○飛鳥田
委員 お説として、議論としては僕はそれがいいと思いますが、しかし実際にあなた方も私
たちも
日本の実情を知っているわけです。学会とおっしゃってみたところで、学会自身が金を持っているわけではありません。官立大学でもそういう
費用はたくさん持っておりませんし、私立大学に至ってはなお持っていないわけです。従ってわれわれは素地だけ作ってやって、あとはお前さん
たちやれ、こうおっしゃっても実際はなかなかできない。また場合によれば文化的な音楽の問題、絵画の問題、こういうような問題でも、民間にまかせておきますと、そう
日本を代表するようなよいものがいつでも行くとは限らないと私は思います。現実にそういう
幾つかの失敗を、向うへ行って帰ってきた友人なんかに聞くわけです。そういう
意味で今の
日本の段階では学術、文化、そういうものに
予算がたくさん行かない。そして全体としてそういう面がお金の面で苦しんでいるという
状況の中では、やはりここで、幾らか筋違いかもしれませんが、文化協定について
外務省の方でたくさんのお金を用意なさるという必要があるのではないか、こう私
たちは思っているわけです。従って、これは要望になりますが、今後こういう文化協定などをお結びになる場合には、素地を作ったり潤滑油
程度ではなくて、むしろ
外務省が積極的にやっていただく、こういう
予算を組んでいただきたい。またそういう
意味でこそ、私
たちは単に政治的な
外交でなしに、国民と国民との結びつく結接点としての
在外公館ということを
考えていけるのではないかという感じがいたしますので、これは将来ぜひそういうふうにしていただきたいと思います。
次に伺いたいのですが、最近移住局で移住振興株式会社というのをお作りになって、
アメリカのお金と
政府のお金とそれから民間会社——大阪商船なんかそうですが——の出資で移住振興株式会社ができて、移住
関係の一切の
仕事をやられる、この下部に海外協会というものができて、各県庁にその出張所があります。ところが最近農林省の方で拓殖移民をやる、こういうことで農協の中ですか、何かそういうものの中に同種類のものを作っていかれる傾向が出てきておる。こういうことになりますと、農林省と
外務省の間に権限
争いが出てくるわけです。そしてまた海外に行かれる場合に当然一本で世話すべきものが、農林省と
外務省がけんかをしたりあるいは権限
争いしたりいたしますと、出ていく人が非常に迷惑するのではないかという感じがするわけです。これについて
外務省としてはどうお
考えになるでしょうか。農林省には別に伺うつもりですから。