○靱
説明員 それでは
農山漁村等における
電話の
普及改善対策について、
公社において本年度より実施することにいたしております案について簡単に御
説明申し上げます。
もうすでに御指摘を受けておりますように、
農山漁村等におきます
電話の
普及は相当低位にございます。二十年前ころのものを読んでみましても、当時
農村が非常に疲弊していた。どうしても産業を興さなければいかぬというので、
農村に簡易な
電話を
普及する、あるいは加入区域についても
考え、料金制度についても
考えるというような
施策が、かつて当時の逓信省において作られたのであります。その後御案内の事変から戦争になり敗戦ということで、その案が実施されなかった。二十年後の今日
考えまして、私
ども農村等におきます
電話の
普及の悪い点については、非常な責任を感じているわけでございますが、何と申しましても非常な災害を受け、しかもわが国の復興は、一面から言えばおそいと言われたのでございますが、なかなかのスピードで復興してきた。従って都市等におきまする
電話の需要が、戦前に比べまして非常に強くなった。敗戦当時の
電話に比しまして今日五倍、六倍という数を見ましたが、それでもなお追いつけないという
状況で、勢い
農山村に対する
電話がおくれておりました。しかしながらこれは一日もそのままに放置できませんので、さらに予節等についても
政府の御配慮によりまして、今年度からなお本格的に改善実施をいたしたいという
考えであったわけであります。こういう方面につきましても、まず加入区域外についての対策、この付近におきましてはほとんど
電話はないのでありまして、私
どもは無
電話部落の解消ということにつきまして六カ年計画を今年度から立てまして、
公衆電話一万八千個を六年間に作りまして、
電話のない部落というものは全くないようにいたしたい。それから
電話の需要の相当高まっておりますところについては、できるだけ経費が安く引けるように、多数共同
電話あるいは群集
電話というものを設置して参りますが、在来こういう制度もございましたけれ
ども、区域外にわたる
線路の
建設等は加入者の方に負担していただくというような形になっておりましたが、これではとうてい負担にたえないということで、
公社としましては
公衆電話の
線路をつけますと同時に、それを利用いたしまして、その
線路の負担を全く除外いたしまして、割合に経費を安くつけられるようにします。こういうふうにしますと、かなり
農村等に
電話をつけることが可能になって参ります。在来ある制度でございますが、この経費の点で
普及してなかったという点をこの際改めたい、こういう
考えでございます。同時に新しい
電話の設置をやりませんと、遠距離につきましては不経済でございますので、小さな交換機を置きまして簡易な交換事務を開始していきたい。そうしますと、それらの経費は一切
公社の負担になりますので、一加入区域内の
電話となって、区域外が区域内の
電話ということになりまして、
電話が安くついていくという形になるわけであります。在来飛び地加入と申しまして、相当距離が既設の
電話局から離れておりますところでも、相当まとまって
電話の需要のあるところにつきましては、これは飛び地加入区域としまして、特別の加入区域を設定いたしておりますので、長距離の
線路経費は一切御負担願わないというようなことにいたしております。
さらに先般来若干御
説明申し上げておりまする団体加入
電話を、
一つ新たに本年度から施行してみたい。これは加入者の方の自営も認めるということで、企画等も
農村の負担にたえるような程度に
考えまして、できるだけ安い経費で
電話がつけられる。これは直営と自営を認めていきたいという
考えに立っております。大体これらの総経費は私
どもはできるだけ多くを欲するのでありますが、六カ年間に団体加入
電話を別にいたしまして、
公社直営の分として百五十億程度を予定いたしておりまして、本年度一部その
予算化が行われておるような次第でございます。
それからただいま
森本委員からいろいろ御
質問がありました加入区域内におきましても、
農山漁村等においては申し込んでもつかないじゃないか、またあるいは
有線放送電話との混合というような問題もあるという御指摘があった。私
どもこれも六カ年計画におきまして、大体八割程度の需要は完全に消化できるようにいたしたい、原則としましては、加入区域内におきましては、当然直ちに
電話がつかなければならぬ、これは都市といわず
農村といわず、毎年四、五十万の
電話の申し込みをそのまま残しておくような現状におきまして一挙には解決できませんが、六カ年間におきまして、大体新規の申し込みの八割は解消いたしたいという計画希望を持っております。それから市外
通話につきましても、現在割合に近距離で、場合によっては、自転車、スクーターで行った方が早いという
通話の悪い
状況がございます。これらにつきましては、できるだけ早くサービスを改善いたしまして、即時
通話でつなぐような方式にいたしたいという
考えに立っております。
これがいわゆる加入区域内外の一応の対策でございますが、さらにこれ以外に、町村合併促進法に伴うところの町村
電話の改善対策というものを持っておりまして、これは在来御
説明申し上げておる通りでございますが、大体同一行政区域内におきまして、六キロ未満の局は全部一加入区域といたして統合いたしていきたい、それから六キロ以上にわたるものにつきましては、その
相互間の
通話をほとんど市内サービス同様に改善する、これに要する経費は約三百億円でございます。こういうような対策を持っております。さらに第一次計画の基本計画といたしましては、単に大都市中心でなくて、かなり地方の都市の
通信施設の改善を行なって参りまして、三十二年度計画におきましても、百数十局の局を新設するということになっておりますので、そこに新たに局ができます場合には、付近の
農村等の
電話も統合いたすとか、あるいは
相互の
通話を改善するというようなことによりまして、他のいわゆる基本計画からも相当の
予算をもちまして、あわせて町村等の
電話の改善もはかるという計画になっております。
これをもって十分とは申し上げられませんが、わが国全体の
電話の
施設といたしまして、都市、
農村を通じまして、緊急なる
電話需要に対しては対処できるような態勢にいたしまして、
相互権衡のとれた
普及発達をはかりたい、こういう
考えを持っておる次第でございます。