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1957-04-18 第26回国会 衆議院 逓信委員会 第22号
公式Web版
会議録情報
0
昭和三十二年四月十八日(木曜日) 午前十一時
開議
出席委員
委員長
松井
政吉君
理事
竹内
俊吉
君
理事
橋本登美三郎
君
理事
廣瀬 正雄君
理事
松前 重義君 小笠原三九郎君 川崎末五郎君 齋藤 憲三君
椎熊
三郎
君
濱地
文平君 平野
三郎
君 三木 武夫君 粟山 博君
片島
港君
杉山元治郎
君
委員外
の
出席者
郵 政 技 官 (
大臣官房電気
通信監理官
) 平山 温君
日本電信電話公
社副総裁 靱 勉君
日本電信電話公
社理事
(
業務局長
)
吉沢
武雄君
日本電信電話公
社計画局長
佐々木卓夫
君
日本電信電話公
社理事
(
施設局長
) 米沢 滋君 専 門 員 吉田
弘苗
君
—————————————
四月十八日
委員安平鹿一
君
辞任
につき、その
補欠
として片 島港君が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。 同日
委員片島
港君
辞任
につき、その
補欠
として井手 以誠君が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。
—————————————
四月十日
東分地区
に
公衆電話架設
の請願(
八木昇
君紹 介)(第二七八三号) の審査を本
委員会
に付託された。
—————————————
本日の
会議
に付した案件
電気通信
に関する件
—————————————
松井政吉
1
○
松井委員長
これより
会議
を開きます。
電気通信
に関する件について調査を進めます。まず本日配付されました資料に基いて
電電公社当局
より
説明
を願います。
吉沢説明員
。
吉沢武雄
2
○
吉沢説明員
公社
といたしまして、
農村
の
地域
に対しまして特別な
共同加入
的な
制度
によりまして、
農村
に
電話
を普及したい、かたがた目下問題になっております
有線放送
との
関係
がありますので、こういう
施設
を積極的に
公社
がやることによって、
有線放送
の整備並びに
公社
の従来の
農村
に対します
電話
の普及の補足にもなる、こういう
意味
でこのような案を作ったわけであります。一応お手元にお届けしてある
要綱
に従いまして簡単に御
説明
を申し上げたいと思います。 制定の
趣旨
は
ただ
いま申し上げましたような
趣旨
でございます。しからば
制度
の
概要
はどらかということでございますが、その
制度
の第一点といたしましては、
団体
としての
加入
、こういうふうに
考え
ております。従ってこの内容は、従来ありますところの
構内交換電話
、いわゆる
PBX
というような形にも似ております。すなわち
交換台
がありまして、その
交換台
から先に、この部落につきましてずっと
回線
が来ておる、その
回線
に十くらいな
共同電話
がぶら下っておる、そうしてその
交換台
の
交換
はこの
団体
の人が
団体
の
費用
でやる、こういうようなことでございますから、
PBX
にその点は似ておるのでございますが、
PBX
は
一つ
の建物内に限っております。しかしこれはある
地域
に広がりますから、その広がる
地域
から見ますと
PBX
と違います。しかもそれが
一つ
の
回線
に十以下の
共同
ということになりますから、目下私の方でも
公社
といたしまして、多数
共同
というこの
共同
の
制度
によりまして
農村
に
電話
を提供しておりますが、多数
共同
というものにもその点は似ておるということでございますが、以上、
PBX
そのままでもございません、また多数
共同
でもないという別個の
一つ
の
種類
を
考え
まして、
団体加入
、こういうふうにしたわけであります。 そこで
団体
でありますから、やはり
代表者
というものを設けてい
ただ
きまして、
代表者
がこの
団体
の会員の
代表
として
公社
と
加入契約
をしてい
ただ
く、しかしこの
個々
の人もやはりこの
団体加入
の
加入者
である、こういうふうなことにいたしますが、結局は
代表者
、
公社
というものの
契約関係
になります。その
代表者
と
加入者
の間におきましては、
内部
の
契約
によりまして、
内部
的な
運営
、あるいは
料金納付
というようなことにつきましても
個々
に
契約
しますが、この
料金納付等
の
責任
ということにつきましては、
代表者
が一応
公社
には
責任
を持ってい
ただ
く、こういうふうに
考え
ております。 次はこの
地域
はどういうふうに
考え
るかということでありますが、この点につきましては、
ただ
いまのところ
加入区域外
ということを
原則
的に
考え
ております。と申しますのは、
加入区域
は
公社
の
電話
を積極的に普及すべき
責任
を持っておるところでございまして、この
加入区域外
に対しましては多数
共同
、あるいは最近におきまして、
技術的研究
を遂げまして
群集電話
と申しますが、そういうような多数
共同
を簡易しかも低廉にできるというような
方式
を
考え
ておりますから、
農村電話
にありましても
加入区域外
はその
方法
で普及する。
ただ
し現在
有線放送
が
加入区域
内に
相当
あるものでありますから、これが以下申し上げますような
技術
の基準なり、あるいはこの
条件
に合って参りました場合は、これはやはり
団体加入
として
既往
のものは認めたい、こう
考え
ておりますから、
原則
としては
加入区域外
でございますが、
既往
のものに対しましては、そういうようなものについての救済ということも
考え
ますから、
区域
内のものもあり得るわけでございます。 それから
設備
の
設置
でございますが、これは
団体
の
地域
の中へ
交換機
を置くところがございます。その
交換機
を置くところまでは
電話線
をずっと持っていくわけであります。この
電話線
につきましては、
区域外加入
という同じ
制度
で律していきたい。従って
区域外
でございましたら、
線路設備費
を本来ちょうだいすることになっております。それから月の
料金
にいたしましても、
区域外
あるいは
特別加入区域
というものは、
附加使用料
をちょうだいすることになっております。そのような
設備費
と
附加使用料
を一応ちょうだいするということにいたしたいと思っております。しかしこの
設備
につきましては、あとから申し上げますが、二十年の
年賦
にしまして、
月々
の
料金
に加えていく、一度に多額の
設備費
をちょうだいしない、こういうように
考え
ておりますが、その
電話回線
はすべて
公社
の方で提供する。それから
交換設備
から先の問題でございますが、この
交換設備
と
個々
の
加入者
の
設備
につきましては、
自営
の場合がございます。また
公社
が
直営
しまして
建設
、
保守
する場合があります。この二通りやっているわけです。従ってこの
交換設備
というものは、
自営
でありましても
直営
でありましても、
公社
の方で線を引いていく。この
交換設備
以下の場合におきましては、
自営
でやってもよろしい。こういうふうに二通りに
考え
ております。 それから
設備
の
規格
でございますが、従来の
有線放送
でございましたら、これは
設備
その他から見ますと、非常にチャチなものが多いのであります。従って
ただ
いまのところは
公社
の
回線
と
接続
はしないということで
考え
ております。しかしこの
団体加入
につきましては、やはり
加入者同士
の
通話
だけでなく、
公社
の
電話
と話をしたり、あるいはさらに
市外通話
したい、こういう
希望
もございますし、またそれを達することがこれの
趣旨
にも合いますので、その
意味
から
設備
の
規格
というものを一定しておきたい、こう
考え
ております。そこで
設備
の
規格
につきましては、二通りの
規格
を
考え
ております。
一つ
は
公社
の
一般
の
加入電話
と同じ
工法
と同質の
資材
によりまして
建設
、
保守
する
A級
の
設備
、今度はそれに対しまして少し
程度
の低い
工法
と
資材
、たとえば鉄線を用いてもよろしい、あるいは
木柱
であればタンパンとかクレオソートを注入しなくてもよろしい、その太さも多少細くてもいいというような、
資材
の点につきましても
規格
を落しましての
B級
、こういうふうに二つに分けております。しかしこの
B級
の方の
規格
のものも、
郵政大臣
の認可を受けて
技術基準
というものを定めまして、これに適合するということは当然守ってい
ただ
くように
考え
ております。そこで
B級
の場合、今申し上げたように、
公社
の
一般規格
より多少悪いのでございます。従ってこの点は
伝送基準
といいますか、
通話損
ということが
相当
考え
られます長距離の
市外通話
ということは、実際上できないようでございます。従ってその
B級
の
設備
の場合におきましては、
市外通話
をする局を大体この
直通線
のある局ぐらいに限っていきたい。大体一中継ぐらいの
範囲
で
市外通話
ができる。
A級
でございましたら、
一般
の
特定局
と同じように
市外通話
ができる。こういうふうにいたしていきたいと思います。そこで
A級
、
B級
について、
自営
であっても
A級
は差しつかえありません。
費用
が少しかかるということをがまんしてい
ただ
くならば
A級
でも差しつかえありませんが、
公社
の
設置
あるいは
保守
ということにつきましては、
B級
はいたしません。従って
公社
の
直営
の場合は
A級
でございまして、
自営
の場合は
B級
もあれば
A級
もある、こういうふうに
考え
ているわけであります。 次はその他の
設備
上の
制限
でありますが、この
団体加入電話
の
内部
におきまして
公衆通信
に
支障
を及ぼすということは困りますので、この
範囲
内で
団体
がたとえば
搬送方式等
によって
通話
と
放送
をやりたいというようなことを
希望
する向きがありますれば、それは認めていきたい、こう
考え
ます。そこで、もともとこの
団体加入電話
というものは
電話
が
主体
でございます。
電話
と、
ただ
いまの
有線放送
のように同時に
放送
もしたい、こういう要求がありますれば、この
搬送方式
というものによってやれば
通話
もできますし、同時に
放送
もできます。その場合にはこの
搬送方式
の
設備保守
その他は
団体
の方で自前でやってい
ただ
くという
考え
でございますが、もしも必要ならば線条をこちらの方でお貸しする、こういう
考え
で
公社
は
搬送方式そのもの
の
直営
はいたしません。次の問題は、
交換設備
は
一つ
の
団体加入電話
について一カ所に限ります。
団体加入電話
の個数でございますが、広くても大体一キロ、あるいは一キロ少し出たくらいな半径の
範囲
が
考え
られております。それから
加入者
の数も百
程度
が一番多いのではなかろうか。
設備
上は
交換台
をたくさん置きますれば一千ということもできますが、大体私どものこのような
条件
で
考え
ますと、百くらいが一番多いだろう、こういうふうに
考え
ております。従って百くらいな
範囲
内の一キロ四方くらいなところでありますれば、
交換所
は一カ所にしてもらう、そうして
交換所
と
電話局
との
回線
というものは、先ほど申しましたようにいきますが、
電話局
以外の
回線
、いわゆる
私設設備
がたくさんございますが、それらへの
接続
はどうかといいますと、これは認めていきません。と申しますのは、もしもそれを認めますと、
一つ
の
市外通話
的な、あるいは公衆
通話
的なことが乱れますからして、他の
回線
、他の
設備
との
接続
は認めません。こういうように
考え
ております。次の
条件
は、もともとこれは
一つ
の
回線
を共有してやるという
程度
の
電話
で満足すべき対象でございますから、
原則
といたしまして
一つ
の
回線
の
共同加入数
は十をこえない、こういうふうに
考え
ております。これはどういう
意味
かと申しますと、現に
ただ
いま
有線放送
でございますると、
一つ
の
回線
に五十も六十も
共同
でぶら下っておりますけれども、そうなりますと、
公社
の
回線
に
接続
する場合を
考え
ますと、その
通話数
の問題、あるいはさらに
交換
の問題が生じまして、同時に
市外通話
をしたような場合には、同じ
回線
の
共同加入者
というものはみなその聴話ができる、こういうようなことも大へん不便でございます。またこの
交換所
に
外部
から
電話
がかかってきた場合、幾つも、二十もあるいは五十もぶら下っておりますと、この判別が
交換
の手続上非常に困難でございますので、そういう点から
考え
まして、まず
最大一つ
の
回線
に十までの
共同
にしたい。それからこの
平均
の
回線
についてどのくらいな
共同加入
を
考え
ておるかと申しますと、
平均
五もしくは六
程度
の
共同加入
ということを
考え
まして、単独の
加入
ということをなるべく避けていきたい、こういうふうに
考え
ておるわけであります。 次は
工事
の
従事者
でございます。これは
自営
の
団体加入電話
の
建設
、
保守
の場合でございますが、これは現在の
PBX
においても
工事担当者
の
認定制度
をやっております。従ってこの資格を持った者に限りましてこの
工事
をやれるというようにいたしたいと思います。 以上申しました点を
項目別
に、
有線放送
と
ただ
いま
考え
ていますところの
団体加入電話
との比較の表がここに出ております。 それから次は
運用
のことでございますが、
運用
と申しますのは、
交換台
の
運用
はだれがするか、これは現在の
PBX
でございましても、
御存じ
のように
加入者
が
交換手
を雇いまして
内部
の
通話
の取次をし
外部
にかける、
外部
から
通話
がございますれば
内部
にそれを
交換
する、こういうことになっておりますので、同じように
団体内部
の
交換
というものは、すべて
団体加入者
の側で
責任
を持ってやってい
ただ
くというふうに
考え
ております。そこでこういう特殊な
電話
でございますから、人もそう夜間つけるというわけにいかないような場合がございます。そういう場合には、
内部
の事情によりまして、二十四時間
外部
との
通話
、すなわち
公社
との線で
通話
ができるということも困難でございましょうから、
希望
によっては時間はある
程度
特定してもよろしい、こういうふうに
考え
ております。従って
団体
の都合によれば、夜十時からに
外部
から来た
電話
を一切お断わりするというようにはっきりしておりますれば、私の方の
電話局
においてそこへ
接続
しない、こういうふうに
考え
ております。 それから
番号
でございますが、このような
共同電話
でございまして、しかもこれは
代表者
というものが
公社
との
契約
の
代理権
を持ってやるわけでありますが、
番号
は一々与えません。与えますと、やはりこれは
交換所
は
外部
から直接かかってくるというようなこともございますので、
番号
は与えずに、
代表者
何がし外何がしというような名前だけは
番号帳
へ載せますが、一々
一般
の
加入電話
と同じような
番号
は与えない、こういうふうに
考え
ております。そこでこの
電話
のかけ方の問題でございますが、
電話局
に
外部
から
電話
が何某さんにということでございますと、その場合におきましては、
交換台
にありますところの
電話番号——
これは
一つ
だけはございますが、そこのところへかけます。
交換手
が出ました場合には、お宅の何さんというところへ
電話
がありましたということを
電話局
の
交換手
が告げるわけであります。そうすると、そこの
団体加入側
の
交換手
が何さんを呼び出しまして、そこへ
接続
する。今度は発信をする場合は、何さんというのが、今の
団体加入
の
交換手
にどこの局へ
電話
を
接続
してもらいたい、こういうことを要求しますと、その
交換台
の
交換手
が局の
交換手
に向いまして、どこそこの何番へつないでくれ、こういうことでございます。従ってたれが何
通話
をしたとか、あるいは
市外通話
をたれがしたかというようなことは、一切
団体加入者側
の
責任
においてすべて記録し、それから
交換
をする、こういうふうにいたしたいと思っておるわけであります。 次は
料金
でございますが、
料金
についての基本的な
考え
方は、今やっております
農村
に多い多数
共同電話
であります。それは大体十
加入
以下でございますが、
平均
しましてやはり五、六の
共同加入
がございます。それの一番安い
料金
がこれは十一級でございまして、一番小さい局ですが、それが
月々
百六十円という
料金
になっております。そういうような点も
考え
合せますし、また
利用価値
という点を
考え
て
料金
をきめていきたいという基本的な観念で、今申し上げましたような
料金
を
考え
ております。そこで
電話局
と
団体加入電話
の
交換設備
との間の
電話回線
、これは
一般
の
区域外加入電話
と同じような
扱い
をしておるわけであります。
ただ
し
普通加入区域外
の
線路設備費
は一時にはちょうだいしません。先ほども申したように、一時にこれの金をちょうだいするとなると非常に多額な金になりまして、大体一キロ二十万円という
建設費
がかかります。その二十万円というような金を一時にちょうだいするということは
負担
が重うございますから、それは一時にはちょうだいせずに、
月々
の
月賦払い
というような形でちょうだいして、
負担
を軽くしていきたいというふうに
考え
ております。それは二十
年賦
くらいにいたしまして、それを月割りにいたしまして、それを
料金
としてちょうだいする。またそれ以外にこの
区域外
にいきますと、
附加使用料
というものをちょうだいしております。今の
料金
でございますと、百メートル五十五円あるいはこの
特別加入区域
でございますと四十円という
料金
をちょうだいしておりますが、その
料金
を合せまして特別な
料金制度
といたしまして
基本附加料
という名称を使いましてちょうだいしていく。それから
加入者相互
間の
通話
は
ただ
でございます。つまり
団体
内の
通話
は
ただ
でございますが、
団体
から
公社
の方につなぐところの
通話
につきましては一応
度数制
というふうに
考え
まして、この
親局
でございますその
加入区域加入者
へかける
通話料
は七円とする。それから十キロ以上というような
相当
遠い距離になりますと七円ではちょっと適当でございませんので、
市外通話料
をちょうだいすることに
考え
ております。その
市外通話料
をちょうだいする場合の
建設費
その他の
料金
でございますが、これは
公社
の
市外線
というような性質を特に認めまして、一切の
装置料
あるいは
基本料金
というものはい
ただ
かないようにする、こういうふうに
考え
ておるわけであります。 それから
団体内部
の
設備
の
料金
はどうかといいますと、これは
自営
の場合はお互いの
負担
でやっておりますから、
公社
の方と
関係
ございません。
公社
が
直営
する場合の
料金
は、
交換設備
は
PBX
と同じ
扱い
であります。この
種類
の
PBX
は大きさ、
規格
によって値が違いますが、それと同じように扱ってお金をちょうだいいたします。それから
加入者
の
設備
はどうかと申しますと、これは
使用料
を低額のものに特に定めたい。
一般
の多数
共同
よりも安く
考え
ていきたいというふうに
考え
ております。 それからこのような
加入者
がふえた場合におきますと、一局にその局の
加入者
が多くなりますし、
級局
が上りますと、
基本使用料
が高くなりますが、そういうことのないようにこの
団体加入電話
の数というものは
考え
ません。
ただ局線一つ
というだけの数を
考え
まして
級局
には影響ないようにいたしたい。 それからその他の
事項
でございますが、
業務
上必要な
事項
がいろいろございます。たとえば
団体内部
の
契約条項
によって
地域
とか
代表者
、
加入者
とかを変更するとか、あるいは
運営
につきまして
業務
上いろいろな
指示
が必要であるというようなことにつきましての
承認事項
とか
指示事項
、あるいは届出というような一応
業務
上必要な
事項
につきましては、こちらの
承認
にいたしたい。すなわち
契約
によってこれをやっていくというふうに
考え
ておるわけであります。 次は
有線放送設備
との
関係
を一応申し上げたいと思いますが、現在主として
公社
の
加入区域外
にあるところの
有線放送設備
が、もしも
団体加入電話
の
条件
を具備しまして、ぜひ
団体加入
の方に入りたいということでありますれば、その
条件
を具備しておりますれば
団体加入電話
として
扱い
ます。それから
加入区域
内の
有線放送設備
はどうか、これはもしも
団体加入電話
と同じ
条件
を具備されるならば、一応は
区域
内でありましても
団体加入電話
で
扱い
ます。
ただ
し一応
期間
を切りまして、
存続期間
をある
程度
制限
して、この間に
公社
の方と線を切りかえるなり、
区域
内の
一般
の
電話
に切りかえるなりの
措置
を講じてい
ただ
くように
考え
ております。
公社
の
線路設備
の貸与でありますが、これは
公社
の
加入区域内公衆通信系統
とは別に、
一定地域
内の
加入者
の間で
有線放送
を行いたいという
希望
がある場合は、
公衆通信
に
支障
を及ぼさない限り
——
これは
技術
の点もございますし、
設備
の
制限
もございますが、
公社
の
線路
をその
範囲
内でよろしければお貸しするというような
態勢
で進んでいきたいと
考え
ております。 以上が大体この
制度
の
概要
でございますが、
料金
の詳しいところにつきましては目下具体的に
研究
中でございます。従って本日
料金表
の御
説明
ができないのでありますが、このような方針でなるべく低廉にしていきたいと
考え
ております。しからばこれは現在の
制度
としてすぐできるかということでございますか、現在の
公衆電気通信法
として
考え
ますと別個な体系でありまして、どうしても
法律
を
改正
する必要がある。この
法律改正
の
方法
によりましては
公衆電気通信法
の
改正
になる場合もありますし、
特別法
の形でいく場合も
考え
られますが、現在は一応
試行
的にやってみまして、本年はまず試験的にある数を限って
直営
をやってみる。
自営
の方についてもそういう
希望
があれば応ずる。予算その他の
措置
にも
関係
がありますので、できる限りの
範囲
内においてやりますが、その結果を見た上で具体的な
法制化
、
制度化
はあらためていたしたいと
考え
ておる次第であります。以上がはなはだ簡単でございますが
制度要綱
についての御
説明
であります。
松井政吉
3
○
松井委員長
次に質疑がありますのでこれを許します。
竹内俊吉
君。
竹内俊吉
4
○
竹内委員
今御
説明
になりました
団体加入電話
の
制度
につきましてあらためてまた
質問
したいと思いますが、その
質問
をするための準備の
質問
のようなことをお聞きするわけでありますが、
現行法
では新しい
制度
をやることは
法制
上できないという御
説明
も今伺いました。私もそう思います。そこでことしは試験的にやるのだ、
試行
の
範囲
だ、こういうことでありますが、その試験的にやる
範囲
は三十二年度にはどの
程度
の規模をおやりになる構想を持っておるか、まずそれからお尋ねいたしたい。
吉沢武雄
5
○
吉沢説明員
お答え申し上げます。目下三十二年度の
一般
の
設備計画
、
実行計画
を立てつつございます。従ってその中にこれを織り込むという
考え
でおりますが、
御存じ
のように各
設備
につきまして拡充の必要がありますから、本年度は十分にこれに金をさくまでに至らぬというような
意味
から、
直営
の場合におきましては大体一
通信局
二カ所くらいを試験的にやるというように
考え
ております。
竹内俊吉
6
○
竹内委員
一般
の
希望
をことしは受け付けるといっても、
範囲
が狭いので、
通信局
で企画したものを土地と相談してやるということで、
電電公社
が
主体
となってやるという御
説明
のように伺いますが、この場合にもし各地方でこの
制度
を知ってぜひやりたいという
希望
が
相当
に出ないものでもないと思います。その場合にも
直営
、
自営
を問わず、
通信局当り
二カ所くらいでことしはとどめたいというつもりか、そういう
希望
がたくさんあった場合には多少
考え
が違ってくるだろうというようなゆとりのあるものか、その点を伺います。
吉沢武雄
7
○
吉沢説明員
希望
の点につきまして
相当
あろうとも
考え
られますし、またその点は確実に見込みは立っておりませんが、今のお話のごとく
相当希望
があるということになりますれば、できるだけこれに応じたいという
考え
でございます。
ただ
直営
の場合におきましては、この
設備費
の
関係
がありまして、二十カ所以上にたくさんふやすことは困難かと思います。
自営
の場合におきましてはできるだけ
希望
に応じていくという
態勢
で
考え
ているわけであります。
竹内俊吉
8
○
竹内委員
試験的にやるといってもある
範囲
を越えたならば、
法制
上の制約に基いて
試行
的なものにはおのずから限度があると
考え
るわけでありますから、むしろそういう場合には今から態度を明らかにして、ことしは比較試験的にやるのだからこの
程度
のものでいきたいということでなければ、私は
公衆電気通信法
の建前からして、ある
程度
を超えたらやはり
法律
的には
相当難
があるのじゃないか。それは今の場合は
試行
的にできるという
解釈
のようでありますが、きょうはその
解釈
の詳しいことまでお聞きするつもりはありませんが、
相当難
があると思います。その点はいかがですか。
吉沢武雄
9
○
吉沢説明員
おっしゃるように
試行サービス
であれば一応
法制
的には難はないのであります。しかし
試行サービス
ということは、全国的に多数のものをやるということは性格上予想されないことであります。その点につきましては、
程度
問題を当然
考え
ておるわけであります。といって、もう何カ所に限る、こういう向きのものでもございませんから、やはり
地域
によっての差もありますから、試験には、こういう
地域
をやってみたいとか、あるいはこういう
地域
をやってみたいとか、こういう
条件
のものをやってみたいとか、やはりこういう試験としての価値のあるものについては、ある
程度
の数というものは設けてやってみたいというふうに
考え
ます。
竹内俊吉
10
○
竹内委員
それから第二の、
団体
のことですが、この
団体
は、ここにも「公共
団体
等に限らず、個人でも
一般
法人でも」云々と書いてありますが、その
団体
の概念あるいは定義として、どういうことをお
考え
になっておるわけでありますか。
吉沢武雄
11
○
吉沢説明員
目下この
法制
的な
意味
におけるものは十分検討いたしまして、結果によりまして条文化したいと思いますが、
ただ
いまの
考え
方は、この
団体
というものは、民法上の組合、こういうようなものに性格づけております。従って
一つ
の
電話
の組合を作るわけであります。それで会員がずっとありまして、そのうちの
代表者
がこの各会員の
代理権
を持っておる、こういうふうな性格を予想いたしております。従ってひとりで入るということはもちろんございません。
竹内俊吉
12
○
竹内委員
それでは民法上の組合
契約
による組合組織、こういう
意味
だと思いますが、その場合は必ずしもこれは法人格を必要としないですね。する、しないはほんとうは
団体
の定義によってきめるべきことでありますが、法人格を必要としない。それからまた既設の
団体
であっても、その
趣旨
からすればよろしいわけであって、たとえば農協あるいは森林組合、漁業組合あるいは土地改良組合等が
主体
となってやってもよろしい、必ずしも
電話
利用のための組合を新設しなくとも、既設の
団体
で他の業種、事業をやっておるものが
主体
となってこれをやってもよろしい、こういう構想でありますか、その点をお伺いしたい。
吉沢武雄
13
○
吉沢説明員
この法人格を持っておる必要のないということは、先ほど申し上げたような民法上の組合である、ところが既存の
有線放送
がこちらに乗りかえるような場合、あるいは新たに農業協同組合が入るというような場合につきましては、この農協としての個人で入る場合はもちろん
代表者
が入るわけでありますが、必ずしもこの農業協同組合の事業として
解釈
してすることにとらわれず、やはり農業協同組合であるけれども、この
電話
についての組合はやはり別の内容の事業を持ったもの、こういうように
解釈
していきたいと思っております。
竹内俊吉
14
○
竹内委員
結局これは既設
団体
の農協、森林組合、漁業組合、その他の
団体
が
主体
となってやっても差しつかえはないのだ、
電話
利用の事業は、それ単独にやる場合はもちろん問題ありませんが、他の事業を兼営というかやっておるものでも別に差しつかえはないのだ、こういうことでありましょう。
吉沢武雄
15
○
吉沢説明員
その通りであります。
竹内俊吉
16
○
竹内委員
それから
設置
を認める
地域
でありますが、これには非常に私は問題が多いと思います。これはあとで
一般
電話
の普通
加入区域
、
特別加入区域
、
区域外
ということのエリアの取り方についてお尋ねしたいと思っておりますので、その際に詳しくお聞きしたいと思いますが、先ほどの御
説明
では、大体エリアの取り方は半径一キロぐらいという御
説明
がありましたが、一キロぐらいということになりますと、内地と北海道との場合、あるいは内地でも東北と人口の稠密しておる関東、関西の場合では、せっかく
電電公社
がこういうけっこうな案を作ってくれても、その恩恵に浴しがたいという場合が出てくると思います。そこで特に念を押しておきたいのですが、エリアを一キロ半径とお
考え
になっている基礎、これはどういう点にあるのですか。現在の
農村電話
は、北海道では二キロ、内地では一キロの基準でやっているようでありますが、私の
考え
からすれば、この
団体加入
の場合には、今の
農村電話
よりもさらに緩和したエリアの取り方をとるのが親切な
方法
ではないか、こう
考え
るわけですが、その点はいかがですか。
吉沢武雄
17
○
吉沢説明員
御
質問
の点につきましては、まだはっきりきめておるわけではございません。大体部落を中心といたしますと、その中心の公共的な
施設
から
平均
一キロから一キロ半くらいが普通であろう、こういう
意味
で申し上げたのであります。地形あるいは土地の事情によって、たとえばもう少し距離の遠いところも含まれるということは否定をしておりません。
ただ
その場合に、あまり長距離にわたりますと、
線路
の
費用
が
相当
かかるわけであります。そのときにはこの一定の距離以上の場合には、
線路設備
を特別にその受益者からちょうだいするということも
考え
られますから、距離ということはそう厳格でなくてよろしいというふうに
考え
ております。
竹内俊吉
18
○
竹内委員
先ほどの御
説明
の中に強調された点は、
有線放送設備
利用の
電話
の問題が昨今やかましくなっておりまして、これに対応する
法律
的なものを郵政当局は
考え
ておるようでありますが、今この
団体加入電話
はそれに対する見返り対策の
一つ
であるという
意味
の御
説明
があったわけであります。この
要綱
だけ見たのでは内容を的確に申されませんが、
有線放送設備
を利用しておる
電話
の場合とこの場合とでは私は
相当
に、
農村
側から見た場合はもちろんのこと、第三者として見ても
相当
の根本的な違いがあって、必ずしもこれは見返り対策というものには当らないのじゃないか。
電電公社
が
農村
の
電話
拡充に乗り出したということははなはだけっこうでありますが、
有線放送設備
を利用した
電話
とは全然別なものであって、そのための見返り対策とは申しがたいものだというふうに理解されるわけでありますが、その点について、さらにわれわれの理解を深めさせてい
ただ
くような資料等を新たに頂戴したいという点が
一つ
。今私が申し述べましたような点で
有線放送
とこれとは全く別なものである、これは
農村
の
電話
対策として確かに前進したけれども、
有線放送設備
を利用しておる
電話
そのものの見返りじゃないという感じが深いのでありますが、その点いかがでありましょう。
吉沢武雄
19
○
吉沢説明員
今回の
団体加入
の
趣旨
から見ますと、やはり目下問題になっております
有線放送
電話
とは別個のものである、こう
考え
ております。その大きな特徴といたしましては、
有線放送
電話
は
公社
の
設備
には
接続
しない、こういう点がございます。それから
一つ
に六十も七十も
共同加入
でぶら下る、こういう点、それから大体におきまして
放送
と
通話
と同時にできません。こういうようなことがこの機能から見ましても違います。そこでこの
団体加入
面は、
公社
の
公衆通信
の中のものである、こういう
考え
方をもちまして、
一般
の
加入電話
よりも
共同
の数が多い、あるいは
交換
は向うでやってもらう、そこで経費その他につきましても、
公社
が
直営
するよりも、
自営
で
負担
する場合も認めて参りますし、また
公社
でちょうだいする
料金
につきましても、多数
共同
よりもなるべく便宜をはかっていきたい。こういうことでございますから、
公社
自身の
ただ
いまやっておる
農村
普及対策から見ましても、
一つ
の進歩した、
相当
進んだ
農村
に適応するような
制度
として持っていく。その結果、
有線放送
が
接続
できない、あるいは
通話
がよくなってきて
接続
したいという場合は、この方にどんどん吸収して乗りかえてい
ただ
く。そのような
意味
では大いに意義があるように
考え
ておるわけであります。
竹内俊吉
20
○
竹内委員
どんどん乗りかえるとおっしゃるけれども、これは私はやはり別個のものであって、
有線放送
利用の
電話
の直接の見返りの対策ではないと思いますが、その点は別として、ちょっとこまかいことをお聞きするようですが、
料金
問題に関しては、もっと詳しいことはいずれ出てくるのだと思いますが、この
考え
方の基礎をなしている点から
考え
てお尋ねしておきたいことは、
共同加入数
が十をこえることができないという
原則
がここにあります。そして一本の線にぶら下るのは十以内と限定されてくると、その
団体加入
の
電話
の
加入
数というものは十をこえないというふうに
考え
られるわけでありますが、そのときの
料金
の計算の仕方ですね。どうもあとで見ると、これはこう計算しておるが、
加入者
は百くらいだということで計算をする場合と、つまり級別に言って九級か十一級かという点で、多少ではあるが
料金
に違いが出てくるという点が
考え
られるのでありますが、その点はどうなんですか。
吉沢武雄
21
○
吉沢説明員
一
回線
につきまして十をこえない、こういうふうに申しましたのは、
団体加入
が十以上であってはならぬ、こういうことではございません。
交換所
から
回線
がずっと
地域
に広がって参りますが、その一
回線
に十以上はぶら下らない、こういうことでございますから、たとえば百
加入
したと見ても、十ずつぶら下ると十
回線
が要る、こういうことになります。その
回線
数は別に何
回線
以上でなければならぬということは申し上げておりませんが、一
回線
については少くとも十以下の
共同
にしてい
ただ
きたい、こういうことをそこで述べております。従って
加入電話
の数というものは百なら百ということになって、それが
共同
の
団体加入
の数である。しかし今度は
級局
が百数がふえたといたしましても、それはやはり一
回線
の局から
交換設備
まで来る
一つ
の
加入電話
一本だけで計算しますから、
級局
の数も
加入者
の数に影響しません。
料金
は別に
級局
によって上るということはほとんどないわけであります。
竹内俊吉
22
○
竹内委員
そうなるとこれは
加入
数で計算するのですか、
回線
数で計算するのですか。普通の
構内交換電話
の場合は
回線
数で計算するわけでしょう。その場合は
加入者
の頭数で計算して、級別がおのずから生じてくることが将来において私はあり得ると思うのです。その場合のことを
考え
ると、
回線
数で計算するのがほんとうじゃないですか。
団体加入電話
であって、そこで
交換
するわけでありますから、百人の
加入者
があっても
回線
は十しかない、あるいは十二しかないという場合には、
回線
数で計算するというのが至当のように思われるが、その点いかがですか。
吉沢武雄
23
○
吉沢説明員
私の御
説明
が下手なものですから、誤解を生じたと思いますが、
回線
数と申しますと、二通り私の方は
考え
ておるわけです。局から
交換所
までくる
回線
は一
回線
と
考え
ます。それから先のことは、
共同加入
の百なら百というものが
加入
数である、こういうことでございます。ですからこの
共同加入
が百ということでございますが、その場合に
一つ
ずつみな
交換所
から
回線
を自分で専有して持っておるわけではございません。
一つ
の線に十人が
共同
してぶら下っている、こういう
意味
のことを申し上げているのであります。
竹内俊吉
24
○
竹内委員
いずれ
料金
の問題は詳しいものが出てきたときにお尋ねしたいと思いますが、そこでちょっとこれから見て理解しがたい点が一点ありますので、もう一度詳しく御
説明
願いたいのは、
料金
のところの(ホ)ですね。局から距離が長遠であって、その局の
一般
の
加入者
への
通話
も
市外通話
とみなす方が適当であると認める場合は
市外通話料
を課する。こうございますが、これは利用者にとっては非常に大きい影響を持つものであり、
電話
の利用
範囲
もこれによって伸縮がされると思いますので、これはもっと平明に御
説明
願うとどういうことですか。
吉沢武雄
25
○
吉沢説明員
今の御
質問
の点はよくわかるのでございますが、それに関連して(ニ)の方の
説明
からもう一回申し上げたいと思います。それは(ニ)の方におきまして、
公社
の方の
加入者
に
電話
する場合は七円ずつちょうだいします。これはやはり
内部
の
通話
は
ただ
でございますが、
公社
と話しするときは
料金
をちょうだいする、それが同一の局の
加入区域
の
加入者
であれば七円ちょうだいする、こう
考え
ております。ところが七円だけということになりますと、非常な長距離の
区域外
にわたる場合がございます。
加入区域
から今の
交換所
の距離が非常に長いような場合、七円だけということで
考え
ますと、現在
農村
公衆
電話
を
公社
の方でやっておりますが、これは
区域外
につきましては十五円という金を公衆
電話
としてちょうだいする。ところが
相当
な距離になりますと、これは市外と同じような
通話
の
利用価値
がございますから、
市外通話
みたいな
考え
方で、
区域外
から
相当
遠く、普通の七円の
料金
では少し安過ぎる、あるいは
保守
の点その他から
考え
ましても七円では安過ぎはしないかという場合も
考え
られます。また他との
市外通話料
の比較から見ましても、
市外通話
は大体十キロまで十円でございます。それから十キロ以上二十キロまでが二十円、こういうような
市外通話
がございますから、やはり
市外通話
と同じ見方も立ち得るから、そういう場合においては
市外通話料
としてちょうだいするというわけでございます。
竹内俊吉
26
○
竹内委員
これは私はちょっと解せないのです。というのは、あなたは距離が遠いということを盛んにおっしゃるけれども、これは今の
電話
の
区域
のエリアの取り方自体に、非常に問題がある点と関連するわけでありますが、そういうことをおっしゃると、たとえば東京都の場合は何キロどころじゃないのですよ。それをみんな七円で行くわけですね。
農村
のこういう僻地へ行きますと、ちょっと遠いと、せっかくこういう
設備
をして、
市外通話料
を取るのだということになるわけです。そこでこれは、どうせやるならば、こういうことをしない方が私は親切だと思う。
ただ
しあなたの方の
法律
には、先ほどちょっと見たところでは、指定
区域
のとり方の基準として「公衆
電気通信
役務を提供するに要する原価を考慮しなければならない。」という一項があるので、多分これからこういうことをお
考え
になると思いますが、この第二十九条の三には、指定
区域
についての基準として、「社会的経済的の諸
条件
、行政区画、
加入電話
の需要及び供給の見込」並びにこれらの原価計算をしろと書いてあるのであって、社会的、経済的要件をまっ先に持ってきておるわけであります。そういう点から
考え
ると、せっかくこういう
電話
の
施設
をしたが、局からの距離が遠いとあなたの方でお認めになれば、同じ行政
区域
内でも、同じ局の中で取り扱っておっても、
市外通話料
を取るのだ、これはちょっと不親切のように思いますがいかがでしょう。
吉沢武雄
27
○
吉沢説明員
この
団体加入
農村電話
というものについて、
料金
が原価をカバーしなければいかぬという
考え
方は別に持っておりません。
相当
な赤字を前提にした上で
考え
ておることは事実でございます。この
団体加入
につきましても、収支は
相当
悪いことを
考え
つつやっておるわけなんです。そこで局の
電話
と話す場合に、そういう度数料なり
市外通話料
というものは課さないという
考え
方もあるのであります。だれが使おうと、あるいは全然使わなくても定額制にしたらどうかという
考え
もございましたが、私どもが今まで、
農村
の
有線放送
の
通話
の実情を見てみますと、
交換所
から局へかけるような場合は、一日に一
加入者
が〇・一回
程度
しかないのであります。そうしますと、
平均
しまして一
加入者
が月に三回くらいですから、それを定額で全部取るということはむしろ不公平ではないか。かけた人からだけその度数料なり
通話料
というものをもらった方が、
内部
においてもやりいいのじゃないか、こういう
意味
で、基本料に加えず、度数料なり
通話料
というものを個別に取っていくという
考え
方でいったわけであります。その場合に、七円と
市外通話料
相当
額、こういうことが次の問題になったわけでございます。大体なるべく七円ということを
考え
ておりますが、十キロ以内だと七円くらいに
相当
するのでございます。しかし十キロをこすような場合は、
市外通話
としてちょうだいしたいという対象になるのでございます。今までも、先ほど申し上げたように
市外通話料
金というものはそういう建て方でございましたが、といって、必ずしも酷でない基本料しかちょうだいしてないのだから、その
程度
の
利用価値
もあるのじゃなかろうか、
市外通話
という前提には立ちませんが、
市外通話
と比較して距離なり
利用価値
がある場合には、こういうような
市外通話料
相当
額でちょうだいしたいと
考え
ております。
竹内俊吉
28
○
竹内委員
あんまり御
説明
が込み入っていてちょっとわかりませんが、
市外通話料
を取った方が
加入者
のためになる場合がある、だからこういう一項を設けておいたのだ、こういうふうに聞いたのであります。
市外通話料
を払った方が得な場合があるかもしれませんが、ごくまれである。こういう
農村電話
をおやりになって、どうせこれで収支がまかなわれない、
相当
な赤字になるのだとするならば、むしろそのついでに
市外通話料
を取るという
考え
方もおやめになった方が適当であろうと思うわけであります。 あとはいろいろ資料をちょうだいして後に
質問
したいと思いますが、この
農村電話
とはちょっと別になりますけれども、先ほど申し述べました
電話
の
通話
区域
の問題であります。私は今日の現状からすれば、これは
相当
に矛盾が多いと思います。特に町村合併が行われた今日、普通
区域
、特別
区域
、
区域外
というエリアの取り方に対して、
電電公社
は思い切った改善
方法
をとるのが実情にも合うし、また経営の面においてもいいと思いますけれども、その点どう
考え
ておられますか。
吉沢武雄
29
○
吉沢説明員
先ほど
市外通話料
につきましてちょっと
説明
を漏らしましたので、あらためて申し上げたいと思います。
市外通話料
を取る場合におきましては、基本料とか
装置料
は取りません。その
意味
で、やはりそれだけ
負担
というものが少くなる、これだけつけ加えて申し上げておきます。 それから今の
加入区域
の設定の問題でありますが、これは多分に問題があると思うのであります。
ただ
いままでの
考え
方は、お示しのような法文をほんとうに実情に沿うように適用していきたいと思っておるのでございますが、やはりある
程度
の人口がございまして、連檐部落であり、そうしてそれがおのおの
通話
をするような経済的
関係
がある、そういうところをまとめまして、その
加入者
の数に応じまして局からの距離を大体何キロくらいにするか、こういうようなことで
ただ
いまは参っておるのでありまして、最短が大体一キロくらい、普通局とかあるいは分局というようなところは局からの距離が半径一キロくらい、これが普通でございます。しかもそれは連檐部落となればでこぼこがございます。あるいは川と山があればそれを取りのけていく、こういうことで実情に合うように
考え
ております。また目下問題のあります町村合併につきましても、特別な考慮を払っていかなくてはならぬというように
考え
まして、今
研究
中でございます。
竹内俊吉
30
○
竹内委員
電話
の
加入
条件
は、
施設
にしても
料金
にしても
加入区域
に全部関連があるわけでありまして、重大なものだと
考え
ます。
農村
の
電話
施設
拡張は、このエリアの取り方について根本的に
考え
てもらうということが、先行すべき
条件
であると思う。それを
考え
ることによって、おのずからそこにサービスが生まれてくるはずであります。今は
研究
中だということでありますが、この点について現在の基準をもう少し
説明
したものを資料としてちょうだいしたいと思います。それを要求しておきます。私の
質問
はこの
程度
で終ります。
松井政吉
31
○
松井委員長
松前重義君。
松前重義
32
○松前
委員
今
竹内
さんから
質問
されました
加入区域
の問題と市内
通話
として取り扱う
区域
の問題につきまして、簡単に伺ってみたいと思います。
農村電話
を
考え
るときには、どうしても都会の
電話
との比較を
考え
なくてはいけません。批判をしては恐縮でありますが、歴史的な
一つ
の必然性から生まれたかもしれぬが、少くとも今日までの
公社
当局のやり方は、何といっても都会を中心にした資本主義的な行き方であったと思うのであります。そういうふうな行き方であるがゆえに、東京のような大きなサービス・エリアを持っておるところでは、こんなに広いところでしかも七円で
通話
ができるのであります。
農村
などでは非常に狭い
加入区域
でありまして
——
これは
度数制
ではありませんけれども、その
通話
区域
は非常に狭い。従ってお隣の村に
電話
するにしても、
市外通話
として長い間待たされてようやく話ができる。しかも高い
料金
を取られる。こういうことになって、
農村
と都会とは非常に不公平な状態にあるのであります。従ってこの不公平を是正するということに大きな目標がなければならない。その不公平の是正という根本問題について、どういう
考え
を一体
電電公社当局
は持っておられるか。その一端として、いわゆる
有線放送
なるものが方々にできて、農林省あたりは補助金を出したりするようなことになって、これを抑圧するために少くともこういうものを出されたように私どもは見受けるのでありますけれども、それであってはいかぬのであって、本質的に
農村
と都会との不公平を是正しなければならない、この段階にきておるということを、この
有線放送
の問題はわれわれに教えてくれていると思うのです。これについて、どういう具体的な
考え
方によってこういうものをお出しになったか、これを伺いたいと思います。
靱勉
33
○靱
説明
員 ごもっともな御意見でございまして、私どもとしましても根本的な検討を第二次五カ年計画を
考え
ます際に、目下検討いたしておる際でございます。そこで
加入区域
の広狭、すなわち非常に狭い場合におきましては、他の
交換
局に行く場合には
市外通話
となりまして、時間的にも
制限
されるし、
料金
も七円以上である、明らかに不公平ではないかという御指摘でございますが、在来の
電話
の
制度
といたしましては、やはり
一つ
の
電話
のサービスの最も密接なるものと申しますか、市内
電話
と
市外通話
の量を
考え
てみた場合におきまして、何と申しましても市内
電話
の方が量が多い。
市外通話
はその何%であるというところに、
一つ
の
加入者
集団というものが
考え
られるわけであります。それが市内
通話
よりも
市外通話
が多い場合には、距離が離れておっても
加入者
集団としては一体であるべきだという
一つ
の理論があるのではないかと思います。すなわち
加入区域
を設定しましたのは、そういうような
加入者
集団ですべての経費を公平に
負担
するということでありまして、その
加入者
の一部が、たとえば五百
加入
ある
交換
局と五十くらいの
交換
局がございますが、その五百のうちの一割
程度
が非常に距離の遠いところにおる、その相互間の
通話
の量というものは五百の集団の中の
通話
よりもずっと少いという場合に、非常に遠距離な五十のものを一緒にしてしまって、お互いに
負担
するということは、必ずしも五百の
加入者
集団としては利益でない。また五十ぐらいの
交換
局におきましても、非常に大きな局と一緒になって、その基本料なり度数料を
負担
するということは、きわめて不合理である。現に町村合併等に伴いまして、同一行政
区域
になった。現在とりあえず四キロ以内のものを同一
加入区域
に合併しようという方針で進んでおりまして、六キロまでは当然第一次的に合併いたしたいという
考え
を持っておりますが、そういう際に、自分たちはたまにしか向うに
電話
はかけない、しかるに基本料は高くなる、こんなばかな話はない、これはほんとうに
加入者
集団を
代表
した意見ではないかと思います。そういうような
原則
に立って、
加入区域
と、それから
市外通話
というものが出ておるのでありますけれども、その際に、今御指摘のように東京のエリアというのは非常に大きいではないか、この点もまさに御指摘の通りでありまして、英国その他の例をとりますと、すでに度数料というよりむしろ距離制を
考え
ていく、すなわち何キロまでは幾らだというふうな
態勢
で
考え
ていくような
方法
もとられておるのであります。しかしあくまで私どもは、
電話
料金
というものは
電話
加入者
集団の
負担
の公平がどの限度でできるか、あとは非常に遠距離にかけるとか、そういうようなものはそれぞれその
負担
をしていくというのが一番合理的であるという観点に立っておるわけでありますが、今申したように、それから
竹内委員
からも御指摘がありましたように、現在の
農村
に、ことに町村合併が促進された結果、同一行政
区域
内におきまして、あるいは六キロあるいは四キロくらいのところでも独立局があって、相互間は
市外通話
である、これはけしからぬ、
——
これはまさにさようでございますので、大体今地方におきましては、六キロ
程度
は同一
加入区域
内として、完全な市内サービスを提供する。六キロ以上にわたるところのものにつきましては、当分の間は非常に迅速なサービスを提供いたしますが、
市外通話
として、
料金
的にはなおまだこれを併合するという段階としては
考え
ていけない、こんな形で方向を
考え
ておりますが、先ほど申し上げましたように、第二次五カ年計画の際、
料金
の根本的な、公平な、適正なものをどういうふうに
考え
るべきか、いろいろ原価計算もいたしましたし、そういう資料に基きまして新たな
態勢
を
考え
たいということを検討いたしております。 なお最後に、
有線放送
電話
が
農村
で非常に発達しておる、これに対してそれを抑圧するために
団体加入電話
制度
を作るのじゃないかというような御指摘がございましたが、そういう
考え
ではなく、できるだけ安い経費をもってサービスを提供して、経済的
負担
の力が必ずしも都会ほど高くないというところにも、
電話
の便利というものを提供いたしたいという
考え
で、そういう精神のもとに
団体加入電話
制度
を試験的に実施して、将来本格的に実施いたしたい、こういう
考え
でやっている次第であります。
松前重義
34
○松前
委員
御
説明
は承わりましたが、どうもまだ
加入区域
の問題は明確にお答え願わなかったような感じがします。しかし現在の
電電公社
の総合的な行き方というものは、
電話
の発達してない日本としては、ある
意味
においてはいたし方ない過程をたどっておるのではなかろうかとも
考え
られるのですけれども、しかしその過程を歴史的に
考え
ないで、いわゆる現在というこの時間の断面で
考え
るときには、これはどうも全般的に都会に甘くていなかに辛い、こういう傾向をたどっておることは否定できません。これを弁護されるのは、私は歴史的段階としていたし方がないというなら別問題として、現在のあなた方のとっておられる
電話
政策なるものは、やはり都会の方から先にやっていって、都会の方がよほど利益にあずかっているということは否定できません。この点は幾ら御
説明
になってもわれわれ納得できないところであります。
ただ
こういうものを今、言いかえるとあわてて作られたものであろうと思う。ということは、いわゆる
農村
の
有線放送
なるものがどんどん伸びていくものだから、ある
意味
においてはそれを追っかけてこれを出すということになったことは、これも否定できない。いろいろ
農村
に利便を与えようということは、もう当然そういうことであろうと思うのでありますが、しかしやはりこれに刺激されて当然出されたものであって、初めからこういうことを
考え
て
電話
政策を総合的にやっておられるならば、
有線放送
も今日のようなことにはならなかったろうと私は思うのです。しかしまあこれは
電話
の普及というものは、少くとも年々の計画その他から見ても限度がありますから、そう無理なことも言えないし、こういうふうになったという事態そのものも、これはわれわれとしては必ずしも
電電公社
の怠慢のゆえにこうなったことを責めるわけではありません。けれども全般的に都会にあまりにも利便を提供し過ぎたという現象は、今までのところから見れば否定できないことだと思うのです。そこをいろいろ追及しようとはいたしませんが、
ただ
問題は都会の
電話
をどうなさるつもりか。いなかの方は、これがいいか悪いかは別問題といたしまして、こういうふうなことでだんだんいなかの方に浸透しようという一応の案だろうと思うのでありますが、一体都会はどうなさるつもりか。この不公平な姿をどういうふうにして是正しようとされるのか、この問題であります。もう少し専門的に言うならば、東京や大阪のような大集団
地域
においては、これを
一つ
の集団として認めることなく、複数の集団として認めることによるゾーン・メータリングのごときものを実施して、そうしていなかとの間に
一つ
の均衡をとるようなことは
考え
られないのか。ゾーン・メータリングをやるとするならば、おそらく
相当
のお金も要りましょうが、将来は
相当
な増収になる可能性があると思うのです。その増収部分を
農村
にずっと回すこともできるのでありまして、こういうやり方の方が最も公正妥当な
電話
政策の方向ではないかとひそかにふだんから
考え
ておった。この点について御意見を承わりたいと思います。
靱勉
35
○靱
説明
員 まことにごもっともな御意見でございまして、先ほどもちょっと触れましたが、
ただ
集団がふえるから一単位として
——
東京で申し上げましても、羽田から赤羽まで十キロ以上になるかと思いますが、そういうようなところを一単位として
考え
ると、やはりだんだんそこに不合理な点が出てくる。すでに外国で行われておりますような、御指摘のゾーン・メータリング・システムをどうしても
考え
ていかざるを得ない。ぜひそういう方向に行きたいということで、東京における例にいたしますれば、どういうふうなゾーンにしたらいいかというふうなことも私ども今検討中でありますが、何と申しましても
電話
料金
、通信
料金
というものは過去の沿革がございまして、どうしても一部におきまして値上げというようなことになりますと、反対も出てくるということも十分
考え
なければならぬわけであります。しかしどうしてもこの方向に行く場合におきましては、その点をよく
加入者
の方に御理解願いまして、そういう方向に私どもとしては現在持っていきたいということで
研究
をいたしております。
松前重義
36
○松前
委員
非常に抽象的な御答弁です。これは非常に大事な問題で、これには
農村
等
地域
団体加入電話
制度
要網とありますが、こういう断片的な弥縫策を講ずるということは
——
一応やらなくちゃなりませんが、しかしこういうものをやらなくちゃならない事態になってきておる日本の現状を、今日厳粛に反省しなくちゃならぬときに来ていると思うのです。ですからなかなかむずかしい、けれどもやろうとは思っているのだということで遷延すべき問題ではないと私は思う。直ちにこれは着手してしかるべきものであります。もうこうしたらどうかというある
程度
の具体案ぐらいはお持ちになっておられるのじゃないかと思うのですが、何かこれに対する調査資料、あるいはまた
電電公社
内において検討されておる一応の案のごときものをお持ちであるかどうか、それを伺いたい。
佐々木卓夫
37
○佐々木
説明
員
ただ
いまの問題につきまして、結局将来の
電話
の
加入区域
というものは、傾向といたしまして逐次町村合併その他の原因で広がっていくということ、並びに
電話
の
接続
は現在
市外通話
を逐次自動で
接続
される、こういうような状態になっておりますので、どうしてもそこにゾーン・メータリングというものの
考え
方を
一般
に持ち込まざるを得なくなってくるであろう、こういうことをわれわれは予測している次第でございます。今先生の御指摘の、大都市の
加入者
と地方の
加入者
との
負担
の均衡問題を
考え
ながら、大東京の将来の
加入者
が逐次ふえていくわけでありますが、その場合のゾーンの分け方をどうするか。これは一案、二案ございまして、現在の東京エリア一回登算のものをマキシマム二回に、あるいはマキシマム三回登算のものを設けるというように、一、二案作りまして、目下検討中でございます。
松前重義
38
○松前
委員
検討はなさりましょうが、これは非常に重大な問題で、急がなくちゃならぬ問題だと思いますが、いつまで検討してもこれは絶対だというものはないはずです。ですからある
程度
で踏み切りをつけなければならぬ。いつまでにこれを実現しようとして検討しておられるか。具体的にこれを実施する目標を承わりたい。
佐々木卓夫
39
○佐々木
説明
員 さしむき大都市で
ただ
いま問題になっているような具体的な
措置
が必要になるのは、何と申しましても東京だと思います。それで東京の現状は、御承知のように分局が六十局くらいございますので、これにそういった装置をつけ加えるということになりますと、
相当
前もって準備をしなければならぬ、こういうこともございますので、現在の段階ではいつごろということはちょっとはっきり申しかねる状態でございますが、少くともどういう
方法
で
——
あるいはディレクターを持ち込むか持ち込まないかといった問題とも関連してくるわけでございますので、その
方法
論だけは少くともことしじゅうくらいに結論を出したい。
ただ
その実施の時期がいつかということは、現在の数十局の分局に対するそういった改造の手配をいつごろから始め、いつごろに終るかという問題と関連させて見通しをつける必要があるのではないか、かように思っております。
松前重義
40
○松前
委員
どうも非常に日暮れて道遠しの感がするのであります。これはそういうふうにしておやりになっていると、いつ実現するかわかりませんね。一体それをおやりになる熱意がありますかありませんか、副総裁
一つ
言って下さい。
靱勉
41
○靱
説明
員 私どもといたしましては、第二次五カ年計画が三十三年度からどうしてもスタートしなければなりませんので、この夏くらいまでに、三十三年度以降の五カ年計画を
内部
的にきめたいと存じております。その際に
料金
問題、要するに
加入区域
あるいは
市外通話
につきましても、ゾーンの
考え
方でやっていきたいということでございますが、これらにつきましては、一応成案を得た上、やはり三十三年度予算で実施するということは、
ただ
いまから
考え
てみますと、とうてい困難ではないか。少くとも三十四年度以降に実行できるような
態勢
でできるだけ準備を急ぐ、こういうような今目標を持っているような次第であります。
松前重義
42
○松前
委員
私は意向のことを聞いているのではないのです。ここまでには大体着手して、大体この辺で終りたいというその限度を聞いているので、三十三年度以降にやりますというのは、四十年度でも五十年度でもいいことになる。そんなことは、私の
質問
の要旨ではないのです。限度を
一つ
聞かしてい
ただ
きたい、大体のおつもりでけっこうです。
靱勉
43
○靱
説明
員 少しお答えがまずかったのでありますが、三十三年度からほんとうは第二次五カ年計画としては実施しなければなりませんが、三十三年度予算はかなり早く準備していく
関係
がありまして、
設備
その他容易に間に合わないだろうと
考え
ておりますので、案というものは、なるべくこの夏くらいまでにきめますが、その実施の段階は三十四年度を目標としてやりたいというので、三十四年度以降幾らでも延ばすということではございませんで、第二次五カ年計画の第二年度目からできるような形にいたしたいということを
考え
ておる次第であります。
松前重義
44
○松前
委員
もしやられるとして、七円の
通話料
というものは場合によると高過ぎるということが出てくるかもしれない、ゾーン・メータリングによって七円でやるというのは
相当
な増収になると思う。六円でやっても
相当
な増収になるのではなかろうかと想像するわけでありますが、大都市のゾーン・メータリングにしたときの
料金
の問題と、それからもしも七円でもってやらせる場合においては、そのゾーン・メータリングによる増収分をどのくらいの見込みでおられますか、伺いたいと思います。
靱勉
45
○靱
説明
員 現在の東京を例にとりますと、そういうゾーン・メータリング・システムをとりました場合に、基本料を現在の千円
程度
に置いておくというわけには参らぬかと思います。そのゾーンの
加入者
総数というものが減って参りますから、基本料はどうしても下げざるを得ない。そこで現在の
料金
体系で計算いたしまして、それに応じた基本料を設定するといたしまして、かりに六円
程度
にいたしますととんとんであろう、七円になりますとあるいは八億くらい増収であろう、それから基本料を千円取ったままで現在の度数料を取るとしますと、その八億がさらに上回る、こういう形になるわけであります。
松前重義
46
○松前
委員
要するに多少の増収は大都市においては期待できる、同時にまた地方との間に公平な
料金
、あるいはまた
電話
の使用に対する公平さが増してくる、こういうふうに見るのでありますが、これは
一つ
ぜひすみやかに実行いたしまして、そうしてもし増収分が出たならば、これをこのようなものの
施設
に対して多少犠牲を払っても回していく、こういう
考え
方の上に立って、これがいい悪いは別といたしまして、
電話
政策の推進をはかるべきではないかと思うのですが、簡単でようございますからそうお思いになるかどうか、強制するわけではありませんから、思わぬなら思わぬとはっきり言ってい
ただ
きたい。
靱勉
47
○靱
説明
員 どういたしましても
電話
は
農村
等におきましてはその原価を償うようにいたしますことは、非常に大きな
負担
になります。従いまして全国単一形態におきましてやっております以上は、利益を他の方に流すということが当然かと思いますので、
ただ
いま東京でうんと増収を上げて直ちに
農村
へ流しますとは申し上げられませんが、そういうようにあるところはやはりペイしないところがある、あるところは
利用価値
その他からいっても十分ペイする、そこらを一体として
考え
ていくということになりますれば、当然そうあるべきだと思いますから、収益のあるところから
農村
等にこういうものが流れていくということは当然方針として
考え
る、こういうふうに
考え
ております。
松前重義
48
○松前
委員
その次にいま少しくこまかい問題を伺いますが、今度は副総裁でなくともよろしゅうございます。鉄線を使うということになっておるようであります。これは一体単線はいけないと書いてありますが、鉄線を使って
市外通話
を許しても差しつかえないのですか。
通話
基準、あるいは
技術
的に見てですね。
米沢滋
49
○米沢
説明
員 お答えいたします。
規格
といたしましては望ましいのは銅線でありまして、それに注入柱を使いまして
建設
していくのが一番望ましいのであります。鉄線の場合には鉄線の伝送損失、それからそれに対しまする安定度、特に鉄線が細くなってきたような場合における限度というふうなものを
技術基準
できめまして、そしてその伝送損失なりあるいは
伝送基準
の中できめられておる
範囲
までつないでいくというふうに
考え
ております。
松前重義
50
○松前
委員
しからばそのシステムは、鉄線を使うがゆえに
市外通話
の
範囲
というものは限定するわけですね。日本全国あまねく
通話
ができるというような目標でなくて、ある限定された
範囲
における
市外通話
を許す。だからそれぞれの
地域
によってその
範囲
は変ってくる、非常に複雑な
一つ
の
通話
のシステムができ上るということになりますね。
米沢滋
51
○米沢
説明
員
ただ
いま御指摘のありましたように
建設費
を下げまして、全体を安くしていくという
意味
におきまして、その
通話
の
区域
というものを
制限
するように
考え
ております。従って末端におきまして、たとえば端局から集中局にいく。そしてごく大ざっぱな言葉で申しますならば、一中継ができるという
範囲
に使用を限定したいと思っております。
松前重義
52
○松前
委員
そうしますとこれの
利用価値
というものは、
相当
に減殺されるというような感じがするのですが、いわゆる従来の
有線放送
でやった場合とあまり変りはない、ほんの近所近辺だけ話ができるという
程度
なんですね。そう
考え
てよろしゅうございますか。
米沢滋
53
○米沢
説明
員 われわれといたしましては銅線で注入柱でいくことをお勧めしたいのでありますが、しかしたとえば近所の山から木を切ってきまして、それを使った方がよいとか、あるいはまた銅線でありますれば、いろいろ値段も鉄線の数倍になりますので、なるべく安くしたいという方に対しまして、そういう道を講じたいということであります。
松前重義
54
○松前
委員
あまり一問一答をやると長くなりますが、
交換
というものは主として自動でやられるつもりでありますか、それとも手動でやられるのですか。
米沢滋
55
○米沢
説明
員 大体私たちの
考え
ておりますのは自動に対しましては
群集電話
でありますとか、あるいは集線装置といったものの方が能率的でありますので、そういうことにいたしまして、共電なり磁石といったような局を対象として
考え
ていきたいと思っております。
松前重義
56
○松前
委員
無人局は
考え
ていませんか。
米沢滋
57
○米沢
説明
員 無人局に対しましては、結局自動無人局ということになって参りますが、その場合の自動無人局になるような場所はいわゆる
群集電話
、あるいは集線装置といった
方法
でやっていった方がよいのではないかと思います。従って
地域
団体加入
の対象は、現在の磁石式の局とかあるいは共電式の局、これも
主体
は磁石式の局が
主体
になってくるのではないかと思います。
松前重義
58
○松前
委員
ここに搬送を使うということを書いてありますが、鉄線に搬送は乗りますか。
米沢滋
59
○米沢
説明
員 この搬送の
範囲
は、結局
放送
を乗せるのでありまして、
放送
の電力その他のロスを
考え
ますと、現在一
回線
に十の
電話
機がぶら下っておりますが、その
電話
機のあるところに結局スピーカーがくっつくわけでありますが、その
程度
ならば十分乗るというふうに
考え
ております。
松前重義
60
○松前
委員
どうも
技術
的な問題ではなはだ悪いのだけれども、これは場合によると困難ですよ。これは実験されたのですか。
米沢滋
61
○米沢
説明
員 これは私ども現在は机上で計算しておりまして、近く通信
研究
所で実験することになっております。
松前重義
62
○松前
委員
どうもこういうことをここでやってどうかと思うのですけれども、これは非常に困難ですよ。私は実験したのです、してあるのです。距離によってはほとんど鉄線では搬送は不可能に近いのです。これはまず申し上げておきます。とにかくそういう目的のためにあまり欲ばらぬでやる必要があると私は思うのでありまして、鉄線でやるよりも銅線でやった方が、少しワイヤの大きさは小さくなっても、これは搬送は乗るし、私はずっと能率的、効率的だと思っておるのですが、しかし鉄線と書いてありますから、一応
質問
してみ
ただ
けです。 そのほかたくさんありますけれども、もう
一つ
質問
したいのは
PBX
の問題です。
PBX
とこれとは、
PBX
のように取り扱うと書いてありますけれども、一体どういう違いがあるのですか。
PBX
は同一構内ということになっておるのですが、これは
一つ
の部落等を単位として
考え
ておりますが、それが許されるならば、まだほかのところでも許されるはずなんです。
加入区域外
のちょっとした部落があれば、そこはまだある
程度
都会
地域
であるというようなところでもこういうことがなし得るのかどうか、そういう場所があるかどうか知りませんけれども、どうもあり得るような感じがするのです。これはどういうふうにお
考え
になりますか。
靱勉
63
○靱
説明
員
PBX
的に
考え
たと申しますのは、今御指摘のような次第でありまして、東京でいいますと、丸ビルみたいな集団、これはいろいろな会社が入っておりますが、
PBX
というのは大体同一
主体
ということで、しかも同一構内ということで
考え
ておりますが、すでにもう同一構内では他
主体
も認めざるを得ないようになりまして、現在は認められておるわけであります。その観念をなぜ
農村
等の
団体
電話
に持ってきたかと申しますと、要するに一
主体
でやるのでしたら
PBX
の観念も成り立つのですが、あくまでもこれは個人は別々だし、構内は別々です。そこでどんなところに
PBX
の観念を持ってきたかというと、
交換所
は要するに
PBX
と同じように
加入者
団体
の
運用
にまかせるというところを観念し
ただ
けでございます。それ以外には何も
PBX
の観念をそう
考え
る必要もないところでございまして、書き方として、この点はあるいは誤解を生ずるのではないかと存じます。と同時に、それではどこかそういうふうに集団があった場合にはそれは認めるのか、こういう御
質問
でございますが、大体
農村
等
団体加入電話
と書いてありますように、要するに
電話
が非常に発達してない
加入区域外
等、ほとんどないところにそういう集団的な
加入電話
、しかもその
交換
は一切その
加入者
でもってやってい
ただ
く。これはちょうど
直営
の場合であろうと
自営
の場合であろうと、
PBX
においてはそういう形になっておりますが、この形をとっていきたいということで
考え
ておる次第でございます。
片島港
64
○
片島
委員
時間が大へんたっておりますから、二、三お尋ねしたいと思いますが、農林省が非常に膨大な補助を出して新
農村
建設
という計画を進めておりまして、またその予算の非常に多くの部分が
有線放送設備
に使われておるわけですが、こういう
有線放送設備
をやるのについて、またどういうふうな
設備
をするかというようなことについて、
公社
当局にも何らかの御相談が前もってあったかどうかということをまずお尋ねしたい。
靱勉
65
○靱
説明
員
公社
に対しましては、別段農林省等から相談はございません。
ただ
各
通信局
におきまして、そういうような
設備
がだんだんできてきたことは明らかに
通信局
にわかっております。その際におきまして、郵政省の方で
有線放送設備
としてそれに若干、何といいますか、連絡、信号等のことを行うことを認めて、それに使用できるような通牒が出ておりまして、
公衆通信
というものには
考え
てなかった。それがだんだん発展して参りました際に、地元で
公社
に御相談はあったかもしれませんが、何と申しましてもこれは
公衆通信
と認めるかどうかというような点について問題がありましたし、
有線放送
自体について
公社
側に農林省等から御相談というようなことはなかったわけでございます。
片島港
66
○
片島
委員
九州あたり非常に台風が多いのですが、
電話
が非常に発達しておらないために、町村だけで各区長、あるいは学校、公民館等に、町村の私設の
電話
をずいぶん計画して進めたことがありましたが一ぺん台風があると、全部その
設備
が吹っ飛ばされてしまいまして、何にも役をしなかった、こういうような状態がありまして、それ以来実はもうやめにいたしております。ところでこの
有線放送設備
というものに莫大な予算をつけて、しかもこれに対する何らの
規格
——
農林省が勝手に補助してやっているのだから、毎年吹っ飛ばされてもかまわないというなら、それでもいいのですが、しかしこの計画によりますと、
有線放送設備
をこの
団体加入
の
電話
に利用してもよろしい、こういうようなことになりますと、国家的な見地からいって、せっかく
相当
の予算を出すのならば、
団体加入電話
として、
通話
と同時に並行してこの
放送
もやる。現在のものは
放送
が主であって、
通話
が同時に並行して可能なものは認められないというこの
放送
施設
に対して、同時に行えるということに切りかえていくことが、国家的な見地からもまた地元の
負担
からも非常に適切なことと思うのでありますが、しかしそれに対して何らの
規格
というものも認めないで、先ほど
施設局長
がおっしゃったように、山から木を切ってきて、不注入材でも何でも立ててやる、そういうことになりますと、ここに言う
B級
の
規格
にも合わないようなものが非常に多かった場合には、さらにもう
一つ
また
B級
のものなり
A級
のものとして、
有線放送
施設
とは別個のものを
考え
なければならぬようになりますが、現在の
放送
施設
というものは、
相当
団体加入
の
電話
として利用できるような
規格
になっておりますかどうか、その見通しはいかがですか。
米沢滋
67
○米沢
説明
員
ただ
いまの御
質問
の中で、現在の
有線放送
をやっているものがこのB
規格
に該当するかどうかという点についてまずお答えいたしますと、これはおそらくB
規格
に該当するものは非常に少いのではないかと思います。今のところは、たとえば単線であったり、あるいはまた木のかわりに竹にひっかけてあるとか、あるいはまたいわゆる
木柱
を使うかわりに竹ざおを使うとか、あるいはまた碍子を使うかわりに木にひっかけておくとか、そういったふうで、構造上もいろいろ問題がありますし、また
通話
の伝送上にもいろいろ問題があります。従って最近ごく少数できてきたものはB
規格
に近いものがあるかもしれませんが、大部分はBにはそのままならないのじゃないかと思います。 それからもう
一つ
、一体
農村
地域
団体
の
電話
に搬送をかけた場合にどうなるかという点の御
質問
がございましたが、これにつきましては、結局
電話
が大体
主体
でありまして、
放送
はあくまで付属的にやるということを
考え
ております。従って
放送
をやる場合には搬送をかけておりますが、この搬送はちょうど今NHKが
放送
していますと同じように、搬送波を送出する
方式
をとろうと思うのです。従って結局送り出しのパワーはちょうどNHKが
放送
すると同じように、たとえば変調度が六〇%といったようないわゆる変調された波が送り出されるということになりまして、従って従来の
有線放送
をそのまま聞くものに比べまして、
設備費
、たとえば送り出しの電力にいたしましても、あるいはまた受ける方の
設備
にいたしましても、多少値段が高くなってくるということは予想されるのであります。
片島港
68
○
片島
委員
この
要綱
の四ページの第三の
有線放送設備
との
関係
というところで、「
団体加入電話
の前述の
業務
上及び
技術
上の基準に適合するものにその
設備
等を改めて、
団体加入電話
として
加入
することを
希望
するときは、これに応ずることとする、」このようなことになっております。今
施設局長
のお話でありますと、ほとんど今の
電電公社
がやろうという
B級
基準にも合わないということになって、これを全部改めるということになりますと、実際はこの
有線放送設備
を使ってこれを切りかえて、
農村
団体
の
電話
と一緒に同じ
設備
にこれを利用しようということはほとんどできないと思うのです。しかも現在
有線放送
のためには
相当
膨大なる予算を食っておりますが、こういう同じ国家的な仕事をやろうという場合には、郵政当局と農林省当局がいろいろ協議をして、、先ほど松前さんからもお話がありましたが、
有線放送
というものが出たから
——
これは
放送
設備
ですが、それに負けないように
電電公社
もまた
農村電話
をやろう、こういうことになって、実際はダブって参りまして、国家的に見た場合に私は非常に大きな損失だと思います。そうして同じ
設備
によってりっぱな
技術
をもって
設備
を行えば、同じ経費をもって
通話
もまた
放送
も非常にりっぱにできるようになるのを、一方では竹にぶら下げた
有線放送
が村内をずらっと回っておる。そうしていつも
放送
をやっておる。ところが今度また
電電公社
の方でやろうという場合には、こういうものはとても役に立たぬからというので、さらに
B級
なり
A級
の基準によってまた別に新たに電線を張ってやるということになれば、
放送
と
通話
との混線を来たして、経済的にも非常にむだであるが、
通話
をする場合にも不便を来たすということはありませんかどうか、
一つ
技術
的にお答え願いたい。
靱勉
69
○靱
説明
員
技術
的の点は
施設局長
からお答えいたすことにいたしまして、
ただ
いまおっしゃった二重になる、あるいは一等初めに御
質問
の、そういうことについて
公社
は全然無関心であったが、これに対抗してやるというような
意味
合いでいろいろお述べになっておりますので、それについてお答え申し上げますと、
有線放送
ということは、現在の
法律
体系といたしましては届出で自由にできる、こういう形になっております。ところがそこへ
電話
機をつけるとか、
電話
もできるということにだんだんなってきたという形でございまして、
公社
といたしましては別段監督権を持っておるわけではないのでございまして、その
有線放送
自体にはもちろん関与するわけに参らぬというような
態勢
である。それがだんだんと
相当
設備
をよくしたところにおきましては、
電話
についても非常に明瞭に聞える、そうなれば今度は
公衆通信
系へつなげという御要求も出てくる、こういう形になってきたわけでありまして、
ただ
いま御指摘の四ページのこの基準に適合するものは
団体加入電話
に移り変ってい
ただ
きたいと思っております。それでは、たとえばそういうふうなあらしがあった場合にたちまち破壊されてしまうと、非常にむだである、こういうような点につきまして、
公社
であらしや何かにも十分対抗できるような
設備
をするということになりますと、今
有線放送
電話
の普及しておるところにおきましては、ある部落においては九〇何%もついておる。ともかく
市外通話
もできるような
電話
を
農村
の各戸につけるというような理想を持ちますと、これはわが国の
電話
が現在百人につき四くらいだということでありまして、東京でもなかなか各戸につかないという状況からしますと、
農村
だけに各戸につけるような
態勢
はとれないわけで、どうしてもそれは遠い将来の理想という形になってしまう。そこで御指摘のような点はございますが、ともかく
市外通話
もできる
電話
ではなく、
有線放送
が
主体
であるということであれば、それはそれとしてやはり発達していくのではなかろうか。そこでもしも
電話
の方に大きな必要性を認めてこられる方は、
団体
電話
に入ってい
ただ
きたい。その場合には
線路
も
相当
しっかりしたものでなければいけません。
一つ
の線に三十も四十もぶら下げては、とうてい
交換
サービスはできません。こういうことで、新たにこれから
有線放送
電話
をおつけになろうというような場合におきましては、今度は
公社
といたしましては、その方たちにいろいろ御相談に乗って、もし
電話
が
主体
なら
団体
電話
にしたらいかがですか、
設備費
としても現在の
有線放送設備
よりも当初二倍か三倍かかる、しかしながら労力の提供、
資材
の提供等から
考え
てくれば、必ずしも今の
有線放送設備
とそう違った大きな
負担
にはならないというようなことをよく御
説明
して、
団体加入電話
の方に初めから計画するものはしたらいかがでしょうか、こういうような
意味
合いで、私どもこれをもって対抗するというのでなく、
電話
を
主体
とされるならば初めからこれをお作りになった方が、結局
片島
委員
の御指摘のような二重的な
施設
にならないし、また粗雑な
資材
を使えばそれだけ損なわけでございますから、わが国の木材を言う必要はないのですけれども、不注入柱と注入柱とでは五倍も耐久力が違う、木材、
資材
の確保からいっても、ほんとうは注入にした方が国家全体としては得かもしれない。やはりその
農村
における
負担
力等から、ないよりましだということで、それが出てくるということも私どもむげに押えるわけにいかぬ、こういう立場から
電話
を御
希望
ならば、なるべく
団体加入者
電話
へ来てい
ただ
きたいというふうにお願いしたらどうか、こんな
考え
に立っておるわけです。
米沢滋
70
○米沢
説明
員 先ほどの御
質問
の中の
技術
的な問題につきまして二、三お答えいたします。最初に先ほど御
説明
いたしました
地域
団体加入電話
というものは
電話
があくまで対象なのでありまして、従ってその
電話
は
一般
の
公衆通信
系に
接続
されるということから、いわゆる伝送上の
規格
とかあるいは
設備
構造上の
規格
というものは当然きめられてくるわけです。
有線放送
の現在行われておりますのは、
団体
放送
が
主体
なのでありますから、たとえば聴取
区域
というものも調べてみますと、一番遠いところで四キロくらいのところを
平均
距離としてやっておりまして、しかもその
放送
自体もNHKでやっておるような質の特にいいというものではなくて、大体質も必要最小限度のものであるというようなところになっております。従って
建設費
も安くなるし、
保守
費も安くなるということになっておりまして、大体ここでねらっております対象と
有線放送
の対象とが
技術
的といいますか、ねらいが非常に違っておりますので、従ってその
技術
条件
も違っておるということであります。従って将来のことを
考え
ますと、
団体加入電話
で一
回線
に
電話
機が十ぶら下りまして、たとえば百軒の家にいくといたしますと、
回線
が十本出ていくということになるのであります。二百軒あれば
回線
が二十本出ていくということになります。そういうふうにいたしますとたとえば一斉指令
——
現在
有線放送
の場合に一斉指令ということは
放送
してやっておりますが、今度のような場合に一斉指令はある信号を全部出しますと、
電話
を引いてある家に全部入っていく。従って音楽は送りませんが、一斉指令なり相互の
通話
というものはできる。それが
主体
であるならば、むしろ
団体加入
の方に入ってい
ただ
いたら、先ほど御指摘のようなむだな
建設
がなくなるということになります。しかし安くてもいいのだ、
放送
が聞ければいいのだというところに対しましては、
規格
の非常に下った、しかし
一般
公衆系にはつながらない現在の
有線放送
があっても、これもいいのではないか、こういうふうに
考え
られます。
片島港
71
○
片島
委員
それで相互に混線するというようなことはないですか。
米沢滋
72
○米沢
説明
員 その点につきましては
技術基準
ではっきりいたしたいと思っております。たとえば誘導は何デシベルでやるとか、あるいはこれは電気工作物規程もあるでしょうが、人命保安とか、火災の予防といったようなことがありますから、そういうことは
A級
、
B級
規格
をきめる場合の
技術
的
条件
の中ではっきりさせたいと思います。
片島港
73
○
片島
委員
現在できておる
有線放送設備
を利用して
団体
電話
ができるという見通し、どの
程度
のものが利用できるというような見通しがあってこれを書かれたというわけではないのですね。
靱勉
74
○靱
説明
員 最近できてくるのにはかなり
規格
のいいものがございますから、これは少し手直しして、三十下っておるのを十に分割して、もう少し線を足していけばいいというようなものがあるかもしれませんが、どれだけがこれにかわるかというより、
電話
をどうしても
接続
したい、また
電話
の利用を
主体
としたいという御
希望
にこたえるには、
公社
としてもこういう
方法
で、
自営
と
直営
の形で持っていかなければいかぬじゃないかということで
考え
ましたので、新規のものあるいは今まであったものを、もう一ぺん自分の方で立て直したいという
方法
には、これが利用できるのではないかと
考え
ております。
片島港
75
○
片島
委員
そうするとあなたの方のものと
農村
における
有線放送設備
とあわせてやるという場合に、新
農村
建設
という
相当
の補助があるわけですが、そういう補助の対象になるのでしょうか。なるかならないか、あなたの方ではわからないとおっしゃればそれまでですが、
有線放送
をやれば
電話
も一緒にやりたいのは当りまえであります。
関係
がないということになりますれば、同じ政府機関相互間の連絡が非常に不十分だと思います。あそこは監督権がないのだからということでなく、膨大な予算を使って今年あたり
相当
増額しておりますが、あなたの方も負けず劣らずりっぱなことをやるのに、金が出るか出ないかわからぬのでは、
農村
の人たちはあちらに行って聞きこちらに行って聞くということで非常に困ると思いますが、いかがでしょうか。
平山温
76
○平山
説明
員
団体加入電話
が新
農村
建設
のための助成の対象になるのかどうかというお尋ねであったと思います。先ほども
公社
の方から御
説明
がありましたように、この
制度
はさしむき
試行
の形でやりたいということで、必ずしも確定されておりません。しかし私どもといたしましても、こういった
制度
ができて
農村
の方の
電話
の需要を満たしていくことは、好ましいことだと存じております。そこでそういう
趣旨
から今後もしそういう
制度
が確立されることになりますれば、今の新
農村
建設
の助成という点に関しましても、農林当局と十分打ち合せいたしたいと
考え
ております。
片島港
77
○
片島
委員
こういう
施設
を作った場合の
保守
の問題になると思いますが、
自営
の場合には
公社
としては
責任
を負わないという形になる。
工事担当者
は認定による有資格者ということになっておりますが、めったにこういう
設備
があるわけではないから、ずっと全県下くまなく
団体加入
の
電話
があれば、もうそれを商売にしておる認定資格者がおってすぐ間に合うことがあるけれども、そうではなくて、非常にあなたの力が馬力をかけてやることになっても、そうたくさんはできないと思います。これを商売にして
保守
をやって飯を食っていけるというような者はそうないと思います。それは一府県に
一つ
とか、一ブロック、一地方に
一つ
の会社だったらあるかもしれませんが、いつ故障があるかわからないからそれを待って黙っておっても大へんです。こういうことはむしろお手のものの
公社
が全部引き受けて、有資格者がやる場合に、
自営
の場合でも
ただ
やってもらうのではなく、有資格者に
料金
を払わなければならぬでしょうから、
公社
の方ですべて
責任
を持って
保守
の方は引き受けるという方が手っとり早く、しかも
責任
を持った
保守
ができると思いますが、いかがでしょうか。
米沢滋
78
○米沢
説明
員 結局
公社
として
直営
のものが今後ずっと非常に普及して参りますれば、この問題は
公社
が
直営
でやりますから当然
保守
についてもやり、
建設
についてもやることになると思います。 それからもう
一つ
先ほど松前先生からも御
質問
があったのでありますが、
公社
が
建設
することになれば、当然その経費を少くすることを
主体
に
考え
まして、たとえば電柱でいえばクレオソートなりタンパンを注入するとか、銅線を使うとか、現在
農村
の末端でやっております
規格
と完全に一致するわけでありますが、しかし
建設費
がむしろ下ってもいい、
自営
したいという形が
相当
出てくるということを
考え
ますと、その場合にB
規格
の
保守
その他は、電柱が不注入柱であれば場所によっては五年くらいでいたんでくる。その取りかえを一々やるということになれば、初めからむしろA
規格
にしてしまった方がいいということになるわけでありまして、従ってこれは
一般
の
農村
の方の便益を
考え
てみた場合にBというものが生まれたわけであります。従って
保守
ということはBに関して
考え
ました場合には、やはり
自営
の方がいいのじゃないか、しかし
公社
がやるならあくまでAだ、こういうふうに
考え
ている次第であります。
片島港
79
○
片島
委員
それは
自営
でやる場合もAというものがあるわけでありますから、総体的に
保守
の問題についてはいろいろ問題があると思うのです。なおまたこれがどの
程度
までやられるかが明確でありませんから、いよいよ
相当
な大規模の企画によってやられるということになれば、
建設
、
保守
についていろいろの問題が出てくると思いますが、それはまたもう少し全貌が明らかになってからお尋ねすることにして、私はきょうはこれで終ります。
松井政吉
80
○
松井委員長
次会は来たる二十二日午前十時より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後一時一分散会