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1957-08-19 第26回国会 衆議院 地方行政委員会 第36号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十二年八月十九日(月曜日)     午前十一時開議  出席委員    委員長 門司  亮君    理事 亀山 孝一君 理事 山中 貞則君    理事 吉田 重延君 理事 中井徳次郎君       青木  正君    加藤 精三君       木崎 茂男君    纐纈 彌三君       綱島 正興君    徳田與吉郎君       西村 直己君    淺沼稻次郎君       加賀田 進君    北山 愛郎君       楯 兼次郎君  委員外出席者         総理府事務官         (自治庁行政局         長)      藤井 貞夫君         参  考  人         (静岡市長)  山田 順策君         参  考  人         (静岡市議会議         長)      荻野 準平君         参  考  人         (静岡教育委         員会教育長)  肥田 米作君         参  考  人         (静岡職員組         合副委員長)  海野 秀夫君         参  考  人         (全日本自治団         体労働組合静岡         県連合会執行委         員)      三橋  曠君         参  考  人         (全日本自治団         体労働組合中央         執行委員)   西本  明君         専  門  員 圓地與四松君     ————————————— 八月八日  委員伊藤卯四郎辞任につき、その補欠として  田中利勝君が議長指名委員に選任された。 同月十二日  委員北山愛郎辞任につき、その補欠として竹  谷源太郎君が議長指名委員に選任された。 同月十三日  委員竹谷源太郎辞任につき、その補欠として  北山愛郎君が議長指名委員に選任された。 同月十九日  委員櫻内義雄君、渡邊良夫君及び春日一幸君辞  任につき、その補欠として西村直己君、綱島正  興君及び楯兼次郎君が議長指名委員に選任  された。 同日  委員綱島正興君及び西村直己辞任につき、そ  の補欠として渡邊良夫君及び櫻内義雄君が議長  の指名委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  静岡職員に対する退職勧奨に関する件     —————————————
  2. 門司亮

    門司委員長 これより会議を開きます。  本日は静岡市の職員に対しまする退職勧奨に関する件について、参考人より意見を聴取いたすことになっておりますので、御了承願いたいと思います。  本日御出席参考人は、静岡市長山田順策君、静岡市議会議長荻野準平君、静岡教育委員会教育長肥田米作君、静岡職員組合委員長海野秀夫君、全日本自治団体労働組合静岡連合会執行委員三橋曠君全日本自治団体労働組合中央執行委員西木明君、以上の六名の方々であります。  この際私より参考人各位一言ごあいさつを申し上げたいと存じます。参考人各位には、この暑さの中を御多用中にもかかわりませず御出店下さいまして、まことにありがとうございました。参考人各位よりの御意見は、本件調査の上に多大の参考となるものと存じますので、忌憚なき御意見の開陳をあいさつかたがたお願い申し上げるのでございます。  なお時間の都合もございますので、参考人各位の御意見の聴取は、御一名につきまして十分程度といたしたいと存じますので、さよう御了承願いたいと存じます。また参考人の発言の順序につきましては、委員長に御一任願いたいと存じます。  それでは、これより参考人の御意見を聴取いたしますが、最初に静岡市長山田順策君にお願いいたしたいと存じます。
  3. 山田順策

    山田参考人 ただいま委員長から話せとのお話でございましたので、一言市長として申し上げたいと思いますが、この勧奨の問題につきましては、わが静岡市の財政問題に大きな関係を持っておるのでございます。わが静岡市の財政状況から考えまして、静岡市の職員の問題につきまして、五十五才以上の方々で恩給がついて、なお退いても生活に窮屈を感じない、そういう方々に対して一応勇退をしてもらう、そうしてその勇退に際しましては、少くとも特別の五割の手当をやろう、あるいは一号の増俸もしよう、いわば話し合いで事を進めていこうという大体の考えをもちまして勧奨をいたしたのでございます。従いましてわが静岡市の財政上のことが、これに関係を持つことは皆さん方すでに御承知の通りであります。  私は昭和二十九年の末におきまして、わが静岡市の赤字財政金融機関から借りているところの一億三千七百万円、この赤字を引き受けまして市長の職に五月の六日についたものでございます。従ってこの赤字を自主的に再建をしようという大体の方針をきめまして、そこでこの際まず第一に考えたことは、自主的に再建するにはこの赤字をどうして解消するかという大よその目標といたしましては、昭和三十年度におきまして六千八百万円、昭和三十一年度におきまして七千万円を解消しようという方途を請じたのでございます。そこで六千八百万円を解消するにはまず人件費を多少考えなくちゃならない、それから物件費の二割また旅費の二割、これを一つ実行しょうということで、昭和三十年の七月の市の議会におきまして三十年度の当初予算の組みかえをお願いいたしましてこれを議会において決議いたしたのでございます。従いまして私どもは、この編成がえをしてとにかく赤字を解消しようという考え方で、順次市政の運営に当っていったのであります。しかるところ市の吏員並びに議会協力によりまして昭和三十年度において九千三百万円の赤字を解消いたしたのでございます。従いまして三十一年度の予算編成に当りましては七千万円節約するということが約三千八百万円の節約によってこれを解消することができ得た。すなわち三千八百万円を現計予算に入れて、そうしてこれらの執行に当っていき、三十一年度の半ばにおいて一億三千七百万円の赤字を全部解消することになりました。  そこで私ども静岡市の人件費というものは年々歳々かさんでおるものでありまして、今日におきましては四億八千万円の人件費を支出しなければならないというような実情でございます。そこでこれらの人件費に対しまして私どもは何とかして市の財政とにらみ合せて、今後市の発展のため市政運用のために合理的な経営をしていくことがよいのじゃないかというような考えのもとに、これらの点等も強く検討いたしまして、今回私ども考えている職員の中の高齢の者で高給をはんでいる人たち七十五人を対象といたしたのでございます。そこで本年三月三十一日までに勇退をするということになりますれば、自治庁においては特別手当に対するところの起債を認可して下さることに相なっておったのであります。従いまして先ほど申しました通り、強制的に職員七十五人を退職させようとは少しも考えておりません。すなわち私どもは話し合って、そうしてでき得る限り退職する者も将来生活が立っていき、またかりに退職いたしましても、市の力において、あるいは会社なりその他各方面にこれを一つ転職させてやろうというような気持を持ちまして、今日まで六十二人の勇退をしてもらうことになりまして、ほかにみずから進んでぜひこの際の五割増しの特別の手当により一号増俸するという条件のもとに、それへ参加さしてもらいたいというのが五人あったのでございます。そうして計六十七名がみな円満に了解のもとに退職することになりまして、非常に円滑にこのことは運んだのでございます。その前におきまして、私どもは市の職制の上におきましても、助役二人あったのを助役一人にいたしたのでございます。その他課を併合いたしまして、極力精鋭主義をとり、冗費をはぶいて市民の負担を軽減しよう、そういうような趣旨のもとに私ども考えてきたわけでございます。なお、はなはだ私として申し上げるのはおこがましい話でございまするが、私はそういうような見解からいたしまして、これを実行するにはみずから華範しなくちゃいかぬというので、私は就任以来八時半までに市役所へ登庁することにいたしまして、今日まで二年三カ月これを実施いたしておるのでございます。また一面東京に出張する場合には随行は連れてこないという方針を立てまして、みずから旅費二割の節約に当ってきたのでございます。幸い市の職員等がこれに協力して下さいましたためにその実を上げたということは先ほど申し上げた通りでございます。こういうような実情におきまして、自主再建をしていこうという熱意にみずからが燃えて、これらを実行してきたのでございます。  今回たまたま七十五人のうちにおきまして商業高等学校用務員遠野操氏の問題かあったのでございます。しかしながら、これらの問題は実は教育委員会に属している問題でございまして、事の起りも、またこれに対して一切の折衝をし、取扱いをいたしたのも、教育委員において実行いたしたことでございます。私どもが預り関せざることであります。特にこれらの問題につきまして、遠野氏が発病した当時は、私は東京におりまして、帰って初めて聞いたというような事情でございます。この勧奨による遠野問題等につきましては、教育庁より詳しく説明をいたしたいと存ずるのであります。  以上私からわが静岡市の財政の骨幹を申し上げまして、なお御質問に対しましては、私の知っている範囲におきましてお答えをしたい、かように存ずるわけでございます。
  4. 門司亮

    門司委員長 次に静岡教育委員会教育長肥田米作さんにお願いいたします。
  5. 肥田米作

    肥田参考人 静岡教育委員会といたしましては、委員会におきまして市の勧奨退職の実施を検討いたしまして——すなわち人件費合理化によるところの市財政の確立、新陳代謝によりますところの事務能率の向上という要綱を検討いたしまして、教育委員会自体といたしましても、市の有機的な教育行政の一環といたしまして、教育委員会該当の三十名に対し勧奨退職をいたしたのでございます。当時学校用務員希望者は数十名に上りまして、選考試験の結果、働き盛りの者で、人物、手腕、学力等優秀なるものが三十数名待機しておった、かような実情であります。なお、結果と申しましては、その該当者三十名のうちでよく話し合いの上納得ずくでこの優遇措置に応じた者が二十二名でありました。残存者が八名ございます。この八名残っておるという事実を見ましても、この勧奨退職が決して強要もしくは強制したものでないということを如実に証拠立てるものであると思うのであります。勧奨退職は申し上げるまでもなく、要求もしくは威圧というようなことではございませんで、相手の意向を十分尊重しまして家庭状況本人希望就職のあっせん等親身となって相談相手となり、本人自由意思によって退職希望する者には、先ほど市長からお話がありました通り優遇措置を講ずるものであるのでございまして、そこには毫も強制力ないし法的拘束力を有するものではありません。  たまたま問題となりました遠野操氏のことにつきまして、市立商業高等学校校長にも、独立機関である教育委員会方針といたしまして、その意思を伝えまして、勧奨に当ってはあくまで穏当な話し合いの上協力を求め、いささかも本人強圧感を感ずることのないよう特に注意をいたしたのでございます。校長はよくその注意を守りまして本人話し合いをいたし、その後委員会事務局担当者本人と面接いたしたのであります。校長証言によりますと、真に最も懇切な将来の生活相談者としての立場に終始一貫したと申しております。  最後の発病当日の状況でございますが、これは教育委員会人事の係長一名、ほかに——さきに市におきましては就職相談あっせん所というものを設けまして、退職希望するということには、おのずから本人は将来の就職ということを並行して考えるということは必然のことでございますので、市に就職相談あっせん所を設けておりました関係上、必要最少限度就職あっせん市側係員が出ているのでございます。これは将来の就職あっせんをし、なおかつ退職金計算等本人退職希望する必要な条件に対しまして、よく相談相手となるべきところの資料を提供するという意味において加えたのでありまして、その話し合いも、本人はそのときにはすでに学校の方にも自転車置場管理人として職があり、また市の方にも水道の臨時用務員としての職もありそうに見えて、本人といたしましてはすでに退職ということより一歩進めて将来の職をどちらを選んでいくかということでございましたので、その立会人証言参考にいたしますれば、話し合いはきわめて少時閥で、きわめて穏かに納得ずくで三、四分で終った。その終りがけに、気分が悪いから少し休ませてくれということでありまして、医師をさっそく呼びましたところ、軽度の脳溢血である、動かしても差しつかえなかろうという医師の診断によりまして病院入院させたのであります。それが三月二十六日でございますが、中一日二十七日を置きまして、二十八日の午前に死去いたしたのでございます。教育委員会といたしましては、その間入院治療あらゆる誠意を尽したつもりでありますが、二十八日午前中死亡いたしますや、同日品午後一時、遜緊急教育委員会を開きまして当時立ち会いましたところの係の者、あるいはまた患者を診察いたしました静岡病院長意見を聞いたのであります。静岡病院長意見は文書なって表われておりますが、これは勧奨によるショック死でない、ショック死というものは、健康の者が急激な精神感動によって起り得ることであって、御本人は高血圧もあり、また動脈硬化も相当進んでおり、いつ何時不幸があるかというほどの体質であったというふうなことでありまして、そうした係員並びに医学的、科学的の証言に基きまして教育委員会は、これは勤務中のことではある、悲しむべきことではあったけれども、しかしこれは公務に起因するところの死亡ではない、こういう決定をいたしたのであります。しかしながら、公的の立場におきましてはそうでございますけれども、まことに遺族にとってはお気の毒のことでありますので、発病入院中の手当はもちろん、治療費葬儀費用等、一切遺族負担をかけないよう善処をいたしました。なお退職手当遺族一時金等早急支給方につきまして格段の誠意を尽しました。特に遺族生活を考慮いたしまして、妻ふく、五十八才でございますが、亡夫のもとの就職先でありますところの、市立商業学校用務員といたしまして、特別の採用をいたしまして、その給与につきましても十分考慮いたし、さらにまた本人希望でもあり、市の職員組合の方の希望でもあり、その希望を待つまでもなく、私たち希望でありますところの、本人住居につきまして、現在まで、三畳一間一千円の家賃を、市営住宅のあくのを待ちまして、六畳一間七百五十円という住居につきましても、不安なきよう努力いたしたのであります。なおかつ委員といたしましても、公費をもつてまかなうことのできないものは、委員みずからの醵出金をもちましてお供物をし、弔問をいたす等、できるだけのことはいたしたつもりでございます。この遺族に対する誠意の処置は、遺族といたしまして口をきわめて感謝いたしておるところでありまして、一方に夫を失うところの悲しみはさることながら、一方にはそうしたことに対して満足し切っておる。そのし切っておるという折から、五月十九日、日曜日に、損害賠償を訴えたという新聞記事がありましたので、私は五月二十日、校長実情調査方を指示いたしましたところ、校長職員立ち会いの上、本人についていろいろ聞いたところ、本人は訴訟をしたところの覚えはない。人に頼まれた覚えはない、判を押した覚えはない、そうして今市や学校にこうしてやっかいになっておるので、将来とも損害賠償要求する気持はない、こういうことを明一円いたしております。参考のために、本人妻ふくの、現在もその通り、また将来においてもその意思がないということは、校長がテープ・レコーダーにとりまして、ただいまここに持ってきておりますので、もし御希望がありましたら、その偽りなきところの本人の心情をお聞きを願いたいと思うのでございます。  以上簡単でございますが、教育委員会関係遠野操に関するところの勧奨死亡のことについて状況を御報告いたし、また御質問ございましたならばお答えいたしたいと思うのであります。
  6. 門司亮

    門司委員長 次に静岡職員組合委員長海野秀夫君にお願いいたします。
  7. 海野秀夫

    海野参考人 私は今回静岡市当局と私たち組合との間に起きた紛争直接的原因について申し上げたいと思います。  まず第一点は、過去二カ年にわたって職場に渋滞していた組合員不平不満ということであります。私たち山田市長就任以来二カ年にわたって当局に行なった経済要求は、今日まで何一つも解決することはできませんでした。それのみかひんぴんとして行われるさみだれと称する人事や円満な市の事務形態等職員意思を無視したところの情実人平等のために、ほとんどの職場が萎縮した中で全く明るさを失っておったわけでございます。この不、平や不満というものは直接形の上には現われておりませんけれども職員の間にはいつも暗い影を宿していたということは事実であります。私たち組合は過去に行なった団体交渉の中で幾たびかこの点を当局に指摘してその改書方を申し入れて参りました。このことは今次の紛争の底流にある最も大きな要素の一つであるわけでございます。  以下これから問題の起りを具体的に申し上げてみますと、まず第一は本年の二月四日に臨時職員の二十一名に対して首切りが行われました。組合側当局に対して、臨時という名の職員であっても平均七年余りにも達する長年の勤続者である上に恒久的な臨時職員という性格を持って勤務した君たちばかりであるので、せめて退職金だけは一般職員並みにしてもらいたいということを申し入れたのであります。ところが当局は金がないという一点張りで、二月二十八日まで六回にわたる私たちとの交渉にも何ら誠意を見せず、十八名が三月末までの有給休暇ということを条件として職場を去っていきました。  臨時職員首切り職場の同情を集めておるさなか、三月六日に突如として五十五才以上の一般職員七十五名、うち組合員は七十三名でありますが、これに対して各所属百長を通じての退職勧告個人別になされたのであります。この理由といたしましては停年制法案が今次の国会で通る。そのときはいや応なしに首が切られるから今のうちに退職してもらう。条件としては三月の十五日までに辞表を出すこと、三月の末日で退職してもらう、退職金普通退職の三割増しとするというようなものでありました。もちろん組合停年制法案がどうなるかわからない今日、職員意思を全く無視した一方的なやり方であるので納得できない。これは撤回されるよう当局に申し入れるとともに、勧告該当者七十三名から進退に関するところの一切の件の委任を受け取りました。辞表提出期限の三月十五日までに全員これを拒否するという態度を決定いたしたのでございます。この間私たち自治庁公務員課とも連絡をとりましたところが勧告等はあくまでも対等の位置で話し合いのできる環境の中で本人意思が披瀝されたものでなくてはならない。すなわち地方公務員法の第二十七条に違反するものであるという法的根拠を明確にすることができたのであります。組合は三月十五日当局との団体交渉の席上このことを指摘する中で、現在当局が行なっておるという勧告の実態は、庁舎一室該当者一人々々を呼び出しておる。多くは七名、少くて四名くらいの理事者が一人の職員を取り囲んで勧告を行なっておるという事実、停年制法案がすでに国会を通過したかのごとき口調で励行をされておること等であるから、すみやかにこれを中止されるよう抗議を行なったのであります。このころ当局からは退職金を五割増しとする旨の条件が再度出されましたが、勧告を受けておる該当者の中からも、人権を無視されたような勧告が引き続いてされる。あるいは脅迫めいたようなことをされたのでは自分の生命にさえ危機が感ぜられるから、もうどうでもいい、もうこちらから退職してやるというような職員が七名も出て参りました。三月二十二日の夕刻までにこのような勧告家庭にまで持ち込まれまして、一人平均四、五回にまで及んだのであります。三月二十三日、私たちはこの事態を円満に収拾するために市議会議長個人あっせんを依頼する中で、当局との岡に次のような覚書を交換いたしました。すなわち、今回の退職問題は、真に本人希望退職であるということを確認して、当局は次の事項を誠意を持って実現に努力する。第一点として本人の意に反するところの退職勧告は行わないこと。第二、希望退職者希望条件をいれること。第三、現職にとどまる者への不利益処分は行わないこと。今後は右三項の精神を持続すること。このような内容であったわけです。しかしながらこの覚書は名ばかりで、勧告形態は何ら変ることなく続けられたのであります。そうして三月二十六日、当時市立商業高校用務員でありました遠野操さんが庁舎の四階の一室でこの日七回目の勧告を受けたとき、同室で卒倒したのであります。組合役員がその部屋にかけつけたときは、およそ十分を経過いたしておりましたが、遠野さんはかすかな意識の中で役員を手招きで呼びながら、残念だということを何回か繰り返しておりました。このことは、後ほど運び込まれた病院の病室でも、奥さんに訴えていたということでありますが、三月二十八日の午前九時三十分多くの同僚に見守られる中で他界していきました。私たちはこの問題を重視いたしまして、公務災害補償市条例適用遺族補償要求するかたわら、勧告の中止を直ちにされるよう再度申し入れを行なったわけです。一人の用務員死亡ということによって当局勧告も一時は中止されたように見えましたが、実際には四月に入っても行われて、これに抗しきれなくなった六十九名中六十四名の組合員が、あきらめて職場を去っていったのであります。遠野さんの死因は、医学的な見地に立たなければならないということは私たちもよく存じております。こうした観点から、組合県立病院に勤務するある博士に依頼いたしまして、本人生活環境口日常健康状態を調査した資料を提供する中で、上医学上の客観的な見解を求めたのであります。そうしてこの結果や現在までの経緯の分析の上に立って組合一つの結論と今後の方針を決定したのであります。すなわち遠野死亡勧告が誘因して死に至らしめ、また死を早めさせたものであるということ。二点は当局との間にかわした覚書が一方的に踏みにじられているということ。三点は遺族補償をすみやかに行うように当局に申し入れること等であったわけです。これに基いて三月二十九日から四月五日までの間、私たちは、当面の責任者である教育長並びに学務課長公室長等を中心に、数回の団体交渉を重ねて参りました。市当局のこれに対する回答は常に不明確であり、誠意の片鱗さえ見受けられませんでした。従って組合は四月三日この問題を静岡地方法務局人権擁護委へ正式に訴えたわけです。続いて同月の六日勧告が始まってから今までの問題を重点とした全組合員報告大会を開催いたしました。この日遂に全組合員の怒りが爆発したわけです。六十四名のうちの一部分はある程度臨時職員という形で職場に残りましたけれども、多くの職員はさびしく職場を去っていった、この同僚の姿が目に残り、あるいは一人の用務員が冷たい床の上で帰らぬ人となっていった、こういう厳粛な事実の上に立って、なおかつあまりにも冷たい当局の仕打ちは、全職員の心をゆすったのであります。日ごろ職場に充満していた当局べの不平不満が、この日いろいろな形で発表され、報告大会はすべてに抗議するという大会に変っていったことも事実であります。  五月に入って遠野未亡人によって静岡地裁へ正式な訴えが出されました。このときも印鑑を持って組合の事務所を訪れた未亡人を、階段の途中から引き下して軟禁行為に出たという当局のしわざなどが多くありますが、重複いたしますので省略いたします。  最後に六月上旬、組合は夏期手当を中心とする経済要求の幾つかを当局へ申し入れましたが、このころから当局組合干渉や一連の弾圧等、不当労働行為が顕著なものとなってきました。このため私たちは幾たびかの討議の末に、当局の全く法律を無視した多くの行為は民主主義以前の問題であり、私たちの組織を守るという立場からも断固戦いをいどむべきであるという結論に達しまして、現在まで私たちに許される範囲の抵抗を続けてきたのであります。  以上、私たち組合が今次の闘争を起した直接的な原因をかいつまんで説明申し上げた次第であります。
  8. 門司亮

    門司委員長 次に静岡市議会議長の荻野準平君にお願いいたします。荻野君。
  9. 荻野準平

    荻野参考人 私は静岡市議会議長の荻野でございます。退職勘奨につきまして私の所見を申し述べたいと存じます。  今回の退職勧奨によりまして五十五才以上の市職員七十五名が退職勧奨を受け、そのうち六十四名が退職をされたのでございます。政府におきましては昭和三十一年度の地方債計画において、総額六十億円の退職手当債のワクを決定いたしまして、地方自治体に対しましてそれぞれ退職手当債を認めておったのであります。さらにまたこの退職手当債は本年度においても総額三十億円のワクを決定されておるやに伺っておるのでございます。このように政府がわれわれ地方自治体に退職手当供を認めたことは、窮迫いたしております地方財政を救うため、政府の親心といたしまして地方自治体に財政的な援助を与えようとするものであるばかりでなく、地方自治体職員の新陳代謝によりまして、地方自治体の斬新的な運営を確立しようとする意図によるものであろうと思われるのでございます。従って今回行われました退職勧奨は、あくまでも地方自治の健全な発展を期そうという大局的な意図から出たもので、もとより市職員生活権を無視して、一方的に退職せしめようというような考え方は毛頭なかったのであろうと思うのでございます。このことは市当局本人退職されても、今後の生活に何ら心配のないようにするため、きわめて好意的かつ積極的にその後の本人の職をあっせんされた、あるいは本人にかわりましてその家族、子弟等を市の職員として採用されたこと、あるいは退職者に対しましてはそれぞれ市条例に基きます成規の退職手当のほか、五割増の退職手当をやった、なお一号俸の増俸をしたというような、こういう事実からいたしましても今回の勧奨退職というものが一方的に押しつけられたのではないということが理解されるわけでございます。  なおその後本人あるいは本人の家族がその生活に困っておるということは、幸いにいたしましてだれからも一言も今もって伺っておらないのでございます。退職勧奨に当りましては特に退職後における本人あるいはその家族に対する生活の保護、保障という点に十二分の考慮が払われなければならないのでございます。  今回の退職勧奨によりまして五十五才以上の市の職員七十五名がその勧奨を受けられたのでございますが、もとよりその実施方法等につきましては、地方自治体の行政規模あるいは財政規模等に応じまして、各地方自治体がそれぞれ独自の立場におきまして行うべきものであろうと思われるのでございます。われわれ静岡議会といたしましては、三月二十九日に開会されました本市議会におきまして、退職勧奨に伴います追加予算並びに退職手当債の両議案が当局から提案されまして、われわれ議会といたしましては慎重に審議をいたしました結果、以上所見を申し述べたような根拠に基きまして、全会一致をもちまして議決をいたしたのでございます。  退職勧奨に対する所見並びに議会のとりました一端を申し述べまして、私の開陳を終ることにいたします。
  10. 門司亮

    門司委員長 次に全日本自治団体労働組合静岡県連合会の執行委員三橋曠君にお願い申し上げます。
  11. 三橋曠

    ○三橋参考人 私は自治労静岡県連の三橋曠と申します。私は今回の静岡市における不当退職勧告をめぐりまして、根本的には市当局並びに組合との間において解決すべき問題であるにもかかわらず、この紛争の中において市、当局があらゆる手段で組合を弾圧し、正常なる組合活動を否定する多くの不当労働行為が行われているので、私はその具体的な事態の一部を明らかにするとともに、最高の立法府である国会に対し、このような法律違反について適切な処置をとられるよう要望いたすものであります。  まず第一といたしまして、組合事務所の立ち退きでございます。去る六月二十四日、自治労本部と県連は事態の早期収拾のため、自治労山崎副委員長を代表といたしまして、山本公室長と交渉を持ったのであります。その際公室長は組合活動に対し不当な干渉は行わないという申し合せを行なったのであります。しかるに六月十五日自治労本部、県連を加えた交渉において、二十八日に引き続き再度交渉を進めることを双方確約したにもかかわらず、同日に至り市側は何らの理由も示さず一方的に交渉再開を拒否するとともに、二十九日には組合事務所を公会堂の一室に立ち退くことを請求してきたのであります。  第二点といたしまして、市当局は自治協力委員をこの紛争の中に加わらしめたということでございます。市側はこうした交渉再開を拒否しながら、紛争のほこ先をのがれようとしたいのか、一部の市会議員や市民代表と称する一部自治協力委員を動員いたしまして、合法的な組合の定時出勤に対しましては暴力によるピケ破りを行い、しかも勤務時間中に執行委員を呼び出して、市長の言うことをきけと連日のように押しかけ、威嚇的な言辞を終始続けたのでございます。そのため組合活動を事実上麻痺させるような行動も起って参りました。市当局はこの行動に対し、市と組合とで紛争処理をする、こういう大原則を放置しながらもっぱらこれらの動員を支持し、市長の出退庁にまでこれらの人々を動員し、庁舎一室を与えるなど、徹底的に組合運動をこういう手段によって圧殺しようと企てたのであります。  第三点といたしまして消防自動車、消防団員をこの紛争に市の当局が動員したことでございます。去る七月十二日、市議会がこの日に開かれますので、組合市長との交渉を予定しておりました。ところが同日の朝七時三十分ごろになりますと、市役所の正面玄関にお声ましては消防自動車や消防団員が約七十数名集まっておりました。さらにこのほか自治協力委員も一部に加わっておりました。こうした動員の方々は市役所内に乗り込んできまして、あるいは組合事務所の前にも一部押しかけてきまして、赤旗をとれ、あるいは看板をはずせ、いつまでもお前らは無事でおれると思うか、こういう脅迫する言動を吐いていたのでございます。市当局はこの動きを全く無視し、むしろ陰ではわれ勝てりというような状態でございました。動員者は庁内でだれが支給したかわかりませんが、みんな昼食をとってそれぞれ帰ってしまったのでございます。  第四点といたしまして、七月十四日、日曜日のことでございますが、この日に市長の宅に自治協力委員や側近の一部の市会議員が数多く会合した事件でございます。この会合中市長の反対派と見られますところの革新議員をこの際二、三名やっつけたらどうかという言動を吐く者があったそうでございます。会合はただならぬ陰険な空気が漂ったのでございます。その場に居合せたところの某市会議員は、事の意外に驚きまして、革新の某議員に万が一のことがあってはならぬと思い忠告がなされたということを聞いております。なお当日山田市長宅に居合せた自治協力委員の某氏が自治労本部の中開に、この紛争を解決する方法は四、五名消すべきだという強い意見があったが、われわれはなだめたという知らせもその後ありました。  第五点の問題といたしまして、市議会議長組合の機関である中央委員会を招集したことでございます。七月二十三日荻野市会議長市長公室に中央委員を集めまして、市長方針通り単独交渉を行うようということを話したのでございます。組合機関を一方的に議長が招集したことについては早速組合が抗議を申し込んだのでございますが、これまた一部の市会議員やあるいは自治協力委員の暴力的行為によりまして妨害され、自治労中闘並びに県連は中央委員会の会場におきまして一部議員の暴力にあいまして議長に会うことができなかった。  第六の問題といたしまして、静岡市職労連の梅沢委員長辞任の問題について申し上げます。梅沢委員長に対する圧迫というものは七月に入ってから日を追って深刻となっております。また朝夕自宅に一部の市会員やあるいは職制の者が訪問いたしまして、辞任勧告したりあるいは脅迫状を発送したりして、個人を日に日に窮地に追い込みました。そのため病を重くし、今後の闘争に耐え切れない状態となり、遂に辞任に至らしめたのでございます。  第七点の問題といたしまして、当局は一部の市会議員や自治協力委員を使って、執行委員をやめさせるために脅迫的な行為を行なったことでございます。これは勤務時間中執行委員職場に一部の市会議員や自治協力委員が現われ、ある執行委員などは机の上に灰皿をたたきつけられて、自治労本部とかあるいは県連などを入れて交渉などするな、貴様らは労働ボスだ、職員意思に反したことをやっているじゃないか、おかげで全職員に迷惑をかけている、貴様らは市の職員として不適格だ、この責任をとってすぐに辞表を出せ、などという罵倒をしたのでございます。勤務時間中執行委員職場におけるこの種の行為は、大部分の執行委員が味わっております。他の職員の中でも聞くに耐え切れずたしなめると、その職員をあたりかまわずつるし上げを加えていたのであります。  第八の問題といたしまして、市当局は部課長に命じて組合べの不当干渉、介入を行なったことでございます。八月の二日中央委員会が開かれたのでございますが、その日の朝、経済部長は経済部の中央委員を呼び出しまして組合方針に反するような命令をいたしました。各課長は上司から、課内の意見を反組合にまとめることのできない課長はその資格がないとおどかされたため、やむを得ず中央委員会を圧迫するような行為がなされたのでございます。そこで中央委員は、中央委員会出席しても、職制から監視員まで中央委員会に動員して抑圧しておりますので、自分の正しい意見や発言ができなかった、こういう状態もございました。このようにして市当局は中央委員会の自主性を完全に奪いとることに狂奔していたのでございます。  第九の問題といたしまして中央委員会に対する不当労働行為でございます。中央委員会組合の正式機関であります。従って会場をどこにするかということは全く組合自由意思であるにもかかわらず、前述のごとき動きと協力をいたしまして、市当局は市の指定する場所以外の会場は認めないという非常識な態度をとったのでございます。組合紛争を避けるため、市長の指定する場所で中央委員会を開いたのでありますが、先ほど申し上げた通り、職制や監視員が発言をメモいたしまして、中央委員の自主性を押えつけたのでございます。この中で中央委員会は市会あっせん受諾を多数によりきめたため、組合はいろいろと問題はありましたが、この決定を尊重し、市職単独交渉の申し入れを行なったが、市当局並びに市会の正副議長は、現執行部は交渉の資格がない、こういうことを言い、しかも当日庁内マイクを通じて市会の議長が全職員にそういうことを呼びかけ、一方的にわれわれの弾圧を強化したのでございます。そして一部中央委員の中から代行委員というものを任命いたしまして、市との交渉を行なったのでございます。これは明らかに地方公務員法第五十三条に違反する行為と見なければなりません。なお当局が一方的に認めた代行委員とは、八月七日夜から秘密裏に交渉を行なったように聞いております。  第十の問題といたしまして、組合臨時大医を市側は妨害した、こういうことでございます。こうした事態に対しまして、組合執行部の総辞職を決意いたしまして、八月の九日、市の公会堂において臨時大会を開催することにし、公会堂の使用を市側に要請したのでございますが、当局は、公会堂は貸さない、こういうふうに妨害をして参りました。そこで組合は、第二会場といたしまして、庁内の屋上を使用させてもらいたい、こういうことを申し入れたのでございますが、これまた屋上の通路のかぎがない、こういう理由で貸さなかった。ついに庁内一階の廊下で組合は闘争報告大会に切りかえたのでございまする当局は当日午後三時ごろから部課長会議を開きまして、夏期手当のプラス・アルフアとして一人一率二千円を支給いたしまして、受け取った職員はすぐ帰宅させることを決定いたしました。これは各課ごとに業務命令を発したそうでございます。これがため、午後四時ごろにはほとんどの課ががらあきとなりまして、窓口にやってきた一般市民は非常に迷っていた、こういう事態が起りました。市側はこうした妨害のほか、経済部長ら各部課長を動員いたしまして、一部市会議員、自治協力委員などで職員の帰宅を勧めておりました。組合臨時大会も、このような妨害を加えられたため、全組合員千四百名のうち、約二百名が先ほど申し上げた庁内の一階廊下に集まったのみでございます。組合臨時大会は、妨害で過半数に達しないため、闘争の報告大会に終ってしまったのであります。さらにこうして行われました報告大会の間にも、市側はあらゆる手段で妨害するとの態度で、市民有志が庁内のマイクを使って組合を攻撃する演談を行いました。一方部課長やあるいは一部の市会議員が、こうした報告大会組合の中に入りまして出席者組合員をカメラにおさめたり、そういったいやがらせを盛んに行なったのでございます。市当局は五時二十分ごろ解散をマイクでもって命じて参りました。そうしてさらに静岡中央署に対しまして実力排除を要請したのでありますが、警官の動員は行われませんでした。  十一の問題といたしまして、部課長会議で印刷した組合脱退届を組合員に配付することを決定した、こういう事実でございます。かくして組合の基本的権利を無視した市側は、弾圧を強化する一方、八月十四日八時三十分より十時まで市長《室において部課長会議を開き、職員組合脱退を行わさせることを決定いたしたのでございます。これはあらかじめ用意されていた脱退届を、係長を通じて組合員に配付し、脱退勧告を進めたのでございます。脱退の勧告を進める中において、部課長から、三十分間以内に出すこと、もし出さなければ、ここにおられます海野委員長の首を市長が切ると言っている、そういう悪宣伝を飛ばしまして脱退届を集めたのでございます。さらに同日、水道部の労働組合においては、課長監視の中で午後五時職場大会を開きまして、市側との連合体である市職労連から脱退することを一方的にきめさせられたのでございます。  十二の問題といたしまして、組合事務所内のマイク放送をいたします電源を切ったことでございます。以下簡単に申し上げます。組合は書記局の窓からスピーカーを庁舎に向け、組合員に対し市職労連ニュースを放送したのでございます。これは八月十四日午後五時から五分間、十五日午前十二時五十五分から五分間行なった。その後十五日午後五時からと十六日正午から行う予定であったのでありますが、いずれも五分前に三階の電源が切られたため放送はできなくなったのでございます。これは明らかに当局組合の放送を中止させるためにとった手段と思われます。このことは、庁舎の電気施設を担当している者が十四日訪れて、当局から組合の放送電源を切れと言われているが、もし切っても電灯からとれぼ放送できるからそうしてもらいたい、こう言って組合の方へ連絡がありました。これは明らかに立証できる問題であると思います。  以上幾つかの事例を申し述べたのでございますが、今や静岡市においては、地方公務員法、地方公営企業関係労働法により認められた最低の労働運動すらも圧殺し、いわゆる封建時代における殿様と家来の立場に市職を追いやろうとしております。このことは、単なる労働運動のみの問題ではなく、静岡市政の民主的発展にも大きな障害を及ぼすことは明らかなことであり、われわれは静岡市長の非民主的な憲法以前の考え方や今日までの行動をここに明らかにし、すみやかに国会において適切なる処置をとられるよう要望するものであります。
  12. 門司亮

  13. 西本明

    ○西本参考人 私は自治労本部の西本中闘でございます。静岡市職労連の紛争に関し、御多忙のみぎりにもかかわらず、当地方行政委員会にお招きいただいたことを感謝いたします。私は六月二十四日、すなわち自治労木部が静岡臨時中闘本部を設置して以来、八月十五日までほとんど現地におりました。そして静岡市当局静岡市職労連の紛争には直接あるいは間接に従事をして参ったものでございます。  御承知のごとく停年制は二十六国会で廃案になっておるのでありますが、遠野氏の問題の出ました三月には、本人の意に反して強制退職を行うことが地公法に基くものであることは、すでに御承知の通りでございます。当局の強引な退職勧告によって遠野氏が死亡するという問題が派生的に起きて参ったわけでございますが、市職労連がこの問題について対決をするためにいろいろ努力をして参った内容については、先ほど有職連の副委員長が申し上げた通りであります。その後自治労本部あるいは県連といたしまして、この問題を解決するために、それまでしばしば市当局とそういう形の中で話し合いをして参ったわけでございますが、容易にこの問題は解決しない、こういうような情勢が出ましたので、六月の二十四日に自治労臨時中闘本部を静岡に設置したのでございます。そして翌六月一十五日に自治労本部県連、単組という形で助役交渉をいたしました。この交渉の中で問題が五つございましたけれども、二つは市当局並びに組合の方とも了解点に達して、問題は三つに集約されて参ったわけです。これは遠野氏の問題と、それから夏期手当の問題と、春に起きました退職に関連をして二名の係長が降職されたという問題、こういうふうにしぼられて参ったわけですけれども、この問題については二十八日に交渉を再開しましょうということで別れたわけでございます。  そこでこの二十五日の交渉の内容を——これはそのあとの問題に関連があるので若干お知らせをしたいと思うわけですが、それはこの二十五百の交渉に、白鳥助役さんは一時間ほどおくれて来られました。そのおくれられた内容については明らかにされませんでしたけれども組合としては交渉をするときには時間を約束しておるので、今後こういうことのないように一つしていただきたい、こういう点がその具体的問題に入る前の第一点にあったわけです。同時に、この交渉で私たち一つびっくりしたことがございます。それは、きょうこの席上にもお見えになっておりますが、この助役交渉に立ち会われた山本公室長が、五時以降は私の時間である、私用の時間である、従って私はきょうマージャンをする約束をしておるので、交渉はここで打ち切っていただきたいというようなことを言われました。これには私たちも実はびっくりしたわけですが、この交渉には途中から公室長は席をはずされたという一幕もありました。  そこで二十八日になりまして、私たちは朝から交渉のできるような態勢でずっと待っておったわけでありますが、市当局から何の連絡もございませんでした。そこで市職の委員長なりその他の役員を通じて、約十回にわたってきょうの二十八日の交渉は何時からやるのかということをただしたわけですけれども当局の方は忙しいという一語で、何ら具体的に交渉に応じようとするような様子がございませんでした。さらに五時過ぎまで私たちは待ったのでございますけれども、それに対しては市の方から五時過ぎても具体的な内容を明らかにすることなく、一方的に二十八日の交渉が打ち切られたという実態でございました。そこで私たちはやむなく、助役さんは相当忙しいのだろうという判断から、それでは勤務時間が始まる以前に自宅で一つ話し、合いをいたしましょう、こういう考え方で助役さんのお宅を訪れたわけでございます。しかしここではやはり問題がうまく進まなかった。さらにそういうような実態から、これては助役さんとの話し合いは実質的にはできないのではないかというような考え方から、問題を市長さんに移しましょうということで、事後市長交渉一つやりたいという考え方で問題を進めて参りました。この考え方に入ると同時に、まずここにお見えの市会議長さんに対して、自治労本部、県連を含む交渉の中で、そういう形で市長さんと話し合いをしたいからあっせんを願いたいという点の依頼を申し上げたわけです。それに対して議長さんは快く応じていただいて、市長さんと会っていただいたわけですが、その答えは市長さんに議長さんが叱られたというようなことで、何ら前進をいたしませんでした。そこでやむなく私たちは自治労本部、県連さらに市職という形で七月四日から定時退庁さらに坐り込みを行うという態勢に入ったわけです。この態勢は七月十一日まで続いたわけでございます。この態勢に対しまして、先ほど申しましたいろいろな不当労働行為がとられたわけでございます。  特にこの機会に申し上げておきたいのは、私たちは一部の市会議員さんやあるいは自治協力委員方々が、市民の代表という立場でいろいろ御心配をいただいておるという気持で、こういういろいろの不当労働行為に関してはどうぞ手を引いて下さい、労働組合運動に介入をしないで下さいということでいろいろな脅迫的な言動もありましたし、あるいはその行動もまことにまゆをひそめるようなこともたくさんありましたけれども、私たちはそういう姿勢でできる限り話し合いの中で手を引いていただきたい、理解をしていただくという運びをとったわけでございますけれども、こういう私たち気持は、むしろだんだんそういう人たちの行動を積極化する、自信を持ってやらすというような結果になったように感じるわけです。そこで十二日以降私たちはこの行動を中止いたしました。この中止をいたしました一番大きな理由は、この十一日までの行動で、いろいろ市当局の動きやら地方自治体における労働組合に対する考えが何にもないということがはっきりわかってきたわけです。そこで一つ行動を停止して、市当局に十分自治体職員の労働組合について御勉強していただこう、また私たち紛争を大きくすることを好むものではないので、できれば終息をしたいということで行動を停止したわけです。この直後に静岡市の市議会が開会をされました。私はこの本会議に傍聴に参りましたが、本会議市長さんは西井市会議員の質問に対して、従来の考え方を変えて、従来の考え方を持っていない、夏期手当やあるいは給与改訂の問題については市職と十分話し合いをしたいというふうに答えられたわけです。私たちはこの市長さんの答弁に大へん心うれしいものを持ったのですが、同時に夏期手当や給与改訂の問題は、職員の代表と市当局でおきめになって、そうして本会議にかけられるのが常道ではないか、この点では市長さんもまだもう一つもの足りないものがあるのではないかというふうな感じをいたしました。こういうこともございましたが、同時にこの本会議で、私たちが注吊した遠野氏の問題については、あくまでも触れない、これは見解を異にするところだというように市長さんはおっしゃっておられる。なおこの問題について市当局としては積極的に誠意を持って応ずるという姿勢が感じられなかったわけでございます。そこで私たちはこのまま事態を延引するということは好ましくないので、できる限りすみやかに事態をおさめたいという考え方から、今まで市長さんと自治労本部、県連、単組という形で交渉をしたいというふうに申し上げておりましたけれども市長さんは両度の本会議で、私は自治労本部や県連と会わない、単組と会うのだということを言明されておる。そういう点が市会議員の方々から強調された、私ちも労働組合という基本的な立場からいうと、いろいろ問題があるけれども、やはり事態は収拾すべきであるという考え方で、二十三日に、助役さんとそれでは話し合いをしましよう、それは二十五日に交渉をしたその交渉の続きという形で平和的に話し合いをしたい、こういうふうに交渉形態を変えまして、事態終息をはかろうとしたわけです。ところが二十二日に市会の全員協議会が開会されまして、この全員協議会では市職単独交渉をやるべきであるという決定がなされました。そしてこの決定は私たち役員さらに市職の半間、県連の中間にそういう内容を明らかにすることなく、先ほど三橋中闘から申し上げましたように、市会議長さんが中央委員を集められて、そういうお話をなさったという一幕もあったわけでございます。そこで私たちはこの市会の全協の決定についてはもちろん重視したわけですけれども、問題が遠野氏の問題、さらに発展をして交渉形態の問題というふうになりましたので、この交渉形態をどうするかという点で市議会としても十分お考えをいただきた。さらに私たち助役交渉の中でこの問題を解決しようと思っておるのだから、どうかそのように市議会としても御協力賜わりたいということを市長さんに申し上げたわけでございます。しかしこの問題については、その後何ら進展することなく二十六日まで参りました。二十六日になりまして市会の正副議長さんから連絡がございました。それは助役組合と会わすように努力をした、だから一つ会って問題を収束してもらいたい。大へん私たちはこの正副議長さんの御努力に感謝をいたしましたが、内容を附いて実は驚いたわけです。それはこの交渉は一回だけである、そしてこの交渉が終ったら臨時中間は以後すぐに解散をしてもらいたい、さらに一切の行動は停止をし排除をしてもらいたいということでございました。そこで、二十六日から三十一日までの間私たちは正副議長さんに、問題の収束はもちろん一回でやるのが私たちも望むところであるけれども、実際問題としてはそういうことではやり得ないのではないか、今まで市職労連と市当局紛争しておった一番大きな原因は、双方が十分理解をしないのに、問題が何か前に進んでおる、そういうところにあるのだから、この上回ということははずしていただいてできる限り私たちとしてもすみやかにこの交渉を打ち切って、本来の姿である市職労連と市当局話し合いに持っていくようにすべきであるというふうに申し上げたわけです。しかしながらこの話し合いの中で正副議長さんの自から、今の市職の執行部の首のすげかえをしなければならないということを市当局が言っておるということが明らかになりました。そこで私たちはますますこの一回ということについてこだわったわけです。  そこで、そういうような経緯から、三十一日に私たちはどうしてもこの助役交渉は一回しかやれないというところに問題がある、さらにこの問題は正副議長さんと数回にわたって話し合いをしたけれども進展をしない、しかもこの間における市当局の動きはまことに悪らつで、中央委員役員に対する脅迫を日に日に強くしておるという実態から、私たちはせっかくあっせんでございましたけれどもそれを拒否いたしました。  その後の推移というものは、以下項目的に申し上げますけれども、まことに目をおおうものがございました。先ほど八月二日の中央委員会の成り立ちについて申しあげましたけれども、この中央委員を一人々々呼び出して、そして市職単独交渉をやるということに賛成をするかしないか、しなければ中央委員を排除する、あるいはその中央委員に対して職制を通じ、あるいは市会議員の方々がこの中央委員を徹底的につるし上げるということで、中央委員意思を完全に抹殺するという事態もございました。しかしながら私たちは、そういう内容であつた中央委員会ではございましたけれども、労働組合の一環の決定であるということで、今まで私たちの問題の中心であった当初の問題、さらに交渉形態の問題については別の場で一つ話をするようにしたいということで、これは忠実に従おうとしたのですけれども、市会議長さんからその単独交渉は今の執行部ではやらせない、市当局は市議会にそれをまかせておる、こういうことで完全に追い打ちをかけられたような内容でございます。さらに、この中央委員役員に対する圧力に耐えかねて、八月四日には市職の大半の役員辞任願を課長や部長さんに出したという経緯がございます。そこで、やむなく事態はそういうふうに進展をしていきましたので、私たちは市職の中闘と相談をして、執行部は総辞職をしよう、そういう決意をしました。そこでこの執行部の総辞職を、臨時大会を開いてそういう形を整えよう、こういうように考えてその後大会準備に入ったわけです。ところが八月九日に臨時大会を開こうとしますと会場を貸さない、あるいは勤務時間を三時半ごろに切り上げて職員はみな帰れというような形で、その臨時大会すら市当局は妨害をして開かせないという事態がございました。その後八月十四Hに部課長会議が開かれて、市当局考えとしてはこの際さらに全組合員を脱退をさす、こういう決定をいたしました。この決定に従って脱退届の用紙を配付し、職員の一人々々を呼び出して、そういう形を整えようと狂奔して参ったわけであります。  これは私たちの推測でございますけれども、こういうような実情が明らかになるということに対して、市当局としてはできる限りこの問題はすぐに終ったという形を整えようとしたところにこういうような動きが露骨に現われたのではないかというふうに考えておるわけです。  さらに、こういうような市当局の件為に対して私たちはもちろん抗議をし、それを撤回するように働きかけをやりましたけれども市当局の言明はこれは地公法にそういうことが禁止されているかどうか知らないけれども、罰則規定はないではないかと公然と言われることにおいて、私たちは何をか言わんやという気持になったわけです。  さらに、私たちはこの問題が起きて以来ずっと自治体の労働組合という立場から、常に合法の線を脱しません、当局がどういうような重圧をかけようとも、私たちはじっと目をつむって今日までやって参ったわけであります。しかしながら当局の出方はだんだん露骨になるし、また組合に対しても市民で有志の方から私たちも手伝ってやろう、あるいは現在の市政にこういう問題があるというような情報提供をしようというような動きもございましたけれども、私たちはあくまでも自治体職員の労働組合であるという立場で、そういうものをお断わりして今日までやって参ったわけです。しかしながらその結果は今申し上げましたような事実に発展をしてきておる。こういうような立場から、私たちは今後この問題については自治体職員三十万の名において、力によって当局が現在の動きをさらに推進するとするならば、やむなく力でこれに対決せざるを得ないという決意を固めたわけです。しかしながら私たちはあくまでもこれらの問題について内容を明らかにすると同時に、この経緯を地方行政委員会で御了承願い、さらに地方労働関係法あるいは地方公務員法について十分御検討いただき、今後こういう事態の再度ないように諸先生の御協力を心よりお願いする次第でございます。  時間がございませんので、いろいろ落した点がございますけれども、これらの点については諸先生の質問によってさらに内容を明らかにしたいと思う次第でございます。
  14. 門司亮

    門司委員長 参考人の方の御意見の発表を終りました。  この際、質疑の通告がございますのでこれを許します。亀山孝一君。
  15. 亀山孝一

    ○亀山委員 私はまず海野参考人にお伺いをしたいと思います。  先ほどお話のうちにお触れになりましたが、現在の地方公務員に清新な気持を入れるために、御案内のように去る国会で審議未了にはなりましたが、地方公務員法の改正として停年制の問題が取り上げてある。そこで、この停年制の問題に対して海野参考人はどういうお考えでありますか。この点をまず冒頭にお伺いしたい。
  16. 海野秀夫

    海野参考人 停年制の問題につきましては、私たちは日ごろ職場であるいはいろいろな仲間同士で、停年制がもしできたらどうなるであろうかというようなことについていろいろ話し合いをしております。  一つの見方といたしましては、いわゆる新陳代謝というものであります。いついかなる事態においてもこの新陳代謝というものはあり得る、またそうなければならないだろうというような意見もよくかわされます。もちろん私もその新陳代謝というものについては否定するものではありませんけれども、しかし現在の社会情勢の中で、もし私たちが五十五才で首を切られて外へほうり出された場合には、一体どこでどんな形でその後をわれわれは生活していくことができるだろうかということについては、やはり大きな壁に打ち当ったわけです。従って現在の社会保障制度の中では、どうしてもやはりこの停年制には賛成することはできないという見解をとりまして、現在進んでおりますし、また私自体もそういうような見方をいたしております。
  17. 亀山孝一

    ○亀山委員 海野参考人の御意見はよくわかりましたが、しかし今のようなお考えであれば結局新陳代謝できない。だからその点において停年制という問題、もしこれができない間は勧告という問題によって、この新陳代謝をせざるを得ないと私どもは思う。勧告もいかぬ、結局今おる人で社会保障制度のできるまで新陳代謝もできずに、地方公務員としてはその職にとどまっておるということがいいと思いますか、その点を一つ繰り返してお伺いしておきます。
  18. 海野秀夫

    海野参考人 私も明確なこれというお答えはできないかもしれませんけれども、ただ現在の段階で停年制というものを前提とした強制の勧告が行われる。先ほども私が申しましたが、これは自治庁公務員課でもはっきりその点を指摘しております。すなわち勧告とはあくまでも理事者と対等の位置で話し合いをできるという環境の中で、ほんとうに自分の意思が披瀝できるということが、やはり勧告の本質的な問題ではないかと考えております。従って職制を通じ、あるいは一人の職員に対して数名の理事者が取り囲む中で行われるということは、これは勧告ではなくしてすでに威圧的な強制であるということがはっきり言えるのではないか、こういうように考えております。
  19. 亀山孝一

    ○亀山委員 現在のわが国の情勢から申しますと、若い人で有為の才を持ちながら、今のように結局新陳代謝できないということになれば、これはまことにゆゆしき問題です。ここに停年制の問題が起り、また勧告という問題も起るわけであります。今海野参考人理事者の数の多数云々というようなことで、いろいろ強圧、威圧の勧告だというようなお話がありましたが、結局これは拒否すればできる問題なのです。そういうことだけをもって数をもって、あるいは理事者である云々をもって、この勧告が強圧であるとか、あるいは強要であるということは、私は少し議論がある。  それはまあさて置きまして、その次に今度の静岡市における用務員である遠野操氏の問題は突き詰めて言えば、その勧告に基くショック死であるかどうかということなんです。ショック死というその問題については、結局市の職員組合ではこれを訴訟されておる。訴訟されておる以上は、その訴訟の結果によってこれを判定すべきものである。それを先ほど海野参考人お話では、過去二年間にわたる不平不満をこの際これにぶっかけてあわせてやろう、こういうことなんです。私はショック死ということであるならば、その方の訴訟問題を提起された以上は、あとは結局遺族の問題、あるいは退職金の問題であろうと思う。先ほど教育長お話によれば、遺族に対してはまず現在のところわれわれとしてはよくやられたと思うくらいの手当をしておる。それに対していろいろ交渉の経過における問題を言われますけれども、この点はわれわれはどうも納得できない。そこで私はショック死という問題が訴訟事件としてすでに出ておる以上は、訴訟問題等について云々されることは少しいかがかと思いますが、それに対しての海野参考人の御所見をお伺いしたい。
  20. 海野秀夫

    海野参考人 くどいようですが、勧告ということは、やはり対等な立場ということ、これはわれわれは理事者であるとか一職員である、いわゆる労使の立場であるというより、まず人間であるという考え方をしなければならぬと考えております。この場合に、使われている者が使っている人間何人かに囲まれてやるというときに、実際私たち弱い職員がほんとうのことを言い得るだろうかということは、やはり人間的なものから一つ考えを願いたい、このようにお答え申し上げる以外ないと思います。  それから遺族補償の点でありますが、なるほど先ほど教育長が申されておりますように、いろいろな形で行われました。しかし組合から申し上げますれば、これはわれわれが交渉の中で実態を——たとえば一例をあげますと、住宅問題につきましても、あなた方は遠野氏の住宅へ行ったことがありますかということを言われて初めて当局では行っているというようなのが実態であるわけであります。実際三畳間に住んでおって、しかも家主から脅迫されておる、立ちのきを迫られているときに、私たちはいち早く家主に対していろいろな交渉をいたしましてお願いをいたしたわけで、そういう中で住宅問題は解決されておりますし、あるいは最初遠野操のかわりに奥さんを採用してやってくれということに対して、ようよう臨時清掃婦という名前で採用されたということも事実であります。しかしこれはやはり積極的に当局が、われわれがこれを要求する前にこういうことはやっていただきたかった、このように考えている次第です。
  21. 亀山孝一

    ○亀山委員 今のお話ではどうもわれわれはぴんとこないのです。ことにこれはなくなられた遠野操氏自身の話を聞かなければわかりませんけれども、先ほど教育長お話では、結局用務員をやめるけれども、あとの職業を二つほど考えてやっておる。それを選択してやった。しかるに今どなたかの参考人としてのお話では、その倒れたときに残念であったとか、あるいは遺族の人が非常に不平を言ったように聞えましたけれども、私はそういうことに対して、ただ残念であったということ一言をもって、遠野氏がこの問題に対して強要あるいは強迫を感じた、また先ほど来も対等といわれるけれども、それは結局拒否できるのですから、その点をもう一度繰り返してあなたの御所見を伺いたい。
  22. 海野秀夫

    海野参考人 遠野さんが市庁舎の四階で倒れたときに、十分ほど経過して清水書記長という役員がかけつけております。このときに多くの理事者がおりました。しかしその多くの理事者へは全然目を向けずに入っていった清水書記長を手招きで呼んでいる。で何か訴えている。非常に残念だという。口がきけなくなった、からだもこうなったということで、いろいろ手まねで、もうろうとした意識の中で訴えていたということは、やはり私たちはすべての理屈の前に、その人の心理描写というものがどういう形で現われたかということで察する以外ないと思うわけです。もう帰らぬ人となっておりますので、何ともその点は申し上げられませんけれども、ただ先ほども申し上げましたように、私たちがそういうように遠野さんのかわりにいろいろ要求したという事項が、なぜもっと早く市当局の間に行われなかったかということについては現在残念に思っておるわけです。お答えにならないかもしれないですが……。
  23. 亀山孝一

    ○亀山委員 海野参考人に折り返してお伺いしたい。今のお話を聞くと、言葉じりをつかまえて申し上げるわけではないけれども、先ほど来どなたか参考人お話では、遠野氏自身が残念であったということを言うたということであったが、今あなたはただ手招きその他で察したという心理描写だと言われる。こういうことは、すべてこういう問題に対してはその人の考え、とりようによる。だからすべてこういう問題というものは、われわれは十分よく考えてもらいたい。感情的にいろいろこういう問題を取り上げていくと、今のような最近のことであっても、やはり事実は違ってきます。それをとやかく私は言うわけではない。そこで今海野参考人がおっしゃったように、大体その結果においてはあなた方の御努力かもしれない、しかし遠野氏の遺族その他は一応満足すべき状態にある。しかもそれから後は闘争は必要ないではないか。結局何か他の目的をもってする争闘あるいは運動であれば別だと思う。この遠野氏の問題はそれで解決していると思う。それを依然としてまだ闘争気分であられて、本日ここに参考人として来ていただかなければならぬような情勢はどういうわけなんです。それをちょっとあなたのお考えをお伺いしたい。
  24. 海野秀夫

    海野参考人 その点につきましては、公務災害補償というものが市の条例の中にございます。これはやはり公務中に死亡したという厳粛な事実の上に立って、私たちはこの条例を適用してもらいたいということを何回か要求してきました、しかし存命だから仕方がない、あるいはそういうような運命にあったんだというような当局の回答が何回か繰り返されております。その点を私たちは端的に申し上げますと、せめて香典を少しはずんでくれないかという線まで当局に対しては申し入れたはずです。そういう点から今この災害補償市条例の適用ということを、今次の闘争の中で出しまして、これを適用してもらいたいということを要求の一項品目に掲げておる次第です。
  25. 亀山孝一

    ○亀山委員 今お伺いすると、遠野氏の死亡という問題かいわゆる公務死になるかどうかという問題、これはあなたも御案内と思うけれども、工場災害の場合でもなかなかこういうときの問題はいろいろ議論があるところなんです。従って遠野氏の死亡がいわゆる公務死になるかどうかという問題は、なかなかむずかしい問題、そこで一応は要求された、それで結局市当局と解釈が違う、そこで訴訟をされた、そうなった以上は問題はその方にむしろ解決を譲るべきであって、市当局との間の問題はもうないわけじゃないでしょうが、その点どうお考えですか。
  26. 海野秀夫

    海野参考人 それらの点についていろいろ私たち市当局話し合いをしたかったわけです。しかしついに今日までその話し合いの場が持たれませんでした。と同時に、なるほど現在静岡地裁に提訴されておりますけれども、これは内容は国家賠償法に基く提訴の趣旨であります。片方は市の条例を適用してくれというのが、私たち要求したところの焦点であるわけです。従って静岡地裁へ提訴されている問題の内容と、私たちが直接市当局要求した内容とはおのずから異なっていたということであります。
  27. 亀山孝一

    ○亀山委員 よくわかりましたけれども、今お話公務死であるかどうかという問題は、結局市の解釈による、こういうことになりますが、そうなった場合には現在の市当局一つのいろいろの事情からこれを公務死にあらずとこう見た以上は、それを戦い取るというようなことは不穏当ではないか、やはりそれならばしかるべき訴訟手続によってやられるべきであると思います。  そこで私は次にお伺いしたいと思うことは、私は率直に申し上げますが、どうも先ほど来参考人のお三人のお話を聞いておると、中央団体及び他の全自治労ですか、県連の方の圧力が非常に強くてそれによって市の職員組合が働いておるような感じを持つ。これは私だけじゃないと思う。今までに参考人の御説明を聞いておると、まるで立場が入れかわっておる、率直に申し上げる。それでそういう感じを持ちましたが、前からもそういううわさを聞いておる。市の職員組合がその友誼団体というか、あるいはそれの関係団体という全自治労あるいは静岡県連のむしろ圧力というか、その方の力によって市の職員組合が動いているのじゃないか、こういううわさがありましたが、どうもきょうそういう感じがする。それに対して一つ海野参考人の率直な御所見をお伺いしたい。
  28. 海野秀夫

    海野参考人 その点についてはいろいろな見方があると思いますが、私たちはいろいろな団体が作られている上に連合体がある。またその上に東京に参りますと、大体中央の機関を持っておるというようなことで、私たち職員組合もそのような形態を現在示しております。当然静岡県連にも加入しておりますし、全日本自治団体労働組合——全治労という形でやはり加入いたしておりますし、毎月滞りなく組合費も納めております。そういう点からいろいろ上部団体のサゼッションを受けたのじゃないかということが、よくちまたに喧伝されておりまして、私たちもいろいろ考えあるいは実際そうなのかという自己批判をいたしたこともありますけれども、やはり単独で私たちの力だけでできない場合には県の方へおすがりする、たとえばここで例を申し上げますと、うちの市長さんは夏期手当のプラス・アルファについては県の市長会の決定だからどうしても出せないということを私たち交渉の中で回答をしております。こういうときに、私たちはそれじゃ県下の市長会長はうちの市長さんなんだから、県下で集まって県下市長会会長という立場で、うちの市長にお願いしようじゃないかということも何回か今までやってきております。これが全国の場合には、全国のそういう形態をとることでありましょうし、一応静岡市だけでは解決できないという問題が、現在の私たちの中には多くあったわけです。そのためにいろいろの相談をいたしました。同時に今度は県連といたしましては県でもできない、これは東海ブロック四県で諮ってみなければわからない、東海四県のブロックで諮ってみてなおこれは解決できない、やはりこれは全国に共通する問題なんだから、本部へ連絡をとったらどうかというふうに、だんだん発展していったものが、今回の形になっているということであります。
  29. 亀山孝一

    ○亀山委員 海野参考人お話は、われわれは現地の状況を知りませんからわかりませんけれども、お気持はわかります。おそらく審査を受けられたりいろいろされたことは当然でしょう。そこで私どもが聞くところによると、この問題を契機として市の職員千四百人のうち、わずか二名を除いて第二組合を作ったということを聞いておりますが、それは事実でありますか、どうでありますか。もし事実とすれば先ほど来いろいろ参考人からお話がありましたけれども、何といってもあなたが当事者であるのだから、どういうような事情でできたかその点お話を願いたい。
  30. 海野秀夫

    海野参考人 現在千四百名の組合員が脱退届を出したということも私は知っております。同時にきょう現在私の手元には参っておりませんけれども、先ほどほかの参考人が申し上げましたように、この脱退届がどういうような形で、私たち職員の間になされてきたかということが先決問題じゃないかと思うわけです。既成事実として第二組合ができようと第三組合ができようと、これがほんとうに職員の真の気持から出発されて結成されてくるのについては、私は何ら異存はないわけです。ただこの脱退届がそういう職制を通じて、あるいはすでに印刷されている用紙が職制によって職員の間に配られる、この中で脱退届というものが書かされ捺印させられ、同時に第二組合か第一組合ができるというような場合には、私たち職員団体として明らかに不当労働行為であり、同時に地公法で守られている私たち立場というものを非常に悪くしているという解釈をとらざるを得ないわけです。
  31. 亀山孝一

    ○亀山委員 海野参考人に伺いますが、脱退届の印刷をしたかどうかということは問題ありません。問題は、その人の意思で判をついたかどうかということです。それが強要によって判をついたということをおっしゃるのですか、その点をちょっとお伺いしたい。自由意思でついたのか、それとも人につかせたのか、人につかされたのか、つまり自由意思でやったかどうかということをお伺いしたい。
  32. 海野秀夫

    海野参考人 私たち自由意思でないという数多くの組合員からの知らせを受けました。同時に出したらいいだろうかどうかということもいろいろな点で照会されたし、意見を求められました。その中で、あすの朝まで待ってくれという形で私はそれをとめたけれども、すでに職制を通じて名簿ができておって、だれがいつ出したか、あるいはきょう現存出してない者はだれであるかということがちゃんとマークされている。出していない者はだれだれとだれだれであるからすみやかに出すべきだ、そういうことを職制を通じていろいろな形でなされてきた。ついきょう出しましたということを多くの組合員から知らせを受けております。こういう現実の前に立って、これはやはり自分の意思から書いているものではないということがはっきりつかめたわけです。端的に申しますと、脱退届を私まだ見ておりませんが、これは見てから申し上げなければならぬかもしれませんけれども、やはり組合員からの通報によると、五、六名は同じ筆跡だからそのつもりで見てくれということも私言われております。
  33. 亀山孝一

    ○亀山委員 非常に私は今のお話を聞いて残念に思うのですが、どうもよく納得できないのですがね。一体その組合を脱退するという問題、ことに自分の署名、捺印をするという問題は、そんな簡単なことですべきものでない。いやしくも静岡市の市の職員である。その職員がただ上の方から勧められたとか、やあ何とかということで、自分の進退をきめる判を、ただ人から云々ということでやられたんじゃないと私は思うのだが、その点はあまり追及しません。それは私伺いましてまことに意外に思うのでございます。  そこで、この千四百人のうちの一名を除いてみんな脱退したという、その事実はお認めになりますかなりませんか、ちょっとそれをお伺いしたい。
  34. 海野秀夫

    海野参考人 それはやはりいろいろ私たち考えの上に立って、現存これをどうすべきかということの対策を話し合っております。こういう中で、この脱退届は認めるわけにはいかないというような基本的な態度を出しまして、同時にまだ各課においても、各職場においても、その脱退楠を出さないがために、いろいろな形で職制にいやがらせをされている・こういう組合員も多くありましたので、組合の名をもちまして全員これを出してもらうようにということも要請いたしております。
  35. 亀山孝一

    ○亀山委員 本人が脱退するのをあなた方の方でとめるどういう権限がありますか、それをちょっとお伺いしたい。それは非常に妙な聞き方だと思いますけれども、その点もあまり追及しますまい。私どもは何も追及する趣旨でない。  そこで私どもが聞いたうわさでは、だんだんと争議が長引いてくる。中火なりあるいはその他の応援団体がくる。この方々についてのいろいろなうわさがある。金の問題とかその他いろいろな問題がある。そういう問題でいや気がさして、そうして市の職員方々にはどうもそういうような、この上とも闘争するのはどうか、こういう気分があると私どもはうわさを聞いておる。そういううわさを耳にされましたかどうですか、一つ海野参考人にお伺いしたい。
  36. 海野秀夫

    海野参考人 私聞いております。同時に私も、私の妻が、私が帰宅すると同町に、発狂しそうになる、ノイローゼが高じて発狂しそうになるということを何回か私に伝えました。これは金銭上の問題でありまして、私が、海野が相当組合の金を使い込んでいるとか、あるいは中間はパンパン屋へ行っているとか、あるいは「佐の春」という豪勢な料理屋へ行って飲み食いしているとか、いういろいろな流言が飛んでおります。同時に私のところにも、自治協力会の人とか、あるいは一部の市会議員の人が県下の市長のところに回って一万円ずつの寄付を求めておるという事実もいろいろな金銭的な問題で聞いております。こういう中で私非常に残念に思いましたのは、私の妻に対して、あなたの主人は至るところで組合に借金をしている。今度の闘争で三十万、四十万使い込んでいるということを伝えに来ている。あるいは業者に対して——いろいろ私たちは飯も食べました、あるいは車にも乗りました、こういう未払いの業者に対して、今に組合はつぶれるから自宅へ取りに行け、こういうことを言いふらされて、私の自宅へ来ている。そのために妻は発狂しそうになるというようなことで、医師に見てもらったりいろいろなことをしておりますが、そういう事実もあるわけです。従いまして、的な問題でいろいろ相当に流言飛語が飛んでいるという事実に対しては私ども認めております。
  37. 亀山孝一

    ○亀山委員 そこでこの問題の間に入られました荻野市会議長に私はお伺いしたい。こういう運動は私どもはやはり正々堂々たるものでなければならぬと思う。ところが今相当にこういう問題が飛んでおります。それは先ほど不当労働行為とかいろいろありましたけれども、そういう問題はなおあとでまた議論になりましょうが、今のような非常におもしろくないうわさが飛んでいるのですが、そういううわさを一つできればうわさとしてお聞かせ願いたいし、こういう席上で差しさわりのあることでありますれば御遠慮願ってもけっこうですが、一応荻野参考人にお伺いしたい。
  38. 荻野準平

    荻野参考人 ただいま御質問のようなうわさを私ども確かに聞いております。しかしながら、その内容の細部にわたりましてはあまり承知をいたしておりませんので、うわさを聞いておるということだけ申し上げたいと思います。
  39. 亀山孝一

    ○亀山委員 そこで私はこの問題の工点というものは、遠野操氏の死亡ショック死であるか公務死であるかという問題に重点があると思う。それから退職の問題。そうしてあわせてぜひ考えなければならぬ問題は遺族方々の問題であろうと思う。ところがこの遺族方々気持を先ほど肥田教育長さんから伺いますと、録音テープにとってあるということですが、この席上でそれを伺う意思はありません。けれども、われわれが聞いている範囲では、訴訟の問題一つを例にとっても、先ほど参考人の方のうちに述べられたが、やれこれを軟禁して云々というようなお話もあったけれども遺族自身の遠野ふくという未亡人のお話では、訴訟については何ら関知していない、こういうことを申しているのですが、海野参考人、これはどういうようにお考えになりますか。
  40. 海野秀夫

    海野参考人 遠野さんの奥さんに対しては、何回か私たちは相談を受けました。訴訟をやるべきであるかどうか、お金の点は一体どうなるのだ、それから私は何回裁判所へ行ったらいいのか、こういうような具体的なことについて遺賢未亡人から私たちは話を聞きました、あるいは相談も受けました。その中で訴訟を起すことが、ほんとうになくなった遠野さんの霊を弔うことであるかどうかというようなことについても、いろいろ議論はあったわけです。しかし最終的には、こういうわけでやはりやる以外はないでしょうという意見も私たちが出したことも事実です。最終的に組合役員が自宅を訪問いたしまして、きょう返事をもらうけれどもどうかという話し合いをいたしましたところ、ここは隣近所が非常にうるさいので、どこか遠くへ行ってもらいたいということで、近所の知人のうちを案内されております。ここで、正式に判を押すということが決定いたしまして、奥さんの方は奥さんみずから押されておりますし、娘さんの方は、変った判この方がいいだろうということになりまして、自分が勤め先かどこかで使っているという判こをわざわざうちへとりに行きまして、それで署名捺印したというのが事実でありま
  41. 亀山孝一

    ○亀山委員 今の問題は大したことじゃありませんけれども、私どもは一応遺族がどういう気持でおるかということを知りたいからそれについてお伺いしたのです。今海野参考人がおっしゃいましたが、今も録音にしてあるんだろうと思うのですが、五月二十日の午後、商業高等学校長と遠野ふく未亡人の対談のうちにこういうことがある。校長が「きのうの朝日新聞に、あんたとあんたの娘さんの名で市長相手損害賠償の訴訟を起すんだという記事があるが、あなたは知っていますか」「知らないです、先生」「知らないですか、全然」「ええ」そこで校長が「そうですか。そうすると、だれかに訴訟するから承知してくれと言われたことはないか」と聞いたところが、遠野未亡人は「そんなこともないです」と言っている。さらに校長が「だれか何かおれにまかしてくれなどと言った人もないですか」と言ったら、遠野未亡人は「そんな人もない」と言っている。あとはなんですから言いませんが、また場合によれば、あとで判も押してないということも申し上げますけれども、こういうことがあるのですね。こういうことはつまらぬことだけれども、われわれが聞いている範囲では、遺族も満足しているようです。今のように職務を得、家の方の問題もどうやら解決しているとすれば、こういう問題は解決しているはずです。残る問題は訴訟の問題だけです。その点はどうお考えになりますか。もう一度お伺いしたい。
  42. 海野秀夫

    海野参考人 五月三十日の、正確な時間は忘れましたが、五時少し前だったと思います。市立商業の先生が電話をかけてよこしました。今遠野さんの奥さんと一緒にそちらに出かけたいがどうかという連絡であったのです。しかし急を要するものであるかどうかということを電話で問い合せましたところ、そう急がなくてもいいけれども、ちょっと話したいことがあるということであったわけです。電話で用件が達することなら電話でしてくれないかということをさらに申し添えましたところ、きょううちの校長遠野さんが話をしていた、その席上、テープコーダーがしかけられてあったということをあとで知りました、こういう遠野さんの話だけれども、あなた方、これをほうっておくつもりかどうかということが話されました。それはただごとではない、それじゃほんとにそういうことがあったのかどうか、一応調べてみようじゃないかという話になりまして、役員がさっそく学校へ飛びました。しかし遠野さんの奥さんはすでにうちへ帰られておりましたので、再び自宅の方べ行ってこの点を明確にしております。と申し上げますのは、そのときに奥さんは山田さんという言葉を使っておりますが、山田校長を非常に憎んでいるということがはっきりいたしました。ということは、女性という立場からそういう感情を現わされたんじゃないかと思いますけれども、うちの父ちゃんを殺したのは直接にはあの人だ、きょういろいろなことを話し合ってきたけれども、いいかげんに答えてやったということをはっきりとこの役員に伝えております。従って私たちは、テープコーダーをとったということに対して、校長に対してその点をただしましたところ、そんな事実はない、テープコーダーをとったこともないし、そんな話もしたことはないということで一笑に付されております。しかしそのテープコーダーよりさらに重要なのは、あなたが直接指名されたこの弁護士に対する委任状であるということを私たちも伝えまして、テープコーダー事件は一笑に付したというのが事実であります。
  43. 亀山孝一

    ○亀山委員 最後に私はお伺いしたい。先ほど聞きましたけれども、御答弁がないので繰り返してお尋ねしたい。結局この問題は訴訟事件だけ残っておるので、あと私は、これまでの経過におけるいろいろな不当労働行為とかいろいろな問題はあるかもしれませんが、この問題は一応これで解決しておると思うのですが、その点はあなたはどうお考えになりますか。
  44. 海野秀夫

    海野参考人 私は、先ほども申し上げましたように、公務災害補償市条例の適用というものを要求の中に一つ出しております。これは先ほども亀山先生からいろいろ話が出されておりますが、それは法廷においてはっきりすべきことであるということはやはり一つの見方として言い得るのじゃないかということも考えております。ただ私たち要求したのには、もう少し香典として何とかしてやってくれないかということは何回かこの申し入れの中にいたしております。と申しますのは、それと前後いたしまして静岡市の職員による自動車事故が発生いたしております。よく知りませんが、そのときに、そのひかれた人も二日ほど静岡病院で生きておったそうですが、ついに死亡しております。このときに五十万円の見舞金か何かを出したということがはっきりいたしておるわけです。そういう数字的なものにも比較いたしましてせめて公務災害補償ということがないならば、市の条例が適用されないなら、どんな形でもよいから香典というような形で遺族のめんどうを見てやってくれないかということを再三申し入れたわけです。従いまして公務災害補償市条例の適用をあくまでも固執してどうのこうのということでなくして、そういう思いやりがほしかったというだけであります。
  45. 亀山孝一

    ○亀山委員 最後の海野参考人の膏薬にありました市当局に思いやりがほしかったという問題は、きょう御列席になっております市長初め市当局に非常にお考え願うべき問題だと思います。  そこで最後に私は山田参考人にお伺いしたいと思います。それは先ほど海野参考人の御意見もいろいろありましたが、地方公務員の停年制の問題なんです。先ほど西本さんでありましたか、停年制なくして勧告というのは、場合によるとその強圧が命に関するような圧力だというような言葉をちょっと述べられた。私はこれは意外に思うのです。一体生命に関するような勧告というのはどんなものかわかりませんけれども、いろいろ勧告の問題もありましょう。私どもはこういう点を考えますと、結局勧告ということにはいろいろ問題が多い。そこで地方公務員に対しては停年制というものがあっていいのじゃないか、そう思いますが、それに対する御意見と、地方公務員に停年制を設けるとすれば、市条例なりその他何か御意見があれば、この際ちょうどいい機会でありますから、市長にお伺いしたい。
  46. 山田順策

    山田参考人 私はただいまの御質問に対しまして、停年制というものは当然設けられるべきものであると思っております。もし現在の自治体におきまして停年制が設けられない場合におきまして、先ほども申し上げましたが、新陳代謝はできません。しこうして年々歳々各地方自治体の人件費がかさんで行くのだ、私ども静岡市におきましても非常に人件費がかさんで行く。しかちばこれらの問題について財政的にどういうふうに措置するかということについては——御承知の通り、今日、市の財源といたしましては、市民税と固定資産税というものがおもなる税の収入でありまするこういうようなことをあわせ考えてみますと、この際全国の地方自治体におきましても、また六団体におきましても長年、停年制を提唱いたしておるのであります。その提唱いたしておりまする年令の基準につきましては、私は常識的に考えて、今日の場合五十五才をもって考えることが適当ではないかと思うのです。これはおのおの見る人によって、年の基準については違うかと思いますが、私個人としては五十五才が適当と思います。さよう御了承願いたいと思います。
  47. 加藤精三

    ○加藤(精)委員 議事進行について。委員長にはなはだ申しわけないことでございますが、種々お耳にさからうこともあるかもしれませんけれども、議事進行について御意見を伺い、また希望を述べるものでございます。全国に地方自治行政についての諸種の問題、紛擾等が非常にたくさんあるわけでございますけれども委員長といたされましては、その良識によりましてよく御判断になられることだということは感ずるのでございますが、これを一々立法府の議会におきまして取り上げますことは、国の地方自治行政に関する立法がきわめても大でありましてわれわれこれに対しましては非常な努力をもって審議研さんしなければならぬ現状におきましてとうていその煩にたえないところだと考えておるのでございます。それで、本件静岡市の問題につきましては、理事会において御決定になったようでございますが、これが取り運びにつきましては、委員長におかれましても非常な御苦心があるだろうと考えておるところでございます。ただ私が非常に不思議に思いますのは、これらの議事を扱いまする際に、どこまでも地方自治体の本旨に従いまして、自治体の問題は自治体で処理するという大原則を強く尊重しながら事を運ぶべきものではないかと思うのでございますが、これに対して、本日いろいろ御審議の状態を拝見しておりますと、これらに対しましては若干の疑問なきを得ないのであります。これより先ずでに本件の調査につきまして、参議院の植松調査員が県庁に行っておられ、また衆議院関係では門司委員長、中井代議士、成瀬議員が調査をされておるらしいようでございますが、これらは国会としての御調査であるかどうか。それらの点につきまして、また木地方行政常任委員会理事会の議決をもって、衆議院におきまして派遣が決定せられましての御調査であるかどうか、それらの点につきまして御質問申し上げますと同町に、これらの事件につきまして、いやしくも地方自治の本旨に沿いまして地方自治体の問題はどこまでも地方自治体として解決させるという御趣旨を強く尊重してのそれらの御調査であるかどうか。それらの点につきまして、若干そごがあったのではないかどうか。  なお伺いますところでは、本日の参考人意見開陳につきましても、委員長の御指示に基きまして、市長、会議長教育委員会教育長などの参考人方々は、必ず時間を厳守して簡潔に述べられておるのに反しまして、その他の陳述者の方に対しましては、相当長時間の制限外の時間を委員長がお許しになっておられるような点から見ましても、どうも何らか他に御意図があるような感じがしたのでございますが、ただいまの点につきまして、委員長の御所見はどうでありまするか。  なお本件静岡市の事件に関しましては、自治労の本部は、五月三十一日問題を自治労定期大会において取り上げるということが決定し、それ以後は静岡市に自治労臨時本部を設置して闘争委員を常駐させるというようなことをやっておられるようでございまするが、そういうことで果して、地方の問題は地方で解決するという、憲法に定める地方自治の本義から見まして、地方自治行政の第一義の問題といたしまして適当であるかどうか。そうしてそれに関連しまして、自治労の中央委員さんですか等に委員長が長時間の陳情を許しなさる、そうした一連の事実を総合的に観察する場合におきまして、われわれの信念を結論的に申し上げるのでございまするが、われらの衆議院地方行政常任委員会というものは、他の常任委員会よりもきわめて研究的であり、同時にまじめであり、国家の寄託に沿うことの最も大である委員会だということを、われわれは長年自負しているものでございますが、事立法に関しましては、政党の政策に従いまして熾烈な論議を戦わせることは従来やって参りました。しかも他の委員会のような暴力行為なりそんな卑劣なことはやったことはないのでありまして、われわれは衆議院の地方行政常任委員であることを、非常なる光栄に考えているものでございます。社会党の委員の諸君も、それは御同感であろうと思うのであります。同時に、一度きまった法律の執行につきましては、三権分立の精神によりまして、大局におきまして、地方の問題は地方で自治的に解決させるということを、私たちは長年伝統にしてきておったと考えるのでございます。が、とかく地方の行政の執行に至るまで党利党略で、ある程度制肘を加えるというような傾向の萌芽が発生するおそれあるに至っては、わが輩これを断然無視するわけにはいかないのでございます。それらの点は名委員長たる門司委員長におきましてもっとも平素主張しておられる点でございまするが、それと今回の問題とは若干そごがあるような気がいたすのでございます。地方公務員法の問題ということをただいま北山委員より不規則発言によりまして御開陳があったのでございまするが、この地方公務員法の問題も、大きな地方自治の本義ということの上に立って論ずべきものであろうと私は考えるのでございまするが、それにはそれとして、執行面におきましてはしかるべき措置の場所があるのでございまして、あるいは措置の要求とか不利益処分の審査とか、それぞれの行政事務が発展するのでございます。それらの法規について改正を要する問題その他がございましたら、私本委員会で取り上ぐべきものだろうと思うのでございますが、個々の事件につきまして、あるいは多数の傍聴者と彼此呼応するわけじゃないのでありましょうが、その運営につきましてとかく従来の地方行政常任委員会の伝統を破るに至るやの萠芽の発生のおそれのある事態に立ち至りましたことにつきまして、きわめて深い憂慮をいたしまして、委員長の善処を要望するものでございます。
  48. 西村直己

    西村(直)委員 加藤君から大意を尽しておりますが、私も国会策対の仕事をやっております関係上、いささかこの委員会の今回の運営については疑惑を持っております。というのは、私は率直に申しまして、静岡市民の一人でございますが、地元で見ておりますと、一応遠野氏の死亡等の問題は新聞にちらちら旧ました。市内部の職組と執行部とのいろいろな問題点があったようでありますが、そのうちに何か県連が三重県の自治労の大会で県連の名においてはっとこれを取り上げた。また総評のいろいろな春季闘争とかスケジュール闘争の発展する関連において、大きく取り上げられた。と同時に、自治労というものが臨時闘争本部という指導部を静岡市に持ってきた。こういうようなことからばかに火が拡大してきた。そのうちに、何だか知らないが、国会を代表するのかしないのか、門司委員長と社会党の中井理事だけが乗り込んでこられる。しかもそのうちに訴訟が起った。衆議院地方行政常任委員会、日本社会党法律相談部というような人たちが加わって訴訟を起しておる。どうも国会の権威において一つの地方の自治体の問題を中央の国会に取り上げる、いま一つは行政事件を立法府に移していくということになると、名委員長がいささか感じが違った迷委員長になるかという感じを私は持つのであります。と同時にもう一つは、どうも話の経緯をきょうお伺いしておりますと、不当労働行為という点がずっと中心になってきてしまっている。それならば地方行政常任委員会の問題ではなくて、かりにこれを取り上げるならば、社会労働委員会になぜ持ち込まないか。これは自民党が委員長だから持ち込まれないのじゃないかという邪推も私たちはしやすい。どうぞ今後の常任委員会の運営については委員長しっかり腰を据えて、国会の運営を誤まられぬことを希望いたしまして、私の関連質問を終ります。
  49. 木崎茂男

    ○木崎委員 私も西村さんと同じ気持でさっきからいろいろお話を聞いておったのです。問題はやはりこれが不当労働行為であるかどうかということ、それから地方公務員法に違反するかどうかという問題にしぼられておるのじゃないか。私どももきょうお話をいただく方にはその問題について聞かしていただきたいと思っていた。ところが先ほどからいろ・いろ聞いておると、その問題に出てきたのは、何人か大勢寄って一人を説得した、これはどうも不当であるという問題が一つであります。あるいはショック死をするまで責めたのじゃないかというような、これもやはり中枢に触れる問題じゃないか。ところがショック死の問題は訴訟をされて、そして明快になるからここでは取りはずす。もう一つ取り残された問題は、さっき皆さん方から出ておる、何人か大勢寄って一人を勧告した、そのことが不当であるかどうかということだけで、これがさっきから出ておる問題の中心に触れておるものじゃないか。これは一つの問題点になっていると思う。しかし私の意見からいえば、さっきからいろいろ聞いていると、どうも静岡というところの人たちは、失礼な言い方だけれども、腰抜けばかりじゃないか。とにかく六十何人も退職を承知した人がおるが、何人か大勢集まったからそれで承知した。おそらく自分の生活に影響するならば、六十何人のうちで二人や三人死んでもがんばる人があってもよさそうなものだ。これは別の問題で、今は議事進行ですからあとで申し上げますが、そのことだけに触れておって、あとはその後の経過とか、理解があるとかないとか、交渉に応じたとか応じないとかいう問題、それから先にいろいろ問題があったとか、そういうことを言われるが、これは今西村さんが言われた通り、社労の方でもっと究明してもらった方が適切じゃないか。ここでは地方公務員法にのっとって、やはり本人意思に反して不当な解職があったかどうか、こういう問題にしぼってこれから議事進行してもらいたい。これは私は議事進行について委員長にお願い申し上げたい。
  50. 門司亮

    門司委員長 三君の御意見につきましてはよく拝聴いたしました。ただこの機会に私の立場に関する問題だけについてお答えをいたしておきたいと思いますが、静岡に参りましたのは、地方行政委員会の決議でもなければまた地方行政委員会委員としての資格で行ったわけではございませんで、私も国会議員であります限りにおいては、当該委員会関係のある問題を、私個人の立場において調査することは許されておると考えております。  それからもう一つの問題でございますが、これは地方公務員法関係を持つ一つの事件から起った問題であることに間違いはございません。従いまして御要求のように社労の委員会で取り扱うべきがしかるべきであるということになりますれば、本委員会から社労の委員会に連合審査を申し込むことに決してやぶさかではございません。  それからさらに取扱いの問題についての御疑念でありますが、これにつきましては、去る七月の二十二日、二十三日の委員会で本問題の話し合いをいたしました場合に、いろいろ地方公務員法に関して、勧奨という文字がどの辺まで効果があるのか、あるいはいろいろの問題が出てきて、しかも自治体の問題は自治体で解決すべきであるという御意見には私どももその通り考えておる。しかし法律自体に基く紛争が自治体に起っておりますものを、これはそっちで解決すればいいという筋合いのものではないと思う。私はやはり国会は国政調査全般を見ることのできる立場にあります関係から、これも国政調査の一つとして見るべきじゃないかと解釈しております。従いましてその相談をいたしまして、その結果といたしましては二十三日に一応、理事会ではございません、本委員会の決議として決議をしたのであります。しかしながら内容といたしましては、直ちに参考人方々に来ていただくということもいかがかと存じまするので、できるだけ日にちを置いて自主的に解決していただくということを主眼といたしまして、ここに自治庁の行政部長も参っておりますが、私行政部長にも電話をいたしまして、静岡の状態は一体どうなのか、呼ぶようなことになるかどうか判断をするために一応私は聞き合せたのであります。その場合にも、なおもう一週間待っていただけないかという話もございましたので、つい二週間余りは実は参考人に来ていただくことを遠慮申し上げていたわけでございます。しかし次の会議を開くのが本日と明日になっています関係から、参考人に来ていただくことになりますればやはり通知その他の関係がございますので、一応通知をいたしたのであります。決して他意があったわけではございません。  それからさらに、かような問題で将来行き過ぎがありはしないかという御疑念でございますが、これにつきましてははなはだ申し上げにくい言葉ではございますけれども、私委員長を承わっておる限りにおきましては、そういう間違ったことは断じてしないつもりでございますので、よろしく御了承願っておきたいと思います。
  51. 加藤精三

    ○加藤(精)委員 委員長が名委員長である関係上あまり攻撃はしにくいのでございまするが、しかし本件に関しましてはどうも私納得のいかないところがあるのです。と申しますのは、これは国会の行政監査権に基いておやりになるというお考えでそれを徹底させておやりになるのでございましたら、それはしかるべき委員会もございましょうし、またしかるべき方法もございましょう。また委員長として御調査になられる必要があるものなら、国会の行政監察としてやられるのでございますから、またこれは国会の派遣として公務として御調査になったらいいじゃないかと私は考える。個人としてしかも本件のごとき地方自治の問題が、全国的な団体等がそこに入ってきて、そうして見ようでございますけれども、とれを小さくしようとして地方自治を考えられたのかもしらぬが、これがまた大きな問題により火を注いだ形になったかもしれない。そうしたようなことが地方自治の本義から見て果して適当なものであるかということを私は疑う。いずれにしましてもそういう発展をしていくときにおきましては、国会の行政に対する監査権という立場でございましたら、それとして発動されたらいいのであります。しかしながら私考えますのに、それらのこともできるだけ政党とそうした団体とが結びついて、行政の面について少くとも声援を与えるような格好になることは、わが国の地方自治の進展のためによろしくないと思う。そうした面から見ましてお伺いしたいのでございますが、本件考人聴取そのものが国会の行政監査権という立場からの御審議でございますか、その点まず承わりたいと思います。
  52. 門司亮

    門司委員長 今加藤さんからお尋ねのありましたように、そういう趣旨でなければ委員会は取り上げることはできないと思います。従って国会といたしましては、御承知のように法をたくさんこしらえておりまして、その法の執行が円満にしかも国民の福祉に沿うかどうかということにつきましては、絶えず私ども注意を怠ってはならないと思います。従って国会はそうした一つの国政の監査の権限を私は与えられていると思います。こういう意味から考えて参りますると、私は本日ここで委員会を開きましたのも、前の委員会で承認を得ましたことが間違いではなかったということを申し上げて差しつかえないと思います。
  53. 加藤精三

    ○加藤(精)委員 重ねてお尋ねしますが、果してしからば委員長は何ゆえに個人の資格で静岡市等に出張されまして御調査になられましたか。これは静岡県庁が委員長を接待せられますにつきましても、国会が派遣せられたる地方行政委員長並びに地方行政常任委員会理事中沖委員ということになりますれば、この力の入れ方、またその心構えが違うものだろうと私は考える。そうしたところに何らか割り切れないものがあるんじゃないかと私は考えるのでございまして先ほど承わりますると、本件推移が円満に行くように、事が荒立たないで、地方の問題は地方自治として解決が早くついてくれることを心の底から念願しておられる名委員長の御心境を、私は涙ぐましい心持でもって深く感謝申し上げるのでございますが、圧力団体に押されてさすがの名委員長も個人として調査されたり、かれこれ自治労と連絡をとられたり、そうしたようなきらいがあったのじゃないかと思いまして、自後そういうことのないように切に希望を申し上げまして私の質問を終るものでありとます。
  54. 門司亮

    門司委員長 中井君。
  55. 中井徳次郎

    ○中井委員 私は二、三点伺いたいのですが、その前に加藤さんから議事進行に名をかりていろいろ御意見がありましたが、どうも誤解が多いようでありますから、一言申し上げますが、私参りましたのは、社会党の議員として行ってくれというので参りました。これは党に属している者として、行くのは当りまえです。それからこの地方行政委員会でありますが、非常に円満に常時やっているというわけで、私どもその気持は十分わかっております。きょうも亀山孝一さんにどうぞ先に質問をやってくれと言っているのであります。加藤君は中途から入ってきて、三番目だけれども二番目にやりたい、ああけっこう、こういうことでありますが、質問の内容を伺うと、どうも大へん何かこだわっていらっしゃるのではないかと思うのであります。この点はどうぞ誤解のないようにお願いをしたいと思うのであります。  そこでいろいろと御質問を申し上げたいと思うのでありますが、時間の都合もありますから、二、三点気づきましたことをお尋ねいたしますが、どうもこの問題は地方財政が非常に困難でありまして、全国の各府県、市におきまして、やはり退職者の問題その他が起っております。その点につきましては山田市長さん初め皆さんの御意見御開陳の通り財政難に藉口して、そういう問題が起るということについては私どもも認めないわけではございませんので、今の政治の貧困といいますか、内政の貧困といいますか、そういうところに遠因がある。そこでこの行政委員会はそういうことのないように、明日も大蔵大臣を呼んで、自民党の皆さんを先頭に立てて地方財政の確立のために大いに努力をしたいと考えているのであります。ただ各地でそういう問題が起っておりますが、市当局と市の職員組合との間に多少の争いはありましても、おおむねそれは円満裏に解決しているところが多い。ただ静岡市だけが非常に紛争をいたしている。すなわちこの事件の原因が問題ではなくて、私どもがお尋ねいたしたいのは、その原因から起りました経過について地方自治法と公務員法、そういうものと照らし合せてこれはどんなものであろうかということであります。この経過ということをそう簡単にお考えをいただいては困る。とにかく方針を立てたのだから何が何でもやってしまえ、職員組合が団結をして部屋にこもって大いにがんばるならば、おれたちもこうしょうというのでは、私は前時代的な考え方ではなかろうかと思うのであります。実は先般こういうことで門司委員長と一緒に一この場合は委員長でありませんで、門司会議員と一緒におじやまをして玄関を入りましたが、消防団の方々が消防の服を着てたくさんいる。きょうは消防団の会合でもありますかと聞いて入りましたところが、別にない。最近組合の方と市当局で大いに対立をしているので、どうも市の方から話があったと見えて、消防団が警戒に出ているということでありますから、これはどうも少しおかしいと思ったのであります。おじやまをしたときに市長さんにも申し上げたつもりでありますが、大体消防団というのは消防組織法にございますが、これは自然の災害に対する防衛だと私ども考えております。どうも消防団が市当局と市の職員組合との会合に出てきて、廊下をうろうろするというに至っては、まず第一に、これは最近の自治体のあり方、消防団とは何ぞやということまで一どうも戦時中の消防団と混同されているんじゃないか、こういうふうに思うのでありますが、どうでございますか。まず第一に消防を動員されたことについて私はちょっと伺っておきたい。あるいは、動員をした覚えはない、自発的に出てきたとおっしゃるかもしれぬが、自発的に出てきたのならば一刻も早く退散さすべきものだ、私はそう思います。そういうことがいたずらに紛争を巻き起した原因のように思いますので、その点をまず伺ってみたい、これは市長さんにお伺いしたいと思います。
  56. 山田順策

    山田参考人 ただいま中井さんから御質疑のありました消防団員を市の当局者が動かしたではないか、また先ほども県連の三橋君からもそういうような話がありましたが、この問題はいろいろ邪推をするかも存じません、あるいはいろいろ思いやりをいたすかも存じませんけれども、とにかく静岡市始まっていまだかってない、市職でない、県の職員ないしは自治労から武崎あるいは山口、あるいは西崎、こういう諸君がわが静岡市の職組を指導すると申しましょうか、来てピケを張り、それぞれのことをいたしますので、それが新聞に掲載されて、その新聞に掲載されたのを、消防員のみならず、自治協力員その他の諸君がこれを見て心配して、わが静岡市の自治体にああいう問題が起ったのか、こういうようなことで——たとえばピケを張り、あるいは七月五日と記憶しておりますが、わが静岡市の不燃性の共同ビルができまして、私も議長、副議長もそれに参加する、午前十一時でありましたが、そのときに玄関におる自動車に乗ろうとしたところが、私を自動車へ乗せないように阻止し、私はかなり迷惑を感じた。のみならず、その際私が自動車へ乗ったときに、いわゆる職組の連中でなく、県評の人たち、よそから来たところの人たちが、自動車の前で、バンバーの下へ二人入って、自動車の動かないようなことをする、こういうようなことが神聖なる労働運動であるかどうかということを痛感いたしたのでございます。その後すぐ、数分たたないうちに、今来ておりますが、市の副議長である青島保太郎氏を四十人くらいで取り巻いて、そうしてキンタマをける目的のがはずれて内ももをけって、しかもすねをける、そうして腕をなぐりつけ、傷をつけたのであります。いわゆる今日の織組は知っておりますから、そういうようなことはいたしません。外部から来た人たちがこれをやるのだ。こういうような実態を見まするときに、私どもは、自分といたしまして職組の育成については決して人後に落ちない熱意を持っておるのであります。私は市長就任以来、ここにいる海野氏が副委員長、梅沢氏が委員長、自乗その当時に至るまで、職組の問題について会見を申し込んで参りますれば、いつでも私は会見に応じ、そうしていろいろ話をした。でありますけれども今回の問題、たとえば七月初めから起ったところの問題については、私ども市の理事者といたしまして特に痛感いたしましたことは——これは国会の議員諸公によく聞いていただきたい。六月十三日にいわゆる中央の武崎、あるいは山口、そういうような者が先頭に立ち、その際には市の職組も一緒になって参ったのでございますが、とにかく五十人くらい公室長のところに来て、公室長を取り巻いて、そうして市長に会わせろ、会わせろということを絶叫し、罵詈ざんぼうを加えた。こういうようなことをして、多数を頼んで公室長を威圧して、むりやりに市長に会わせようというような措置に出るということは——私は当時流感のために六月十日より十日間病気で自宅にこもっておった。十三日にそういう要求をし、しかもその諸君が六月の十三日のみならず、二十九日には市の議会があるのでありまして、二十六日の朝ちょうど洪水のために安倍川の支流の油山の堤防がこわれまして土木課長と助役が行ってそこを調査することになった。いわゆる本会議が二十九日の一時に始まる。それに報告をしなければならない。ところが二十九日の朝七時に県評議会の宣伝カーに赤旗を立てまして四、五十人そろって、助役は住吉町のアパートにおりましたが、そのアパートに七時に行ってそれぞれ罵詈ざんぼうを加える、面会を強要する。そのアパートの諸君は朝七時に何事が起ったか——こういうようなことをしてこれがすなわち労働運動の本体であるとしたならば、私どもは労働組合の問題につきましても非常に悲観をするわけであります。常に職組の諸君に対しても、とにかく職組はわれわれともに働くのだ、そうして市政のために、市民の福祉のためにお互いに協力するのが本旨でなくちゃならない、であるからそういうような面についてはお互いが話し合っていいじゃないか、その点についてはよく職組の海野委員長等は了解しておるはずでございます。しかるに外部の、圧力によって事志と違った方向で働いておるということを考えますときに、私どもは労働組合のあり方について実に感慨無量に感ずるのであります。越えて七月三日には私のところにやってきて、それで私のところでは門をかって、そうして職組の代表には会う、会って話をする、しかし部外の代表者に会う必要はない、こういうふうに言うたのでございます。私の近くには女子の短大があり、また城北高校という、女子の高校がありますが、朝何事が起きたかと思ってみんな出て見ておる、こういうようなことをやっておる。また一面には県評のいわゆる宣伝カーが、十百同以上も市中をぐるぐる回って、なくなった遠野操氏の肖像を掲げて、市長遠野操を殺したのだというがごとき、あらわにはそういうことは言いませんが、そういうふうなことになって、干渉、圧迫したがために彼はショック死をしたといって、市中をくまなく宣伝して歩く。そんなことはいかように宣伝されましても私は意に介しない。けれども、私どもは常に職員組合の育成について相当の努力をしておる。私か就任して以来今日に至るまで、定期昇給を七回やっておる。そうして、しかも一番低いところに対しては非常に厚い昇給をやっておる考えでございます。しこうしてその職員に厚いということが、数字によってはっきりわかります。
  57. 門司亮

    門司委員長 山田さん、質問に答えて下さい。あなたの御意見を聞いているのではない。
  58. 山田順策

    山田参考人 いや、それに関連しているからこういうことを言って、私は中井さんのような市長をやったことのある人に対しては、ほんとうに理解してもらわなければならぬ。全国におきまして二十万以上五十万の人口を持っている市の職員に対する給与の率というものは、静岡市は五番目でございます。こういうようなことで、私どもは現在決して職員を冷遇するようなことは断じていたしません。  そこで消跡の問題を申し上げますが、中井さんは実に明敏な頭を持っておられる方で、また自治行政に対しては非常なうんちくを持っておられる。消防の構成についても、中井さんはよく御承知のことと思うのであります。消防の今の団員というものは、団長の命をもって動くのでございます。市長によって動くものではございません。しかもわが静岡市の団長は前議長でございます。この議長の命によって動くのであって、私が消防等を指揮命令することはいたしません。またいたすだけのあれはないのであります。そうして、私は消防団の諸君とは非常に接触が薄いのでありまして、団長の名さえ知らないのがたくさんある。そういうふうな状態でございまして、私が消防団に命令をして連れてきたのだというような誤解があるようでしたら、それは一つこの際払拭していただきたい。私はそういうようなことはいたしません。また私は一たん言ったことは必ずやりますが、しかしうそはつきません。中井さん、よくそれは承知して下さい。
  59. 中井徳次郎

    ○中井委員 今だんだんと私のお尋ねに対して経過の一端のお話がありました。ですが、消防の問題につきましては市長さんからは要求しないが、消防団長の命令であった、こういうことで私は知らなかったというお話でありますが、実は消防組織法の七条には「市町村の消防は、条例に従い、市町村長がこれを管理する。」こういうことになっておりますので、私どもから言いますると、やはり市長さんが消防団長にということであるならば、問題はあまり混乱を市ねることであるから、将来は出てきてもらわぬでよろしい、そこまで心配してもらわぬでよろしいと言われるべきではないかと思いましたので、ちょっとお尋ねしたわけです。先ほどのその混乱の事件でありますが、この間おじゃまいたしましたときにも市長さんからそのようなことも伺い、そうしてまた組合の皆さんにもお伝えをして私どもはできるだけ早く円満な解決を希解しますと言うて帰って参ったのでありますが、そのとき組合の諸君のおっしゃるには、どうも市長さんはなかなかお会い下さらぬので、やむを得ずああいうことをやったのだ、こういうふうなことも言うておりました。しかし、もう済んだことでありまするので、死児の年を数えてもこれはいたし方ないのでありますが、私どもがお伺いして帰りましてからの事態といたしましては、先ほどからもどなたからか御開陳があったが、どうも職員団体というものに対する考え方が多少——今もお言葉の中にあったが、大いに育成するのだというそのお気持はよくわかりますが、新しいこの制度におきましては、職員団体と市庁当局というのは、給与とか勤務条件とかいうものについては、やはり対等で話し合う、極端にいえば育成してもらわぬでもよろしい、私どもの方で考える、こういうことでありますので、どうもその辺で多少食い違いがある。そういう考え方から出たのでありましょう。大会をどこでやるといったら、そういうところでやってはならぬ、こう言うた。市の指定以外のところで組合大会をやってはいかぬ、これは市長さんが直接おっしゃったのでないと思うが、市の当局の中でそれまで思い上っておっては、これはもう職員団体、地方公務員法の五十二条以下の四、五条についての御認識が全然ないのではないか、はなはだどうも遺憾である。特に市長さんは冒頭のごあいさつの中にあって、自分は二年間八時半からの勤務時間を厳密に守ってやっておると言われた。それで大会の目のみ三時半にお前ら帰ってもよろしい、こういうことを、ほんとうの具体的な戦術といいますか、何ともならぬようになって非常にあくどいやり方が出ておるように思うのです。こういうことはどんなものであろうか。特に、脱退したまえというふうな話は、これはやはり職員団体にとりましては重大な干渉である。先ほども自民党の皆さんからの御発言もありました。私も賛成でございます。こういう問題については社会労働委員会に移牒しよう、大いに賛成でありまするが、そこで徹底的に議論はなさるでありましょうけれども、その前提といたしまして、地方行政委員あたりからも、どうもそこまで職員団体を——君らやめてしまえとか、それを面接の係長とか課長の者から言わすというようなことは非常な筋違いのように思うのでございます。こういう点について市長さんの率直なお気持を聞かしていただきたい。それで私はといねがわくば、そういうことは撤回をされて、やはり職員団体自体の自主性にあくまでもおまかせをする。そして皆さんが御希望があるならば、組合の幹部にいろいろお話をなさる必要があろうと思うのでありますが、その点についての御見解を伺っておきたい。
  60. 山田順策

    山田参考人 消防団のことはそういう程度で御了承願っておきます。  それから私が先ほど織組を育成しようと言った点について、あるいは用語がまずかったかも存じませんが、私はこういう考えなのです。たとえば職組にいたしましても、かりに労務を提供する点においては、学校の先生方あるいは自治体の職員、それから鉄の材料をもって自動車の部分品を作るほんとうの労働組合、こういうようなものとは労務の内容の上において私はよほど違っておるじゃないかと思います。でありまするから、それぞれの面について職組というものあるいは教組というもの、おのおの特徴を持っておる。国民を育成していこう、教育していこうということ、それから市の職員として白泊のために、いわゆる市民の公僕として市民の福祉のために尽していこうというその気持の点において、私は職組に、同じ労務の提供であっても多少の段階がなければならぬ、かように私は考えておるのであります。そういうような方面にともに話し合って一つやっていこうというので、私は職組の言うことに対して拒否をいたしませんでしたが、ただ外部の職組の連中が来て、たとえばこういう例がございます。七月二日でございましたか、公室長のところに行って、武崎氏がまず公室長の前へがんばって、しかも三、四十人で行って、そうして名刺を入れてあるあの箱をテーブルの上へたたきつけておる。そうしてあのメモを書いてある板を割った。そういうことをいきなり来てやるような職組にしたくない、いわゆる労働組合にしたくない。すなわち少くとも職組というものは、理論をもって、そうしてお互いが話し合っていくということが私たちの望ましいところであります。ところが先般私の方へ東京から来た職組の連中、この後にもおりますけれども、そういうような連中がとにかく公室長のところへ来て、職務執行の上に妨害を加えるようなことをあえてされては、市の執行者としてもまことに困るので、私どもは決して職組を弾圧したり、あるいは職組の活動に対してこれを忌避しようとか、あるいは威圧しようとかいうことは考えていません。しかしかなりあくどくいろいろなことをされますと、私は直接そういうようなことは考えておりませんけれども、われわれの下僚があるいはこれを間違ってとって、今中井先生の言われたようなことを言うた者もあろうと思うのです。しかし私の本心はさようではないということをこの際御了承を願っておきます。
  61. 中井徳次郎

    ○中井委員 いろいろと市側の御意見を伺うと、組合の方も名刺箱を投げたとかいろいろな乱暴があったといわれますし、組合の側に言わせますと市長さんががんばっておってちっとも会ってくれない、大会をやろうといったって場所まで追い出される、こういうことになると、どうも解決方法もなかなか私は困難のように思うのでありまするが、どうでございましょう、今の市長さんのお気持を伺えば、自分はそういうことをしたくないが、下僚がやるというふうなことでありまするならば、さっそくこれは、この職員組合とは何ぞやというようなことについては、市当局の皆さんでよく一つお話をしていただいて——そういう弾圧はしたくないとおっしゃるが、実はこれ以上の弾圧は私はないと思うのであります。直接の上司が弾圧したとか、そういうようなことはすべきでないと思いますので、よくこれは申し間かせていただきたいと思います。これを私は強く希望いたします。  それから議長さんに一つお尋ねをしたいのですが、やはり調停にお立ちになる議会として、これは当然の経過であろうかと思いまするが、その場合に先ほど海野君からも御開陳がありましたように、どうも家庭に帰ると家庭にまで議員さんや何かが来て、いろいろな話をなさっていくというふうなことについては、どうも議員さんの立場として私は少し行き過ぎのように思うのでございますが、その辺のことにつきまして議長さん、どういうお考えでございましょうか。
  62. 海野秀夫

    海野参考人 六月半ばから発生いたしました静岡市の紛争問題につきましては、われわれ議会といたしましても重大な関心をもっておったのでございます。それ以来正副議長等によりまして、いろいろその間に立ちまして、正式なあっせんとは申されないのでございますが、いろいろ早期解決を望んで私たては動いた次第でございます。先ほど市長等からも話がございましたが、七月五日あたりから外部団体、いわゆる自治労、県評、全逓、国鉄、県職、あらゆる外部団体が市庁合にすわり込み、あるいはジグザグ行進等、特に時間内にそういう事例がございます。そういう形でいよいよ様相は苛烈になって参ったのでございます。そこで七月の一日になりまして私は議長立場で金貝に御相談を申し上げねばならないということを感じまして、急遽連絡をいたしまして、十数名でございましたが、十数名の議員の諸君とその晩はおそくまで、十時過ぎまで市職の諸君からいろいろ事情を聴取し、あるいは今後のことにつきまして相談を申し上げたのでございますが、それ以来そういった事態が続く可能性が非常に多い。そこで七月の二十二日に私は全員協議会を招集いたしまして、全員協議会に諮ったのでございます。そこで議会といたしましてもここまで紛糾をいたしますれば、何とか議会のあっせんをしようと決意をいたしまして、全員協議会の了承を求めまして、それ以来、七月二十二日以後は、早期解決に向ってあらゆる努力をいたした次第でございます。その七月二十二日のあっせんの原則といたしましては三項目をあげまして、市職単独の交渉を行う。その場合要求の実現に協力する。闘争についての不利益処分を行わない。というような原則的な点につきまして確認をいたしまして、そういう原則の上に立ちましてあらゆる努力はいたして参っております。この市職単独交渉を行うという原則を打ち立ったというのは、これは観点が違えばいろいろ意見もあろうかと思いますが、議会といたしましては現在地公法で認められております職員組織、あるいは上部団体へ加入するとかしなくてもいいとか、いろいろそういう法律的な規定もございます。しかしながら先ほど申し上げましたように七月五日以来の非常に極端な行動というような事例あるいは法律的にも何ら違法でないというようなことで、この単独交渉という形を打ち立って、その原則のもとにわれわれは努力をいたしたのでございます。ただいま中井先生からは議員が非常に圧力を加えたというような話がございますが、もちろん私は議会の代表の立場でございます。交渉の対象というものは市職と市長市当局でございますので、その独立機関としてのわれわれの立場から申し上げますれば、あくまでも中間に立ちまして、あっせんの労をとるというのがわれわれの立場でございますので、終始そういう立場は堅持して参ったのでございます。中井先生のおっしゃるようにある特定の議員というような点は、これは議員等におきましても市の職員の保証人になっておるような方もあろうと思います。そういう立場で自分の保証人の責任においていろいろ今後のことを話し合うとか、そういうことはあろうと思いますが、私、議長といたしましては全然そういう問題には関与すべきでない、あくまでも議会としてあっせんの労をとるべきだという考えをもって進んで参ったのでございます。先ほど海野委員長からは中央委員会を招集したということの発言をされておりますが、もちろん職員組合におきます機関でございます。従いまして私は議長の名をもちましても中央委員会の招集権は全然ございません。もちろん執行委員長が権限を持っておりますので、私はいろいろ紛争を重ねております過程におきまして、市の一般の組合員の諸君には非常に真相が誤まり伝えられておると申しますか、市職ニュースというようなものを流しまして、一方的に考えておられるような向きも非常に多かったのでございます。そこで現在までの真相を聞いていただくには各部課の代表の皆さんに出ていただくように、そうしてわれわれ議会が三原則に基いてあっせんの労をとるに至った経緯、あるいは今後の考え方等を理解していただく、そういう機会を作ろうということで、各課の代表の皆さんに出ていただいたわけでございます。ああいう過程でございますので、たまたま出られたのは中央委員と同一の皆さんが非常に多かった。しかしあくまでも各課の代表の皆さんに出ていただいたのであって、私は中央委員会の招集の権限もございませんので、そういう方に出ていただいたのでございます。この点は御了承を願いたいと思います。
  63. 中井徳次郎

    ○中井委員 今いろいろとお話がありましたが、私お尋ねしたいのは、先ほどまでの御報告の中にも、また先般伺いましたときにも、たとえば市長さんや助役さんや公室長、そういうところへ伺うときにはここは私宅であるから会えない。市長さんはよくお会いになったそうでありますが、ほかの人はなかなかその辺は厳格であって、そういうところで話してもらっては困る。先ほどマージャンの話もございましたが、これはっけ足しでございましょうが、一方そういう態度でありながら、非常に弱い立場にある職員、これは団体を作っておるのは弱いからこういうものを作らしておるのであって、その個々人について権力を持っている市会議員が暮夜ひそかにたずねていって、いろいろな話をするというふうなことは、これは明らかに私は行き過ぎだろう、こう思うのであります。そこで保証人のお話等もございましたが、こういうふうに非常に激しい対立になりましたからには、これはやはり市会議員の常識として、職員団体と御交渉なさるのはやはり団体を通じてなさる、こういう慣例をお作りにならぬとこれは問題が解決しない、こう思うのであります。どうも全体を通じての印象は非常にそういう面でございまして、先ほど教育長さんからのお話では、何かなくなられました遠野さんの未亡人の録音をとっておる、かくのごときは初めからさあ来いけんかじゃ、録音もとっているというふうなところまできては、私は事態容易ならざるものがあると実は感ずるのでございまして、もっと堂々と話し合いをすべきものであろうこう思うのです、従って録音なんか私は断然聞きたくございませんが、どうも問題をこじらせ、こじらせていく、何か解決の努力の方向に向いておらぬ。それからもう一つ先ほどから外部団体のお話がありましたが、これはやはり静岡の市職は自治労に属しておるのでありますから、そういうものとの団体を結ぶこともこの公務員法にははっきり認められております。そういうものとの面会ということにつきましては、これは法律的にはどうしても会わねばならぬという強制的な解釈はないにいたしましても、日本全国の府県、市町村においてそういう交渉で自治労が来て会わなかったなどというものはないのでございます。これはこの間市長さんのところにおじゃましたときも申し上げて、その後お会いをいただいておるようでございまするが、どうもそういう点においてもこの問題をこじらせた一つの大きな原因があるやに私は伺いまするので、今の録音をおとりになったいきさつ等について、教育長さんから私は率直に心境を伺っておきたいと思うのでございます。
  64. 肥田米作

    肥田参考人 校長がとったという報告を聞きまして、そうして品物を届けていただきました。それだけでございます。
  65. 中井徳次郎

    ○中井委員 その校長さんが、承わると小使さんと非常に対立をしておった。でたらめを言うておきましたというようなことでは、どうも皆さんの両方の情報が平行線というような感じがいたします。どうぞきょうこの長時間にわたりまする問答の中で、皆さんの方もお感じになったことも私は多かろうと思いますが、十分その辺のところも私はお汲みとりをいただいて、この参考人の供述を有利に一つ私は展開するように希望いたしまして、同僚質問に譲ります。
  66. 門司亮

    門司委員長 加賀田君。
  67. 加賀田進

    ○加賀田委員 時間も相当経過いたしましたので、簡単に二、三の点をお尋ねいたしたいと思います。まず市長さんにお伺いいたしたいと思いますが、何としてもこの問題は、原因は地方財政の貧困である、引き続いて自主再建に基く残余の赤字を解消するという立場から出てきた問題であると思いますが、これは国会としても将来そういう問題に対してさらに努力しなければならないと思いますが、今亀山委員の御質問に対しまして、先般の国会でいろいろ論議されました地方公務員法の改正に基く停年制の制定に対して、やはりどうしても市長側としても作ってもらわなければならない、私としては当面五十五才が適当だという、こういうことでございましたが、これがもし停年制がしかれなかったら実質的にはいわゆる新陳代謝も不可能だという、こういう御意見があったと思いますが、この点に対しましては今もなお同じ御意見でありますか。
  68. 山田順策

    山田参考人 私は市の財政を担当しておりまして、年々歳々人件費がかさんでいく。そうして定期昇給というものは、これは当然のことでありますが、また管理職手当その他いろいろのことが中央政府からきめられて参ります。特に今回の中央政府においては給与の根本的の改革をいたしております。それに対するところの財政措置をする。そういうような点等考えてみますると、市におきまする財政措置というものはなかなか困難でございます。たとえば私の方におきましても当然九月の市議会へ提出しなければならぬと思うのでございまするが、おおよそ三千三百万円の半分、一千六百五十万円を予算へ計上する、そういうようなことに相なって参ります。特にそれらの財政措置をよほど考えてもらわなくちゃならぬと思うのです。しかし今日の場合はこれに対しては中央政府におきましては何らの措置をいたしておりません。しかもなお議員諸公はよく御承知のことと思いまするが、一千億の所得税を減税した。その減税のしわ寄せば一体どこへくるかというと、私の方はオプション・ワンでございますが、所得税の一五%は市税でございまして、しかも政府はこれに対して三・五上げて一八・五にしようといっております。しかしそれらを推算いたしましても、中央政府の一千億の減税によってわが静岡市は、三・五上げましてもおよそ三千万円以上の年額減収になる。こういうようなことをあわせ考えてみまして、なお人件費はだんだんかさんでいく、こういう点を考えますれば、一方においては若い人たちをでき得る限り職場に働いてもらおう、それには若い青年、大学を出た連中を少くともある程度本採用をして、そうしてこれらの諸君の将来の生活の問題、職場の問題も考えてやる必要がある。もしこのままでどうしても停年法がしかれないということになりますれば、私は地方の財政というものは全く人件費がかさんで、事業等の執行に当ってかなり困難を感じてくるのではないかと思う。そういうような点も考え、なお聞くところによりますれば、地方の起債というものは極度に圧縮をされるという情勢になっておるということをあわせ考えまするというと、どうしても私は六団体が要望しておるところの停年法を国会において制定してもらうということが妥当ではないかと思うのでございます。しかしその基準は、五十五才であろうとも、あるいは五十七才であろうとも、国会の立法の府にある皆さんのお力によって考えてもらう。もしこういうようなことをじんぜんとして日を送って、このままにしておくようなことがありますれば、私は五百一の市並びに町村等は、かなり今後人件費のために財政上の措置をとることにおいて困難を生ずるであろう。でありますから、ぜひ一つこの点は御検討を願いたい、かように存ずるのであります。
  69. 加賀田進

    ○加賀田委員 大体市長さんの停年制に対する御意見をお伺いしたのですが、先般の国会でいろいろ問題になって、停年制を含めた地方公務員法の改正は一応流れたわけであります。そういう結果からも、この勧告制度に基いて実際に五十五才の停年制のような方法が講じられるとするならば、逆に停年制というものはとる必要はないという逆論が私は生まれてくると思う。もしここでそういう形で停年制がまだ決定されてない前に、各自治体で今問題になっておりますように、実際には職員の全くの自由意思に基いてやめたか、あるいはある程度の強制的な内容があったかどうかということが論議の中心になるわけですが、そういうことでスムーズにある程度のそういう退職勧告というものが行われるとするならば、これは停年制というものを新たにしく必要がない結果になってしまうと私は思う。そういう形の中で、今度の問題がまず第一点として私は生まれてきたと思う。地方公務員法の二十七条では、法律に制定されていない以外で、個人の意思を無視して免職されることはないということがちゃんと規定してあるわけです。今度の場合に組合の方では、これは半強制的な勧告の内容を持っておると言い、あるいは理下着側の方では、全く個人の自由を尊重して、そうして自由意思に基く退職勧告だと言う。こういうところの見解の分れ目が今度の問題の焦点になっていくのじゃないか、こう私は思っている。そこで組合との関係なんですけれども組合のあり方に対してどうもなお私はいろいろの疑義が生まれてくるわけです。今市長さんのお話では、私企業の労働者と違って住民の公僕だからサービスもやらなければいかぬと言う。そういう点はよく理解できるのですけれども、しかし労働組合をなぜ作ったかということは、先ほど中井君が言ったように、弱い職員一つの組織を作って、その代表によって交渉して初めて市長さんと対等の立場というものが保障されるわけです。だから労働組合の自的というのは、やはり職員の労働諸条件を向上させたり、あるいは安定さすということが目的なのであって、住民へのサービスそのものが目的じゃない。サービスを通じて自分たち生活がよくなる、こういうのが自的だと私は思うのです。そういう意味で考えますと、この勧告を行なったやり方に、十分組合話し合いをしてやったのか、あるいは当初話し合いをしたけれども、途中でどうもうまくいかないので単独で職員を呼んで話をしたのか、これが私は対組合との問題の焦点ではなかろうかと思う。その点はどうなんですか。
  70. 山田順策

    山田参考人 これは厳格に申しますれば、もちろん市長の責任においてあるいは話し合いをするということでなければならぬと思うのですけれども市政の実態というものは、なかなか市長が一から十までいろいろな末端までこれにどうこうということはでき得ないので、大体の方針がきまれば、それぞれ教育に関する点は教育委員会があり、また本庁については公室長、その他各所管の経済部長なりあるいは総務部長なり、そういう人があるので、今度の七十五名のうち六十二名の退職につきましては、私はよりよき理解を持って退職をされたことと思うし、特にこれにつきましては退職特別手当として五割をとにかく支給する。それで特に一号俸を上げてやるというような、いわばかなり待遇といたしましては財政上非常にめんどうなときでもこの点については十分考えていく。なお今度の問題につきましては、恩給をとっておられる人を大体の基準といたしているのでございます。そういうような関係からいたしまして、私は一人々々に会って話をしてみませんから断言はできませんけれども、大よそ私は今日の常識によって市の理事者のやったことは、そう強制的に威圧的にやったとは考えられない。この点は私どもも決して労働組合のあり方についてこれを否認するとか、あるいはこれを弾圧するとか、あるいは労働組合の活動に不便を与えようというようなことは考えておりません。先ほど申し上げました通り、いろいろもう少し話し合いの場所を作って話し合えばよいではないかというふうに思いましても、このうしろに海野君がおりますけれども海野君等もいわゆる市の職組の副委員長であるならば、千四百の職員意思を代表して、これを交渉をするということであるならば、この点は私どもは了といたすのでございますけれども、間々これが外部の力で圧力を加えられて心ならずもその交渉の実態がかなりゆがめられた実態になるということを考えまするときに、まことに自分らといたしましては遺憾に考えておるのであります。今日私ども長い間政治をやりまして、その点についてはよく了承いたしておる。時代は違っても二十八年政治に力をいたして、その長い間政治というものが続くためには、私は慈悲のある政治をやろうということが政治の生命じゃないか、かように私は思う。それですから、その点はあるいは誤解されるかも存じませんけれども、どうかその点誤解する点があったらお直しを願いたい、こう考えておるのです。私自身は——私のことを言うのは非常におこがましいけれども、決してそういうような考えをもって今日まで政治の道をたんたんとして歩いてきたわけではありません。どうかその点一つ御了承を願っておきたい。
  71. 加賀田進

    ○加賀田委員 労働組合に対するいろいろなお話を承わったのですが、実は組合というものの見方に違った点があると思う。組合代表が職員全般の意見を代表していない意見を発表したとか、あるいは他の圧力に屈して組合員を不利益に陥れるといったようなことをやったというようなことが、もし理事者側にわかっておった、それが事実であったとしても、そのことをもって理事者側はそれを足正しようとして動きをすることは、私は不当労働行為という問題が起ると思う。もしそういう問題が起ったとすれば、それは組合内部の問題で、組合員がそれを是正するために将来どう動くかということは自主的にきめるものだ。労働組合の動きというものは自主的な動きであって、他から何らの干渉を受ける必要はないものだ。そこで意識が違っているとか、代表じゃないとかいうところに、特にこれは親切心でやったかもしれませんが、そこに問題の原因があるのではないかと思う。やはりそういう問題は、今申し上げたように組合を令部通じて、組合が大体勧告を了承するという段階まで話し合いを進めて、そうして組合が七十五名の人々にそういう事態になったからという了解を求めるという、こういう態勢をやはり作らなければ——組合が言うことを聞かないから七十五名を理事者が個々に呼んで、こういう状態であるから了解してもらいたいということであれば、何のために組合を作ったのかわからぬ。これは個人では弱いから組合を作ったので、それを個人に当るということは組合を無視する、こういう形が生まれてくる。だから理事者側が労働組合の慣行というものを、組合の自主性を全般的に認めた上に立って運営すべきだというように私は思う。だから七十五名を人事係長が呼んで個々に話をした、このことはすでに組合そのものを極端にいえば無視している。そこに私は原因が起ってきたのじゃないかと思いますがその点はどうですか。
  72. 山田順策

    山田参考人 その点加養田さんが言われることはごもっとものように考えられます。ただ私ども考えるのは、もうすでに遠野氏の問題は裁判になっておるのでございます。市は訴訟を起されてこれに応訴したわけであります。ですから遠野氏の問題は先ほど亀山さんの言われる通りもう済んでおることで、裁判によって黒白が決定される、こういうような問題であるにもかかわらず、これをいろいろと宣伝し、この問題を取り上げてどうこうと、こういうような点がいろいろわだかまっておるがために、ついにそれが職組と市の理事者との間に感情の行き違いが出てくる、これは人間のあさましさでやむを得ないと思う。こういう点は、私ども努めて考えなくちゃならぬと思うのです。あなた様の言われることはごもっとものように考えます。だがまた職組の方も、またこれの上級の組合も、もう少し指導の点について、私はよくわかりいいように、そうしてああいう直接行動のようなことは断じてしないというようなことでやっていただけば、これは円卓会議でいかようにもなると思う。常にまずすぐピケを張る、こういうようなことで市役所の市長室の前へ、廊下へすわり込みをやる、これでは私たちも納得できぬのですよ。だからもう少し新しい一つの方式で、この労働運動というものも転換するときが私は来ているのではないかと思う。だからもしこの方式をのみ職組なりあるいは県連なりが踏襲されていくとしたならば、私は労働運動の今後の発展ということは、とうてい望み得ないのではないか、少くとも市民感情によってこれがけしからぬというようなことになったら、一体労働組合というものはだれを対象として政治的に……。
  73. 門司亮

    門司委員長 答弁はなるべく簡単に一つ……。
  74. 山田順策

    山田参考人 まあそういうようなことです。
  75. 加賀田進

    ○加賀田委員 それでは荻野議長にちょっとお尋ねしたい。今市長さんに話した通りで、議会運営の最高責任者理事者と労働組合紛争の中に純然たるあっせんという形で出たか出ないかは、その形態によっていろいろ論議されると思いますが、たとえば今言ったような労働組合職場の代表とおぼしき人を集めて、幹部の報告と内容が違う、あるいはまた現在の幹部が、執行部が組合の正しい執行部じゃないというようなことを言って組合に干渉する、こういうような形で、実際組合運動あるいは労使関係の中に立って——あっせんというのは、双方の意見を聞いて、そうして双方歩み寄らせて円満に解決するというのが、あっせんの私は意味だと思うが、どうも聞くところによると労働組合だけを理事者側の意見に近寄らすというような努力をされたように見受けられるのですが、そういうようなことを議長として、いわゆる公務員法に基く権限としてなされていいのかどうか。それは権限であるのかどうか、その点お伺したいと思います。
  76. 荻野準平

    荻野参考人 先ほども申し上げましたように、私たち議会といたしましては、あくまでも両者の間に立ってあっせんの労をとる立場を堅持して参ったのでございます。加賀田先生の今おっしゃったような点、先ほど申し上げましたように、たまたま中央委員と同一の諸君に集まってもらったということにはなりますが、現在の情勢というものを認識していただくというような意味でお集まりをいただいたのでございます。毛頭先生のおっしゃるような考え方はございません。特に放送をいたしまして市の職員全般に理解をしてもらうというような手も私はやったのでございますが、これも先ほど申し上げたような精神でやったわけでございます。  これは、その時点におきます情勢をいま少しく申し上げたいと思いますが、たしか八月の六日だったと記憶しておりますが、いろいろの現象が積み重なりまして八月六日になったのであります。その当日は五日から六日にかけまして執行委員の諸君はかなり辞表を提出しております。十五人の執行委員のうち十一が辞表を提出されたというような現況でございました。そこで私はその皆さんに徹底を願うように申し上げる以前に、市の残られておる執行委員のごくわずかな者が正副議長に面会を求めて参りましたので、私は会ったのでございます。現在執行部の諸君は大部分辞表を提出されているようではないか——それは職場代表会議というようなものを持ちまして、そこでもって自主的な形で相談をしておった当時でございます。そこでそれに引き続きまして中央委員会といいますか、職場代表会議といいますか、そういう機関が開会をされておりますが、その当時はにすで十一人しかなかった。果してこれで市の職員組合というものの形態が整っているかどうかということに疑義があったわけでございます。しかしながらその問題は別といたしましても、市の職員の全般の皆さん方に、当時の八月六日の時点における情勢というものを、よく認識して理解していただくという立場で申し上げた次第でございましてあくまでもそういう中間に立ちましての考え方には変りはなかった次第でございます。
  77. 加賀田進

    ○加賀田委員 組合に対して解決への努力の動きというものはわかりましたが、それではあっせん者として理事者側の市長としてどういうような努力をせられたか、この点をまずお伺いしたいのです。それから市長さんに最後にお願いしたいと思いますが、七十五名の退職勧告者に対して、現在八名ほど拒否して残っておるというのですが、従来ややもすると残っておる者が白眼視されたり、あるいは不利益な取り扱いをされたりして困る場合が過去にあったので懸念してお尋ねするのですが、今後八名に対しては絶対そういうことがないかどうか御答弁を願いたいと思います。
  78. 山田順策

    山田参考人 八名の者に対して今後不利益な処分をするというようなことはないか、これはあるいは職組の方から情報が入っておるものと思いますが、残っておる者で、七十五人のうち六十二人退職したのでございます。そこで実際は六十七人ですけれども、あとの五人というのはみずから進んで、ぜひ退職させてくれ、それでその二人が係長であったのがみずから進んで係長をやめたのです。これは私がよく知っています。これは都市計画の紺野というのと、それから土木関係の小泉というのとで、私は非常に懇意にしております。これはほんとうに気持の上において、自分らは残ったのだから、係長の職におるということは、退職された南君にまことに顔向けならないから、係長の職を下げてくれ。しかし給料の点においては従来と同じようにやってくれということです。さよう御承知おき願いたいと思います。
  79. 荻野準平

    荻野参考人 加賀田先生の御質問でございますが、私たちが最初に市の当局に措置要望書という厳重な申し入れを行なったのは七月十三日でございます。それ以前には事態を注視しておるというような形をとって参りましたが、形に表わしたのは七月十三日でございます。その後に至りましては正、副議長においてもっぱら中間にありまして努力はいたしました。議会全般として議会の議決によってあっせんの労をとるという正式に動き出したのは七月二十二日以降でございます。記録の詳細にわたりましては、私は今持参しておりますが、回数等につきましても何回か両者の間に立って申し入れをし、あっせんをして参ったのでございます。なお詳細についてのプリントもございますので、必要があれば申し上げたいと思います。
  80. 加賀田進

    ○加賀田委員 今市長さんから現在起っている問題だけの御説明があったのですが、しかしこれは地方公務員法二十七条に個人の意思を無視して降任してはならないということになっております。そういうことが今後とも残った人にないと保証できるかどうか、これだけ言ってもらいたいと思います。
  81. 山田順策

    山田参考人 残っておる者には、あなたの言われる通りそういうことはいたしません。二人の紺野、小泉というのは、自分みずから、残った者に対して、まあ多少非難を受けるというような自責の念といいますか、どうしてもやってくれと言うのです。ほんとうにこれは本人が望んで係長をやめさせてくれと言うのです。
  82. 門司亮

  83. 北山愛郎

    北山委員 私は二、二、事実問題をお伺いいたしますから簡単にお答え願いたいと思います。  第一は、退職勧奨をやったわけですが、その際にどういうふうな話をして勧奨をしたのか、私の聞いているところでは、地方公務員法国会にかかっておる。これはおっつけ通るのだから、地方公務員法が通って法律で停年制がしかれることになれば、そのときになってやめると不利だから、今のうちに、勧奨の際にやめた方が得ではないかというようなことを言って、お勧めになったというふうに聞いているのですが、そういう事実があるかどうか。これは教育長さんでも市長さんでもよろしいからお伺いしたい。
  84. 肥田米作

    肥田参考人 教育委員会関係の話ではそういうことは出ておりません。ことに問題になりました遠野のことにつきましては、二つの職を——学校の方では臨時自転車置場管理人、生徒一人十五円、六百人で九千円、こういうことで話をし、それから水道の臨時要員ということを話しまして、納得づくでやっております。教育委員会に関する限り、地方公務員法がしかれるから、しかれないうちにやめた方が有利であるということを申した事実はございません。さよう御了承を願いたいと思います。
  85. 山田順策

    山田参考人 私は別にこれを取り扱ったものではございません。そういうような職を離れた人たちが私と会っておるわけじゃございませんので、そういうようなことは申しておりません。あるいは私たちの下の方の関係の者が、座談的にはそういうようなことがあるいはあったかもしれませんが、私においてはそういうことはありません。それを御承知を願いたいと思います。
  86. 北山愛郎

    北山委員 座談的にはあったかもしれぬということになれば、市長さんは、何かそういうふうなことを話したことをどこかで聞いているわけですな。退職勧奨を受ける者に対して、あなたの方の部局の人がそういうことを言ったことを覚えておるから、あなたは今のような話をされると思うのですが、どういう機会にだれが言ったのか、もう少し具体的にお話しを願いたい。
  87. 山田順策

    山田参考人 それはわれわれ市の理事者として、理事者だけでいろいろな話をするわけです。とにかく今度は五割の特別手当がつく、一号俸も上るのだ、今度退職する人はいいんだなあというようなことを座談的に——本人にはおそらく言わないだろうと思うのですが、われわれが部局の者と話し合ったときには、そういうような話も出たということをあなたに申し上げたわけです。
  88. 北山愛郎

    北山委員 そうしますと公式の場所において、たとえば議会とか、あるいは勧奨を受ける者のおるところとか、そういう場所において言われたことはない、こう確認してよろしゅうございましようか。
  89. 山田順策

    山田参考人 北山委員の言われる通りでございます。
  90. 北山愛郎

    北山委員 それでは何回ぐらい一体退職勧奨をなさったのですか。私の聞いているところでは、遠野という小使さんに対しては四回とかやったそうですが、本人の自発的な意思によってやめたらどうだということをお勧めするということになれば、これは簡単な話であって、本人意思を尊重するなら、こういう計画でこの際勧奨をするけれども、やめるかどうかを自発的な自分の意思できめろということなら、そんな何回も何回もしつこくやる必要はないと思う。四回以上もやっておるという話ですが、そういうことを言ったのですか。
  91. 肥田米作

    肥田参考人 自分の意思できめるということは、当然次の就職の問題、生活の問題が眼前にありますので、強制的でなければならないほど、ほんとうに親身になって、将来の生活相談者になるということであれば、無理なき程度において必要最小限度の話し合いは、私は必要ではないかと思います。
  92. 北山愛郎

    北山委員 何回ぐらい勧奨されましたか。
  93. 肥田米作

    肥田参考人 四回です。
  94. 北山愛郎

    北山委員 そうしますと、遠野さんばかりじゃなくて、ほかのやめる人に対しても将来における退職後の生活の問題、そういうことを市の当局なり教育委員会では御心配になるというお話をなさって、そういうふうに何回も何回も話し合いをされたということなんですが、そういたしますと、六十何名のやめた人に対してはどういうふうなお世話をなさっておるか、現況をお答え願いたい。
  95. 肥田米作

    肥田参考人 教育委員会関係三十名のうち残存者が八名でございます。八名がそのまま居残りました。中には、たとえば共済組合職員でございますとか、自転車置場等の係員にあっせんをしたとか、それから先ほどもお話がありましたが、親がやめて、そのかわりに子供を採用したという例もございます。
  96. 北山愛郎

    北山委員 数字的に、市の方で、あるいは教育委員会で総体として、退職勧奨でやめた人のうち、市の方でお世話なさったのが何名、いまだに仕事につかないでおる人が何名、そういうふうな数字のことをお伺いしたいと思います。
  97. 山田順策

    山田参考人 それは今教育長が言われた通り、六十七名のうちよその職場に使われないのは十二名だけでございます。それから今教育長が言われた親御さんがやめて、そのかわりに子供さんを使ったというのを全部ひっくるめて、六十七名のうち十二名が全然使われていない。しかしその人たちは市の職員としてかなり高給をはんでおった人たちで、生活は安定しておる人たちだけでございます。さよう御承知願いたいと思います。
  98. 北山愛郎

    北山委員 次に、退職勧奨の順序なんですが、二月の九日に十二名、六十才以上の人を勧奨しておる。そして約一月たってから、今度は五十五才以上ということで七十五名ですか、勧奨したのですね。なぜそういうふうにやったのか。初めは六十才以上十二名やったのですね、二月にやったのは。これは本人勧奨じゃない、あるいは組合との団交であるかもしれませんけれども、とにかくそういう計画であったのですね。次に一月たったあとでは五十五才以上七十五名というふうに変ったいきさつをお答え願いたい。
  99. 山田順策

    山田参考人 これは不敏にして私承知しておりません。
  100. 北山愛郎

    北山委員 しかしこれはいやしくも職員の整理といいますか、重大な——あなたは先ほど来市の財政上において老令者を整理をしなければ財政が立っていかぬというようなことから慎重に計画をされ、協議をされて決定をしたことだろうと思うんです。それを初め六十才が五十五才に変ったいきさつがわからぬということは、私はおかしいと思うんです。
  101. 山田順策

    山田参考人 私は大体最初から五十五才以上と記憶しておるわけでございます。今北山委員の言われる前に六十才だったということについては、私承知しておりません。いや、間違いました。大体六十才以上は臨時職員だそうです。そして五十五才が職員であったのでございます。その点目違いでございますから、どうぞ御了承願いたいと思います。
  102. 北山愛郎

    北山委員 それでさきの六十才以上のときには職員組合話し合いをしたのですか。次の五十五才、三月にやった場合にはいきなり各人に個別的に勧奨したらしいですが、それはなぜか、その理由を聞きたい。
  103. 山田順策

    山田参考人 この問題は大体人事係と公室長が本省では当っておりました。教育委員会では多分課長その他の職員がやっておられるように記憶しております。その経過、どういうふうに交渉したかという言葉、やりとりしたことを私は存じておりません。
  104. 北山愛郎

    北山委員 先ほど来市長さんは経過を非常にこまかくお話になったのですけれども、この発端になったこと、私の方の承知しているのでは、初めの十二名の六十才以上の勧告の方は、何か職組と話し合いをした。しかし決着がつかなかったように聞いているのです。次の五十五才以上七十五名のときは、個別にいきなりやったんだ。どうしてそうやったのか。初め話し合いをしたなら、次の七十五名の退職勧奨も、職員組合を尊重する建前からするならば、これはよそでもやっていることですが、いきなり各個人にやらないで、まずとりあえず市の財政その他から市としてはやむを得ない措置とするならば、なぜ職員組合とおやりにならなかったのか。この関係がどうも納得ができないのでお伺いするのですが、どうなんでしょう。
  105. 山田順策

    山田参考人 いや、それらのことも私承知しておりません。
  106. 北山愛郎

    北山委員 教育長さんは御承知ですか。
  107. 肥田米作

    肥田参考人 教育委員会としては五十五才以上を対象とするというところで取り上げたのであります。
  108. 北山愛郎

    北山委員 それで五十五才以上はなぜ職員組合に諮らないでやるようになったのか。これは普通の場合ですと、こういう場合も職員組合話し合いをしてやるのが、先ほど来の職員組合を尊重する趣旨からいえば当然だろうと思うのです。いきなり各個人にやったということは、そういう御方針を決定したのではないかと思われる。特に一月前に十二名の六十才以上という場合には、何か職員組合話し合いをしたように聞いているのですが、その事実関係がはっきりしない。肝心のところがおわかりにならぬのじゃ困るのですが、どうですか。
  109. 山田順策

    山田参考人 北山さんからの重ねての御質問でございますが、この点は私不幸にしてつまびらかにしておりませんですから、その点御了承願いたい。
  110. 北山愛郎

    北山委員 そうしますと、退職勧奨を各人におやりになる際に、あらかじめ職員組合と話をしてやるのが——先ほど来職員組合を育成する、今までもよく話し合ってやってきたんだ、こう言う市長さんの趣旨からすれば、私はいきなり各人に勧告を出すということはおかしいと思うのですが、市長さんはそのことについては、職員組合に諮らなかった、相談しなかったということについては、現在どういうふうにお考えになっておりますか。やはり適当でなかったんじゃないかと私ら思うのですが、どうなんですか。
  111. 山田順策

    山田参考人 六十以上の者は臨時職員であって職員組合に入っていなかったようでございます。それで五十五以上の者が職員組合組合員であるから、職員組合の方へお話しをしたそうでございます。
  112. 北山愛郎

    北山委員 私の聞いているのは、五十五才以上の退職勧奨の場合に、これはもちろん組合員が入っているでしょう、そういう場合に、各個人に勧奨をやるという前に、こういう事情であるということについて組合の方とお話し合いをした方が、今までの市長さんの方針から見れば、その方が当然じゃなかったかと思うのです。いきなり各人にやられたことが適当であったと思うかどうか。こういうことがやはり感情問題になるのですが、どうなんですか。
  113. 山田順策

    山田参考人 そういうようなこまかいことまで市長が承知しておるのが、あるいは職制の上から当然かも存じませんけれども、しかし今日の市政というものは、職制の上において分野がはっきりいたしておりますし、また市の仕事の上において非常に多くなってきているのでございます。前市長のときには助役が二人おりましたが、今日では一人です。また三課を併合して一つにしたというようになるべく人を節約して精鋭主義でやっておるのでございますから、あるいは私どもの下僚が、あなたの言われるように、一切を職組にお話ししたらどうかというような点については、ちょっとわかりかねるのでございます。さよう御承知願いたいと思います。
  114. 北山愛郎

    北山委員 時間もあとあまりありませんから……。この遠野さんの問題がこじれたのは、遠野さんの死亡、いわゆる勧奨を受けているうちに卒倒した。そしてそれが原因になって死んだ。これを公務死にしてさっとやれば、これはそれほどこじれなかったのじゃないかしらと私ら第三者として考えるのですが、なぜ公務死にされなかったのですか。これはどうしても公務死にはできないのだということなのか。私はこういう場合には、問題は確かにデリケートだと思うのです。しかし公務死にしたからといって違法なことをしているのではない。ことに市長さんの立場からすれば、やはり首を切り、やめてもらう、こういうことは本人にしてみれば忍びざるところですよ。それを勧めているその最中に多少ショックを受けて一ふだんから弱い人であったには違いないが、とにかくそれによって直接のショックを受けて死亡されたとすれば、法律の問題は別として人情からしても、公務死の扱いをしてもだれも市長さんを悪く言う人はない。なぜ公務死にされなかったのですか。私第三者の立場から考えると、問題をこじらせたのはそういうところにあるのじゃないか、こう思うのです。あくまでこれは公務死にできないのだという積極的な理由があれば、市長さんからこの際承わりたい。
  115. 肥田米作

    肥田参考人 公務死でないということの決定は、一応遠野氏の任命権者でありますところの教育委員会で決定いたしたものでございますから、私の方からお答えいたします。教育委員会では、初め経過を御説明申し上げましたが、遠野操氏が三月二十八日になくなりまして、午後一時から緊急委員会を開きまして、その席上、最後に立ち会いましたところの関係者から一部始終を聞き、さらに患者を収容して診察いたしましたところの静岡病院長より一部始終を聞いたわけでございます。そういたしましてこれは勤務中のできごとではあるけれども公務に基因する発病死亡じゃない、こういうことを委員会で決定をいたしたのでございます。その決定に不服である、その決定と見解が違うということが、今度の提訴のことであろうと思うのでありまして、問題は見解の相違と申しましょうか、委員会ではそう決定した、しかしながら、情におきましてはまことに忍びがたいものがありますから、さい、ぜん委員会のとった措置につきまして御報告申し上げましたが、公費をもってのことはできませんけれども、私たち誠意を尽してそうして哀悼の誠をささげたという点につきましては御了解をいただけるものと思います。
  116. 北山愛郎

    北山委員 私は、この問題を公平なる第三者という立場から見て、なるほどいろいろ事実問題、原因をせんさくしてみれば、いろいろ立場、見方があるでしょう。厳密に言うならば、そういう点では公務死というのは、ほとんど非常に限られた場合しか起り得ないのです。たとえば消防に作業自動車が行っておるときに、公務中に何かにぶつかって死んだというような場合でも、公務中ではあるけれども、直接に公務には関連しないということで、厳密に解釈するならば、公務死というのは非常に範囲の狭いものになってきやしないかと思う。私の気持としては、こういう場合においては、これを公務死としても通念上差しつかえないような事例のように思える。思えるが、委員会としてはそういう御決定だそうでありますから、その点はきわめて遺憾だと思うのですが、最後に、市長職員組合を育成するのだ、尊重するのだというお話ですが、承われば、あなたの部下である部課長は、組合員組合から脱退させるという方針を決議されたということがあるそうです。これは組合に対する非常な内政干渉だ、適当でない、こういうように思うのですが、そういうことがあるのかないのか、ありとすれば市長はどう思うか。
  117. 山田順策

    山田参考人 そういうことを決議されたということは承知しておりません。
  118. 北山愛郎

    北山委員 私の方としても、そういうことがあるように聞いておるので、もしありとするならば、市長さんとしてはどうお考えですか、仮定の問題ではあるけれども
  119. 山田順策

    山田参考人 仮定の問題ですから、私からここではっきりした答弁もできませんが、もし事態がそういうようなことで紛糾すれば、その場合においてまた判断を下さなければならぬと思います。
  120. 北山愛郎

    北山委員 その場合においてでなくして、そういうような事態がもしありとするならば……。私の方としては、ある特定の日に部課長会議を開いて、そういう方針を決定したということを情報として聞いておるわけです。市長さんはそういうことを知らぬというわけだ。ここでその事実を明らかにするわけにいきませんから——あらためて開くのもめんどうくさいから聞いておくのですが、しかし問題は、そういうことがあるとするならば、これがいいか惑いかということはすぐわかるはずです。そのときに考える問題じゃないと思うのです。今お考えができないということ自体が、市長さんが職員組合に対してどういうふうに考えておるかということを示すことになるのですが、一つはっきりとお答え願いたい。
  121. 山田順策

    山田参考人 北山さんの再度の御質問でございますけれども、前段申し上げた通りでございますから、その点御了承願いたいと思います。
  122. 北山愛郎

    北山委員 最後に申し上げておきますが、締めくくりではありません。時間が足りないものですから……。こういうふうな問題は、この全体を通じて見ますと——先ほど加藤委員は、こういう問題は地方の問題として自治体の内部で自主的に解決をさした方がいいのだ、こういうお話でしたが、しかしなぜ労働問題、いわゆる労使の問題というものが、労働関係のいろいろな法規あるいは地方公務員法、こういうもので、特にその従業員、職員の利益を守るために作られておるかということになれば、これは自由に放任しておきますと、使用者の方が強いのですよ。お前やめろといわれれば、いつでも首にならなければならぬ。使われておる従業者の方が弱いにきまっている。それでは今の民主主義の世の中ではいかぬから、地方公務員法が不十分ながらある、それから労働関係の法律があるんです。それからまたこの委員会でもこういうふうなことを問題にするわけなんです。従ってこの事件全体を見ると、どうも単純な問題を非常にこじれさしたということは、やはり対等の立場に立って当局交渉し、そして職員全体の利益というものを守る職員団体というものに対して正当な尊敬——尊敬とまでは言わなくても、正当な地位、その性質というものを十分御認識にならなかったんじゃないかというふうな疑いがあるので、その点は十分御注意をお願いしたいと思うのです。なお、そういう趣旨から地方公務員法ができておる。これはわれわれから見るならば非常に不十分でありますが、職員団体の規定であるとか、あるいは職員団体と当局との交渉であるとか、そういうことが公務員法で規定されておる、それがこのような事実によって公務員法の精神通りに守られていっていない。そこで自治庁の行政部長おいでですが、この問題などについても自治庁としては、この前の委員会のときにも黙って見ておるわけにもいかぬ、何とか処置をしなければいかぬ、こういうお話でありましたが、一体自治庁としてはどういう処置をなさったか、また今後なされるつもりであるか。公務員法の精神を守る、いわゆる公務員法に基いて必要な助言をするという規定も公務員法の中にはあるのですから、そういう立場から自治庁のお考えを最終的に聞いておきたい。
  123. 藤井貞夫

    ○藤井説明員 お答え申し上げます。本問題につきましては前に開かれました当委員会におきましても、御質疑等がございましてお答えを申し上げておいたところでございますが、やはり地方の問題とはいいながら、いろいろわれわれの方にも話の内容なりあるいは問題点というものが、耳に入っても参りまするし、相当の大きな問題であるということで関心を持って今日まで来ておったのであります。建前といたしましては、こういうような問題はなるべくそれぞれ地方的に円滑に処理されて参りますることが適当でございます。一々われわれがこういうような問題について口ばしを入れていくというような建前にはしたくないというふうには考えておるのでございますが、しかし相当長きにわたって紛争が継続をいたしておりまして、いろいろな点から世の批判も招いておるというような点もございます。これをそのままあまり長期にわたって放置をいたしておきますることは、自治庁の問題といたしましても、地方行政全般の立場から申しましても適当ではないということから、知事さんにもお会いをいたしまして、善処方について要望をいたしておきました。また市長さんにもお越しをいただきまして、いろいろ経過の御報告をお願いいたしまするとともに、事態のできるだけすみやかな、円満な解決ということについて御要望を申し上げた次第でございます。なお、先般若干事態の動きがございまして、先刻来からお話の出ております議長さんが特に中に入ってあっせんの労をとろうというような空気がありました際においても、私の方から特に議長さんにいろいろな困難はあろうけれども、そういう解決のきざしが若干でもある場合においては、そういうものを捨て去らないでやってもらいたいということを要望をいたしたような次第でございます。今後といえども今日のこのような機会を契機といたしまして事態が解決に向っていくということを祈願をいたしておりますけれども、われわれといたしましても、今後とも円満処理のためにできるだけの力を尽して参りたい、かように考えております。
  124. 北山愛郎

    北山委員 もうこれで済みますが、先ほどどなたかがお話しになったように、静岡県のものは土性件がない、退職勧奨を受けて六十人もやめてしまった、やめなければいいじぐないか、こういうお話があった。それほど職員というものは今日の社会情勢の中で弱いということなんです。そこで市長さんはよくお考えになる必要があると思う。今のこのようなケースをいろいろと総合判断してみると、職員に対してもなかなかしつこく勧奨をやる、それは強制でない、自発的だといっても、やはりある程度までいけばこれは行き過ぎになる、そういうことをやる、しかもそれを守ってくれる職員団体に対してもいろいろなあらゆる手段を使ってこれをくずしてしまうということになれば、今日自治体の中で働く職員の身分、利益というものは守れない、地方公務員法というものはそのためにできておるのにかかわらず、それが守られない、じゅうりんされるということになる。そういう点をよく自治庁としてもお考えになり、地方公務員法のこの中に多少でも生きておる精神を少しでも生かしていく、守るということをやってもらいたいと同時に、静岡市の当局方々にも、やはり職員というものはそれほど弱いものだ、なるほど地方財政の問題もあるでしょうが、何もそれを全部職員の方へしわ寄せをする必要はないのです。国の政治が悪くて赤字財政になる場合もあるのですから、先ほどのように国税の減税の結果市の収入は減る、そのしわもまた職員に持っていくというのじゃあまりに酷じゃないかと思う。そういう点を十分お考えになって、将来ともこの問題の解決について、やはり職員の自主的な組織というものを尊重されるという御方針弔民主的に運用していただくように最後に要望いたしまして質問を終ります。
  125. 門司亮

    門司委員長 私からちょっとこの際一つだけ聞いておきたいと思う。それは先ほどから問題になっております事件について、三橋参考人の発言の内容でありますが、この十二項目の内容について、市長さんはこれを一応そういうことがあったということを是認されるかどうかということをこの機会に聞いておきたい。
  126. 山田順策

    山田参考人 先ほど実はなれていなかったから三橋君の言うことをよく聞いておりませんが、簡単に十二項目を一つ言うて下さい。
  127. 三橋曠

    ○三橋参考人 項目だけ簡単に申し上げます。  第一点、組合事務所の立ちのき。第二点、市当局は自治協力委員をこの紛争に参加させたこと。第三点、消防自動車や消防団員をこの紛争市当局が多数動員したこと。第四点、市長の宅に自治協力委員や側近の一部の市会議員が数多く会合したこと。第五点、市議会議長組合の機関である中央委員会を招集したこと。第六点、梅沢委員長辞任の問題。第七点、当局は一部の市会議員や自治協力委員を使って執行委員辞任させるためにいろいろな脅迫的行為を行なったこと。第八点、市当局は部課長に命じて組合への不当干渉、介入を行ったこと。第九点、中央委員会に対するいろいろな不当労働行為。第十点、組合臨時大会市側が妨害したこと。第十一点、部課長会議で印刷した組合脱退届を配付した。第十二点、組合事務所内のマイクをつける放送電源を切ってしまった。大体以上であります。
  128. 山田順策

    山田参考人 組合事務所の問題でございまするが、この問題は市会においてしばしば問題になったのです。これは今度の事件が始まらない前から、市会においてしばしば議員からあの事務所を移転してもらいたい、そういう問題があのましてあの事務所を公会堂の方に移転するということにきめたわけであります。その点は御了承を願っておきたい。自治協力委員がこの問題に参加した。これは見ようによっては市の理事者がそういうように慫慂したというふうに解釈をされるかも存じませんけれども、自治協力会が市政の問題について常に熱意をもって検討をしておる。そういうような関係市政の問題に非常な問題が出てきましたから、それについて心配のあまり市へ集まってきた。決して市の理事者が窓通して集まってきたわけではないということを、この際はっきり言っておきます。第三点、消防車の問題でございますが、これは尤ほど申し上げました通り。それから第四点、市長の宅において会合した。私のところにおいてはしばしば会合をいたします。しかしながら三橋君の言われたようなことは私は聞いておりません。市会の問題は議長からお話があることと思います。梅沢氏の辞任についても私どもはどういう関係辞任されたかということは承知しておりません。執行委員に対して市会議員の連中が脅迫的態度をやったということは、私はよく承知しておりません。部課長に命じて不当干渉をしたかどうかということは、私は承知しておりません。臨時大会の件につきましては、不幸にして私はおりませんのでよく承知しておりません。脱退屈に対しての印刷についても私は承知しておりませんけれども、すべて職員の今回の行動については中央委員会が主となってやっておられるように仄聞しておるわけであります。十二の電源問題については、市長においては関与しておりません。
  129. 門司亮

    門司委員長 重ねてもう一つ聞いておきますが、今の中で不明確なのは組合の脱退届の問題ですが、これは市長さん御存じないということですが、このことは非常に大きな問題だと思います。組合員組合加入の自由、組合脱退の自由は認められております。それを、しかも職権を持つ職制を通じて脱退届を印刷して配られたということは、これは自己を冒涜するもはなはだしいと思う。そういうことを市長さんは御存じないと言われているが、あったとすれば、それらの諸君に対して市長はどういう処置をとられているか、同時にこれをお取り消しになるかどうか。
  130. 山田順策

    山田参考人 私は断じてありません。私が印刷してどうこうということは断じてありません。
  131. 門司亮

    門司委員長 私はあなたに、あなたがやったかとお聞きしているのではありません。あなたがやったと断定しているわけではありません。あなたは知らないとおっしゃるが、事実は配付されていると私どもは聞いております。また私どもはそれが事実だと思います。そうだとすれば、あなたの部下のそういうきわめて非民主的な誤まった大それた行動をされた人に対して市長としての職責上いかなる処置をおとりになるかということを聞いているのであります。市長としての立場を明確にしておいてもらいたい。
  132. 山田順策

    山田参考人 この問題は私どもよく承知しておりませんけれども、もしそういうものがあったとしたならば、これに対する処置はどうするか、こういうことですか。
  133. 門司亮

    門司委員長 そうです。
  134. 山田順策

    山田参考人 おそらくそういうことはないと思いますけれども、もしありますれば、十分検討して処置をいたしたいと思います。
  135. 門司亮

    門司委員長 それからもう一つ教育長さんにお聞きしたいと思いますが、教育長さんは、さっき遠野氏の遺族校長の話をテープレコーダーにとってある、必要があればここでかけてもよいというお話もありましたが、さらに委員質問に答えて、それは校長が勝手にとったのであって私は知らないというような御答弁のように拝聴いたしましたが、その通りでございますか。
  136. 肥田米作

    肥田参考人 その通りでございます。
  137. 門司亮

    門司委員長 それでは重ねてお聞きしておきたいと思いますが、こういうテープレコーダーをとるというようなことは一方的の、しかも権限を持つ理事者考えだけで私は定むべきものでないと思う。もとより本人の了解を得てあると思うが、これは発言の内容には非常に重大な関係が出て参りますので、これは将来証拠になるということになれば、発言する者はかなり白重して発言すると思う。従ってこれは当然私は当人の了解を待て、そうしてこれはどういうふうに使うのだという使い道までも明示した上でなければ、こういう行為はできないものだと私は解釈する。この点について教育委員長であるあなたはどういうふうにお考えになりますか。
  138. 肥田米作

    肥田参考人 その点については校長より聞いておりません。
  139. 門司亮

    門司委員長 今校長から聞いておらないというお話でございますが、そうだとすれば、このテープレコーダーは一方的にとられたものであると解釈しても差しつかえありませんか。
  140. 肥田米作

    肥田参考人 校長が了解を得たか得ないかということは聞いておりません。
  141. 門司亮

    門司委員長 事実がはっきりしないようでありますから、私はこれ以上は追及いたしませんが、これらの問題については十分今後検討の余地もあるかと思っております。  最後に参考人各位に、非常に長い間忌憚のない御意見の開陳を願いまして、かつ時間も非常におくれておりまして、食事もとらないということにつきましては、私ども委員会を代表して皆様に厚くお礼を申し上げると同時に、皆さんの述べていただきましたことは、本件調査の上に多大の参考となりましたことを、この機会に厚くお礼を申し上げます。どうもありがとうございました。  これにて散会いたします。    午後三時十九分散会