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井堀委員 説明を伺えば伺うほど悲観的なお答えしかいただけない。これは答申案にも、
労働大臣が御指摘になったように、
機構の整備については抽象的にしか書いてない。もちろんこういう
審議会というものは具体的に書けない。しかしその
内容はきついものなんです。今までの
失業対策審議会を
雇用審議会に変えればいいという
意味じゃないことは、あなたも十分おわかりだと思う。
機構を整備せよと書いてある。
機構の整備についてはあなたが
読み上げられた
通りなんだ。調査事項に対しても大へん大きなことだ。
労働省の統計部だけの協力で、一体これだけの資料が集まるかどうか、あるいは
内閣統計局の今取り扱っておる統計が、ここに今希望されておるものを満足させるような資料として使えるかどうかということについては、私の経験からすれば、これは全く新しい資料を付加しながら、従来の統計資料というものを活用していくという以外にないと思います。こういう調査だけでも、私は今聞けば
労働省から二人の
事務官を送って
事務局を構成する。各省との連絡だけでも二人でできるものではない。こういう統計資料を、調査事項を資料としてまとめるだけでも、私はかなり多くのスタッフがなければできぬことじゃないかと思う。これは
労働大臣、あなたはこういう問題は答申に忠実であるということの
意味のお答えだったと思う。ほんとうはもっとこういう点に対して工夫されませんと、従来の
失業対策審議会よりは、こういう運営上困難を生ずるかもしれません。こういう点は十分反省される必要があると思う。私はできるだけこういう
機構が
審議会の答申案の
精神に沿うようにされることを期待しておりまして、
法律の見出しだけを見て大いに期待して、中を読んでみたところが何だということになる。本来でありますなら、こういうやり方というものは実際やってごらんなさい、弊害を生みます。だからその点はよほど配慮して、
予算の流用なり、あるいは
機構の
——ただこの中でちょっと私違うと思うのは、従来第六条の規定の中で、
審議会に関する「必要な事項は、会長が
審議会にはかって定める。」という自主性を尊重したところはよかったけれ
ども、これは実は何も持たぬわけで、実際はできなかった。今度の場合は政へ下に譲っております。せいぜいここで政令をこの第一条の
精神に沿うように活用すれば、そこがせめてもじゃないかと思うのです。
予算の問題としては、従来の倍額とか三倍なり、そういう程度では、
労働大臣、これはものになりません。その点に対して熱意を込めて、せめて各省のスタッフがそういうところに専念できるよりに、各省の
予算の中からそういうことがはみ出すことができるかどうかはなはだむずかしい問題があると思うのです。こういう点に対する具体的な御
答弁がなければ、どうも抽象的な御
答弁に対して、はてなという
考え方がますます深まるわけです。いろいろお尋ねをいたしたいのでありますが、時間の予定もあるようでございますから
——私のお尋ねいたさんとするところは冒頭に申し上げましたように、第一条の目的を
完全雇用に置いたということは非常に重大なことだと思います。そしてこのこと自体はいろいろな問題をはらんで、現に
完全雇用とは何かということについて明確な御
答弁が得られなかったほど、また私
どもも非常にむずかしい問題だと
考えております。そういう問題を
目標にして、この
審議会を設置されるということは、重大なことだろうと思うのです。せっかくのこういう答申案に基いて何だか看板だけの塗りかえてお茶を濁すというようなことでなくて、このこと自体は
日本の
雇用対策に対して障害になるようなことにならぬとも限らぬ。もっとこういう問題を、私は答申案の
精神というものを深く掘り下げて、そして配慮していただきたいという点を十分お孝えをいただくように要望いたしまして、私の
質問を終ります。