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森本委員 まだだいぶこまかい
質問がありますけれども、他の委員から早くやれという声も出ておりますので、この辺で私はこまかい
質問は省略をいたしまして、ただ本日
永田会長が来ておられますので、私は
会長に注文と意見と
質問をまぜて申し上げておきたいと思います。実はきのう
会長は来ておられなかったけれども、きのう静岡、
松山、小倉、長野の
免許の問題について、当
委員会の委員と
放送協会との間において質疑応答がかわされた。そこでわれわれ
委員会の委員の方から見た場合に、どうも近ごろ
放送協会と電波監理当局との間があまりうまくいってないような印象を事実受ける。それはその内容がどうとかこうとかいう問題ではないわけです。ただそこで、私はきのうちょっと申し上げましたけれども、特に
小松副
会長がどうこうというわけじゃないのですが、きのう副
会長は非常に重大な発言をしておる。これが
放送協会そのままの意見であるというふうな印象を郵政省なり当
委員会の委員全部が受けたとすると、相当の誤解になると私は思いますので、この際副
会長なり
会長の方からその趣旨を明らかにしておいてもらいたいと思うのですが、それはきのう静岡、小倉、
松山等における
免許の問題のときに、こういう問題について電波監理当局との間に若干意見の食い違いはないか、現在NHK当局は従来の慣行そのままやっておるかどうかということに対して、私は副
会長をどうこう言うわけではないが、三十年来の伝統としてこれは今日までずっとやってきておる、こういうような御説であったわけです。確かに伝統の通りそういうふうにやってこられてもそれはけっこうですけれども、今日の電波
放送というものは、昔のNHK単独の状況とはだいぶ事が違っているわけです。それから
免許にしても、一応郵政省の方が正規に
免許を下すという手順になっているわけです。なるほど郵政省にいたしましても当
委員会にいたしましても、NHKの公共性というものは十分に認めておるわけであります。これは
テレビにおいても
ラジオにおいてもしかりであります。厳として法律があって、法律が施行された範囲内において行うということになれば、その法の範囲内において密接な連絡をとり、
許可を受けてやっていくのが当然のあり方なんです。だから、伝統はそういう伝統であっても、
免許その他の問題については、NHK当局としても郵政省の指示と申しますか、監督と申しますか、そういうものを受けなければ、これはNHK当局だけで勝手にできるわけではないのであります。そういう点ではNHK当局としてもきのう副
会長が言われた——確かに伝統を尊重してやってきておられることはけっこうでありますけれども、その伝統というものも時によりけりでありまして、今日の情勢に適合するような方向に
考えていかなければならぬのではないか。私はきのう会館へ帰って静かに
考え、あるいはまた宿舎に帰って法規をひっくり返して
考えてみると、どうもきのうの発言をそのまま置いておくと、これはかえってNHK当局が工合が悪い
格好になるのではないか、非常に誤解を受けるもとになるのじゃないかということを
考えましたので、本日わざわざ発言をして、この問題についてNHK当局としての見解を
会長の方からお述べ願いたいと思います。