○西村(力)
委員 総理は
アメリカに参られまして反共演説をぶたれてすばらしいかっさいを受けたようでありますが、それはそれといたしまして、お持ちになった
防衛三カ年
計画が計数的には以前からあったもので、また当時の政府の重光さんなりそういう方々が持っていってあの当時においては歓迎されなかったものが、今回お持ちになって歓迎されたといろところに私たちは非常に奇異な感じを持つわけなのでございます。なぜ今度
総理のお持ちになった
計画が歓迎されたのか、いろいろ
考えられるところもありますが、
総理自身はその点に対してどういう見解を持っておられるか。私たちは、さきに歓迎されなかったその
計画が、計数上においては同じであるのに歓迎されたという
変化について、やはり非常な
関心を持たざるを得ないわけなんであります。その点が一点。
続けて
質問しますよ。一括して答弁願うようにします。それから
会談の結果持たれるに至った安全保障に関する日米の
委員会、ここでは米軍の配置、装備、使用というものに対して相談が行われる。
先ほど飛鳥田
委員の
質問に対する答弁は、協議がまとまらなければ一兵たりとも
米国側は動かさないのだ、こういうことを確信あるがごとく言われましたが、そのような具合にはっきりしましても、私たちは
一つの危険を感ずる。それはどういうことかといいますると、現在米軍は一触即発の態勢を常にとっておる。今の兵隊はパール・ハーバーでやられたような工合にのうのうとしているはずはない。米軍の飛行機は臨戦態勢をとって、常に三分の一は空中にあって、指令一下敵陣に突撃するという態勢をとっているのだということを軍事専門家はすべて言っておる。ですから、この
委員会において米軍の行動を開始する場において協議が行われる。それがもたもたしているのだというような余裕があり得るかどらか。私はこれからの
戦争というものはそんなような事前にもたもたと相談をして、そうして議まとまったからこれをどうする、こういうような工合には絶対に参らない、こう思うのでございます。そういう態勢に米軍が立っている限りにおいて、
戦争というものが発生する場合においては協議の余裕もなく行われるだろう、こういうことを言われるのです。ですからそういうことを
考えていきますと、結局
日本の国に米軍がおることは、合同
委員会で協議をすることにしましても、それはだめなんだ、こういう結論にならざるを得ないわけなんでございます。その点に関しては
総理はどういう工合にお
考えになっているか。
第三点としましては、核
兵器の持ち込み、これは確信をもって拒否するのだ、
国民感情にこたえて、そしてまた
日本の安全をはかるために、そういう工合にするのだと仰せられるけれども、そういう
考えは、現実に横須賀なら横須賀に第七艦隊がおる。これは原子力武装していることは間違いない。板付あたりに原子力を搭載する飛行機がはっきり入っておる。そういうものが入っておるのに対しては一体どうするのか。これからそれを拒否するのか。第七艦隊は
日本の横須賀に入る場合においては原子力武装を捨てて
日本に入ってこざるを得ないということになるわけではないか。そういうことになりますと、政府側はとかくオネスト・ジョンが
日本に入ったときのような理屈をつけるのではないか。オネスト・ジョンが入ったときには、先にコンクリートをつめるから原子
兵器ではないのだというふうに、あの当時詭弁を弄された。しかし大砲でも鉄砲でも空砲を打つから
兵器ではない、こういうことは言えないはずなんです。常々は空砲を打っておる。しかしながら、それは
兵器ではないなんということは言えないと同じように、原子装備をするという
兵器が常にコンクリートをつめる、あるいは爆薬をつめるから、それは原子
兵器でないという誰弁は成り立たない。やはり原子装備をする
兵器が
日本に入る限りにおいては、原子爆弾というものが使われるのだということは避け得られないことになるのではないかと思います。だからオネスト・ジョンにコンクリートをつめるから原子
兵器でないというような誰弁は許されない。そういう工合に
考えてきますと、やはりそういう原子装備をするというような目的をもった
兵器は一切
日本には入れてはならない。こういう
立場をとっていかなければならぬ、こう思うわけなんであります。それが第三点。
次に近く国連総会が行われますが、国連の力が安保
理事会というものから総会に非常に大きくウエイトが変ったということは、
総理もお認めになることと思うのでございます。その力はアジア・アフリカのバンドン・グルーブというふうにいわれているあの力がそらせしめているんだ。ところが今度の総会においては、確かに原水爆の実験禁止の協定即時締結というような提案が行われるであろうと思う。かつて登録制を提案して
世界の批判を受けたような、ああいうことではなく、今度国連総会においてそういう提案がなされた場合においては、一体政府としてはどういう
立場をとられるであろう。私たちいろいろ検討いたしますに、この実験禁止協定は、国連総会において相当の
可能性を持ってくるのではないだろうか。そのことは、アジア各国の力というものが総会に反映してそういろ工合に動くのではないだろうか、こう思われる。その場合において、
日本の
立場というものは非常に重要な問題になってくるではないだろうか。一方においては
アメリカ側のいわゆる自由国家群と称せられる側に対する懸念から、それにらかつには乗れないということもあるでしょうけれども、また一方アジア・グループという中に
日本の
方向をつげなければならぬということは、
日本の多くの
国民の
考え方であり、またそうすることが
世界平和に寄与するという
考え方が、現実に具体的に行動となって現われる姿である、私たちはそう
考えるんです。ですからその際における
日本の態度をどうせられるか。これは相当検討せられていることだと思いますし、また決断をもって行なっていただかなければならぬ問題ではないか、こう思うわけなんです。
次に第四点としては、昨日新聞発表によりますと、長期安定政権構想として経済
計画を基礎とする、こういうことを申されておりますが、これは当然のことだと思うのです。そのあとの経済
計画の基礎に立って――基礎に立ってという言葉がちょっと私にはわからないのですが、こういう基礎に立って労働、教育両政策に重点を指向する、こういうことをあなたが仰せられた。その記事を見まして、私はかつて産業報
国会を仕組み、あるいは教育統制を仕組んだあの姿をまた思い起さざるを得ないわけなんでございます。これは私の単なる思い過ごしであってもらいたいものだ、こう思うわけなんですが、長期安定政権のために教育政策、労働政策に重点を指向するということに対しては、ぴんと
国民全体一、あの当時の記憶のなまなましい人々は感じているだろうと思う。ですからそういう点に関してはっきりした御見解を示していただきたい。
以上の点について御
質問申し上げます。