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小林(與)
政府委員 福岡の問題が新聞をにぎわしまして、
自治庁といたしましても、特に県の公金が
関係をし、あるいは県の職員の綱紀の問題があるとすれば、これはほうっておけないので、とりあえず福岡県
東京事務所長を通じまして文書で報告を求め、なお
自治庁の調査官を派遣いたしまして、その調査の結果を実は待っておるのでございます。まだ公文では回答が来ておりませんが、電話で連絡がありました要点だけを申し上げます。電話でありますから、多少不正確な点があろうかと存じます。われわれといたしましては、主として県の公金がどういう形で扱われたかという問題に
重点を置いて調査を命じてございます。信用
組合と第一相互等の
関係につきましては、これは
自治庁の直接関与すべき問題でもなし、司直の方でお調べになっていることでございますから、その
関係よりも、まず県と信用
組合との
関係がどうなっておるか、ここのところを
重点に調査いたしております。その概況を申し上げます。
福岡県における歳計現金の扱につきましては、これは金庫銀行へもちろん原則として預け入れる建前になっております。金庫
契約によって、その一部は普通預金とし、他の一部は定期預金として扱うことになっておりまして、そうして普通預金は二億ございますが、この二億だけは絶対に動かさぬ。それからそれをこします定期預金につきましては、場合によっては定期預金を解除してほかの金融機関に預託することがある、こういう扱いになっておるのでございます。それで金庫銀行以外での金融機関の預託につきましては、これは現在の建前上出納長の権限になっておりますが、ほかの銀行に預託する場合には、何らかの形で知事部局と相談をしてやる。出納長の方から、有利な保管の必要上発議をすることもあれば、逆に知事部局の方から所管部の方へ、いろいろ県の行政の必要から預託を申し出ることもある。両方ありますが、いずれにいたしましても、出納長は何らかの形で知事部局と相談をして預託の手続をとる、こういう扱いにいたしております。その預託の条件も、機関は利率というものを一応基準にしてきめておりますが、その場合の
資金は、
先ほど申しました、金庫銀行へ定期預金として預けている金を解除して、その
資金を預託する、大体利率は、一般金融機関では四分、信用
組合では四分一厘という預託の条件をきめておるのでございます。
そこで、この福岡県の職員信用
組合でございます。その定款は、けさの航空便で送ってきておるはずですが、私はまだ見ておりません。これは中小企業等協同組分法による信用
組合でございまして、主として県下一円を地域にいたしまして、職員の信用業務をやるという建前をとっておるようでございます。勤労者その他のものの協同組織によって、これらのものに必要な金融事業を行うことを目的とする、大体そういう
考え方で、
組合員に対する
資金の貸付なりあるいは預金の受け入れなり、そういう仕事をずっとやることになっておるのでございます。これに
組合員が現在二千五百人ほどおるそうで、どういう者がおるか、そこも知りたいのですが、まだそこまではわかりません。福岡県
住宅協会が、
昭和三十年二月から
組合員となっておるという事実がございます。この福岡県
住宅協会とは何かという問題がまた
一つあるのでございますが、これは今ちょっと手元に定款がございませんが、要するに福岡県の
住宅対策の一環として、
一つは県市がやる公営
住宅があり、もう
一つは個人が建てて、
住宅金融公庫が
資金を貸し付ける個人の
住宅がある。ところが個人は、頭金がどうしたって二、三十万要りますから、その二、三十万の頭金の出せない一般の勤労大衆のために、何か家を作る方策がないかというので、県がいろいろ研究しまして、県も、これはたしか出資しておるはずでございますが、そこの
限界はよくわかりませんけれ
ども、
住宅協会というものを作りまして、そうしてこの
住宅協会が
住宅の建設について
住宅金融公庫から
資金の融通を受け、県が一部出しておる金をいわばそれの頭金に使って
住宅を建設して、一般の資力のない住民にこれを使わせる、こういう建前をとっておるようでございます。ところが
住宅金融公庫から入ってくる
資金が、事業の完成後に行われる等の事由でおくれたり、また
住宅協会自身が作るものの土地の買収費等のために、
資金がどうしても必要なのであります。そうしてその
資金をどうしたら獲得できるかということが、
住宅協会の
一つの問題だったようでございます。そこでこの
住宅協会が
先ほど申しました信用
組合にも加入いたしまして、どうせ一般勤労者の
住宅を作るのでございますから、そこでその信用
組合から
住宅協会に
資金の貸し付けを受けておるようでございます。
一つは今申しました金融公庫より融資されるまでのつなぎ
資金、それから土地の買収の
資金、こういうので三十年の十二月までに合計一億ほど融通を受けておるようでございます。これは一応電話の報告でございますが、一億九千四百万という数字がございます。それからなおこの
住宅協会以外にももちろん信用
組合は貸付をしておるわけでございます。そこでこの信用
組合に対する今度の県の預託の問題が起ってくるのでございますが、ただ信用
組合が
住宅協会に
資金を貸し付けるにいたしましても、信用
組合自体はそれほど
資金が必ずしもあるわけでございませんので、その場合に県から運転
資金として
資金の預託が行われるということが扱いとして行われておるようでございます。三十年度以前からも信用
組合の運転
資金として県からの預託が現に行われております。この三十年度につきまして、今申しました
住宅協会への融資するための
資金源として一億九千四百万という金額の数字を県から預託を受けておる、こういう事実がございます。その金額はその後大体県の方にまた償還されまして、現在のところ残っておる七千万は、まだ県の預託が行われておる、こういう報告でございます。それ以外の金額はそれぞれ
住宅金融公庫から金が入ってくれば県へ払い戻す、それから
住宅協会で土地を買っても、その土地に家ができて、処分ができればまた戻す、こういう式で戻したようでございます。大体信用
組合と県との預託の
関係はそういう
状況でございます。なお県はそもそもこの信用
組合だけに預託しておるのか、ほかの金融機関にどうしておるのか、そこらの点も私の方で気になりまして一応調べさしたのでありますが、これは金庫などにももちろん預託をやっております。たとえば商工中金であるとか農林中金に預託いたしまして、そうして農業経営の
資金なりそれから中小商
工業者に対する融資のための
資金源を与えております。この正確な数字はよくわかりませんが、これは数億に上っておるそうでございます。この精細な金額の内訳もなお調べたい、こういうふうに存じておるのであります。
それからなおこの衆議院の決算
委員会でも問題になったのでありますが、そういうものについて一体監査
委員というものがどう監査をしておったかという問題がございまして、その点
もとりあえず調べろといって一応調べさしたのでございますが、監査
委員は御
承知の
通り六月と九月に定例の出納検査というものをやって、その後随時やるという建前になっておるのでございます。そこで三十年度は、今問題になっておるのが三十年の十二月以降の問題でございまして、三十年度中はこの定例検査は大体六月と九月にやる建前になっておるようでございます。それで三十年度中にはその問題は起きませんが、三十一年度では月例出納検査で今の預託
関係のものを検査しておる事情がございます。そのときに監査
委員といたしましては、預託については預託期間が満了して監査しておりますが、歳計現金全般の運営問題として出納長限りでやっておるところが少し問題がある、もう少し県当局と相談をして預託すべきじゃないかというふうな
趣旨のことを、一部述べておるそうでございます。それからもう
一つは、ほとんど恒久的な
資金ならばむしろ
予算化する必要があるじゃないか。
予算の預託金としてはっきり預託したらどうだ。たとえば中小商
工業者や農業者に対しての融通を恒常的にやらなければならぬような
資金については、預託金自身もむしろ
予算に上げて、はっきり預託金として預託したらどうだ、こういう
意見を述べておるそうであります。本件、今問題になっているような問題につきましては、特別の
意見が出ておりません。
なおこれは当然三十年度の決算である程度のものはわかりますが、これは歳計現金の運用でございますから、当然決算面に必ずしも現われておりませんが、決算の審査の
状況も報告しろということを決算
委員会で要求されたのでございますが、御
承知の
通り三十年度の決算はただいま県会に出ている最中でございまして、県会でも決算の審査の認定がまだ終っておらぬそうであります。
自治庁といたしましてはとりあえず、知事が監査
委員の
意見を聞いて知事の
意見を付して議会へ出している決算書を送ることを要求いたしておりまして、これもけさの航空便で送ったそうでございますから、午後入手できるだろうと存じております。
とりあえず今まで電話で報告を受けた部分の
状況は大体以上の
通りでございます。なお詳しいことは
関係書類が全部検察庁の方へいっておりまして、的確なことは必ずしもわからぬと申しておりましたが、おっつけ文書で報告が参れば明らかになるだろうと思います。