○
川村(善)
委員 長官は
漁業の
経済問題を何も
考えずに全船出したい、利益はないだろうけれ
どもがまんをしてくれというふうな腹がまえで私に
お答えになっておるように解釈いたしますが、一体どのくらい割り当てて、どのくらいあれば間に合うかということを
長官はつかまえていますか。あなたの
議論は
あとの灰をかぶることいやさに全
船出ろと言っておると私は思いますが、私らは
専門家であるだけに、それは
甲乙丙丁がございますので、
採算がとれない、借金もしなければならない船もあるでしょうし、どうにかやっていけるという人もあるでしょう。種々雑多ではありますけれ
ども、大体においてみんなが満足できるという線でいけというのであれば私は承服いたしますが、ただ単にみんな出ていけということでわれわれ満足できますか。
あとで
大臣も出席されることであり、各
委員からも
質問があると思いますからその
数字にはわたりません。これでは満足するだけの
割当ができないものとわれわれは断言してはばかりません。
業者も
減船やむなしという線を打ち出しておる。みんな
相談して、自主的にやめるものならやめたいという
希望者もある。しかしやめたいという
希望者は
ほんとうにやめたいのではなくて、金が出ればやめるということです。一体一銭の金ももらわずにやめる人がありますか、ないでしょう。(
赤路委員「
河野の
責任だ、
政府の
責任だ」と呼ぶ)そうしたならば金が問題になる。金が問題になると、自主的にやれ自主的にやれと言って、負担は全部
漁民にかけて
責任を負わないということになったならば、われわれは承服することはできません。今
赤路君から
河野の
責任だ、
政府の
責任だと言われたがまさにその
通り。もともと昨年十七船団を出すという
計画を立てたためにソ連の心証を害してああいうふうになった。そこで今年は十四万五千トンならばどうだということで第二案を出したがけとばされて十二万トンになった。従って一隻当りの
漁獲量の減ることは当然であります。
漁獲量が減ると
経済が成り立たないということも当然なんです。成り立たなかったとするならば、
行政庁である
水産庁がどのくらい
減船してどうするとか、
指導行政をすべきであるにもかかわらず、自主的々々々と言っている。その自主的にやることが
政府が
責任を持たないということであるとするならば、やめる人がありますか。
大臣に
質問しようと思ったけれ
どもよけいなことを答えるから言わざるを得ない。何隻出せばどれだけの
計算になるか言ってごらんなさい。それくらいのことは答えていいでしょう。しかしいずれにしても
減船をしなければならないことになったのですから、たとい自主的に
減船の
計画を立てるにしても、大体の今までの実績から見て、
減船した場合にはどの
漁業にどういうふうに
転換をさせるということぐらいは
水産庁で
考えておかなければならぬのは当然であります。この
はえなわの問題あるいは四十八度
以南の場合でも、
独航船だけに犠牲を払わせて、
あとのものを満足させるという一方的な
考えでは真の
行政庁だとは言
えないということをはっきり申し上げて、御答弁願いたいのです。ただ県あるいは
業界から、これこれの
漁業に
転換するという
希望があった場合、その
希望に沿うて
転換させる。
転換させるからには必ず金がつきものであります。その
金等の問題も全部とは申し上げませんけれ
ども、できれば
国家補償、
国家補償ができなかったならば
金融措置、
利子補給を
考えているかどうか。また
長官は
ほんとうに地方庁あるいは
業界の
要望に沿うて、その
要望通り他の
漁業に
転換をさせるという
意思があるかどうか、この点を伺います。