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1957-03-06 第26回国会 衆議院 地方行政委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十二年三月六日(水曜日)     午前十一時四十分開議  出席委員    委員長 門司  亮君    理事 亀山 孝一君 理事 鈴木 直人君    理事 永田 亮一君 理事 吉田 重延君    理事 川村 継義君       青木  正君    川崎末五郎君       木崎 茂男君    纐纈 彌三君       櫻内 義雄君    渡海元三郎君       徳田與吉郎君    丹羽 兵助君       渡邊 良夫君    今村  等君       大矢 省三君    北山 愛郎君       田中 稔男君  出席国務大臣         国 務 大 臣 田中伊三次君  臨席政府委員         内閣法制局次長 高辻 正巳君         自治政務次官  加藤 精三君         総理府事務官         (自治庁行政部         長)      藤井 貞夫君         総理府事務官         (自治庁財政部         長)      小林與三次君         総理府事務官         (自治庁税務部         長)      奥野 誠亮君  委員外出席者         総理府事務官         (自治庁財政部         財政課長)   柴田  護君         専  門  員 円地与四松君     ————————————— 三月六日  委員矢尾喜三郎君辞任につき、その補欠として  北山愛郎君が議長の指名で委員に選任された。     ————————————— 三月五日  停年制実施反対に関する請願北山愛郎君紹  介)(第一六七五号)  旅館業関係遊興飲食税改正合理化に関する請  願(平田ヒデ紹介)(第一六七六号)  所得税減税に伴う地方財源減収補てんに関す  る請願山下榮二紹介)(第一六七七号)  美里村役場庁舎建築事業費起債増額に関する請  願(荒舩清十郎紹介)(第一七四七号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  昭和三十二年度地方財政計画に関する件     —————————————
  2. 門司亮

    門司委員長 これより会議を開きます。  昭和三十=二年度地方財政計画について前会に引き続きまして、質疑を行います。亀山君。
  3. 亀山孝一

    亀山委員 昨年でありましたか、いわゆる三公社に対する固定資産税にかわる納付金制度ができまして、その後附帯決議によりまして、今回大臣の格別な御努力によりまして、いわゆる基地に対しまして、今回五億円の予算計上を見ましたことは、われわれまことに喜ぶところでございます。そこで今年度五億円、来年度十億円と聞いておりますのですが、これは相当期間続くものとわれわれは思っておりますが、その点につきまして、大臣のお考えをお伺いしたい。
  4. 田中伊三次

    田中国務大臣 この問題は、予算折衝の際の事情を申し上げると見通しの御参考になると存じますので申し上げるわけでございますが、私の方の要求いたしましたものは、三十二年度初年度より十億円を計上しろという要求をしておったわけでございます。財源の都合上三十二年度は五億にとどまりました。しかしながら次年度以降においては十億を予定したい。大体こういう意味を含んでおるわけでございます。そこで世に言われておるところによりますと、第一年度五億、二年度十億、それ切りなんだ、三年度以降においてはやらないのだとは言わぬけれども、約束はないのだというふうに伝えられておるようでございますが、そういうことでは、この制度を作りますことに意味がないと考えますので、将来も十億円は少くとも継続をするもの、こういう確信をもって初年度五億円を計上したような事情でございます。
  5. 亀山孝一

    亀山委員 ただいま田中大臣の御答弁ではっきりいたしたのでございますが、そうなれば、これに関しては、私は現在の予算措置のみでは不十分であって、法的の根拠を与えなければならぬと思うのですが、その点につきまして大臣の御所見一つお伺いしたい。
  6. 田中伊三次

    田中国務大臣 この法的措置を講じなければなるまいという御所見には、私も同感でございます。そこで具体的に申しますと、どういう法律的措置を講ずべきかという問題でございますが、御承知国有資産等所在市町村交付金というものの法律がございます。その国有資産所在市町村交付金法というものの本則の中にこれを入れまして、この法律に基く国から地方に出しております交付金というものに準じて、これを交付するようにすることが筋であろうと思うのでありますが、計算のやり方においてもいささか異なる点もあるということで、少くともこの法律附則改正いたしまして、附則中にこれを織り込む、そうして本来のこの交付金法に基きます交付金に準じて一定の率を定めて、はっきりした計算基礎の上に立って交付金が出せますように措置をすることが、事柄の筋から当然のことであると存じますので、私の考え方も、どうでも法律改正、この既存の交付金法改正、そして附則にこれを織り込む、この方針はあくまでもやっていきたいものである、こう考えまして、目下政府の部内におきまして、せっかく意見をとりまとめるために折衝を重ねておるという段階でございます。
  7. 亀山孝一

    亀山委員 その問題につきましては、自由民主党の地方行政部会におきましても、今大臣の御所見通り、われわれとしてはどうしてもこれが継続して、この納付金制度ができます以上は法的の根拠を与えなければならぬ、法的の根拠を与えるのには、今の予算ではあるいは困難であるかもしれないから、今御指摘になりました、昨年できました国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律、これの本則に入れるのはあるいは無理かもしれぬけれども、附則にはどうしても入れなければならぬ、こういう主張をして参ったのであります。ところが伝えられるところによると、大蔵当局においては、これを今年度法律にしない、立法をしない、こういうようなことを聞いておるのでありますが、これはわれわれとしてはまことに意外千万でありまして、こういうようなせっかくの大臣基地に対する思いやりが、単なるつかみ金程度観念をもって終ることは、これはわれわれとしては絶対に黙っておれぬ問題であります。そこで、われわれとしてはぜひこれに法的の根拠を与える。法的の根拠を与えるとすれば、今大臣のおっしゃいましたように、国有資産等法律附則改正が最も妥当であると思うのです。それが今伺うと交渉中であるということでありますが、これはうまく参る見込みでございますか、それとも大蔵当局主張のごとく、法の根拠を与えずして、予算だけの措置として終るような形勢でありますか、そのお見通しをこの際繰り返してお伺いしたい。
  8. 田中伊三次

    田中国務大臣 つかみ金でしんぼうしろ、この財源計上がいつまで続くかわからないというような考え方に立ちます意見が、政府部内で、大蔵とは申しませんが、一部にございますことと、それから私の方では、つかみ金的な金は要らない、そういうものはちょうだいをしてみても、各地方団体で、毎年々々の当初予算を組むときに予算組みようがない。率をきめて坪数を掛ければ、そこに一定交付金額が想定できる、こういう建前のりっぱな交付金が、小額といえどもいただけるということになるならば、各自治体においても当初予算にこれを組み込んで、いわば地方財政の安定、確定をする方針に持っていく、不安定な状態で、幾らくれるかわからないが、ちょうだいをしてから追加予算を組むなどという行き方をしなければならぬものでは、まとまった財源にはならぬ、こういう考え方に私の方は立っておりますので、そこで折衝をいたしておるわけでございますが、この五億円の初年度だけ閣議決定で、内容的には自治庁意見に従う。だから、法律の形式はとらないで、初年度だけ、どういう形になるか、まあ五億円の金額の範囲内において閣議決定でやってみてはどんなものだろうかという、必ずしも法律を作ることを否定をしておるという意味ではないのでありましょうが、そういう熱心な意見が、もっともらしい理屈をつけました意見が内部にあるわけであります。そこで、それはいけない。この五億円のあり方に、そんなにむずかしい試験期間を置いて適用をやってみなくても、これほど開催な内容のものはないじゃないかという意見を言っておる最中であります。そこで見通しは、一言に尽しますと、今のところは、理屈は私の方の申しますことに傾いておるわけでございますが、実際の面となりますと、ちょっと見通しが今日は立ちかねておる。しかし予算もすでに相当程度の審議が進んでおる現状でございますので、見通しが立たぬということでは事が済まぬから、今明日のうちには何とか見通しを立てたい、こういう考え方でせっかく折衝をしておる実状であります。
  9. 亀山孝一

    亀山委員 先ほど大臣もおっしゃったように、これは相当継続して支給すべきものであるというような御了解があったということを伺っております。そうなれば、これは当然私は立法措置をすべきものだと思います。それをつかみ金のごとき観念でこの予算を組まれたということであれば、これはゆゆしき問題であるが、そうでないということであって、しかも立法措置を講じないというのはどうもふに落ちない。今大臣がおっしゃったように、これはつかみ金ではない、相当期間継続するというならば、当然立法措置を要すべきものだと思う。それでその配分の率については、あるいはことし一年というものは、先ほど申し上げました国有資産等法律の本文に入れることはむずかしいことでしょうが、附則に入れることは当然だと思うのです。私はこの際法制局長官出席を求めて法的な解釈も開きたいし、同時に、今大臣法的根拠は要らぬという熱心な意見があったと言われますけれども、政府部内にそういう意見があるということはふに落ちない。こはれ当然基地に対する固定資産税にかわるべき納付金なんです。それならば当然これは立法措置を要すると思うのです。私は至急法制局長官の御出席を求めて、それの来られるまで質問を保留いたしますけれども、われわれは基地交付金の問題をあれほど熱心に出張し、また関係者もこれを要望しておられるのです。また自治庁長官としてもこれまで熱心にやられたものがつかみ金で終るということは、われわれは絶対承服できません。大臣に、その点はあくまでもがんばれるという御気概があるかどうか、この際お伺いしておきたい。
  10. 田中伊三次

    田中国務大臣 御意向の線に従いまして、あくまでもこれを貫徹することに努力苦心を払って参りたいと存じます。
  11. 亀山孝一

    亀山委員 もし大臣の御主張が破られた場合には、われわれは議員立法をするということがあるかもしれませんが、それに関して大臣はどういうお考えでありますか。
  12. 田中伊三次

    田中国務大臣 これはどうも私の口からは申し上げにくいことでございまして、議員立法をおやりいただくことには賛成であるということは、どうも立場上申し上げかねることでございますが、しかし何さますでに予算が今明日のうちに衆議院を通過するというような重大段階にきております。予算の柱は立っておるわけであります。その予算を実行する方法閣議決定によるか、法律によるか、これは似たようなことに聞えますが大へん違うことなのであります。法律に基けば、廃止にならぬ限り、再来年以降の問題は知らぬなどということは大よそ言えないこととなるわけであります。そこで重要な意味を持っておりますので、予算の裏づけをなす法律でありますが、予算はすでに柱が立っておる、こういう事案でありますから、これを議員立法としてあくまでもやるという御主張に対しましては、私はどうもここで賛成をするということを申し上げかねるけれども、反対をする根拠はどこにもない、こういう答弁でお許しをいただきたいと存じます。
  13. 亀山孝一

    亀山委員 今大臣は、柱を立てたとおっしゃいますけれども、この柱というものはほんとうに根がない往なんです。こんなあやふやな柱を立てられても柱とは言えないのです。そこでこれ以上大臣に追及申し上げるものもなんですけれども、これはおそらく与党のみならず、社会党の皆様も同意見だと思うのです。従ってこれは大臣みずから大蔵当局あるいは政府側折衝されまして、われわれのここで申し上げる希望が達成されますよう、言いかえれば法的措置を講じて、これを相当の期間継続する態勢をおとり願うことを、ぜひわれわれは要望申し上げたい。  法制局長官が見えるまで、ちょっと保留いたします。
  14. 北山愛郎

    北山委員 ちょっと関連して。この問題は従来自治庁長官から国有資産等所在市町村交付金についての法律附則改正をしてやるのだというように了解をしておったわけであります。ところが今のお話ですと、その点がまだあやふやできまらないということなんですが、この予算最終段階になってきて、そういうことでは、ちょっと私らは困るのじゃないかと思う。私も昨日予算委員会で聞いてみようと思って、時間がなくて実は聞けなかったのです。そこでお伺いしたいのは——まあ予算書を持ってきておりませんのでお伺いするのですが、今度の五億円の交付金予算上は一体どこに置かれておるのか。それから今の国有資産等法律、これに基く交付金というのは予算上はどこに置いてあるのか。何か区別して交付金は別のところに置いておるのじゃないかと思いますが、その点はどうですか。
  15. 田中伊三次

    田中国務大臣 この国有資産所在市町村交付金法律に基きますものは、国有となっております資産関係交付金というものを従来から扱っておるものでございまして、このたび対象となっております全対象というものは、いずれも本来から申しますと、この交付金法交付対象となるべき筋のものなのです、同じものです、何にも区別するところはないものです。それをこの法律を一昨年に作りましたときに、この法律対象からははずしておる。そういう結果、なぜはずしたのだ、おれたちの方にも同様に金をよこせということが、この地方自治体の有力な意見となって合理的に台頭をしてきた筋であると考えております。従ってこれは区別をする理由はないのでありますけれども、御承知通りに、私の微力のいたすところから、結局予算初年度は五億となり、次年度は十億ということに大体の見通しがついておるものでございますから、そこでそれらを対象にして金はじき出すといたしましても、その基礎となるべき基準価格というものの押え方が変ってくる、こういう事情がありますので、これを本則には入れないで、附則の中に入れて、これに準じて一定金額に見合う率をもって、これをきめていくようにしようという努力がこの附則に持ってくるようになった事情であります。そういう事情でありまして、さらにこまかい技術的な面につきましては、ただいま税務部長出席しておりますから、部長より詳細説明をいたきせます。
  16. 奥野誠亮

    奥野政府委員 予算は一応大蔵省所管計上されておりまして、総則の規定で移用できるということになっております。従いまして決定いたしました場合には、自治庁所管に移しかえをするというような方法が講じ得るように措置されております。
  17. 北山愛郎

    北山委員 たしか大蔵省所管助成金というような名目になっておるのじゃないかと思うのですが、予算総則かなんかで自治庁の方に移しかえができるということになっておりますか。
  18. 奥野誠亮

    奥野政府委員 予算の費目は国有提供施設等所在市町村助成交付金ということになっておるわけであります。移しかえにつきましては全体的に移しかえが可能だということになっておるわけでありまして、大臣の非常なお骨折りであの金額がきまりましてから後に調達庁の方から多少自分の方の所管にしたいという希望があったやに聞いております。そのようなことからさしあたり大蔵省所管計上するというようなことになった経緯がございます。
  19. 北山愛郎

    北山委員 そうすると、問題は、今の予算計上されておる状態から見て、この国有資産等法律附則改正で技術的にやれるかどうかという点であったのです。ただいまのお話でこの法律附則改正で、しかも予算とは矛盾しないということがわかりました。
  20. 鈴木直人

    鈴木(直)委員 関連してちょっとお聞きしておきます。この問題は国有財産等交付金納付金法律制定される際に、そこの中に入るべきものであるけれども、手続上において相当おくれました関係もあって、その次の年度からは実行するようにという衆議院附帯決議、参議院の附帯決議がございまして、それに基いて、たとえば与党といたしましてもその精神を受け継いで、政務調査会あるいは党議において、そういう趣旨による決定をいたしてあるわけであります。従って五億円につきましても、政府がそれを決定される際におきましては、おそらくそれ以外の党の方針というものはなかったはずでありますから、それと違った趣旨政府決定というものが実は考えられないわけであります。五億円がきまりましたときに、大蔵大臣自治庁長官との最終的なお話し合いがありました際にも、大体そういうような方針のもとに決定したように私たちは了承いたしておるわけであります。その後になりまして法律制定という段階になってから、今のようなあやふやな問題が事務当局の間において大蔵省から出てきまして、たとえば大蔵省事務当局の強い意見等大臣も動かされて、そうして最初にきまった方針があやふやになりつつあるという経過と私は考えておるわけであります。予算をきめる場合においては、一応そういう方針のもとに、内閣におきましても党においてもきまっておったのが、それがいよいよ予算措置においても今答弁になったような方法でありまして、それは了承はいたしてあるはずでありますが、その後法律制定という際になって、大蔵事務当局が強くそれに反対をする、また自治庁事務当局は太刀打ちがなかなかできない。そうして両大臣に移されるというと、これまた両大臣の間にそれぞれ事務当局精神が乗り移って、大臣の間においてもなかなか相一致しない。何か今度は妥協的なことでも増えて、そうしてそれを調達庁の方にでも持っていくということになる。しかしそこには妥協がないはずなんです。既定方針通り自治庁長官としてはやってもらわなければならぬ問題だと私たち確信をしておるものであります。でありますからこの際には自治庁長官は、内閣閣僚同士だからというような友情的な考え方を捨てて、そうして基本的なやはりあり得べき方針一つどこまでも堅持をきれて、既定方針を貫いていただきたいと考えておるような次第であります。この点を特に一つお願い離し上げます。
  21. 田中伊三次

    田中国務大臣 最初のいきさつがありましてその方針を貫きました結果、金額においては意に満たざるところはありますが、とにかく初年度方針として五億が決定をし、次は十億というところまで話をこぎつけたという事情がありまして以来、法律に基く率を定めたり、交付金としてきめてないものを法律に基くものとして出したいという方針は、前も今日も私の方は一歩も譲歩をしておる事実はないわけでございます。閣議の席におきましても、また閣外の協議の席におきましても絶対に譲歩をいたしません結果、一厘も退歩をいたしておりません結果、総理の発言によりましてこれは内閣官房において調整を行うことが適当である、いつまでたっても対立をしたまま動かぬものでございますから、調整苦心が払われておるというような事情にあるわけでございます。あくまでもただいま御意見を承わりました方向に従いましてやっていく考えでおります。
  22. 門司亮

  23. 田中稔男

    田中(稔)委員 申すまでもなく一国の民主政治というものは、地方自治が健全に発達するということにかかっておるのでありますが、往々にして地方自治体少数ボスによって聾断されておる事例が伝えられておるのであります。ボス町ボスの市というものはずいぶんあります。ここに私が御質問申し上げたいのもその一つ事例でありますが、実は福岡県の山門郡瀬高町下庄矢部川二丁目及び大竹両部落にまたがる用水路の問題であります。この用水路は本来は灌漑のための水路でありましたが、その後農耕地が漸次市街地になりまして、その用途は今はなくなって、むしろ下水の排水路及び防火用水路として重要な役割を持っておるわけであります。こういう水路町議会の議を経ずして、少数有力者が勝手に埋め立ててしまって、付近住民が非常に困っておる。これは非常に古いことでありまして十年来の懸案であります。最初に問題が起りましたのは昭和二十四年ごろ少数有力者から払い下げの要望が、町当局及び町議会にあったわけであります。その後町長が四人かわって今日に至っておりますが、その間いろいろの経緯がありましたが、ここでその詳細を申し上げることは省略いたしますが、昭和二十九年に至って三小田才太郎という人が勝手に埋め立ててしまった。そういう事態に直面しまして村民もいろいろ騒ぎ出した。そうしますと、昭和三十年一月阿部町長というのが就任しました直後、町議会土木委員長の橋本という人が有力者側と相談をいたしまして、一つの案を出したのでありますが、それによりますと坪当り百円で払い下げる、こういうことであります。その当時の評価としましても、まあ少くとも坪当り一万四、五千円はする土地であります。それは埋め立てるために費用もかかりますけれども、そういう安い値段でこれを払い下げるということに一応試案を作ったわけであります。それはもちろん町議会の議を経たわけでもない。地元折衝しますと、やはり地元との話し合いができない。そうこうしておりますうちに、かねて話をつけようということで中に立つものがありまして、——中に立つものというのは、町議会土木委員の諸君でありますが、これが埋め立てを希望する少数有力者から六万円の金を出させて、その付近部落の人に、それは飲み食いをしても何でもいいから一つこれで目をつぶってくれ、こういうような一種の買収行為だと思いますが、それをやろうとしましたが、これもその部落の中での少数有力者がこれに応じるという意向を見せましたが、もちろん全住民はこれに反対した。そういうふうなことで、今日までこれが片づかない問題になっております。住民の代表は町議会にもちろん当り、また県にも当りますけれども、きっぱりこれが解決しない。そこでたまりかねて行政委員会委員長に書類が来ておりますが、私どもにも参りました。もちろんまだ大臣御存じないし、自治庁としても御存じないと思いますけれども、そういうことを放置いたしますと、やはり地方自治の民主的な運営というものがじゅうりんされる、地方自治の健全なる発達が阻害される、ひいては一国の民主政治の健全な発展のためにも暗影を投ずると思うので、事柄はこまかい地方の問題ではありますけれども、同僚議員の御理解も得て、田中大臣部下に命じて詳細に一つ調査をしていただきたい。適当な措置が行われますように御配慮を願いたい。きょうここで何か御見解を、即答をいただくわけじゃありませんが、質問の形を借りまして、こういうことを御要望申し上げておきます。
  24. 田中伊三次

    田中国務大臣 せっかくの御発言を拝聴いたしますと、容易ならざる事態であると存じますので、さっそく部下に命じまして現地を詳細に調査をすることにいたしまして、その善後措置につきましても、あらかじめ御意向を伺うことにいたしたいと存じます。
  25. 田中稔男

    田中(稔)委員 今の大臣の御答弁は満足であります。どうぞそのように御措置願いたいと思います。
  26. 川村継義

    川村(継)委員 きょうこの資料をいただいたのですが、財政計画の特に歳出の面で大きなウエートを占めておる給与費の問題でございます。もっともまだ十分それを見ておりませんから、また後日お聞きせねばならないと私は思いますが、一つ二つお聞きしたいと思います。一般職員及び義務制以外の教員の給与費の中で、県庁職員等臨時職員の分はどういうふうになっておりますか。財政部長の方から御説明をいただきたいと思います。昨年度財政計画の中には、臨時職員給与として七十四億二千六百万円が計上されてあったと思うのです。ところが臨時職員給与については、各地方団体で、特に府県関係ではその後いろいろ問題を投げかけて、給与関係の上から非常に問題をかもし出しておるようであります。つまり臨時職員といいましても、一般職員と同じ場所で、同じ机を並べて同様な仕事をやっておるわけでありますが、これが結局臨時職員なるがゆえに日給制になっておるとか、あるいは勤務地手当、家族手当というものが出ていないとか、そういういろいろな問題を聞くわけであります。臨時職員に対する身分ということについても、これは自治庁としては十分考えていただかなければならぬ問題があると思っておるわけですが、臨時職員の中にはあるいは五年、長きは十年にわたってそのままの臨時職員として仕事る続けてきておる職員もあるわけであります。これは地方公務員法の関係からどういうように身分というものを取り上げていくのかという点につきましても、今後いろいろ検討しなければならぬ問題が残っておると思います。ところが私が今ここでお聞きしておりますことは、昨年度七十四億二千六百万円というものが計上されておるのだが、本年度は一体どういうことに考えておるだろうかという問題であります。昨年のことでありますが、地方財政計画の中に七十四億円あまりに見合う臨時職員の数の中には、公共事業に従事しておる臨時職員対象外にされておったのではないかと聞いております。そのような臨時職員、つまり公共事業に従事するような臨時職員給与は事業費の中で求めていくというふうにやっているのじゃないか。ところがそうなりますと、これは補助金等に係る予算の執行が適正化に関する法律というような問題とからみ合って考えてみますと、どうも違反になるのじゃないかという疑問なども出て参りますが、こういうようなことから、自治庁としてはどのような見解を持って、本年度はこの臨時職員給与に関する財政的措置というものをどう考えてやっておられるか、その辺のところをお聞きしたいのであります。
  27. 小林與三次

    ○小林(與)政府委員 臨時職員の問題は、これはお尋ねの通り、われわれといたしましても、実はすみやかに是正すべきものは是正したい、こういう方針でございまして、現在事柄の性質によってはほんとうに臨時職員として扱うべきものもありますが、実態的にいえば、一般職員と勤務の状態その他から考えても、全然一緒に扱うべきものもあることは事実でございまして、これはすみやかにほんとうの一般の職員として扱うべきものは一般の職員の身分に切りかえ、そうでないほんとうに臨時のものは臨時のものとして扱う、こういう方向でものを整理していきたい、こういうのが基本的な考え方でございまして、自治庁自身もそういう考え方地方に指導をいたしております。ただ地方では予算なり定員なり、いろいろの事情があるものですから、直ちにそれもできがたい条件にあるようですが、逐次その方向に振りかえがあるようでございます。現にわれわれ再建団体の再建計画を見ております場合でも、そういう措置がとられつつあるのを見受けるのでございまして、一般の団体におきましても、そういう方向で逐次ものを考えておる。特に新規にはそういうものはとらないで、機会のあるたびにそれを一般職に振りかえていくという方向で指導して参りたいと思っておるのでございます。現在財政計画の上におきましては、そういう新陳代謝その他相当減少しておる関係もございますので、一応前年通り金額財政計画で見ておるのでございます。  それから今公共事業の方のお尋ねがございましたが、公共事業関係のものは、もともと事業費支弁職員として事業費の方からまかなうという建前になっておりますので、一応、先ほどお話がありました数字の中には、公共事業関係の経費として考えておりませんが、事業費のうちでまかなわれておるという考えでございます。しかしこれらの職員につきましても、ほんとうに恒久的な仕事をやっておるものは、公共事業費支弁職員であろうが、一般関係のものであろうが、ともかくも早く身分を切りかえていくという方向で指導をいたしたいと思っております。ただ公共事業費関係では、やはり事業の性質上、臨時職員というものは相当あるべきものもあるのでございまして、そこらのところは事情に合うように振り分けをして始末をいたしたい、こういう考えでございます。
  28. 川村継義

    川村(継)委員 そういたしますと、本年も大体昨年同様の金額を見ておるそうでありますが、その場合の臨時職員給与の単価の算定でありますが、これはどういうような基準でやっておられるか、お聞きしておきたいと思います。つまり一般吏員等と同じような考え方でおやりになったのかどうかという問題であります。  それから第二番目の問題は、今公共事業等に従事しておるいわゆるほんとうの臨時職員というようなものが必要であるというような考え方に立ってやるといたしましても、例の補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律ですか、あれと、そういうような公共事業に従っておる臨時職員を使った場合に支弁していくという法律精神との関係は、一体それでいいのかという点をいま一度お尋ねいたします。
  29. 柴田護

    ○柴田説明員 臨時職員関係財政計画上の算定を少し詳しく申し上げますと、一般関係で、つまり財政計画対象になっておる人員は六万一千八百七十九名、そのほかに公共事業費支弁系統の職員がこれは推定でありますが、大体二万三、四千人おるだろうと思います。そのほかに国庫補助金が出ておりまして、国庫補助金の中で国庫補助金を伴って一般財源を継ぎ足しまして支弁する臨時職員、これも推定でございますが、大体六、七千人見当あるだろう、これくらいの職員が、つまり公共事業費系統とその他補助事業関係で支弁される臨時職員の人員が、合計いたしまして約三万人程度、総計いたしますと、臨時職員というものは約十万人近く、九万三千人くらいおるものと予想されるのであります。九万三千人くらいの者のうちから恒常的に臨時職員として雇われるもの、今お話の名は臨時職員であっても、ある程度恒久性を持ったものと考えられますのが、計画にあげてあります一般関係の六万一千八百七十九人であります。これは大体月平均一万円見当の給与が支払われるもの、こういう計算で割り出して七十四億という数字が出ているのであります。なお公共事業費関係、その他の一般補助事業関係のものにつきましては、国庫補助金が支給されます場合、そういう事務雑費という形で支給されますので、その中から人夫賃として支払われるわけでありまして、補助金適正化法との関係は支障ないものと考えております。
  30. 川村継義

    川村(継)委員 臨時職員の身分の問題については、さっき財政部長から言われたように、自治庁としても一般の職員並みに切りかえていくような指導を考えているということでありますが、各地方団体では、われわれの見る範囲では、結局府県財政があのような窮迫している状態でありますので、臨時職員を五年も十年もそのままの身分で使っているのが強く見受けられるわけですが、これについて今日まで自治庁としてはどのような行政的な指導をしてこられたか、あるいは指導をしていこうという方針を持っておられるか、もう一度それらの考え方をつけ加えてお聞かせ願いたいと思います。
  31. 小林與三次

    ○小林(與)政府委員 これは行政部の所管でございますが、便宜私から承知しているところだけ申し上げたいと思います。先ほど申しました通り臨時職員にはいろいろその職によって内容が違っている多様な職員がおられるようでございますが、本来一般職員と区別すべきでないと実態的に認められるものにつきましては、すみやかに一般職員にできるだけ身分を切りかえるように、それからまたこういうあいまいな職員は今後採用しないように、ほんとうに臨時的な職員ならもちろんそれでよろしゅうございますが、ほんとうに恒常的な職員を採用する以上は一般職員として採用するように、そういう趣旨地方に臨むことを基本方針といたしておりまして、地方の人事課長会議におきましても、その趣旨のことを明かにしております。なお同趣旨のことをたしか行政部長の名前で地方にも連絡をいたしているはずでございます。機会あるたびに人事の筋をはっきり立てるように、そういう方向で指導して参りたいと思っております。ただ今お話通り、それぞれの団体の財政の関係なり定員の関係なりありますのでへ一度に切りかえるということは、なかなか困難な事情があろうと思いますけれども、機会のあるたびにそういう方向に行われつつあるということが見受けられるのでありまして、なおその方向に事を進めて参りたいと存じております。
  32. 川村継義

    川村(継)委員 大臣一つお尋ねいたしたいと思います。昨日私大臣のお考えをお聞きしたのでございますが、実は給与費等についての資料をいただいたのであります。給与改訂について、地方の財政の状況等を考えると、これから後は苦心が非常にある。簡単に、これがスムーズに改訂に持っていかれるであろうということは、なかなかそのまま受け取れないという気持がいたすわけです。特に再建団体の適用を受けているところ、あるいは財政収入の少いところ、そういうような府県、市町村の地方団体の立場を考えると非常に困難じゃないか、こういうことを考えるわけでありますが、特に、手元にありますいろいろな資料からいたしましても、昨年三十一年度の税収入等が大きく伸びでおる府県とほとんど伸びのない府県、あるいは三十二年度大きくまた伸びていくであろう府県と、全然伸びが予想できない府県というものがあって非常に差がある。こういう立場を考えて参りますと、地方公務員の給与改訂についてはいろいろな制約がなされるのではないか。今日でさえも昇給のストップあるいは延伸等が次から次となされていることはだれでも知っていることでありますから、今度の国家公務員の給与改訂に準じて地方公務員の給与改訂をやろうとするについては、相当の困難を考えるわけである。これについて昨日大臣のお言葉をいただいたわけでありますけれども、この改訂について一体どういうような困難点が、現在の地方財政の状況からして予想されるのか、またその困難点をどのようにして自治庁としては指導していこうとするのか、重ねてお聞かせ願いたいと思います。
  33. 田中伊三次

    田中国務大臣 百六十万に及びます地方公務員の給与改訂をめぐる方針と、その財源的な措置の問題でございますが、これは昨日もお話申し上げましたように、三十二年度財政計画といたしましては四千四百三十五億円を給与費としているわけでございます。この数字の裏を見ますと、前年度と比べますと四百六億円の増額になっております。人間の数はふえるわけではないのでございますが、四百六億円の増額となっております。そこでその四百六億円を何に使う考えであるかを申しますと、地方公務員の関係におきましても国家公務員の給与改訂に準じまして、これに右へならえをして改訂することに財源を必要とすることが一つ。もう一つは定期の昇給のストップもしくは延伸等がありまして、ことに再建団体においては苦労をしておるように見えますが、こういう面につきましてもこのたびは延伸をなさしめたりストップを行わしめないように、国家公務員に準じまして給与の改訂を行うとともに、昇給それ自体についても定期昇給は押えぬようにしていこう、それにつきましては万一再建団体で給与の定期昇給をストップしたり、長期の大幅な延伸をしておりますようなところにつきましては、自治庁が相談に応じまして再建計画の変更をすることも将来においては認めていこう。再建団体におきましては、その変更の承認を与えませんと、やりたくとも財源がなくてできぬことになりますので、これの承認を与えてでも定期昇給は円満にやらせよう、延伸の幅は極力縮めさせようという方向、地方公務員の給与の改善という方向に一つ努力していきたいという心持を持っているわけでございます。  なお一昨日かの予算委員会において似たような質問がございましてお答えいたしたわけでございますが、臨時職員につきましても同様の方針によって給与の改善を行なっていきたい、臨時職員につきましても漸次一職員は改めていく方向につきましては、今部長から説明をいたした通りでございます。
  34. 亀山孝一

    亀山委員 川村委員の御質問中はなはだ恐縮でありますけれども、一つお許し願って、前に引き継ぎまして基地の問題につきまして法制局次長にお伺いしたいと思います。  突然おいでになりましたので事情を簡単にお説明申し上げますと、今年度予算におきまして、従来非常に熱望されておりました基地に対する固定資産税にかわる助成交付金が組まれたわけです。それについて今伺いますと、政府部内においてこれを計上するための立法措置をすることにいろいろ議論があるようであります。ところが私どもが先ほど来自治庁長官にお伺いしておりますと、この予算は今年度及び来年度だけのものではなく、相当期間続くものだというような御了解があるやに伺うのであります。そうするとこの問題はどうしても立法する必要があるのではないか。そこで法律上の問題に対して法制局のお考えを伺いたいのであります。そしてでき得ればこの論議を法制局長官並びに官房長官にぜひお話し願いたいという希望を申し上げます。  そこでまず御案内のように、昨年国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律が出まして、その第二条第一項第一号に「当該固定資産を所有する国又は地方公共団体以外の者が使用している固定資産」については、その交付金交付しなければならない、こういうことになっているわけです。ところがその法律の同条第三項の第六号には「日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定の実施に伴う国有の財産の管理に関する法律第二条の規定により使用させている固定資産」とあって、これは除かれている。しかし今冒頭に申しましたように、今回予算措置としていわゆる基地に対して国有提供施設等所在市町村助成交付金というものを予算として認められておるのです。そうしますと、駐留軍に貸し付けている資産については、今までは全面的に交付金対象になっていない。駐留軍に貸し付けている資産の中には一般に固定資産税の課せられている住宅、売店、ホテル、自動車工場、ドックなどがたくさんある。右のような事情から駐留軍に貸し付けている資産についても交付金対象とするということに対して、何らかの処置を講ずべきだというので、今申し上げた予算ができ上った。こういう点を考えると、今回基地交付金につきまして、今五億円計上されているものから考えますと、この財源措置が将来とも継続されていくものとしますと、この種のものをどうしても継続するという以上は、法律をもってやらなければならぬと思うのです。ことに今申し上げましたようにこれを除外しておる関係がありますから、どうしてもこの際基地の所在市町村に対する助成交付金というものの立法措置を要する、かように考えるのです。ただ本法の趣旨とするように、一定の割合ということを三十二年度から始まるものについて直ちに本法の中に入れるということには、あるいは多少の困難がありますけれども、同じ趣旨である以上は附則にこれを入れていくのが最も適当であろうと思うのです。それにつきまして、あるいは言葉が足りなければまた申し上げますけれども、今のような趣旨からは、相当継続すべき基地に関する国有提供施設等所在市町村助成交付金制度を打ち立てられた以上、今申し上げた国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律関係からいっても、当然私はこの法律内に明文を設くる必要があると考えますが、法制局当局の御所見をお伺いしたい。
  35. 高辻正巳

    ○高辻政府委員 何分突然の御質問でございますので、あるいは足りないところがありましたら、さらに御質問により、つけ加えてお答えしたいと思いますが、ただいま拝聴いたしました関係から伺いますところによりますと、この助成金なるものは一応国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の規定によるいわゆる交付金交付しないということの特例として考えるべきものである、一応そういう条件をもちまして、しかも全く臨時暫定的なものでなしに、ある程度恒常的に考えるべきものであるということを前提としてお答えいたしますならば、仰せの通り法律に規定するのが筋道だろうと思います。しかしながら、これはよけいなことかもしれませんが、もしもそういう考え方ではなくして、別の考え方がもしありといたしますならば、と申しますのは、いわゆる交付金の特例というようなことでなしに、単に何か補助金を与えるというようなこと、あるいはそれが全く臨時暫定的なものであるということ、たとえばただいま仰せになりましたような前提が違う問題になりますと話は別になると思いますが、ただいま仰せになりました範囲において承わりますところによりますれば、法に規定するのが筋道だろうと考えます。
  36. 亀山孝一

    亀山委員 今しかしながらということで、私の申し上げた前提ならばこれを立法事項として当然だ、けれども前提が違えばというお言葉のうちに、これが暫定的であればということがあった。これは暫定的なものでは決してないと私は思うのです。すでに今年度五億円、来年は十億、これは一たび出した以上は、当然今の国家としては、その継続する限りは出すべきものだ。これはあるいは五年で終るかどうかわかりませんけれども、この点は四、五年ということでわからないけれども、当然これは相当期間継続するものと思わなければならぬ。そこでこれが他の意味における助成金である、そういう解釈は、これはたまたま助成という文字があるからというようなお考えでしょうけれども、いやしくも国家が固定資産税に見合うようなつもりで出した交付金というものは、当然この法律に明文を置くべきものだ。これがもしも今お話のようにいろいろな名前もつけてあるとか、趣旨が違うとか言われるけれども、実質において固定資産税に見合うべき金額として交付する。それは一定の率でやるわけではないけれども、その趣旨固定資産税にかわる交付金であるという性質のものである以上は、当然私はこの法律の除外例というものを元に戻す意味において、あるいは今申し上げたように本法通りいかないとしても附則として規定すべきが当然だと思うのです。今次長のお話によると、前提が違う云々ということがあったけれども、私は法制局の解釈としては趣旨が今のようである以上は、当然これは法的根拠を与えるべきものである、かように考えますが、もう一度その点お聞かせ願いたい。
  37. 高辻正巳

    ○高辻政府委員 ただいま申し上げましたことを、私ども法制局がその性格がこうである、ああであるという断定をしておるわけでは決してございません。実はその辺の御決定を待って私どもとしては法案を作るか作らないか、その体裁をどうするかということを考える立場にございますので、繰り返して申し上げますが、先生の仰せになりましたような前提であるとすれば、それは仰せの通りにするのが筋道であろうし、そうでなければ話が違うがと、これは念のために申し上げるわけで、仰せの通りの前提だけのことでお答えすればいいということであれば、仰せの通りが筋道であろうということになるわけであります。
  38. 亀山孝一

    亀山委員 これ以上私はもう議論を申し上げません。ただわれわれとしては当然これは法的根拠を与えるべきものである。しかもそれは国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の中に規定すべきものであるという所見を持っております。これは私一人じゃありません。おそらく当委員会の総員がそうだろうと思います。そこでこのことをどうか一つ法制局長官なり官房長官にお話を願いたい。以上希望を申し上げまして私の質問を終ります。
  39. 北山愛郎

    北山委員 関連して。今法制局の方で、ある前提のもとに法律によるべきものであるということは、憲法の第八十五条によるんじゃないかと思うのですが、その辺はどうでしょうか。
  40. 高辻正巳

    ○高辻政府委員 ちょっと御質問の御趣旨が十分に受け取りかねたかもしれませんが、助成金が、ただいま問題になっております助成交付金というものが、単純なる何か暫定的な補助金的なものであるとしました場合には、むろん国費を支出するわけでございますから、それにいたしましてもそういう関係はございますから、予算計上することは必要ではございますが、立法措置が必要であるかどうかということになりますと、先ほど申し上げたような性格によって、やはりそこには相当しんしゃくの幅があるのじゃないかというふうに考えるわけでございます。あるいは的はずれのお答えでありますれば、さらにお聞き願いとうございます。
  41. 北山愛郎

    北山委員 恒的なものであった場合には法律によらなければならぬ、一年度限りとかそういうものであれば法律によらなくてもいいということは私はないのじゃないかと思う。その年度限りの法律もあるのですから。やはり国費を支出するとか債務を負担するというのは、国会の議決に基くことを必要とするという憲法八十五条、そのほかにもあるいはあるかもしれませんが、そういう規定によって、ただ予算に五億円置いて、それであとは政府が適当にばらまけばよろしいというのじゃなくて、そういう支出についてはやはり法律等の格好で国会の議決を経なければならぬのだ、そういう原則によっているのじゃないですか。
  42. 高辻正巳

    ○高辻政府委員 ただいまお話がございましたように八十五条で国費を支出するには、国会の議決を必要とするということから、どうだというお尋ねたということがわかったわけでございますが、その方はむろん助成交付金については先ほど申し上げたように、予算として国会の議決を経ることになるわけでございましょう。そういうことでございますから憲法八十五条の方の要件は、それで備えているということになると思うわけであります。しかし同時にまた仰せになりましたように、そういうものは臨時と恒久ということで変るはずはないではないか、それはごもっともな点だと思うわけであります。ただ法というものを考えます場合に、これは釈迦に説法でございますが、いわゆる国民の権利義務にわたるような事項については、立法上の措置を講じなければならぬということが一方にございますが、それだけから申しますれば、もし補助金という性格でありますならば、補助金というものは国費の支出について予算として国会の議決を経れば足りるので、法的にどうということは生じない。しかしながら最近いろいろな補助立法がたくさん出ておりますが、これは国権の最高機関としての国会が、国政の軌道としてそういうものを設定するのがよろしいという考えでできていることだろうと思います。その辺かれこれ考えまして、先ほどの性格論も考え合せまして、立法上妥当な措置を講じなければならぬというふうに考えるわけであります。
  43. 北山愛郎

    北山委員 最後に確かめておきたいのですが、要するに法律予算との関係でいろいろむずかしい問題があると思うのですけれども、結論としてはこの助成交付金については、国有資産等所在市町村交付金云々の法律附則によるかどうかは別として、この五億円の支出については当然法律できめるべきものだ、そういうふうな御見解と承わってよろしゅうございますか。
  44. 高辻正巳

    ○高辻政府委員 先ほど申し上げた通りでございまして、先ほど承わったような前提でありますならばそういうふうに考えるのが至当であるというふうに思うわけであります。
  45. 北山愛郎

    北山委員 前提といっても、これは長い期間に、来年、再来年にわたるものであれば法律でやらなければならぬ、今年だけ、三十三年だけのものであれば、先ほどのお話通りやらないというような区別はないと思うのです。やはり暫定措置でも、五億円をどう分けるかということについては、原則的にはやはり憲法の原則に従って国会の議決を経る、その形式はやはり法律が正しいのでありますから、そういう法律の形式でこの国有資産等法律によるか、あるいは別な法律を作るか、これは形式としては別問題として、とにかく法律でいずれはきめなければならぬ、それが正しい見解だ、こういうふうに了承していいかどうか。
  46. 高辻正巳

    ○高辻政府委員 先ほどの前提と申しましたのは、国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の規定によって、この第二条第三項の規定から市町村交付金交付しないという建前に、今度の措置で何らかの特例的な、あるいは何らかのその他の関係を持つということになりますれば、この法律のどこに置くかという形式は別問題といたしまして、当然立法措置を講ずるのが妥当であろうと、こういうふうに考えるわけです。
  47. 川村継義

    川村(継)委員 給与問題について、あとついでに二、三点をお聞きしたいと思います。さっき大臣のお言葉で大へん配慮のある御所見を聞いたわけですが、大臣のお気持で各地方団体が処置いたしまして、地方公務員の給与改訂あるいは待遇を考えてくれれば非常にけっこうなことだと思います。ただしどんなに言葉できれいに優遇するということを申しましても、これは金がないとどうにも動かない問題だと思うわけです。財政計画の上にはちゃんと給与改訂あるいは昇給に必要な財源等は出てくるわけでありますけれども、先ほども申し上げましたように自然増収等が大きく伸びて、財政収入が大きくなって、豊かな地方団体、府県においては、給与改訂にいたしましてもうまく進むのではないか、しかしそうでないところの府県では非常に困難が予想される。その場合にそういうことが影響して、公務員に対するところの給与改訂等がうまくいかぬ、あるいは昇給等に大きな圧迫がかかっていくというときには、特に再建団体等の適用を受けておるような団体については、その計画の修正等も認めていきたいというようなお言葉を聞いたのですが、修正を認めるといいましても、やはり修正をやるについては財源の裏づけがなければならないと考えられるのでありますが、一体そういう事態が起った府県があったか。特に再建団体の適用を受けて非常な困難に直面しておるところの団体、府県に対しては、何か特別にその財源考えてやるというような御計画やお含みでもあるのか、それがないとどんなに長官が修正を認めてやる、あるいは待遇が公務員の給与等の圧迫を受けないように処置してやろうといっていただきましても、どうもにっちもさっちもいかない状態になるのではないかと思うのですが、それについて何か御計画を持っておられるのか、あるいはたとえば五年なら五年、七年なら七年という財政計画の認可を受けておるそういう団体について、もっとやわらかに、再建の期間を延ばしていくとか、あるいは引き締めていくとか、縮めていくとか、七年のやつは五年にするとかいうような財政的な措置をして下さるのであるか、そういうことを一つお聞きしておきたいと思います。
  48. 田中伊三次

    田中国務大臣 せっかく立てております赤字再建団体の再建期間というものを延長して、給与改訂を助成していくというような方法考えておりません。また逆にやるべきでないと思っておりますが、当該年度当該年度で、その年その年に必要なる財源措置というものは交付税の配分において措置をしていきたい、交付税というものは黒字の団体にはいかぬわけでありますが、ただいま先生御心配の点は、特にお言葉にもありましたように赤字の団体、ことに再建団体というものをお考えいただいておるようでございますから、この黒字団体には参らない金ではございますけれども、赤字の団体につきましては特に交付税の配分を通じまして、これによって十分に見て、そうして配分をしていきたい、こう考えますので、具体的に申し上げますが、このたび国家公務員についてベース・アップをする、その基準をいやしくもくずすことのないように、これに右へならえをしていくための財源、それからもう一つは、最近におきましては薪炭手当の増加がございます。その薪炭手当の増加につきましても見ていかなければならない。それから昨年末には期末手当の増加が〇・一五ございました。この〇・一五分についても、今年は実施をしなければなりません。これは法律でございますから永年実施をするわけであります。この分の増ももちろん見ていきたい。それから定期昇給分につきましてもその財源は見ていく、給与費関係は総じて交付税で明確にこれを見ていく、いやしくもこの部分については財源がないために中央の指示いたします通り給与の改善ができないというようなことのないように確かに処置ができる見込みでございます。これらの額を総計しますと、先ほど御説明申し上げましたように四百六億となるわけでありまして、その四百六億円という金は、給与費として地方財政計画の中に出ております四千四百三十五億円という給与費の中に、この四百六億円が含まれておるわけでございます。この点が三十一年度と三十二年度の違う点でございます。
  49. 川村継義

    川村(継)委員 今大臣の御説明の中にありました黒字団体、これは交付税のいかない不交付団体のことだと思うのですが、私がお尋ねいたしましたような状態に置かれた団体については、交付税で見ていくというようなことでございますが、交付税は一つの基準に従った算定で出てくると思うのですが、そういう場合に、辞別に交付税配分についての基準を設けてやろうというお考えでございますかどうですか。
  50. 小林與三次

    ○小林(與)政府委員 便宜私からお答え申し上げます。給与の問題は、国の給与法がどういう形できまるか知りませんが、きまりますれば、それに準じて地方では条例を作ってやりますように、私の方で条例原則を作りまして、そして運用上誤まりのないように指導する考えでございます。
  51. 川村継義

    川村(継)委員 それでは次に、きょういただきましたこの給与費関係欄をちょっと見てみますと、一般職員関係の分には昇給分として四%を見てあるようです。それから義務教育職員の方は二%見てあるようですが、これは一体どういう考え方で、あるいはどういう基礎的なあれによって出てきたのか、御説明いただきたい。
  52. 小林與三次

    ○小林(與)政府委員 これは一般職につきましても義務教育職員につきましても、全部国の予算の建前に右へならえという建前をとっておりまして、国におきましては、政府職員については四%の昇給をいたし、義務教育職員については去年の五月一日かの人員を基礎にして平均二%という建前で文部省の予算には計上されておりますので、それに右へならえをいたしておるわけであります。
  53. 川村継義

    川村(継)委員 そうしますとこの義務職員関係の昇給は二%ということは、僕たちの頭で考えましても非常に不均衡になるのじゃないか、こういうふうに思うのですが、その点はどうなんですか。
  54. 小林與三次

    ○小林(與)政府委員 それば昇給は普通の通り、きまった形通りやる必要がもちろんありますが、要するに資金としてどれだけ要るかという問題で、従来の実績等を誓えまして、義務教育職員につきましては、相当高額の人の人事の交迭と申しますか、新陳代謝が行われます実情を基礎にして、従来国の予算計上してあるわけでございます。具体の昇給はもちろん一般職員同様、普通の通りやる建前であります。
  55. 川村継義

    川村(継)委員 わかりました。大体昇給は国家公務員並み四%考えているのだが、二%組んである。あとの二%は新陳代謝で見ていったらいいじゃないか、こういうことですね。これは大へんな問題を含んでいるようですが、そこでその義務職員関係で人員増を見てあるのは千百六十人、こういうことになりますか。
  56. 柴田護

    ○柴田説明員 先ほどの義務教育職員の昇給率の説明にちょっと補足さしていただきますが、従来の財政計画では、義務教育職員につきましては別個の財政計画上の単価を使いまして、別個の算定をしておったのであります。ところが義務教育職員には国庫負担金があるわけであります。国庫負担金の出る一般国庫職員と同じ扱いに、たしか昨年でありましたか切りかえたのであります。従いまして義務教育職員の給与費をどの程度、どのように計算するかという一つの問題があるのでありますが、義務教育費国庫負担金の積算の基礎にそのまま乗っかって、国庫職員と同じような計上の仕方に去年から変えておるわけであります。現実の昇給が二%以上、オーバーいたしました場合には、義務教育費国庫負担金におきまして精算増額されるわけであります。精算増額される場合におきまして、それに従いまして地方財政計画も修正していく、こういう手続を踏むことになるわけであります。従来と建前を去年から変えております。  それから義務教育職員の増加児児童生徒数に対します増減の計算も、昨年と同じでありまして、義務教育費国庫負担金の計算基礎と同じであります。そこに書いておりまするように、小中学校それぞれ増加学級数に対応いたしまして、教員一名増という計算をいたしまして、難し引き純増分だけを財政計画上増加額として認めてあるわけであります。
  57. 川村継義

    川村(継)委員 義務教育費国庫負担に基く人員増を文部省が算定したのは千五百人じゃなかったかと思うのですが、課長どうでしたでしょう。
  58. 柴田護

    ○柴田説明員 数字を詳しく検討してみなければその間差異があるかどうかわかりませんが、私は義務教育費国庫負担金の計算基礎と合っておると考えております。もし違いがあるとするならば、義務制盲ろう学校の計算が文部省の負担金の計算基礎には入っておるのではないかと思います。
  59. 川村継義

    川村(継)委員 これは今課長の説明通り、義務教育負担に基いて算定されておるということでありますが、実はそれについては、地方財政計画を立てていただく場合に、いわゆる給与費等の算定について、自治庁としては、今できたものを今ここでやり直せというわけには参りませんけれども、考えてもらわなければならぬ問題があると思うのです。それはもう御承知でもありますけれども、現在義務教育関係の学級が四十万学級もあるといわれておる。ところが五十人以上の生徒、児童を入れておる学級が十万学級をこえておる、六十人以上の生徒を入れておる学級が一万学級をこえておる、こういうようなことであります。そこで学校教育法は、これも御承知通り五十人というのが一つの標準になっておりますが、だんだん地方財政の窮迫に従って教育のこういう面にしわを寄せてきておるような状況でありますので、こういう点は特に教育費が地方財政の中に問題として取り上げられて、いつも波をかぶっておるような状況でありますから、こういうところからなるたけ是正をしていって計画上ゆるめていく必要があるのではないか、こういうことだと思います。そこで今の点は今後一つ研究していただくことにお願いをしなければなりませんけれども、こういうような数字の算定では、やはり昇給昇格の問題等とからんで、ますます地方の教育が圧迫されていく。それについて今度はそれをはね返していこうという力が加わっていきますと、地方財政の上にもやはり今まで通りの明るさが出てこないということを考えるわけです。課長が言われました定員増の問題につきましても、文部省が出しておったのはたしか千五百人だと聞いておったのですが、わかりましたら、この次またお聞かせ願いたいと思います。
  60. 小林與三次

    ○小林(與)政府委員 今お尋ねの数字の点は、あとから調べて御報告申し上げることにいたします。それで、義務教育職員の員数なり給与関係費がこれで十分か不十分かということになれば、私はこれはいろいろ議論があるところだろうと思います。われわれといたしましても、できるだけ教育内容を充実することにつきましてはもちろん異存がございません。地方財政の許す限りそういうことを考えたいと思います。ただこの数字は国の負担金の関係がありまして、国の負担金に右へならえして、われわれとしては受けて立つという態勢をとるのが、地方財政の形の上からいえば建前だろうと思いますので、そういった意味におきまして、国の方におきましてもしかるべく措置が講じられることを前提にいたしまして、われわれの方でもできるだけそれに対応する充実した措置を講ずることに、今後考えていきたいと思います。
  61. 門司亮

    門司委員長 それでは本日はこれで散会いたします。  次会は公報をもってお知らせいたします。    午後一時八分散会