○鎌田説明員 私担当の
課長といたしまして、ただいま水源地等所在
市町村に対しまして交付金を交付するということにつきまして、
関係地方公共団体間の
調整に今まで当って参ったのでありますが、非常に微力でありまして、いまだに御
指摘に相なりましたように
解決を見ておらないことは申しわけないと存じておる次第であります。
大体交渉の
経過をかいつまんで申し上げますと、昨年の四月にこの交付金、納付金法が通りましてから、私の方で一応
事柄の実態を明らかにしますために、大体地方公共団体が他の地方公共団体の区域内に水源地その他の水道施設をどれくらい持っておるかということを一応調べてみたわけであります。正確な数字は後ほど
資料を取り寄せて御
報告申し上げたいと思いますが、大体八十幾つの地方公共団体が百幾つの
市町村に水源地を持っておる、こういうことでございまして、そこでこの水源地等の施設につきまして、交付金法、納付金法を全面的に適用することの可否について
検討いたしたのでありますが、この点は冗漫になりますので省略させていただきますが、一応私
どもの方といたしましては、交付金、納付金法を適用するということにつきましては避けて参りたい。ただそこで現実に大都市の周辺で、たとえば大治の場合で約五万坪、あるいは庭窪の場合で九万坪の水源地を占有されておったということにつきまして、この二件につきまして私
どもの方で
関係地方公共団体に集まっていただいて、そこででき得べくんば財政的寄与をもって
解決していただきたいということで、その席上で私
どもの方から提示いたしました案がございます。その案は、大体大阪市並びに守口市は庭窪町に対しまして、また名古屋市は大治村に対しまして、それぞれの
市町村の区域内に所有しております水源地施設水道施設の全固定資産の帳簿価格の六分の一の額
——これは一応発電施設等についても、御存じのように多目的ダム等の
関係もございまして三分の一というような特例もあるので、そういう関連もありまして一応六分の一の額に百分の一・四を乗じたものをもって交付金の相当額として、毎年度交付することによって
事態を
解決していただきたいということで、この案を提示いたしたわけであります。それでそれぞれの地方公共団体の水道
関係の方々がこの案を持ち帰って、いろいろ
意見を述べた後にまとめた返答の大要を申し上げますと、
一つは、この水源地
関係の施設は、他の地方公共団体でも持っているところがたくさんありますのに、どうして大阪と名古屋だけがそういうものを出さなければならないのかということに対する御批判であります。それからもう
一つは、現にそういう水源地等を取得いたします際には、大阪市なり名古屋市なりというものは、過去及び現在において、それなりの財政支出というものをやってきておる。たとえば水源地の拡張というような場合には、補償金のほかにやはり何がしかの支出というものをやってきておる。あるいはまたその水源地に関連していろいろな土地改良工事などをいたします場合には、その工事についての負担金というものを支出しておる。その上にプラス・アルファで毎年々々こういうものを支出していくというようなことについてはわれわれとしても納得がいかないし、あるいはまた市会等に提案した場合において、すなわちこういうものを出す必要があるのかということになりますと、われわれとしても市会においていろいろ説明に苦しむ点があるというような
実情の訴えがあったわけであります。それで私
どもとしては、当初出しました線に沿いまして、あくまでも
推進していただくということでやって参りましたところ、庭窪の方におきましては、大阪市から水をもらいますと現在の水道料金の半額で庭窪の
住民が水が飲めるということで、大阪市からの完全給水ということで一応この問題を片づけたいと思う、こういうことでおっしゃって参ったわけであります。そうこういたしますうちに、あの大阪の庭窪については、御存じのように現在あそこに茨田上水道組合というものがありまして、この上水道組合の構成員になっておるのであります。そこでこの庭窪が抜けますことはそれに関連する寝屋川市の一部が抜けますので給水人口が半分になり、組合の存立が成り立たなくなるということを理由といたしまして、茨田上水道組合から、庭窪が抜けることには強い
反対の
意思を表明いたしたのであります。そこでこの庭窪に対しまして大阪市から給水をするという問題は断ち切れたわけであります。その断ち切れましたのが今年もすでに一月過ぎになってからでございます。そこでもう一ぺん問題を振り出しに返しまして、現在大阪市
——守口市は先ほ
ども説明がございましたように、この四月一日から庭窪を
合併いたします
関係で、いつでも金を出す。そこで問題は、大阪市は、大阪府なり守口市なりが出すなら出す、こういうことになっておりまして、問題は大阪市の態度いかんにかかっておるのでございまして、この点は私
どもの方でもう一押しやりたい、こういう
状況になっておるのでございます。
それから、大治村の方につきましては、先ほ
ども部長から話がございましたが、
最初名古屋市の方からの私
どもに対します御説明では、あすこに円楽寺井筋があるのでありますが、そこの土地改良工事の分担金として五百万円、そのほかの土地改良工事に対しまして
——あすこは水源地で、汚水が出るわけでございますから、その汚水にかかりますところの各種の工事に対します分担金といたしましてかなりのものを出す、こういったような
関係で、将来ともこの大治村との間に緊密な友好
関係を保持しながら
解決していきたい、こういうことに実は文書でお答えをいただいたのであります。ところが、その村の方に言わしめますと、それはとんでもないことで、この問題とそれとは別だということでございましたために、これは御破算にいたしまして、もう一ぺん名古屋市の方に、それとこれとは別だということで、庭窪の上水道問題と同様にやはり財政支出を考えていただきたい。これも近々私
どもの方でもう一押ししたい、こういう
状況になっておるのであります。
いずれにいたしましても、ただいま御発言がございましたように、この問題は早急に
解決しなければならないということで、私
どもも非常に苦心惨たんいたしておるのでございますけれ
ども、なかなか意のごとく進みませんが、できるだけ近いうちに責任を持って
解決したい、こういうふうに考えておりますので、もうしばらく御猶予をいただきたいというふうに考えておる次第でございます。