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1957-03-26 第26回国会 衆議院 逓信委員会 第16号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十二年三月二十六日(火曜日)     午前十一時十七分開議  出席委員    委員長 松井 政吉君 理事 橋本登美三郎君 理事 早稻田柳右エ門君    理事 松前 重義君 理事 森本  靖君       川崎末五郎君    齋藤 憲三君       椎熊 三郎君    中曽根康弘君       濱地 文平君    平野 三郎君       粟山  博君    佐々木更三君       志村 茂治君    杉山元治郎君  出席国務大臣         郵 政 大 臣 平井 太郎君  出席政府委員         郵政政務次官  伊東 岩男君         郵政事務官         (大臣官房電気         通信監理官)  松田 英一君  委員外出席者         郵政事務官         (事務次官)  小野 吉郎君         郵政事務官         (大臣官房文書         課長)     浅野 賢澄君         郵 政 技 官         (大臣官房電気         通信監理官)  平山  温君         日本電信電話公         社副総裁    靱   勉君         日本電信電話公         社理事         (経営調査室         長)      田辺  正君         日本電信電話公         社理事         (職員局長)  山本 英也君         日本電信電話公         社理事         (業務局長)  吉沢 武雄君         日本電信電話公         社計画局長   佐々木卓夫君         日本電信電話公         社理事         (施設局長)  米沢  滋君         日本電信電話公         社保全局長   小島  哲君         日本電信電話公         社理事         (経理局長)  秋草 篤二君         日本電信電話公         社資材局長   和氣幸太郎君         日本電信電話公         社理事         (通信研究所         長)      石川 武二君         専  門  員 吉田 弘苗君     ————————————— 本日の会議に付した案件  公衆電気通信法の一部を改正する法律案(内閣  提出第一〇三号)     —————————————
  2. 松井政吉

    松井委員長 これより会議を開きます。  公衆電気通信法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を行います。質疑の通告がありますのでこれを許します。森本靖君。
  3. 森本靖

    森本委員 この法案趣旨については数回にわたって質問を行なっておりますので、最後の形のようになりますが、締めくくり質問を行いたいと思いますので、締めくくりができるように、そのつもりで一つ答弁を願いたいと思います。  まず最初に、この前の質問のときにも私聞きましたが、はっきりした回答が得られなかったわけであります。今回の乙増の問題にいたしましても、こういう問題については、大体電電公社のいわゆる公衆電気通信法精神からいたしましても、こういうものを電電公社が一貫してやるのが大体の精神ではないかという点を政府当局にまずお聞きしたいわけであります。
  4. 平山温

    平山説明員 お答え申し上げます。ただいま森本先生お話は、公衆通信業務をやっていきます場合に、技術的にも設備的にも一貫したものでやるのが基本的な考え方ではないか、こういうふうなお話のように拝聴したわけでございますが、この点につきましては私どもも全く同様に考えております。
  5. 森本靖

    森本委員 それで、基本的な問題はそういうことでありますが、今回のこういうふうな範囲の拡大については、今日の中小企業育成といいますが、そういう面からやむを得ずこういうことをやるのだ、こういうふうな趣旨でのこの法案の提案ではないかと私たち考えておるわけでありますが、その点はどうですか。
  6. 平山温

    平山説明員 今回の乙種増設電話機につきまして、従来公社だけがその設置をやっておりましたものを、利用者においてもこれを設置することを認めようということを提案いたしました理由としては、この前にも申し上げましたところでございますが、甲種増設電話機につきまして利用者による設置を認めて以来、かなり順調にその成果が上っていること、それから直営自営両方を認めることによって、両者共存によって今後のサービスがむしろ一そう増進するだろう、利用者にも便利になるだろう、あるいは乙増需要がその後非常にふえているというようなことを考えまして提案いたしたわけでございますが、そのほかに今先生がおっしゃいましたように、工事に従事する中小企業育成ということもあるいは考えているのじゃないか、こういうお尋ねだと思うのでございますが、確かにこういった工事に従事する方の方々から、こういう仕事もやらしてほしいという御要望も実は私ども承わっていることは事実でございます。しかしながら私どもといたしましてはこのことだけを頭に置いて考えたのではございませんで、先ほど申しましたようにこれを公社直営と、それから利用者による自営と、両方を認めることによって、全体の利用者に対するサービスが結局よくなるだろう、また事業の発達に資することも大なるものがあるだろう、そういうことを総合的に考えてこの提提を申し上げた次第でございます。
  7. 森本靖

    森本委員 この乙増の問題は、私たちしろうと目考えてみても、これはPR動運をやれば、将来相当増加する傾向があるのじゃないかということが考えられるわけです。これはかなり急速にふえていくということも考えられるわけであります。そういう点からいきますと、今政府事務当局の方から説明した理由よりも、私はやはり中小企業育成という面が非常に大きいというふうに考えて提案されているのではないかというふうに考えますが、しかし両者共存によってともかく公社サービスもよくなるし、また通信発達にも利する、そういう意味からこれを提案すると言われましたけれども、その面はかえってそういう点で相当混乱を起すというようなこともありはせぬかという点が考えられるわけでありますが、特にお聞きしておきたいことは、この乙増設置した場合における保守限界であります。回線における保守限界をどういうふうにお考えになっておりますか。
  8. 平山温

    平山説明員 今日私ども考えております乙増電話機範囲といたしましては、先般も橋本先生の御質問にお答え申し上げましたように、郵政省令で定めることになっておりますものの、ただいまのところといたしましては一号電話機に限定して考えております。一号電話機と申しますのは、御承知のように転換器を持っているものでございますので、転換器から先は、もし自営をやります場合には自営保守責任になるし、それから先と申しますから転換器より端末の側、いわゆる局の交換器側でない反対側、そちらの方が自営責任でありますし、転換器から見て局側、本電話機を含めた局側の方は公社の方の保守責任になると存じております。
  9. 森本靖

    森本委員 その場合、今もちょっと私は非公式に聞いたわけですが、電話機一つつけた場合には転換器は当然一つでありますが、二つつけた場合はやはり転換器が二つになるわけですか。
  10. 平山温

    平山説明員 お答え申し上げます。転換器が二つある場合にどうなるかというお尋ねだと思いますが、その場合には転換器を含めまして、転換器までが公社直営責任であり、そこから先の増設電話機自営責任、こういうように存じます。
  11. 森本靖

    森本委員 私も今の電話機は知りませんが、共電式電話機保守をやったことがありますが、その場合、こういう転換器をつけてやるということになると、比較的転換器もしくはスイッチの障が起りやすいと思うのです。そういう場合に、今あなたの答弁では、その転換器から端末電話機までが自営の方である、本電話の方が公社保守である、こういう御答弁でありますが、そうなると転換器故障になった場合も、保守責任はやはり自営になるわけですね。
  12. 平山温

    平山説明員 ただいま申し上げましたことは、転換器を含めて、本局側公社責任転換器を除いた転換器から先の端末部分自営、かように申し上げたつもりであります。そこで今先生のおっしゃいましたように、転換器故障になったらどうかという点でございますが、そこまで含めて公社側責任、かように考えております。
  13. 森本靖

    森本委員 そうですが。転換器自営の方の保守責任じゃないのですか。転換器自営の方がつけるはずなんです。公社がつけるはずはない。たしか私はそうだと思う。
  14. 平山温

    平山説明員 ちょっと専門的な問題になりましたので、この問題については公社の方からお答えさせていただきます。
  15. 米沢滋

    米沢説明員 転換器につきましては、結局局線から参りましたのが転換器片側に入りまして、それからもう一つ片側自営一般乙増につながるわけであります。従って転換器がそこの境目になるわけであります。片一方端子局線につながる、片一方端子は場合によっては自営乙増電話機につながる、こういうちょうど限界点になりますが、実際にはこれをつける場合に、転換器までの責任部分考えますと、そこの転換器をつける部分公社側がいいのではないかと考えております。
  16. 森本靖

    森本委員 そうすると転換器をつけるのは。公社側がつけるのですか。
  17. 米沢滋

    米沢説明員 転換器をつける場合には公社側がつけるというふうにいたしたいと思います。
  18. 森本靖

    森本委員 そうすると転換器そのものも、公社の方がはっきりつけるわけですね。
  19. 米沢滋

    米沢説明員 ただいまの点につきまして、実は私答弁が間違っておりました。訂正いたします。従って、転換器自営の方に含めるというふうに訂正いたします。
  20. 森本靖

    森本委員 たしか私もそういうふうに解釈をしておったので、これは重大な点でありますので、質問をしたわけですが、そうなって参りますと、一応この建前からいきますと、転換器をつけて乙増をつけた場合には、その保守責任というものは、一応転換器から端末電話機までが自営の方のいわゆる保守責任だ、それから本電話の方は公社の方の保守責任だ、こういうことになってくるわけですね。
  21. 米沢滋

    米沢説明員 ただいまの御質問通りであります。
  22. 森本靖

    森本委員 そうなって参りますと、先ほどの質問に返りますが、こういう電話機をつけた場合には、よくスイッチもしくは転換器故障になりやすいわけです。そうなってくると、転換器というものは自営で行なっておるわけでありますので、当然保守責任自営と、こういうことになるわけでありますが、そうですか。
  23. 米沢滋

    米沢説明員 設備が自営でありますので、転換器保守そのもの自営の方で責任を持つ。ただしかしそれが本電話機の、何と言いますか、そのもの関係する線につながっているような場合につきましては、線の方の端子から先の方は公社側、こういうふうに考えております。
  24. 森本靖

    森本委員 そういうことになるので、私は特にこの問題を質問をしておるわけですが、そこでたとえば転換器故障だということで公社に言ってくる。そこで公社はさっそく故障だということでその修理に行く。ところが本電話の方のつないである端末の方がちょっと故障だから、これは直した。ところがこっちの附属電話機の方の端末の線がちょっと故障だから、これは自営だからおれの方は関係がない、こういうことをして言うならば言えることになるわけですね。しいて言おうとするならば……。
  25. 小島哲

    小島説明員 ただいまのお話でございますが、もし故障がございますれば、まず公社側試験台に申し込んで参ります。従いまして管理者の方には、それは自営部分故障があるのか、あるいは直営部分と申しますか、公社側責任にあるのかわかりませんですから、ひとまず必ず公社の方に申し込んでこられます。従いまして公社としましては、すぐ工事要員を派遣いたしまして、その故障の所在を明らかにしまして、これが本電話機関係する、本電話機がつながらないというような場合でしたら、あくまでも公社で直してしまいます。これが自営部分であるということがはっきりしますれば、それは自営の方で直していただくようなふうに、管理者の方にお願いするわけでございます。
  26. 森本靖

    森本委員 だから電話機故障の場合はそれでいいわけですよ。ところが肝心の転換器故障になっておる場合、たとえば本電話の方の端末がきておる方が故障なら公社が直して、それから先ほどの施設局長答弁からいくと、いわゆる自営の方の端末がきておる方の接点が悪くなっておれば、それは自営だから自営の方でやれ、こういうことにしいて言うならなりはしませんか、こういうことを言っておるわけです。
  27. 小島哲

    小島説明員 実際問題としまして、本電話機がかからないというような転換器故障でありますれば、これはとりあえず本電話機がかかるように処置いたします。その上で、自営部分故障を直すようにお願いをするわけであります。
  28. 森本靖

    森本委員 その辺の責任が、この委員会でも妙にはっきりせぬから、おそらく端末でその実際の仕事をするときになると、私はもっと、いやこれは公社だ、これは自営だということで争いが起きはせぬかということで、その心配をして聞いているわけです。だから転換器故障の場合、これは往々にしてあるので、転換器故障の場合でも、それは直ちに公社の方に修理を言ってくるので、その場合でも、公社はこれを責任を持って直すというふうにするのか、その辺をはっきり聞いておきたい、こういうことです。
  29. 小島哲

    小島説明員 建前としましては、もし転換器故障があるということを発見しまして、そのために本電話機がかからぬという場合には、転換器を直通いたして直します。
  30. 森本靖

    森本委員 そうなると、それは結局転換器をのけてしまうことになるので、それは乙増の方をボイコットするということになるわけです。これはつけた方に対して非常に失礼に当るわけです。だから転換器がついておって、それが故障になって本電話機故障になっているから、それを直通にするということになると、その転換器はそのままのけてしまうということになるから、乙増はひとりでにのけられてしまうということになるわけです。そういうことでなしに、そのスイッチが放障の場合は、これは当然公社に言ってくる。しかし実際の保守というものは、それは自営の方に責任がある。あっても、それを自営だ、公社だと言わずに、転換器から向うは、これは回線とそれから今度は乙増電話機になるから、その故障ははっきり自営のものだということになるのでありますが、スイッチの場合、転換器の場合は、これは自営だけれども、その中へ本電話の線が二つ入ってきている。そういうことになると、その転換器故障の場合は、これは一応公社の方で見て、そのまますっと直したらどうか。もっとも取りかえなければならぬということになれば、これは直ちに自営の方に言って取りかえをやらないと、公社がこれを出して取りかえるわけにはいきませんので、その辺の責任限界というものを明確にしておかないと、ここでもこういう答弁の状態ですから、実際現地で仕事をする場合になると、私はもっと紛糾を来たすだろう、こう思ってはっきりしておきたい、こういうことです。
  31. 小島哲

    小島説明員 趣旨は、大体においておっしゃる通りでございます。私どもといたしまして、ほんとうにちょっと手を入れれば直るようなものを、これは自営部分だから全然知らぬというふうには、申し上げないつもりでございます。
  32. 森本靖

    森本委員 それで大体いいのですが、しかしこの問題は、下の方でも問題になりそうなことですから、一つ運営の際には、もしこの法案が通ったら、十分気をつけていただかなければならぬことだと思います。  そこで、そういうことになりますと、この乙増が将来急激に増加をするということが予想されるわけですが、そうなって参りますと、乙増だけが増加されても、それに対する保守要員というものも当然増加されなければならぬ、こういうように考えますが、その点は公社当局はどう考えておりますか。これは単に自営でやるから、公社保守要員増加の問題については関係がない、ここいうように考えているわけですかどうですか。それではこれはまず政府当局に聞きますが、こういうことになった場合は、保守要員が相当増加してこなければならぬ。その辺の準備は十分にやっているかどうかということを、公社の方と打ち合せをしましたか。
  33. 平山温

    平山説明員 お答え申し上げます。ただいまの御質問は、乙増需要がふえた、それに伴って保守の人が要るだろう、こういうお話だと思いますが、その点はお話通りだと思います。これに対して公社と打ち合せをしたことがあるかというお尋ねでございますが、私どもといたしましては、その施設量がふえた場合に、それに必要な保守要員を用意することは当然公社考えておられるだろうと思いまして、特に打ち合せてはございません。
  34. 森本靖

    森本委員 公社の方は当然やっておるべきものだと思ってこの法案を提案し、打ち合せは別にやっておらぬということですが、公社の方はこの法案を制定しなければならぬことがきまった際に、将来そういう保守要員増員しなければならぬということを具体的にお考えにならなかったのですか。
  35. 小島哲

    小島説明員 自営乙増がふえた場合に、それに対して保守要員を用意するかという御質問でございましょうか。
  36. 森本靖

    森本委員 理論上では、自営がふえた場合、保守は当然自営であるということでありますが、今の質疑応答でも明らかになったように、この乙増がふえたことによって、申告してくる事故回数率が相当多くなると思うのです。だからそれに対する保守要員というものは当然増員考えなければならぬ、その準備も行わなければならぬということを言っておるわけです。
  37. 小島哲

    小島説明員 全般的に申しまして、ただいま保守の状況は改善されつつございますし、また先ほどもお話がございましたように、自営保守も、必ずしもそう問題が多いというわけではございません。従いまして、特にこのために保守要員増員する必要はないのじゃないかと考えております。
  38. 森本靖

    森本委員 それではもう一回聞きますが、政府当局は、この法案が通ったら乙増はどれくらいふえる見込みを持っておりますか。
  39. 吉沢武雄

    吉沢説明員 ただいまの御質問に対しましては、私先般橋本委員からも御質問がございまして次のようにお答えしたわけでございます。と申しますのは、今までは年々乙増が七%ずつ増加しております。おっしゃるように今度は業者も積極的に勧誘し、周知させますし、かつまた乙増需要というものが前年度より相当あるものですから、それが完備されるということで、開放してもすくに同じところまでは到達いたしませんけれども直営一本で七%、それの倍ですから、おそらく一割五、六分はふえるだろう、そして累年ふえていくだろうと思っております。まだ正確な需要調査というものは出ていませんが、見込みとしてはかたいところこのくらいと思っております。
  40. 森本靖

    森本委員 そうすると、七%ふえるということになると、この法案が通って自営を認めるということによって、ふえる見込み個数は大体どのくらいになりますか。公社直営によってでも年々若干ずつ乙増がふえてきている。公社直営であってもこのくらいであるので、自営法案が通ってPR運動をすれば、さらにそれ以上ふえると思う。だから今年度ふえる電話数はどのくらいですかということです。
  41. 吉沢武雄

    吉沢説明員 直営でいきましても大体今まで七万くらいふえております。直営部分自営にくるということも考えられます。本案ならば直営へくるのが自営にいく、さらに自営によって積極的にふえる、こう考えますから、全体としまして公社直営自営合せて十万くらいはあるだろう、こう思っております。
  42. 森本靖

    森本委員 そこで市内電話保守率でありますが、電話機が何個で、何名の保守要員を持っておるわけですか。
  43. 小島哲

    小島説明員 障害の申し込みに対しまして用意しておる人間、私ども監視工員と申しておりますが、それですと、大ざっぱに申しまして、一万の電話に対しまして約五、六名というような程度であります。
  44. 森本靖

    森本委員 一万に対して五、六名という割にいたしましても、今度十万ふえるということになるとそれだけ障害回数が多くなり、業務量がふえてくるということは事実でしょう。
  45. 小島哲

    小島説明員 おっしゃる程度ふえることになります。しかしただいまもお話がございましたように、約二百万余りの加入回線に対しまして十万ということになるわけであります。それで故障の起きます部分線路部分、私ども引込線と言っている。宅内と申しますが、宅内のうちでも電話機部分と分けますと、全体の故障申込みに対しまして、電話機障害と思われるものが大体一割程度でございます。その一割に対して数%がふえるということでございますが、その局々の個々について考えますと、全体としては非常に少い割合の仕事量がふえる程度にとどまるではないかというふうに考えております。
  46. 森本靖

    森本委員 大体それでわかりました。そうなって参りますと、もう一つちゃっとお聞きしておきたいのです。三十一年度において、これは三十一年度において—これは三十一年度全部済んでおりませんのでわからぬかもわかりませんが、市内線障害における、いわゆる宅内故障について、その中で乙増をやっておるところの故障の率というものはどのくらいになっておるか、今わかりませんか。わからなければいいのですが……。
  47. 小島哲

    小島説明員 乙増障害はわかりかねます。
  48. 森本靖

    森本委員 これは乙増の問題を法案として審議しておるわけですから、実はその障害の率というものもほしかったわけでありますが、なければ、次の二十九日でも——微々たるものであったにいたしましても、若干心配になる点がありますので、できればその障害の率を調べておいてもらいたいと思うのです。と申しますのは、今までは公社直営で、おそらくこの障害回数も少かろうと思いますが、今度これが自営を認められて、先ほどの七%というパーセンテージが今度逆になると思うのです。私の想像では、おそらく自営の方が相当多くなって、直営の方が微々たるものだということだと思います。そうなって参りますと、今までの乙増よりも障害の率というものが多くなるのではないかということが、私としては心配になるわけであります。そこで、そういう点からいくと、この保守要員というものも今あなたが言った説明よりも若干ふやさなければならぬのじゃないか。おそらく実際線路を担当しておる者が私の意見を聞いたら、確かにそうだということになると私は思う。だから、今までの直営乙増とだいぶ違う。そういう点で、相当これの障害回数がふえるのじゃないかということを、私は特に心配しておりますので、この法案の実施をするという場合においては、その要員増員ということについても十分考えていかなければならぬという点を、私はついておるわけであります。  そこで、もう一点だけ聞いておきたいと思いますが、この法律の中にもありますけれども、この転換器基準と申しますか、それについては、やはり公社規格基準があって検査をするという建前になっておるわけですね。その点はどうですか。
  49. 米沢滋

    米沢説明員 それにつきましては、技術基準というものが現在一般PBXにつきましてできておりますが、乙増につきましても技術基準を作りたい。それにつきまして、公社が現在使っております転換器またはこれに準ずるものというような形になっておるのであります。
  50. 森本靖

    森本委員 そうすると乙増の分はまだできてない、こういうことですか。
  51. 米沢滋

    米沢説明員 この技術基準につきましては、大体甲増の従来のPBXができておりますから、内容的にはそれのうちのあるものをとっていけば差しつかえないと思います。ですから、結局内容的にはできておりまして、ただそれが技術基準という形になりますのは、法案通りましたあとで、郵政大臣の認可を得まして公社がきめるという形になっております。
  52. 森本靖

    森本委員 その準備は、それでは、すぐできる、こういうことですね。
  53. 米沢滋

    米沢説明員 すぐできます。
  54. 森本靖

    森本委員 それで大体乙増の問題の要点の質問を終ったわけでありますが、そこで私は最後に公社当局の副総裁に聞いておきたいと思います。  おそらくこれは副総裁としてもいやいやながらこの法案には賛成だということで賛成されただろうと思いますが、ただ私は特に申し上げておきたいことは、先ほど来の質疑応答においても明らかなように、この乙増というものは、将来かなりふえていく見込みがあるわけであります。それで公社直営にしても、公社自体が運動をやれば、これはもっともっと伸びていくという可能性のある仕事なんです。そこで今日この電電公社のオートメーション化によって、北九州でも六百何名というものが馘首せられなければならぬというような今日の段階、さらに各方面においてもこの電電公社というものは、オートメーション化によって人員の整理をされていかなければならぬ、こういう段階において、せっかくそういうところの業務の拡張をはかって、どこからも何ら文句を言われることのない、こういうようなところの問題を、私は非常に残念でありますが、こういう問題は公社直営でやった方がそういう人員整理の問題等もからんで非常にいいではないか、こういうように考えるわけでありますが、その点について、公社の総裁が来ておりませんので、副総裁が最高の責任になると思いますが、そういう点についてはどういうようにお考えですか。
  55. 靱勉

    ○靱説明員 これは郵政省の方からお答え申しておりますように、今回のいわゆる乙増自営を認めていくという目的は、先ほど来御説明があったような次第でありまして、結局私ども加入者の利益というものを第一に考えまして、よいサービスがさらに提供できるかどうかをまず考えております。同時に、そういうことによりまして公社の職員の、せっかく拡張さるべき職場が少し侵されるのではないか、こういう御意見のようでございますが、これはまあ確かに御指摘のように、乙増といいますか、電話をもう少上便利にサービスをするという面におきまして、なお乙増増加する可能性というものが非常にあるというふうに思っておるわけでありまして、これによりまして雇用量の増というものが当然ある程度奪われるのではないかということは、そういうような計算をいたしますればまさにそうでありましょうが、先刻来の御質疑通り公社としましてもやはりこれはサービスを悪くする意味でなく、よくするつもりでございますから、実際上の運営に当りまして、保全につきましてもさらに相当充実していかなければならぬ。率直に申し上げまして、私どもある委員からも御指摘を受けたことがあるのでありますが、公社宅内、いわゆる加入者の家におきます電話の設備につきまして、年に一回あるいはできれば二回くらい巡回して、さらにサービスをよくすべきではないかというような御意見も承わったのであります。そこいらの点、在来必ずしも十分とは言えない、こういうようなことで、私どもとしましては仕事の量と、それがよそに移っていくということだけをとらまえて申しますれば、数学的にそういうことに確かになるのでございますが、公社としましては、さらに人によるサービスの充実ということも、オートメーションの発展に伴なって考えていくということで、私どもせっかく現在発展しつつあるこの職場というものを、いたずらに縮小しょうという考えはないのであります。新たな方面につきましても、さらに人によるサービスを充実していくということにおいて、今御質問のようなことは全体的に考えれば、必ずしも御心配は要らない、こういうように考えております。
  56. 森本靖

    森本委員 副総裁の答弁としては、その程度答弁が最上だろうと考えますけれども、しかしこれは一回考えてみると、この業者に対してもわれわれとしてはある程度同情すべき点もあるわけである。それは今のPBXについても、これはほとんど大メーカーが押えてしまうというような状況であるし、こういう方面に伸びていかなければ伸びていく余地がないというような点も、それはわれわれとしても考えぬ点もないではない。しかし副総裁が言ったように、一般自営を認めたら、サービスの方が加入者に対してよくなるということは、これは必ずしもそうではないと思う。それは電電公社の方はもうちょっとPR運動をやる、そうして巡回相談をやる、それからもっと保守その他においても人員を配置をしてサービスを強化するならば、公社がやった方が一番正しい。それはすべての技術、それから基準保守、経営、そういうものはすべて総合的に一元的に運営をされるのが、われわれとしてでは一番望ましいというように考えておりますけれども、実際問題としては、今言ったような小さな業者を育成するという面も確かにあるわけであります。しかしそうかといって、公社側としてもあくまでも自営を認められましても、公社直営というものもやはり認めておるわけでありますので、これで乙増の問題はわれわれは済んだりという考え方でなくして、ますます保守その他いろいろなサービスの強化をして、自営に負けないように公社としてはより一そうの努力、奮起をする必要があるのではないかと考えるわけでありますが、その点はどうですか。今度のこの法案趣旨からして、これはちっと遠慮して、公社はあまりやらぬようにした方がよかろうという考え方か。それともサービスを積極的に加入者に提供するという面に置くならば、公社としてもこれは遠慮すべきではない、あらゆる面におけるサービスをより一そう強化して、自営の諸君に負けないようににやらなければならぬ、こういう考え方であるか。一つ積極的にやっていこうとするのか、もうこれで大体われわれの方の任務は終ったというふうに考えるのであるか、その点を一つ明らかにしてもらいたい。
  57. 靱勉

    ○靱説明員 全く御指摘の通りでございまして、過去におきましても、いわゆるPBX自営にいたしました結果、そういう理屈はないと言えばないのでございますが、自然的にある程度両者は競争関係にあるということで、当時PBX自営にいたした場合におきましても、そこにお互いにサービスの向上が期せられるということも一つ理由であったわけであります。ただいまおっしゃいました通り公社といたしましても——多分私ども考えでは、業者は乙増保守をいたすということになりますれば、必ずその保守責任のあるところを回っていかれると思います。公社も、今になってそういうことを申すのはおかしいかもしれませんが、事実この事業全体の施設運用の点から、私どもが今完璧であるとは考えていない。そういうような一つの競争関係と言っては少し語弊があるかもしれませんが、お互いにサービスの向上を期するということで、公社におきましても、もちろん公社直営の分は非常に乙増に対してのサービスが悪いというようなことを申されるようでははなはだ申しわけないのでございますから、今後とも一そうただいま申されたようにサービスの向上を期する。結局先ほど申し上げました乙増自営にするという基本的な公社考え方は、これが加入者の方に利益になるかどうかということをまず考えていく、こういうような次第でございまして、今おっしゃられたように今後十分公社サービスの向上も期していく考えでございます。
  58. 森本靖

    森本委員 それで大体けっこうですが、ただ公社サービスの提供ということを一つ口先だけではなくして、実際に行えるような人員の配置、それから予算の準備ということを考えていかないと、今度この乙増自営がやられると、実際問題としておそらく自営の方は、ちょっとした中産階級のところに、お宅の電話一つ乙増をつけませんか、応接室と食堂くらいにつけると非常に便利ですといって、一軒々々回って勧誘をするだろうと思う。そうなって参りますと、現在の公社の経営方針では、とてもこの自営には追いついていけないし、勝負にならぬと思う。だから相当自営の方がふえるということが予想できるわけであります。そういうことで自営の方は一生懸命やるだろうと思いますので、公社の方でも、サービスの強化ということは単なる口先だけでなく、実際の予算の準備とそれから人員の配置、そういうものをほんとうに真剣に考えていかなければ、電電公社としても、加入者のサービスの提供ということから、公社仕事がだんだん侵害せられていくというおそれがなきにしもあらずということで、われわれとしては非常に心配になる点があるわけであります。たとえば後ほど出てくるかどうかわかりませんが、有線放送業務の問題にしましてもしかりであります。そういう点を考えますと、公社としてはほんとうに今後そういうところの加入者に対するサービスは、単なる答弁だけでなくて、実際の予算の準備と人員の配置を考えていかなければならぬと思う。そこで私政務次官にはっきり聞いておきたいと思いますが、公社当局の意見、それから政府の事務当局の意見も今ここではっきりしてきたと思います。それは公社当局も、実際は加入者に対するサービスは大いにやりたい、それから施設その他についても大いにやりたいと考えておるけれども、予算その他において縛られてできないというのが現実だろうと思うのです。そこでこの問題がだんだん発展をしていくと、やはり電信電話公社電話企業の独占というものが侵されていくという傾向になりがちであります。だからこういう点を十分に政府当局としても考慮して、こういう法案を提案をする場合には、それはそれなりに、公社公社としてさらに負けないようにできるような人員の配置並びに予算の準備というものについて、政府当局としても将来十分考えてやっていかなければならぬと思うのですが、その点はどうですか。
  59. 伊東岩男

    ○伊東政府委員 いろいろお話を聞いておりますと、傾聴すべき点が多々あるのでございます。省といたしましても、御意見のあるところをしんしゃくいたしまして、十分研究考慮いたしたいと考えます。
  60. 松井政吉

    松井委員長 次回は来たる二十九日午前十時より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後零時七分散会