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足鹿委員 私は少くともあの
制度改正協議会にこの
改正案を出されるならば、一応は正式にお諮りになって、あそこまで努力をし、苦心をした者の
意見をいま一応お確かめになる必要はなかったか、
相当時間を過ぎておりますからあるいはそういう点で何か別に
考えられるところがあったかもしれませんが、少くとも
内閣は変っておりましても、の努力したものが、このたびの中に言いろいろな形で、目だけは一応入れておられる点も私
どもは買うのでありますが、やはりもう少し尊重されるような態度がほしかったと思う。今後もまた
運営上についてはいろいろお
考えになっておるようでありますが、これ以上申し上げません。
そこで、今度の
改正について私が一番問題にしたいのは、いろいろな参考資料を読んでみてもわかりますが、一番問題になるのは、
制度をどう
改正してみても、
運営の面において
制度そのものがあまり複雑に過ぎる、そのよき意図とは違った結果が出てくる、こういうことだろうと思うのです。
昭和三十年度の決算検査報告書を見ますと、農業
共済再
保険特別会計中の不当事項というところが長文にわたって出ておりますが、このいろいろな事項を指摘しております中で一番重大な点は、
昭和二十八年度決算検査報告に掲記した指摘事項のうち、当局において変則払い等の不当経理を是正し正規の支払いを行なった旨を、その検査を受けた組合から回答があった、そこでまたそれを再調査してみたところが、実際は指摘によって直したといいながら、それは帳面の上だけで全然直しておらぬ、このことが一番遺憾であるという旨を
会計検査院は指摘しております。膨大な報告の中で
昭和二十八年にたとえば兵庫県加古郡天満村の事例—私は当時小
委員長をしたときに資料を出してもらってよく記憶しております。そうしてこれは変則であるから直せといって、直しましたと返事がくる。また今度調査してみたが、これは帳簿上のことだけであって、全然是正されておらないということは、この検査報告書の中で一番重視すべきであろうと思う。どんなに
制度を
改正してみたところで、こういうことではおそらく問題にならないだろうと私は思う。そういった点で本
制度を
簡素化していくためには、この前もこの問題が問題になったときに、いろいろと小
委員会の案として作りました備荒資金
制度のようなものを作る、そうして病虫害ははずして、病虫害はできたものに補助を与えるというよりも国営あるいは国の
負担において予防に
重点を注いでいくという方式に変えまして、そうして風水害等の不可抗力による
災害については国が
補償をしていくという、いわゆる
国家補償の方式を備荒資金
制度的な
方向で求めたらどうかということを当時
相当検討したのです。ところが衆参両院ともに一番問題になったのは、現在国が使っておる
程度の金をそのまま積み立てることが可能であるならばそれでよろしいが、もし大きな
災害が起きたときにはその予算の範囲内で大蔵当局に打ち切られる危険性がある。その点では現
制度は自動的にふくらんでいくという強みを持っている、この自動的にふくらみ得る
制度を生かしながら、しかも
国家補償制度に切りかえていくにはどうしたらよいかということが、私はこの
制度改正の
基本であったと思う。そういう点については歴代の
内閣を経、足かけ五年の検討をやられたわけでありますから、全知全能をしぼってみても、少くとも
法律的にそういう手段がなかったかどうか、これが一番問題なんです。だから、検査院が膨大な
機構を使って検査してみても反応がない。中にはりっぱな
運用をしておるものもありますが、間違った
運営をしたものははなはだしく多いのです。こういう間違った
運営をやらさないためには、備荒貯蓄のような形で、
災害を受けたものに対し国が
補償していくという行き方が私は一番簡素でいいと思います。この
制度が一番いいと思います。だがしかし今言ったような大きな
災害があったときに、自動的にこれに対応するような
国家予算の支出が伴わないようになった場合は、むしろこの
制度自体が後退をする危険性があるというので、あの当時は踏み切らなかったのです。大体
意見は一致しておったのです、
制度改正調査会も、当
委員会の結論も。ただ参議院の方でもその点を
心配されて、そういう重大な問題であるならばわれわれもそうむちゃなことはできぬというので思いとどまったのです。そこでその問題を今後どう検討するかという間に
内閣が変ったり解散があったり、いろいろな政変のためにそのままになってしまって今日に至っておるのです。この点についての検当はどうでありましたか、これは局長の
意見もお聞きになってけっこうですから、もう少し詳細に御
説明願いたいのです。