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小林説明員 再建計画の
変更につきましてこの間
通牒を出したのでございまして、この写しは今準備しておりますから、後刻お届けいたしたいと思います。大体この
考え方は、現在の
再建計画は御
案内の
通り二十九年、三十年、三十一年、どちらかといえば非常に苦しかった、やりくりのつかなかった時代にそれぞれ
計画を作っておりますので、
計画自体にも私はいろいろな面において無理があろうと思うのでございます。それで幸いにいたしまして
交付税は多少
伸びましたし、税も
再建団体でございますから、これはあまり
伸びは期待できません。一般には多少期待できましても、
再建団体はそれほど
税収のないことでございますから、それほどあろうとは思いませんが、いずれにしましても、
計画以上の
収入はある
程度あることは、予測されるのでございまして、そういう機会に
計画をできるだけ合理的なものに直すことが肝心じゃないか、こういう
考え方で
計画変更の
方針を作ったのでございます。しかしそうは申しましても、まだ今
年度のそういう
税収の
見通しは、はっきりついておるわけでもございませんし、
明年度以降どういうことになりますか、
明年度以降のことも予測がつくわけでもございませんので、根本的な
計画変更と申しましても、私はまだとてもその段階だと思いません。たとえば早い話が
公債費の問題も、ことし限りの
措置として一応立法化されておりますが、
明年度以降の問題は、そうした立法的な
措置の
確定を待たなければ、われわれ
行政措置によってどうこうするというわけにいきません。そういう問題もありますので、
ほんとうの
変更はさらにそういう問題の
確定を待って、
明年度以後にしか行い得ないのではないか。ただ、今日
確定いたしました制度を
基礎にいたしまして、できるだけ
計画に長期的な
安定性と、できたら
弾力性を与えたい、そして今までぎりぎりの
計画でございますから、ちょっと
収入がありましても、すぐに
計画変更となって、そうなるといろいろな手続などがありまして、非常に各
団体にも迷惑をおかけしておる。そういうよけいなこともできるだけはずしたい、こういう
考え方が
基本なのであります。それとともに多少
増収がありましたら、やはりそれぞれの
団体におきましては、ことしだけのことを
考えずに、明年以降の
団体の
運営を長期的に
考えてもらわなくてはいけない、率直に申しましてそういう気もございまして、それぞれの
団体ではもう
計画がきまっておるのだから、これ以上金があればことし使ってしまったらいいじゃないかという単純な
気持も、率直に申しましてないわけでもないのでございまして、そういう
考え方では、かえって将来の
財政運用を誤まらせる、そういう
意味もありまして、そういう場合にはやはり今後のことも
考えて問題を扱ってもらいたいという
気持も
基本的にあるので、かれこれそういう
気持もにらみ合せまして、われわれといたしまして
方針を
考えたのでございます。大体九月を
目途にいたしまして、今までたいていの
地方は、
ベース改訂の準備をほぼ進めております。それから
指定事業その他
補助金の令達も、もう大体
見通しがついております。全般的に本
年度の
財政上の
運営の
見通しは、各
団体ともついておりますので、それで九月を
目途にして
計画を
調整したい、こういうことにいたしたのでございます。
それでやや具体的に申しますと、私は現在の
計画にはいろいろな面において無理があると申しましたが、
一つは率直に申しまして、これは
再建計画といっても
再建にもなっておらぬような
計画も私はあろうと思うのでございます。それは非常に困った
団体でにっちもさっちもいかぬ、
計画の
立てようがなかったからそうなったのでございましょうが、
再建計画上なおかつ毎年
赤字を出していかざるを得ない、そういう
再建計画が一部にあるのでございます。これでは
赤字を作っていく
再建計画でございまして、過去の
赤字をたな上げしたって毎年々々新しい
赤字を作っていけば、これは
ほんとうの
財政再建とは言えぬのでございまして、そういう
計画はまずともかくも
再建が可能であるというふうにはっきりさせなくちゃ、これは
意味がないのじゃないか。そういう
意味で単
年度にだんだん
赤字を作っていくような
再建計画は、もし
財政上の
ゆとりがあれば、その単
年度の
赤字が出ないような
財政運用をきせるということが
基本だと思うのでございます。
それからさらにもう
一つは、
再建債の
対象が法律できまってしまっておりましたので、その当時
再建計画を作ったときの実際の
赤字が
再建債の
対象にならずに、一部
赤字のまま
計画上認めざるを得なかった
赤字が相当ある
団体が、これまたあるのでございます。そういうものにつきましては、そうした
計画上の
赤字をできるだけ早くなくしまして、ともかくも一応
財政再建できるという
態勢の
計画に、まず直すということが
基本じゃないか、その
考え方が第一にあるのでございます。
それから第二番目の問題は、そういうふうに一応は
赤字の始末はできるようにはなっておるが、
計画の中身を見ますと、
行政上非常に無理がある。特に後
年度に至って毎年々々
行政を切り詰めていく、
仕事も減らす、人の整理その他
給与費の
圧縮等も無理をやっていく、またそうやらなければ今
年度の
計画が立たなかったというのがございまして、
事業費などというものはむちゃに後
年度に切り下げている
団体が少からずあるのでございます。こういうものは今
年度程度の
行政は当然できるような
計画にしなかったら、これは
自治団体の
行政運営の
計画としては
計画になっておらぬ、私は率直に申しましてそういう気がするのでございます。そういう
意味の後
年度において
仕事をむちゃに減らすようなものは、早く
仕事を恒常的にやれるような
態勢に
計画を是正させるということが、
ゆとりの生じた場合の根本的な
考え方だろうと思うのでございます。それをまず第二段目にやりたい。
それからなおかつ
ゆとりが出る場合が相当あります。たいていの
団体はなおかつ
ゆとりが出るだろうと私は思っておりますが、そういう場合に現在の
計画自体をさらに合理化して、いわば
行政の
維持と申しますか、
向上と申しますか、そういう問題になりまして全体として
計画に
弾力性を持たせるように
経費をある
程度調整する、こういう問題になろうと思うのでございます。これはわれわれ
行政水準の
維持向上という形で申しておるのでございますが、それはある
程度考えてしかるべしという
考え方に立っておるのでございます。ただその全般的に
行政水準を
維持する場合に、あくまでわれわれとして
考えてもらいたいのは、
財政構造全般の合理的な
調整という問題でございまして、今まで苦労して
再建をやろうとしてきているのに、またそれをひっくり越すような
経費の
使い方を
考えては、それは危ない。そこでいわゆる
消費的経費なり投資的
経費なり、その他もろもろの
経費が全体として合理的な線においてバランスをとって伸ばすようにぜひ
考えてもらいたい。そういうことになれば、
あとは
個々の
経費のあんばいというものは、
自治団体にまかしたらいいじゃないか。あまりこまかいことをとやかく申す必要はないのであって、それはそれぞれの
団体の
自主的判断にまかして、
個々の
経費の
使い方をお
考え願って、こちらといたしましては
計画全体の
歳出上の
構造が調子をとって合理化されればいいじゃないかという
考え方で、この
計画変更の
基本的な
考え方をきめてあるのでございます。その
あとでは、それは細目的に
歳出の
見方とか
歳入の
見方とかいろいろございますが、これはむしろ技術的な問題でございまして、特に申し上げるほどの問題はなかろうと思います。
そこで、大体そういう
考え方を
基礎にいたしまして、
計画としてなっておらぬというものを是正する。ただしもう
一つの問題は、後
年度において
仕事がいかにも切り下げられておりますものについて、
計画を是正いたしたいのでございますが、それが
再建計画の技術的な性格がございまして、後
年度だけの
歳入をなかなか見るわけにいかぬので、そういう場合には本
年度の
財源をむしろ一部留保する形で後
年度の
行政水準の
維持に充てざるを得ない、それを
財源の
調整という形で申しておるのでございます。大体そういう形をいたしまして、ある
程度行政水準も
維持した上で、なおかつ
財源的に
ゆとりができるかできぬか、そういう問題で最後の問題として、可能ならば
再建期間の
短縮も
考える余地がある、こういう
考え方で参っておるのでございます。この案につきましては
大蔵当局にもいろいろの
意見がありまして、だいぶこれは甘過ぎる、すぐに
再建期同の
短縮をやるべきだとかなんとか、だいぶ強い
意見を述べておるようでございますが、われわれといたしましてはこれが現在の
財政の
運営の
実情に即した一番ほどほどの線であろう、こういう
考えでおるのであります。まっ先かけて時間を
短縮するという時期ではないのでありまして、まず
計画自体がある
程度合理化される、それが
基本であって、そして
計画が後
年度まで合理化された上でなおかつ非常に
ゆとりがあれば、それはもう
期間の
短縮を
考えてもいいじゃないかというのを
基本的な
考え方にいたしておるのでございます。
ただ、そう申しましても、
再建期間が十年も十数年もなるような非常に長いのがあるのでありまして、十数年間もこういう
再建法で縛られて
仕事をやるということは、これは
自治体としてもとてもがまんのなる
仕事でもありませんし、そういうところはできるだけ早く切り上げるという
態勢に持っていってもらいたい。そういう
意味で非常に長期の
再建期間になっておるものにつきましては、その
期間の
短縮というものを頭に入れて
考えるということは、これは私は強く言うてしかるべしという
考え方を持っておるのでございます。それ以外のものは大体今申しましたような
考え方でやってもらいたいという
考え方に立っておるわけでございます。
そこで、今のような
考え方を
基礎にいたしまして一ただそうなってきますと
個々の
団体の
再建計画の
扱いになってきまして、個別的な審査という問題になってしまうのでありますが、御
案内のように
市町村の部分は県に一応
扱いをまかしておりますので、それで県の
扱いのめどというものも示す必要がある、そういう
考え方でまあまあ一般普通の場合においては、原則として六割を
行政水準の
維持向上、他の四割を今申しましたような形式上の
赤字の解消とかその他後
年度における
財源の留保とか、そういう
意味で
財政調整に充当することを
目途としたいということを申したのであります。
それで、この後
年度の
財政調整という
意味は、直ちに
再建期間の
短縮になるのかと申しますと、そういう
意味ではちっともないのでございまして、そういう
意味で、場合によっては非常に
高利の
公募債の借りかえを
考えたり、あるいは
財源をリザーヴすることを
考えたりして、後
年度の
計画をならし得るようにしたい、その上になおかつ非常に金が余れば、それは
期間短縮をやってもいい、こういう
考え方でございます。事実
団体を見ておりますと、非常に
税収が
伸びて
再建期間を思い切って
短縮してしまおうという
団体もございます。ここ五、六年のところをことしか来年くらいで片づけてしまおうじゃないかと言っている
団体もございまして、そういうようなところはもちろんその
団体の
自主的判断にまかしてこっちは応じて参りたいという
考えでございます。そこのところをあまり無理をして
期間を短かく減らす減らすというような形での
無理押しつけは、こっちはまだなすべき時期でもあるまいというのが、われわれの
考え方なのでございます。もっともこの
考え方につきましては、先ほど申しました
通り大蔵省あたりでは非常な異論を持っておるということだけは
一つ御報告を申し上げておきます。
それからもう
一つは、この
計画以上の
増収という
意味は
通牒にはっきり書いておきましたが、
給与改訂の
経費は
理屈なしに当然要るのでありますが、
国家公務員に準ずるものは
理屈なしに
改訂をさせよう、その
経費をもちろん天引きいたしまして、そして問題を
考えたい。さらに、そのほかにも災害の
措置とかその他義務的な
経費が当然に出て参ります、そういう問題はもちろん
考えないといけない。それからさらに、場合によっては
合併新
市町村等で
合併のいろいろな条件なり何なりがありましたが、当時
計画を作るときにとても
財源の
ゆとりがない、そういうようなところで
計画も無理をしたような問題につきましては、緊急なその新
市町村の
建設事業等は当然に
弾力性をもって
考えていいじゃないか、そういうふうに述べておるのでございます。
いずれにいたしましても、ともかくも
計画を作ったときよりも、ある
程度ゆとりが出てきました以上
自治団体の
再建計画として、また
自治団体の
最小限度の
行政は
維持確保していく上において、必要なことができるように、しかもそれはことしだけでなしに後
年度にわたってそれが
維持できるような
態勢に、できるだけ
計画の
弾力性を持たせたいというのが今度の本旨でございます。
大体以上のような
考え方でできておりますので、
あとはこの資料を配付いたしますからそれで御了承を願いたいと思います。
それからなお
税収の
見通し等についてお尋ねがございましたが、これはまだはっきりした
見通しも立っておりませんが、幸いに
税務局長が来られましたから、また必要なら
税務局長の方からその方面の御答弁をお願いしてもいいと思います。こっちといたしましては、まだそこまでの、金額がどれだけだからどうなるという
目途をつけてやったわけではありません。全体としての
考え方を明らかにいたしたのでございます。