恒久対策の早期   樹立。  一、関連産業に対する金融措置。  一、凍霜害対策試験研究費の助成。  一、凍霜害対策に関する特別立法の   措置。  以上であります。
  57. 小枝一雄

    小枝委員長 この際暫時休憩いたします。   午後一時二十七分休憩      ————◇—————  〔休憩後は開会に至らなかった〕