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今村委員 私は
長崎県の地元でありますが、
長崎県の
関係について承わりたいと思います。
ただいまの
報告その他では
九州六県にわたっておるようでありますが、一番
被害を多く受けたのは、
長崎県である。この
建設省の
報告書にも
大村、
島原というのが
中心のようになっておりますけれ
ども、実際その
被害を壊滅的に受けたのは
諫早市である、
諫早市がほとんど原爆にひとしいという
程度にやられておる、こういうわけなのであります。それから
建設省のただいまの
報告の中に
死亡それから
行方不明等の
数字が出ておりましたが、私は三十一日の十七時現在の
状況をちょっと
お話を申し上げますと、
死亡が六百二十六名ということになっております。これは
県警察の大体
調査でありますから間違いない。それで行方不明が四百六十七名、重傷が六百十二名、擬伍が二千九百三十八名ということになっております。ところがこれだけであるかと申しますと、まだまだ
有明海その他にはみ上自衛隊が出て、盛んに
死者を捜査しておる。私が来ます三十一日の午前に、
長崎港に
死者が三十何人かあげられた、こういう
状態で、
死亡、行方不明というものは、おそらくこれは私が見ただけのことを申し上げてもつまらぬと思いますけれ
ども、
長崎県の
諌早市は
長崎県における交通の要衝でありますから、それで二十五、六、七日、私が参りますまではまだ汽車も開通していない。
諫早長崎間はほとんど
鉄道線が破壊されておる。それから平州線といいます
有明海の内海を通って
諫早から
島原に出るあの線が、ほとんど見込みが立っていない。それから
棟早から
畠原市に行く里程で約十里の線が、
鉄道も
道路もずたずたにやられてほとんど自動車などでまだ連絡がとれていない。そこで自転車で走って連結をとる、こういうような
状況なのであります。ことに雲仙行きの
小浜温泉行きなどというのは、ほとんど
道路を破壊されて、現在につちもさっちもいかない、こういう
状況です。
大村も
鈴田川が大へんやられておりますけれ
ども、本来
諫早市の
本明川というのは、ほとんど川やらあるいは
水田やらわからない。上砂は流れておるし、
赤崎中心の苗はほとんど壊滅でありまして、ことに
橋梁のごときはほとんど破壊されて、
諫早市の重要な
四面橋のこときは、あのりっぱな橋が半分折れて流れておる。こういう
状態でありますから、問題は一番今
復旧を急いでおるというのは
棟早じゃないか。どこも必要でありますけれ
ども、一番壊滅的な打撃を受けておるのは
棟早ではないか。ことに
有明海に面しておる小野というところは、まだ家が浸っておる。浸っておるために
住民はほとんど屋根の上にしばらくおったというので、二十八日ごろに
海上保安隊の
ゴム舟艇で救い上げた。それで今すでにこの方面の
諫早市は赤痢が三百何十名か出た。
厚生省関係でしょうが、こういうようなものも大へんでありまして、家の全壊しておるものが二千二百三十二戸であります。それから
半壊状態に置かれておるものが六千九十三戸、一部破壊が四千六百七十九戸、それから
床上浸水が一万二千二十戸、
床下浸水、が二万八千五百八十戸という
状況になっております。それから
被害の額はそれぞれ見方によって違いもいたしましょうが、いやあるいはその他の
関係でやってここに現われておりますものは、
土木建設関係が百一億六千万円、こうなっております。それから
学校関係が一億八千万円それから
耕地関係が三十一億円、
農産関係十六億七千万円、
山林関係が三億九千万円、
畜産関係が一億三千万円、
開拓関係一億五千が門、
水声関係は非常に少くて一億円、
商工関係が二十七億六千万円、
民生関係四十億、それに
県営バスその他の
関係は一億九千万円、
電信電話その他の
用出の
施設に
関係せざる損害が、総額合せて三百三十七億、ただしこれは県その他の見積りでありますから、こちらからそれぞれ
関係官がおいでになってこの
数字がどういうふうに決定されるかということは、私はここではっきり申し上げておりません。ただ、今
建設省それから
自治庁のいろいろの
計画を承わって、まことに私ありがたいわけでありますが、しかし問題は非常に急を要するのではないか、こういうふうに
考えておるのであります。そこで
地方で一番要望しておりまするのは、普通の
交付税の繰り上げ、これはさいぜん
自治庁で決定されておるようでありますが、これをただいまの金額より以上にやっていただかなければならぬじゃないか、こういうふうに
考えるのですか、どういうふうにお
考えであるか。
それからまた
税金の免税でありますが、これが
財政収人の減は県だけ、一億七千万、
諫早のごときは
住民税が一億三千万円を予定しておるが、この一億三千万円という
住民税がほとんど取れないであろう、
税金は入らぬであろう、こういうことを市長などは言っております。このことを早く何とか
政府の方で手を打ってもらいたい、こういうことでありますが、これに対して適当な
方法その他の御意見、
対策があれば、はっきり一つお示しを願いたいと思うのであります。
それと
学校の
授業料その他も非常に減るのでありますから、こういう方に
関係すること、それから
長崎県は
再建団体でありますけれ
ども、さいぜん
自治庁の方では、
再建団体は今度の
災害に
関係のない
方法で
対策、方針を立てておると仰せになりましたからけっこうでありますが、これは
起債を大幅に広げてもらうか何かせなければいかぬじゃないか、こういうふうに
考えるわけなのであります。これに対して、実際現場を見ずしてこの
報告だけ見ると、案外
宅感が湧かない。われわれのように二十七日から
諫早その他の県内を飛び回って見ますると、これは大へんなことだという感じも起りますが、ただいま参りまして、こちらに現われております
報告書その他を読んでみると、案外にこれは気楽なものだなというふうな感じを持つにすぎないのでありますが、実際はもっと
報告どころではなく、大へんなひどい。ことに
諫早から品原の方面においては、ほとんど交通はいまだに杜絶しておる。この
復旧はとても簡単にはいかぬのであるというくらいに異日同音に言われて、おそらく
地方民というものは実際驚いてその復興に手もつかないという現状に置かれておることをよく認識していただいて、その上早く、その
対策はただ単なる
報告程度の
対策じゃなくして、実際早急に一つ上行に移ってもらいたいという希望が非常に強いのでもりますが、この問題についてどういうふうにお
考えであるか、こういうところも聞かせていただきたいと思います。
それから
雨量の
関係ですが、
長崎県の測候所あたりの責任者が
説明するところによりますと、大へんなもので世界一だという。
長崎県の測候所が始まって七十九年になる。この七十九年中に一番最大の
雨量というのは、一口に三百八十五ミリが最大である。ところが今度の
雨量というものは、これは雨垂といいましても、雷雨を伴いました大へんな
降雨があったのですが、これは十時間に約六百七十ミリ、それから一番ひどいときは
諌早、
大村の上に八時間に八百ミリという大
雨量であったから、その損害は推して知るべしでありましょう。
長崎測候所において世界一であろう――世界一であるかどうか知りませんが、資料をもってしても世界一である。相当の大
雨量である。しかも今までの大
雨量というものは五時間か六時間で一応雨がやむけれ
ども、今度の雨というものは梅雨前線が上空にあって二日間にわたってやったので、そのくらいの損害はくるべきでありましょうというくらいであります。まず一番ひどくやられているのは
諌早であります。この
報告書を見ると、
大村、
島原となっているようでありますけれ
ども、実際に大
被害をこうむっているのは
諌早で、
諌早市はほとんど壊滅
状態で、現在といえ
ども普通の家はわずかしかないという
状況であります。これに対するただいまの
報告を聞いておりますと、きわめておざなりの
対策でしかないじゃないか。この場合おざなりでなくして、もっと思い切って
対策を立てられるお
考えはないのか。総理
大臣も二十八日に上空からビラをまいて盛んに見舞の言葉、力づけをやっておられました。建設
大臣も二十九日かに
見えております。その他の方もたくさん
見えておるようでありますけれ
ども、問題は今日この暑いのにあれだけの
罹災者をどういうふうにするかというのが、地元においても非常に苦しんでいるような
状態でありますから、これに対する方針をもっと思い切って、法的根拠のみによらずして政治的に何とか
方法を立てられる意向はないか、
大臣が来ておられないので、皆さんに申し上げるというとは無理かもしれませんけれ
ども、これに対して単なる法的な、よそでこういうことやったのだから、これだけの
交付金をやるというだけのことではなく、その
被害状況が非常に深刻である。これに対してはそこに政治的な配慮をして、急速にこれを救済しなければならないという
考えを持っていただきたい。またそういうお
考えはないのか。それから農林の人は
見えておりませんから別問題でありますけれ
ども、
長崎県の
水田はほとんど大半が破壊されておる。これに対して
福岡県の方から水が引いたならばトラック五百台に新しい苗を持ってさらに植え直すということをやっておるようでありますけれ
ども、そんなことをしても大して米の収穫はない。それよりも
災害補償なんかで金をもらってほったらかした方が空しだというのが一般農民すべての
考えのようであります。農林
関係はきょうは
見えておらないようでありますから、私がそういうことを申し上げる必要はありませんが、ただ今日税
関係においては免税、いわゆる
税金が減ること、これをどうするかということ、それから
交付税を規定通りに早々と送るということよりも、次から次に何とか手を打ってもらわなければ、
諫早ばかりではありません。これは
島原市でもそうでありますが、
島原市には普通では行かれない。現在では、自転車などで歩いて連絡をとっている。やや電報電話が最近通じたといういうことでありますから、損害はまだ十分わかってない。本省あたりではいずれ行っておるでしょうが、損害というものははっきりわからぬのじゃないか。私は地元に落ち着いておって東京からの情報をもってもはっきりしないということでありますから、本省にはいろいろな通信網を通じてその情報をとっておられましょうけれ
ども、まだまだ十分じゃないのじゃないか。おそらく
死亡のごときでも、もっともっと増加するのじゃないかというふうに私は
考えますからして、一つそういう意味においてもっとはっきりした積極的なそしてもっと強い勢い衣持ってこの際
対策の方針を早く示してもらうことが、地元にとって一つの安心感を与えるのではないかというふうに思いますが、これに対して
建設省並びに
自治庁の
方々の御意見を拝聴したいと思うのであります。