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1957-04-16 第26回国会 衆議院 内閣委員会 第30号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十二年四月十六日(火曜日)     午前十時二十分開議  出席委員    委員長 相川 勝六君    理事 大平 正芳君 理事 床次 徳二君    理事 福井 順一君 理事 保科善四郎君    理事 山本 正一君 理事 石橋 政嗣君       大坪 保雄君    北 れい吉君       田村  元君    辻  政信君       眞崎 勝次君    町村 金五君       粟山  博君   茜ヶ久保重光君       飛鳥田一雄君    井手 以誠君       稻村 隆一君    西村 力弥君  出席国務大臣         国 務 大 臣 松浦周太郎君  出席政府委員         人事院総裁   淺井  清君         人事院事務官         (事務総局給与         局長)     瀧本 忠男君         総理府事務官         (内閣総理大臣         官房公務員制度         調査室長)   大山  正君         大蔵事務官         (主計局給与課         長)      岸本  晋君  委員外出席者         防衛庁人事局調         査官      山本壮一郎君         専  門  員 安倍 三郎君     ————————————— 四月十二日  臨時恩給等調査会設置法案内閣提出第一四三  号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  一般職職員給与に関する法律の一部を改正  する法律案内閣提出第八五号)  特別職職員給与に関する法律の一部を改正  する法律案内閣提出第八八号)  防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案(  内閣提出第九一号)     —————————————
  2. 相川勝六

    相川委員長 これより会議を開きます。  地域給に関しては、給与に関する小委員会におきまして御検討を願っておりましたが、小委員長より、小委員会審議経過等について御報告いた、したいとの申し出があります。この際これを許します。大平正芳君。
  3. 大平正芳

    大平委員 給与に関する小委員会におけるその後の審議経過並びに結果を御報告申し上げます。  俸給制度検討経過につきましては、去る四月二日の本委員会におきましてすでに御報告申し上げた通りでございますが、給与小委員会はその後、四月四日、五日、六日、八日、十二日と五回にわたり、地域給制度検討を行なって参ったのであります。その間における小委員各位の御労苦に対し、衷心お礼を申し上げる次第でございます。  すでに御承知の通り地域給制度行財政各般、特に人事行政上多くの弊害を生んでおり、このまま放置することができないこと、さらには現行地域較差もまた物価並びに生計費の実勢と著しく乖離しているので、これを廃止ないしは再検討すべきであるという点については、各委員の間において何らの異存は見られなかったのであります。しかし、これを廃止するといたしましても、各地域間、たとえば大都市と小都市及び農村の間には、なお相当生計費較差が実在する状況に日をおおうことはできないし、同時に、各職員の受ける現在の地域給手取額の保証は、何としてもこれを実行しなければならぬこと等を考慮してその処理に慎重を期さねばならないこともまた論をまたないところであります。従って小委員会における村議と検討は、主としてこの処理方法にその焦点が向けられたのであります。  審議の詳細は省略いたしますが、与党及び政府の間において考えられていた当初案に対し、今申し上げましたような観点から、第一に、昭和三十二年三月末において地域給廃止してこれを暫定手当に切りかえる方針を明確化する。第二に、切りかえられた物定手当は、これを俸給号俸別定額化するも、昭和三十二年三月末における地域給の現額は保証する。第三に、無紋地整理昭和三十三年度末までに実行し、昭和三十四年四月一日以降、現行一級地に該当する暫定手当相当額俸給に繰り入れる原則を明確化する。第四、無級地一級地の二段階を一挙に整理せんとすることは、今後における地域較差推移中央地方を通ずる財政状況等に確たるめどがつけ得ない現状においては、大胆に過ぎるので、とりあえず、この際としては、無級地段階整理にとどめる等の原則を打ち立て、この線に沿って次のような小委員会案決定を見たのであります。  この小委員会で、決定を見ました勤務地手当処理に関する決定事項は次の通りであります。  第一 勤務地手当制度は、昭和三十二年三月三十一日限り、これを廃止するものとするが、現行支給地域に在勤する職員の現給を保証するため、これに代る措置がとられるまでの間、暫定手当を支給する。  第二 暫定手当は、現行地域区分に応じて定額で支給するものとするが、地域区分の変更は、将来原則として行わないものとする。  第三 暫定手当額等については、次によるものとする。   一 現行支給地域に在勤する職員に対する暫定手当の額は、昭和三十二年三月三十一日現在における支給額基準として俸給表別等級別号俸別定額で定めるものとする。     前項の定額支給地域職員昭和三十二年三月三十一日(又は本案実施の前日)現在における勤務地手当の現給に達しない場合は、その現給を保証するものとする。   二 現行無紋地に在勤する職員に対しては、昭和三十二年十月一日以降、暫定手当を支給するものとし、その額は左記計画により漸次これを増額するものとする。     昭和三十二年度      前記一による現行紋地暫定手当の額の2/5の額     昭和三十三年度前記一による現行一級地暫定手当の額の3/5の額   三 昭和三十四年三月三十一日において、現行一級地暫定手当定額相当額は、全職員に対しこれを本俸に繰り入れ、暫定手当支給地域区分を三段階に圧縮するものとする。   四 昭和三十二年度以降における新規採用者等暫定手当の取扱は、前記各号に準じ措置する。   五 暫定手当は、勤務地手当と同様、期末、勤勉手当超過勤務手当等の計算の基礎とする。   六 本措置に要する財源は、凍結の際における勤務地平当総額に六・二%を乗じて得た財源によることとする。    (註) 地方公務員に同様の措置を講じた場合における地方財政負担増加見込額は、左の通りとする。      昭和三十二年度  四億      昭和三十三年度 三〇億      昭和三十四年度 五八億  第四 市町村合併に伴う同一市町村内の暫定手当支給の不均衡是正に   ついては、昭和三十四年四月一日以降段階的にこれを実施に移す方針の下に、政府において適宜措置すること。  何とぞ本委員会におきましても、その御承認をお願い申し上げる次第でございます。  以上、御報告申し上げます。
  4. 相川勝六

    相川委員長 これにて小委員長報告を終りました。御質疑はございませんな。  この際、午前十一時三十分まで休憩いたします。    午前十時二十五分休憩      ————◇—————    午後零時十五分開議
  5. 相川勝六

    相川委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  一般職職員給与に関する法律の一部を改正する法律案特別職職員給与に関する法律の一部を改正する法律案及び防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案の三法律案一括議題といたします。これら三法律案につきましては、自由民主党及び社会党委員共同提案にかかる修正案が、それぞれ委員長手元に提出せられております。この際これら三修正案一括議題とし、提出者よりその趣旨説明を求めます。大平正芳君。     —————————————
  6. 大平正芳

    大平委員 ただいま御提案になりました三法案に対するそれぞれの修正案趣旨の弁明を行いたいと思います。案文はお手元に差し上げてございますので、朗読は省略さしていただきます。  この修正案は、本委員会に設けられました給与小委員会におきまして、結論を得ました線に沿いまして、法律にかかる小委員会決定法律事項整理いたしまして修正案といたしたのでございます。残余の決定事項附帯決議にうたったわけでございます。  要点は、第一は俸給制度改正でございまして、職員勤労意欲を阻害しないように、行政職技能職俸給表をそれぞれ一本にまとめまして、その呼称を変えたことが第一点でございます。  第二点は、初任給新高卒につきまして三百円、新中卒につきまして二百円それぞれ引き上げる、これに伴いまして俸給区分表所要改正を加えた点でございます。  第三点は地域給を本年の三月三十一日限り廃止いたしまして、これを暫定手当に切りかえたことでございます。またこの改正に伴う所要の法文上の改任を織込んだものでごさいますので、各位の御賛成をお願いいたしたいと思います。
  7. 相川勝六

    相川委員長 これにて各修正案に対する趣旨説明は終りました。各修正案に対する予算関係について、内閣において意見があればこの際お述べ願います。
  8. 松浦周太郎

    松浦国務大臣 本議案提案以来、いろいろ審議過程におきまして私は自分の出した案はあくまでも支持する、しかし審議過程においての変化は認めざるを得ないということを申し上げておりましたから、その線に沿って両党がほんとうに一致されまして、ここにりっぱな修正案ができましたことは、政府としては異存ないのみならず、大いに歓迎する次第でございます。
  9. 相川勝六

    相川委員長 これより三法律案並びに三法律案に対する修正案について質疑に入ります。石橋政嗣君
  10. 石橋政嗣

    石橋(政)委員 一点だけお尋ねをいたしておきたいと思います。今度の修正当りまして 一番大きなウエートを占めております暫定手当の額の決定に際して、これは人事院規則にゆだねられておるわけです。私たち小委員会におきまして、この暫定手当の額を決定する際に、一つの数字的な根拠をもって論議をいたしております関係上、幾らにきめられるのかということが相当大きな影響を与えますので この際確認をしておきたいと思うのでありますが、それは、「暫定手当の額は、俸給表の各職務等級のそれぞれの号俸俸給月額に千六十二分の千を乗じて得た額と昭和三十一年度予算における国家公務員一人当り扶養手当平均月額との合計額に、支給地域区分が、四級地である場合にあっては百分の二十、三級地である場合にあっては百分の十五、二級地である場合にあっては百分の十、一級地である場合にあっては百分の五を乗じて得た額を基準として号俸ごと支給地域区分に応じて、人事院規則で定める。」というように決定いたしておるわけでございますが、昭和三十一年度予算における国家公務員一人当り扶養手当平均月額、これが問題になるわけです。この点人事院ごおきまして、これを幾らと押えて計画表を作られるつもりであるか、その点確認をいたしておきたいと思います。
  11. 淺井清

    淺井政委員 これは人事院実施面における問題でございますから私からお答えをいたしますが、人事院といたしましては、大体九百五十円程度にいたしたいと考えております。
  12. 石橋政嗣

    石橋(政)委員 大蔵省の方でその数字を御確認願えますか。
  13. 岸本晋

    岸本政府委員 一般職給与法俸給表と同じ適用を受けておる国家公務員の範囲をとりますと、やはり九百五十円に相なります。
  14. 相川勝六

    相川委員長 これにて三法律案並びに三法律案に対する修正案についての質疑は終了いたしました。  これより三法律案及びこれら修正案を一括して討論に入るのでありますが、別に討論の通告もありませんので直ちに採決いたします。  まず一般職職員給与に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。  初めに本法律案に対する自由民主党及び日本社会党委員共同提案にかかる修正案を採決いたします。本修正案賛成諸君起立を求めます。   〔総員起立
  15. 相川勝六

    相川委員長 起立総員。よって本修正案全会一致をもって可決いたしました。  次いでただいま議決いたしました修正案修正部分を除く原案について採決いたします。これに賛成諸君起立を求めます。   〔総員起立
  16. 相川勝六

    相川委員長 起立総員。よって本法律案全会一致をもって修正案通り修正議決いたしました。  次に特別職職員給与に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。  初めに本法律案に対する自由民主党及び日本社会党委員共同提案にかかる修正案を採決いたします。  本修正案賛成諸君起立を求めます。   〔総員起立
  17. 相川勝六

    相川委員長 起立総員。よって本修正案全会一致をもって可決いたしました。  次いでただいま議決いたしました修正案修正部分を除く原案について採決いたします。これに賛成諸君起立を求めます。   〔総員起立
  18. 相川勝六

    相川委員長 起立総員。よって本案全会一致をもって修正案通り修正議決いたしました。  次に防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案について採決いたします。  初めに本法律案に対する自由民主党、及び日本社会党委員共同提案にかかる修正案を採決いたします。本修正案賛成諸君起立を求めます。   〔総員起立
  19. 相川勝六

    相川委員長 起立総員。よって本修正案全会一致をもって可決いたしました。  次いでただいま議決いたしました修正案修正部分を除く原案について採決いたします。これに賛成諸君起立を求めます。   〔総員起立
  20. 相川勝六

    相川委員長 起立総員。よって本法律案全会一致をもって修正案通り修正議決いたしました。  この際一般職職員給与に関する法律の一部を改正する法律案に対する自由民主党及び日本社会党委員共同提案にかかる附帯決議について、石橋政嗣君より発言を求められております。これを許します。石橋政嗣君
  21. 石橋政嗣

    石橋(政)委員 給与法につきまして審議を続けて参りました小委員会審議過程の中で、この際委員会附帯決議として置いた方がいいのではないかという問題がございますので、これを提案さして小ただきます。  本文をまず読みます。    一般職職員給与に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議   本案実施に当っては、政府は、左記事項について必要なる措置を講ずること。  一、一般係員で現在六級以上の者は、原則として行政職俸給表(一)の七等級へ格付すること。  一、翻訳職専門職等組織上の役職名のない職員で現在十一級の者は、その職務内容に応じて行政職俸給表(一)の四等級へ格付すること。  一、研究職員で部長、課長、室長等役職名のない職員についても、その研究業績職務内容に応じて研究職俸給表の四等級以上の等級へ格付すること。  一、行政職俸給表(二)に該当する職員で、鑑定、模写、工芸品製作欧文ステノタイプその他高度の特殊技能を有する者及び特に規模の大きい官庁における配車係長その他技能関係の高度の管理的業務に従事する者は、行政職俸給表(一)を適用させること。  一、機器の運転操作その他技能を必要とする業務に従事する職員で現在六級以上の者は、原則として、行政職俸給表(二)の三等級へ格付すること。  一、その他右に準じて取扱うことを適当と認められるものについては、格付上十分考慮すること。  一、改正旅費法中、現行より不利となる部分については十分考慮すること。  一、暫定手当整理を行う場合には現行一級地相当額はこれを本俸に繰入れること。  一、勤務地手当廃止に伴って生じた余剰経費は、本年度中において、これを給与改善原資に充当すること。  一、市町村合併に伴う同一市町村内の物定手当支給の不均衡は、なるべく、すみやかにこれを是正すること。 右決議する。  簡単に御説明申し上げますと、大体この中で人事院の格づけ運用の面でぜひこうしてもらいたいという部面相当あるわけでございますが、これは今度の給与改訂当りまして明らかに不利になる者、あるいは有利の度合いの少い者、そういう者をカバーしてもらいたいというところから出てきておるわけでございます。ここに具体的に掲げられておるものだけにとらわれることなく、大体六番目に書いてありますように、総体的に救済できる、ようにしていただきたいということでございます。  なお従来政府案によりまして技能労務職というふうなものに格づけされておった者は、これは今度行政職俸給表二ということになるわけでございますが、この行政職俸給表一と二の間に全然関連がないというようなものではないということを意義づけたわけでございます。四番目に書いてありますようなものは、当初から行政職俸給表の一に格づけしてもらうということになっておりますので、これは将来におきましても、このような程度に達した者は一の方に移行することができる。すなわち一表と二表の交流を可能にするというような意義をも含ませておるということを御認識願いたいと思います。   それから七番目の旅費の問題では、今度の改訂に伴いまして、若干旅費法関係で不利になるような部面が出てくるおそれがございますので、そういうことのないようにしてもらいたいということであります。  それから八番目に書いてありますのは、今度の修正案の中に、二十三項でありますが、「暫定手当昭和三十四年四月一日以降において、これを整理し、その一定の額を職員俸給に繰り入れる措置をするようにするものとする。」とございます。その意味は、ここの八番に書いてあります現行一級地相当額はこれを本俸に入れることだということを念のため書いて置いたわけでございます。  それから次の九番目の問題につきましては、国家公務員の場合に、今度の勤務地手当廃止に伴って余剰の金を生むようなことがあるとわれわれは考えておるわけでございます。その余剰経費は、これをなしくず上に給与改善の方に回すというのではなしに、できれば明らかとなるような方法で何らか適当な時期に給与改善原資に充当してもらいたい、こういう趣旨を織り込んであることを御承知願いたいと思います。  最後の問題は、長い間懸案になっておりました市町村合併に伴う同一市町村内の、従来の勤務地手当の不均衡、今後は暫定手当の不均衡ということになるわけでございますが、これはなるべく早く是正してもらいたい。先ほど連合審査会におきまして、自治庁大臣はうんと早く、しかも段階的じゃなしに、一挙にでもやるんだということでございましたが、これは何ぼでも早くやっていただいてけっこうでありますし、何も段階的にやっていただかなくとも、一挙にやっていただくことはなおけっこうであります。そういうことを処置してもらいたいという意味であります。以上であります。
  22. 相川勝六

    相川委員長 これより自由民主党及び社会党委員共同提案にかかる附帯決議について採決いたします。本附帯決議賛成諸君艇立を求めます。   〔総員起立
  23. 相川勝六

    相川委員長 起立総員。よって本附帯決議は可決いたしました。  ただいま議決いたしました附帯決議に関しまして政府側より発言を求められておりますのでこれを許します。松浦国務大臣
  24. 松浦周太郎

    松浦国務大臣 私どもでお答え申し上げられることをお答えいたしたいと思います。八、九、十でございます。ただいま決議になりました事項のうち、暫定手当の一部を本俸に繰り入れ、及び合併市町村における暫定手当の取扱いについては、その御趣旨を十分に尊重して善処いたしたいと思います。また第三の国家公務員余剰経費処理については、財政当局とも十分連絡の上、今後予算実行推移をにらみ合せまして検討することといたしたいと思います。
  25. 淺井清

    淺井政委員 人事院所管事項に関する限り、ただいまの御決議を尊重いたしまして措置いたしたいと思います。
  26. 相川勝六

    相川委員長 なおただいま議決いたしました三法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  27. 相川勝六

    相川委員長 御異議ないものと認めます。よってさよう決しました。  次会は公報をもって御通知することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後零時三十三分散会