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1957-03-27 第26回国会 衆議院 大蔵委員会地方行政・運輸・建設委員会連合審査会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十二年三月二十七日(水曜日)     午前十時三十八分開議  出席委員   大蔵委員会    委員長 山本 幸一君    理事 有馬 英治君 理事 黒金 泰美君    理事 小山 長規君 理事 高見 三郎君    理事 藤枝 泉介君 理事 平岡忠次郎君    理事 横錢 重吉君       淺香 忠雄君    大平 正芳君       奥村又十郎君    杉浦 武雄君       竹内 俊吉君    内藤 友明君       古川 丈吉君    坊  秀男君       前田房之助君    山本 勝市君       有馬 輝武君    井上 良二君       石村 英雄君    神田 大作君       久保田鶴松君    田万 廣文君       竹谷源太郎君   地方行政委員会    委員長 門司  亮君    理事 亀山 孝一君 理事 鈴木 直人君    理事 山中 真則君 理事 吉田 重延君    理事 川村 継義君 理事 中井徳次郎君       唐津 俊樹君    川崎末五郎君       纐纈 彌三君    櫻内 義雄君       徳田與吉郎君    丹羽 兵助君       古井 喜實君    大矢 省三君       加賀田 進君    北山 愛郎君   運輸委員会    委員長 淵上房太郎君    理事 今松 治郎君 理事 木村 俊夫君    理事 井岡 大治君 理事 松尾トシ子君       生田 宏一君    關谷 勝利君       永山 忠則君    堀内 一雄君       小山  亮者    下平 正一君       中居英太郎君    松原喜之次君       山口丈太郎君   建設委員会    委員長 薩摩 雄次君    理事 内海 安吉君 理事 大島 秀一君    理事 荻野 豊平君 理事 瀬戸山三男君    理事 二階堂 進君 理事 前田榮之助君    理事 三鍋 義三君       大高  康君    久野 忠治君       徳安 實藏君    堀川 恭平君       松澤 雄藏君    山口 好一君       井谷 正吉君    中島  巖君  出席国務大臣         大 蔵 大 臣 池田 勇人君         建 設 大 臣 南條 徳男君  出席政府委員         自治政務次官  加藤 精三君         総理府事務官         (自治庁財政部         長)      小林與三次君         総理府事務官         (自治庁税務部         長)      奥野 誠亮君         大蔵政務次官  足立 篤郎君         大蔵事務官         (主税局長)  原  純夫君         運輸政務次官  稲永 一団君         運輸事務官         (自動車局長) 山内 公猷君         建設政務次官  小澤久太郎君         建 設 技 官         (道路局長)  富樫 凱一君  委員外出席者         地方行政委員会         専門員     円地与四松君         大蔵委員会専門         員       椎木 文也君         運輸委員会専門         員       志鎌 一之君         建設委員会専門         員       山口 乾治君     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  揮発油税法案内閣提出第七二号)     ―――――――――――――   〔山本大蔵委長委員長席に着く〕
  2. 山本幸一

    山本委員長 それでは、これより大蔵委員会地方行政委員会運輸委員会建設委員会連合審査会を開会いたします。  揮発油税法を議題として質疑を続行いたします。質疑通告順にこれを許します。  なお質疑の場合に、お断わりを申し上げますが、御承知のように、参議院の予算委員会が今開かれておりまして、たびたび大臣の請求が参っております。従って、質疑者の方も、要点を簡潔に一つ質疑を願いたいと存じます。なお政府側答弁も、要領よく、懇切丁寧であり、しかも簡単な答弁でやっていただくように、特に委員長からお願いいたします。井岡大治君。
  3. 井岡大治

    井岡委員 まず、大蔵大臣非常にお忙しいようですから、要点だけを聞けという委員長の御注意でございますから、簡単に聞きます。  今度の揮発油税増徴するに当っての主たる目的道路整備である、こういうように理解してよろしいですか。
  4. 池田勇人

    池田国務大臣 さようでございます。
  5. 井岡大治

    井岡委員 そうしますと、二十八年の七月二十三日の法律第七十三号に道路整備費財源等に関する臨時措置法、これによって今度の道路計画が立てられておるかどうか、この点お聞きします。
  6. 池田勇人

    池田国務大臣 そう心得ております。
  7. 井岡大治

    井岡委員 この法律では、道路五カ年計画に基いて年次別揮発油税使途が明らかにされておるわけですが、今度の揮発油税増徴使途の分の中に、臨時就労対策費特別失業対策費、あるいは特別地域建設機械費、あるいは日本道路公団補助金、こういうものに百三十九億が使われるわけであります。大臣は、これはほとんど道路に使う金であるから、決して間違いでないというように御答弁はなさると思いますが、私は今申し上げましたこの四項は、いずれも主たる目的道路建設するものでなくて、就労対策はあくまで就労対策である、臨時失業対策臨時失業対策である、あるいは特別地域建設機械を買うということは、これは機械を質うために作るものだ、こういうように理解するわけです。従って、この法律と若干の違反をしておる、若干の違反というよりは、むしろ大きなあやまちを犯しておると思いますが、大臣はそういうようにお考えになりませんか。
  8. 池田勇人

    池田国務大臣 道路のための支出考えております。しかも、従来からこういうようにやっておりますので、私は差しつかえないと考え予算を編成いたしました。
  9. 井岡大治

    井岡委員 失業対策費というものは、道路ばかりに限っておりません。いろいろなところに失業者が就業しまして、それで払うわけでありますから、今の御答弁は非常に誤まっておると思います。それから、従来はこれをやっておるということでありますが、昨年の十二月に建設委員会において、ここにお見えになっておりますわが党の中島君から、建設大臣にこの問題を強く要望いたしまして、将来はそういうことのないように努力をする、こういうように御答弁をなさっておるわけです。従って、従来はやっておるから今やってもかまわないんだという論法は、私は当てはまらないし、そういう論法をもってするならば、過去のあやまちを永久に続けていかなければならぬようになろうかと考えるわけでありますが、この点をどういうようにお考えになりますか。
  10. 池田勇人

    池田国務大臣 建設大臣は、そういうようにお答えになったと思います。私は聞いておりませんが、そういうように御返事なさったかと思いますが、しかし、この問題は閣議で決定いたしまして、建設大臣の承認も得ておるのでございます。
  11. 井岡大治

    井岡委員 閣議で決定をしたから、過去におけるあやまちはいいというようなことになってくると、これは大へんなことになると私は思うのです。国会はおのおのの委員会を持ち、あるいは省を持っておるわけなんです。従って、その委員会でいろいろ論議されることは、その委員会の成果を上げさす。言いかえて申し上げますならば、委員会というものは、国の一つ事業を行う主たる委員会であります。そこで言明されたことはあくまで守ってもらうということにならなければなりません。しかも、この法律を制定するときに当っての質疑の中で、揮発油税のすべては、道路整備五カ年計画によって計画された道路整備のための財源に充当するという趣旨を、明らかにしておるわけです。そういうようになって参りまして、これがゆがめられていくということになってくると、私はせっかく作った法律というものは、一つ閣議という団体によって、組織によって曲げられてしまうということは大きなあやまちだと思うのです。政府は、こういう法律違反をあえてしてよろしいと大臣はお考えなのですか、どうですか、この点をお伺いいたします。
  12. 池田勇人

    池田国務大臣 名前は、臨時失業対策のために使っておるといっておりますが、結局は、これは道路を直す問題でございますので、私は法律違反とは考えておりません。
  13. 井岡大治

    井岡委員 名前失業対策臨時就労となっておるから法律違反じゃない、こういうことですが、私はそれは大きな間違いだと思うのです。失業対策というものは、あくまで主たる目的失業対策なんです。こういうように大臣はお考えになりませんか。
  14. 池田勇人

    池田国務大臣 失業者方々道路を直す方に使うのだ、こういう考え方でいっておるのであります。
  15. 井岡大治

    井岡委員 失業者の力を道路の方に使うのだ、こういうように申されておりますが、現実には使っておらない、あくまで.失業対策に使われている、従って、私はそういう考え方では納得するわけには参りません。しかも、法律は明らかにこのことを明示してあるのです。道路整備のために使う金なんだと明示してあるのです。従って、それだけの金額というものは道路整備のために使われてしかるべきものなんです。それを、失業対策ということは道路を直す失業対策に使うのだからというような、こういう回りくどいことをする必要は絶対ない、なぜそういうことをされるのですか。
  16. 池田勇人

    池田国務大臣 道路を直すために、失業しておられる方々にその方面にいっていただく、こういう考え方政府は進んでおるのであります。従って、法律違反とも思いませんし、またこれが道路を直すために使われておるとわれわれは考えているのであります。
  17. 横錢重吉

    横錢委員 関連して……。
  18. 山本幸一

    山本委員長 関連質問はなるべく簡潔に願います。横錢君
  19. 横錢重吉

    横錢委員 今の失対事業に対して、大蔵大臣はちょっと認識がないのではないかと思います。というのは、失対事業をする場合には、六割以上を人件費として使わなかったならば失対事業とは認めない。従って、失対事業道路を直すのが目的ではなくして、金をくれるのが目的で仕事をする、一方の道路は、舗装道路をやる場合には、六割以上が資材費に投ぜられなかったならば、舗装道路の装備というものはできない。従って、近路整備計画をする場合には、明確な区分がある、この区分を忘れて予算を組んでおったならば、これは揮発油税を幾ら増徴しても、道路整備はできない、ましてや揮発油税道路整備、しかもそれを舗装に使おう、そういうような趣旨であるにもかかわらず、実際には、失対事業の中に費用を入れておる。その失対事業というものは、六割以上を人件費に支払え、そういうものでなければ失対事業には認めない、そういう組織の上に立っておる、それなのに、失対事業もいいじゃないかというようなことは、ガソリン税というものを目的税性格でとっており、五カ年計画だ、十年計画だというようなことで、道路整備するのだというようなことをいっておりながら、実際にはそれに反するような行為をしておるのです。この点は、ガソリン税の中からこういうような費用を出しておることは、非常な間違いである。ガソリン税性格に反しておる、こういうように考えておるのでありますが、この点、大臣答弁をお伺いしたい。
  20. 池田勇人

    池田国務大臣 一般失対には、そういう制限がございますが、これは一般失対ではなしに、特別失対の方に出しておりますから、規定の違反にはならないと考えております。
  21. 横錢重吉

    横錢委員 特別失対の方には、どういうふうな通達を出しておりますか。
  22. 池田勇人

    池田国務大臣 建設省の方からお答えを願うことにいたします。
  23. 富樫凱一

    富樫政府委員 特別失対で実施いたしております道路事業に対しましては、労務費必要経費大かた三割でございます。ただその労務費のうち、失業者吸収率が多く定められておりまして、大体八割程度失業者吸収費に使えというようなことになっておるわけであります。特別失業対策事業は、五カ年計画計画されました道路のうち、失業者吸収に役立つものを選びまして、それに失業者吸収を兼ねて道路整備をいたしておるわけであります。
  24. 横錢重吉

    横錢委員 答弁によってごまかしてはいかぬと思う。揮発油税を取る場合において、揮発油税目的に沿わないような答弁をしたのではいかぬということです。答弁をごまかしてはいかぬと思います。やはり失対事業というものの性格は――一般公共事業というものと、道路整備というものとは違う目的を持っておる。これはあくまでも失業対策目的として出ておる労働政策であり、社会政策である。そういうふうな労働政策社会政策というものと、揮発油税によるところの道路整備の五年計画、十年計画、これによるところの自動車道路整備というものは全然目的が違う。従って、もしもそういうふうな感覚でもって建設省がこれを認めて道路を作っておるとするならば、それは大蔵省にごまかされておるか、あなた方自身がこの問題に対する明確な考えを持っていないか、どっちかです。この揮発油税自動車道路整備しようということは、自動車専用道路目的であって、このような混合道路を作るのが目的でない。しかも、その費用の中から相当のものが失対事業なり、臨時就労なりに流れておる、それは社会政策であり、労働政策である、人に金をやることが目的でやっておる、道路整備することが目的でない、本末を転倒しておる、その点の見解とその点のささえを持っていなかったら、ガソリン税道路整備に使われないで、他の面に流れてしまう、もう一回答弁を願います。
  25. 富樫凱一

    富樫政府委員 失業対策として実施いたします道路事業目的は、道路整備をいたすわけでございまして、ただ失業者をよけいに使うという点が他の公共事業と違うわけであります。ただ道路事業の中には、それに適当なものもございますので、こういう道路事業には、失業者をよけい使うというやり方でやっておるわけでございまして、結局金をただやるわけではございませんで、道路を作ることに使われておるわけであります。
  26. 横錢重吉

    横錢委員 失業者を使ってはいけないということを私は言っているのではない。だけれども、失業者を使う場合には、おのずから財源の出しどころがある、その失業者を使ってやる場合には、これは社会政策見地から、労働政策見地から出していくのだから、これは一般財源から出すべきだ。そうして、その面で道路整備なり、あるいは道路整備の補助的な作業なりを続けるべきだ。それを揮発油税という目的税性格で取って、そうしてこれによって自動車道路整備をするのなら、これは明らかに自動車専用道路を作るべきである、ところが、建設省のこの考え方ができていない、建設省が、この揮発油税を取っておるその道路計画というものは、自動車も通れば歩行者も通る、自転車も通る一般混合道路を作るのに努力している、そして、自動車専用道路を作っておるところのものは有料道路、あるいはまた高速道路を作るならこれもまた有料道路、それから国土縦貫自動車道路、いわゆる弾丸道路を作る、これは自動車専用道路です。その財源はどこから持ってくる、これも揮発油税から求めるのか、こういうふうに、もしもほんとうに揮発油税目的税として自動車のための利益をはかって専用道路を作るのなら、国土縦貫道路なんというものは揮発油税から作るべきだが、そういうものは費用も違うからできないというので、この方面はしないで、そしてまた観光道路のようなものは、自動車専用道路もまたはずしてしまう、そしてもっぱら混合道路に重点を置いているというのは、これは話が違う。これは設立の当初から、揮発油税を作るのなら、揮発油税が五割四分か五割六分か、その程度のもので、あとは一般財源から繰り入れる、こういうふうな考え方が正しいのであって、そうでなかったならば、自動車だけでもって作って、しかもその負担というものは業者だけの負担になると、道路をこわすのは一体だれかということになる。道路をこわしているのは自衛隊の車だ、あるいはまた駐留軍の車だ、そのほかに一番道路をこわしておるのは官公庁でしょう。水道だ、ガスだ、あるいは電気だ、こういうようなものが実際に道路をこわしておる。自動車がこわすよりも役所がこわす分が多いのです。こういうようなことを考えた場合に、混合道路整備ということではなくて、自動車専用道路整備というものを建設省自身が心がけたくてはいかぬと思う。しかも、その中から失対事業に金をとられちゃって、これもお前の方でやれ、これもガソリン税でやれ、これば建設省大蔵省に負けておるからです。そんなことでもって日本自動車道路整備なんかできないじゃありませんか。今度の予算だって、こんなものは押し返さなくてはだめなんです。それでなかったならば、日本自動車道路整備というものは、揮発油税を幾ら増徴したってできるものじゃない。この点は、きょうの答弁は、私は了承できないのです。この答弁によって問題の解決がつくのではなくて、この自動車道路をどう整備するか、混合道路整備じゃない、専用道路整備だ、混合道路整備する場合には、おのずから揮発油の受け持つ分には限界がある。この点の考え方をお願いしておきたい。私は関連ですから、この程度でとどめておきます。
  27. 井岡大治

    井岡委員 今横錢君が言いましたように、建設省の側に一ぺんこの法文を読んでみて上げましょう。第一条に、「この法律は、道路法に規定する道路のほ装その他の改築及び修繕を促推して道路整備一図り、もって自動車交通の安全の保持とその能率の増准とに寄与することを目的とする。」と、こう明らかにしておるのです。従って混合道路を直しなさい、これはやはり道路整備であるから、揮発油税を使ってもよろしいということにはなっていないのです。大蔵大臣は、今度の揮発油税増徴に当っては、道路五カ年計画に基く道路整備費財源等に関する臨時措置法に基いて値上げするのだと言っておるのですよ。従って、あなたの答弁というものは、明らかに答弁のための答弁であるということを十分承知しなさい。大臣、あなたもこの答弁をお聞きになって、この揮準油税というものがほかの方に使われているということがおわかりになったでしょう、おわかりになったら改めなさい、新聞にはこういうことが書いてあります。自民党の政調交通部会は、揮発油税増徴を内容とする揮発油税法改正案を検討したが、二十六日の朝塚田政調会長池田蔵相と話し合った結果、増徴額は一キロ当り五千三百円、こういうことに改めたと書いてある。与党の話し合いで改められるだけの雅量を持つ池田大蔵大臣であれば、自分のやっておることが間違いであると野党から指摘されれば、十分改めるだけの用意がおありであろうと思います。これが民主主義議会精神です。この点どうですか。
  28. 池田勇人

    池田国務大臣 私は、先ほど来お答え申し上げましたように、道路舗装、修理をなすことを目的といたしまして、たまたま失業者をこれに使うことは違法ではないと考えております。従いまして、その金額いかん等建設省で十分御研究の上、われわれ御相談を申し上げるのでございますが、今のやり方が違法であり、全然やめなければならぬというふうには、私は考えていないのであります。
  29. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 今の大臣答弁関連をして、見解をお尋ねしたいのですが、今度の揮発油税増徴の分の使途ありますけれども、その使途の中に、今問題になっております道路整備ということに名をかりて、特別失事業費として十五億、それからまた積雪地帯における道路交通の確保という意味において十億、合計二十五億の支出が予定せられております。道路整備という目的、これは今答弁せられておりますように、口実を設ければ幾らでも設けられると思います。けれども、特別失事業にいたしましても、実はこれは道路掃除であるとか、そういうことで、実際に揮発油税目的税として創設せられた本旨にのっとった経費支出ではない、一般経常費から出さるべきものです。一般会計からの分を節約して、当然政府責任において支出しなければならぬ社会保障の一環である経費支出の道を、単なる責任のがれで、今日の答弁でごまかして、そうしてこういうような目的外に実際に使おうとするのが、私は今大蔵省のとっておる態度であるというふうに考えるわけです。もちろん建設省にいたしましても、労働省にいたしましても、失業対策に対する費用を要求いたしますことは、当然のことであります。しからばその経費をどこから出すかといえば、これはほとんどが道路掃除をやるから整備だという名目のもとに、道路の実質的な整備のために目的税として創設せられた税をこれに流用していくということは、はなはだもって不都合な考えであるし、この税の創設せられた根本精神に反するものだということは明らかだと思う。今まで答弁せられておるのは、全く政府の便宜的な詭弁にすぎない、こういうふうに考えるわけですが、これについて一体どう考えておるか。  第二の点は、昨年の国会におきましても、この揮発油税増徴に対しては強力な反対がありまして、昨年度は据え置きになったことは大臣も御承知通りだと思います。そして昨年度この揮発油税の問題が起きましたときにも、運輸委員会においても、再三、この増徴は、いわゆる今日の陸上運送業界における税負担限界に達しておるものである、従ってこれが増徴は不適当であるという決議をして、政府に送付しておるはずであります。また昨年の当連合審査会におきましても、この決議は満場一致をもって通過しておるはずであります。このようにいたしまして、議会決議せられたものが全く無視せられて、あべこべにつら当てのような増徴、しかも六千五百円というような大幅の増徴が企図せられて、しかもその経費が、今申し上げるようないわゆる便宜的措置によって他に流用せられることは、断じて私どもの承服しがたいところであります。こういうようないわゆる便宜的な措置によって、その目的税であるものが勝手気ままに流用されるということになれば、将来、私は日本税体系上からいっても、またその経費費目支出上からいっても、これは非常に危険を冒す結果になると思いますが、これらの点について、もう一度はっきりとした御方針を大臣から承わっておきたい。
  30. 池田勇人

    池田国務大臣 先ほど来申し上げた通りでございまして、ガソリン税の収入は道路の方に使います。そして使う場合におきまして、特定の場所において失業者道路補修のために使うことは、法律違反ではないと思います。しかしガソリン税ばかりでは所期の目的を達し得られませんので、今回は、昨年と比べまして、相当の増額を一般会計から処置をいたしておるのであります。
  31. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 それでは、私は納得できないのであります。道路整備等に対してガソリン税たけではいけないから、従って経費相当増加分支出しておる、こういうことでございますが、それでは、具体的に一般会計からどのような道路整備支出経費が捻出されておるか、私は寡聞にして、まだそれを存じません。そのようにして一般経費から支出せられるものなら、なぜ、ことさらに、この目的税なるものを二十五億も他へ使われるのか。また道路公団に対して、政府が当然投融資等によって建設せしめられるような経費に対しても、百何十億というものが支出せられておる。これは、どうも大臣のおっしゃることが首尾一貫しておらないというふうに考えるわけですが、どうですか。それからまた建設省も、これに対してどういう考えを持っておられるか、労働省も一体どういうふうな受け入れ方でこのような自的税を横領しようというのか、品は悪いですけれども、実際は横領的な行為でありますから、これを一体どう考えておるか伺いたい。
  32. 池田勇人

    池田国務大臣 道路公団も、やはり目的とするところは、日本自動車道路の拡充をはかっておるのであります。昨年度も、これに対しまして数十億円を入れておるのであります。しこうしてまた一般会計からの道路への繰り入れにつきましては、昨年は四億円であったのでございますが、今年は四十四億円と、十倍以上にふやしておることは、予算に載っておるところでございます。
  33. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 労働省の方は……。
  34. 山本幸一

    山本委員長 労働省は来ておりません。
  35. 富樫凱一

    富樫政府委員 お話しのように、三十二年度予算におきましては、特別失対に十五億、それから積雪寒冷地帯の道路に十億、合せて二十五億が予定されておるわけであります。特別失対につきましては、前申し上げましたように、他の一般失対とは違いまして、失業者吸収率は多うございますが、目的道路整備をいたすわけでございます。それから積雪寒冷地帯の道路には十億を充てておりますが、これは、三十二年度には一般財源から四十三億を充てられておりますので、この中でまかなうと考えてもよろしいわけでございます。  なお公団に対する補助金が三十億ございますが、これも、五カ年計画に関係のあります道路につきまして、補助をいたすわけでございますので、違法であるとは考えておらない次第でございます。
  36. 山本幸一

    山本委員長 山口君、なるべく簡単に願います。
  37. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 もう、しませんから……。私は、それでは満足できないのです。とにかく臨時就労対策費としても七十四億組まれておる。一体道路整備といえば、そこらの紙きれを拾って掃除をしても、道路整備という名目になるでしょう。けれども、この揮発油税目的税として創設せられたときの目的は、そういうものではない。いわゆる道路整備するということは、未舗装舗装する、あるいは幅員の狭い道路は、建設省は、あなた自身が計画されたじゃないですか。道路は、その通行するバスの幅員の倍に五十センチ以上の幅員がなければ通っちゃいかぬと計画されて、あなたはさんざんな目にあったじやありませんか。だから、実際問題として、今日のいわゆる近代的な陸上交通にふさわしい道路整備する目的のために創設されたものである。それを、舗装道路のごみ取りや、あるいはまた、たまった雪を掃除する、そんなべらぼうなものに強奪されてたまりますか。そんなものが道路整備になりますか、そんなものは便宜的な詭弁にしかすぎませんよ。そんなことで業者が納めた税金を強奪されてどうなります。  第二に、私はもう一点申し上げておきたいのは、これは大蔵大臣によく聞いておいていただきたい。道路公団等でなるほど道路建設されていくでしょう、けれども、そこへこの業者が納めた税金をつぎ込んで道路を作る、そうしたらその道路はまた通行料をとられるじゃないですか。自分の作った道路で自分の道路と思えば、また通行料を納めなければならぬ、そんなべらぼうな話がどこにありますか。二倍、三倍の税金を納めなければならぬということになるじゃありませんか。そんなべらぼうなことをして陸上交通の公益性を守るなどといって、守れますか。あまりにも交通行政に対する政府の認識不足といわざるを得ない。ただ自動車を走らせたからそれでいいんだというものじゃありせまん。交通というものは器材を運ぶ、あるいはまた大切な人命、財産を完全に、安全に目的地へ輸送する責任を持っておる。しかるにその業態に対して、このような苛酷な、いわゆる苛斂誅求的な仕打ちをやっておいて、そしてただ責任だけを業者におっかぶせて、それで政府は交通政策がとれる、そういうようなお考えは、全くもって私は本末転倒の話だと思う。あまりにも陸上交通に対する認識不足であるというふうに私は考えるわけですが、はなはだもって私は遺憾に思う。しかも再三にわたって国会において議決せられておる、その議決を無視して六千五百円もの大幅な増徴をやって、そうして業界の公益性をみずから政府が奪うようなことをやって、責任だけを人になすりつけるということは、これはもってのほかであると私は思う。一体これはどういうふうに考えておられるか、これは両者から完全に納得のいく答弁を願いたい。
  38. 池田勇人

    池田国務大臣 道路整備は、最も重要な国策の一つでございますので、従未は一般会計からの繰り入れだけであったのでございますが、昭和二十八年からガソリン税の収入をこれに充てようということで、道路整備をはかっておるのであります。しこうして今道路公団の方で、ガソリン税を納めながら、また有料道路でお金を取る、二重だ、こういうお話でございますが、有料道路につきましての料金の算定につきましては、ガソリン税によって補助した金額を除いたほかの経費を出しまして、それを一定期間に償却するようにいたしまして、二重課税というふうな非難を受けないような計算をいたしております。
  39. 井岡大治

    井岡委員 私が尋ねようと思っていたことを、同僚の山口君がお尋ねになりましたので、私はこの点は省きます。ただ先ほどから大臣が繰り返し申されておることは、失業対策であっても、これは舗装のために使うんだから道路整備だ、こういうように言われておるわけなんです。そこでこの十五億と臨時就労の七十四億を使ってどれだけの道路ができるのか、同時にどこにこれをお使いになるのか、この点を明らかにしておかないと、先ほどの富樫道路局長の話だと、たんぼ道まで直すような意気込みでおいでになりますから、これは大へんなことだと思うんです。ですから、この点、大臣どこにお使いになるか明らかにしていただきたい。
  40. 池田勇人

    池田国務大臣 道路整備五カ年計画に基いて、建設省がおやりになることになっておるのであります。どこの道路と私は今存じておりません。これは建設省からお話しすることにいたします。
  41. 井岡大治

    井岡委員 大臣は、自分が出してしまったら、あとはどうなってもかまわぬのだというふうにお考えになっておられると思うのです。そういうことをするから、土木事業に対して汚職が起ってみたり、金は取られるけれども、道路は一向に直らない、こういう結果が生まれてきておるのです。大臣は、ほかでは非常にこまかいところに気を使って、この金はやらない、こういうようにがんばりますが、道路に使う金、あるいは業者から取った金というものは、これはどんなに使ってもかまわぬのだという考え方を改めていたたきたい。同時に富樫道路局長、どこに、何ぼ使って、どれだけできるんだという点を明らかにして下さい。
  42. 富樫凱一

    富樫政府委員 特別失事業につきましては、失業者吸収もあわせてやらなければなりませんので、労働省と打ち合せて地域をきめ、その地域の中で五カ年計画に入っておる道路を実施することになるわけでございます。臨時就労につきましてもほぼ同様でございまして、失業者吸収率がよけいでありますので、それらを勘案いたしましてきめて参るわけでございますが、ただこれを、どこの道路にでも使うということではございませんで、道路五カ年計画の線に沿いまして、国道、県道等に使っていくことになるわけであります。
  43. 井岡大治

    井岡委員 この法律のできたのは、昭和二十八年の七月ですよ。そうして年次別に、昭和三十年はどこをやる、幾ら使う、三十一年は幾ら、三十二年は幾らと規定してあるんですよ。今時分になって、労働省と相談をしてやるというのでは、あんた、この法律を知ってるんですか、知らないなら知らないとはっきり言いなさいよ、これは二十八年にできて、三十年からちゃんと五カ年計画――大臣は五カ年計画に基いてやるんだと言ってるじゃないですか、それを今までやっておらぬ、どこに使うか、はっきり言って下さい。
  44. 富樫凱一

    富樫政府委員 五カ年計画に沿いまして実施いたすわけでございますが、ただその五カ年計画の実施とあわせて失業者吸収いたしますので、繰り上げて施行する場合もあるわけであります。この特別失対を実施するのには、失業者吸収するという条件と、五カ年計画によって実施するという条件と、二つ満たさなければならない。その五カ年計画の中から選びまして、それの失業者吸収すべき地域にある道路整備を実施いたすわけであります。
  45. 井岡大治

    井岡委員 まだどうしても私の質問したお答えにならない。それからもう一つ明らかになったのは、これは大へんなことです、大臣は先ほどから、この金は道路舗装するための失業者に使うんだ、こういうことを繰り返し言っておられる。あなたの答弁は、道路を直さんならぬということと、失業者を何人雇わんならぬということと同時に、同じウェートを持ってこう言っておる。そうなってくると、さいぜんからの答弁は大へん怪しくなってくる、先ほどの答弁では、あくまで道路を直すということにウェートが置かれて、これにほとんど全部使われるような答弁をされておった、ところが、今のはそうじゃない、この関係は非常に重要だということを、はっきりあなたは認識していただきたい。同時に、大臣、この答弁の違いは、私は最も明確にしてもらわなければいけません。同時に、先ほどから尋ねている、どこで何キロ、三十年はどこに何ぼ使った、三十一年度は何ぼ使った、三十二年はどこに何ぼ使うということを答弁して下さい。
  46. 富樫凱一

    富樫政府委員 三十年、三十一年に使いました個所につきましては、はっきりいたしておりますので、ただいま資料を持っておりませんが、資料として提出してもよろしゅうございます。
  47. 山本幸一

    山本委員長 その資料はすぐ出ますか。
  48. 富樫凱一

    富樫政府委員 すぐ出ます。
  49. 山本幸一

    山本委員長 それでは至急に取り寄せて下さい。
  50. 富樫凱一

    富樫政府委員 それから三十二年度の計画について申し上げますが、これは内地と北海道に分けまして、内地の分を、直轄、補助のうちの国道と地方道に分けますと、直轄につきましては、臨時就労が二十二億であります。それから補助につきましては二十五億でございますが、そのうち国道に対して十九億、地方道に対して十五億、こういう割当になっておりますが、ただこの臨時就労につきましては、失業者吸収ということも考えなければなりませんので、まだ箇所はどこを、あるいは何キロやるというところまでいっていないわけであります。
  51. 井岡大治

    井岡委員 大臣、今の御答弁をお聞きになられたですね、あなたば先ほど舗装するために使うのだ、こう言われた、ところが失業者吸収しなければなりませんので、こういう御答弁なのです。では、先ほどの御答弁と違うのですか、これをどういうようにお考えになるのですか。
  52. 池田勇人

    池田国務大臣 道路を直すために使うのです。そうしてその直すのをどういう方々を使うかというときには、失業者を使います、こういうことです。
  53. 井岡大治

    井岡委員 違うのです。道路を直すためにということなんだが、失業者を使わなければいかぬ、その数もということを言われておるのですよ。その数もということを考え合せるならば、失業者を使ってということにならないのです。数というものが明らかにウェートを持っておるのです。わずか一字の違いでありますが、大臣、この言葉を忘れぬで下さいよ、あなたは非常に計数の明るい人ですが、数という字を忘れたのじゃ計数になりませんよ。どうです。
  54. 池田勇人

    池田国務大臣 私は道路五カ年計画によって舗装、修理することを目的といたしまして、そうして時に、また所によって失業者が出ますから、その五カ年計画による道路を出た失業者を使って直す、こう言うのであります。失業者を五カ年計画以外のものに使うのならば、これは失業者のための費用ということになりますが、道路五カ年計画によるものにつきまして失業者をそれに向ける、こういうのでございますから。道路舗装、改修に充てる、こういうわけであります。
  55. 井岡大治

    井岡委員 これは、何ぼ大臣答弁をうまくごまかされても金をもらった方がその気持じゃないのですよ。あなたは出したのだから、こういうような考え方を持っておったって、それはいいでしょうけれども、もらった方はそうじゃないのです。あなたのむすこさんに、このお金で本を買いなさい、こう言ってあなたは渡したから、本を買っておるのだと思っておっても、 そのむすこさんがコーヒーを飲んでおったってわからない、こういうのと一緒ですよ。そういうことでは、国民の税金である限り、これは納得するわけにはいきません。それから幾ら取っても、何キロ作るかということは言わない、これまた労働省と相談するとか、計画をするのだと言うが、そうしたら、これだけぐらいもらっておいたらいいのだ、こういう考えですか。
  56. 富樫凱一

    富樫政府委員 三十年、三十一年に実施いたしましたものにつきましては、ただいま資料を取り寄せておりますので、その上でお答えいたします。
  57. 永山忠則

    ○永山委員 関連して……。
  58. 山本幸一

    山本委員長 永山さん、関連質問は、きょうは原則的にお認めしない予定ですけれども、先にありましたからお許ししますが、簡単に願います。
  59. 永山忠則

    ○永山委員 皆さんの方でいろいろ御議論されておるのでありますが、建設省の方の答弁があいまいですから、議事が進まないので、はっきりしてもらいたいのは、特別失事業関係費十五億は、建設省でお使いになるとか言っているが、労働省が使っておるのじゃないですか。同時に、その分は道路五カ年計画には関係なしに、いわゆる失業対策に持ってきて労働省が使っておるというような工合に伝わっておるのですが、それをはっきりさせたら、その辺が納まるのじゃないか、こう思うのです.が……。
  60. 富樫凱一

    富樫政府委員 特別失業対策事業費は、労働省所管の予算に計上されております。ただこれを実施いたしますためには、建設省に移しがえを受けまして、道路五カ年計画に沿いまして実施いたすわけでございます。
  61. 永山忠則

    ○永山委員 特別失対関係の方は、道路五カ年計画に関係なくして失業対策目的だけでやる。そうして臨時就労対策の関係は、建設省道路五カ年計画失業者を使ってやるというような工合に伝わっておりますので、この場合特別失業対策関係の費用を、道路五カ年計画政府計画にはっきり使っておるという資料をお出しになることをお願いをいたしておきたい。
  62. 井岡大治

    井岡委員 この問題は、大体大臣答弁がお困りになっておるようですから、あまりいじめるのもかえってどうかと思いますから、私はこればやめます。やめますが、これは明らかに間違いたということだけお認めになっていただきたい。  次に、二十五日の先輩の松原委員の質問に答えて、大臣は、三十年度全産業の収支率は三・七六%であり、自動車事業は六・四三%である、こういうように御答弁になったのですが、間違いございませんか。
  63. 池田勇人

    池田国務大臣 大蔵事務当局の調査の結果をそういうふうに申し上げました。
  64. 井岡大治

    井岡委員 大蔵事務当局の調査の結果と大臣答弁とは、どういう関係があるのですか。私は、やはり大臣が御答弁になったから、大臣の御答弁だと思っておるのですが、事務当局が調べたということでは、責任は持てないと思うのです。
  65. 池田勇人

    池田国務大臣 事務当局の調査を私が信じて、私の発言として申し上げたのであります。
  66. 井岡大治

    井岡委員 その次に、もう一つお尋ねしておきたい。揮発油税を六千五百円引き上げることによって自動車事業の受ける影響は、特に収入では二%の支出増になる、こういうように御答弁なさったと思うのですが、これは間違いでございますか。
  67. 池田勇人

    池田国務大臣 利益率が二%低下する、しかも、これは利益の出る前の損金に値するものでございますから、二%も下ります、こう申し上げておるのであります。
  68. 井岡大治

    井岡委員 そこで、私はその比較の面から先にお尋ねするのですが、全産業で比較をされるということ、それから自動車だけを比較をされるということ、これには私は大きなあやまちがある、大臣は数字の名人ですから、数字でごまかそうとしても、これは間違いです。同じ条件のものを比較をするというのが、私は担税能力を算定する基礎の一番大事なことだと思う。特に自動車事業のようなものにおいてはそうであります。従って、総経費と資産というものは半分々々でなければならぬという定説から比べ――こういうものと総資産ですよ、総資産と比べる場合において、それを全然形態の違ったものを持ってきて、これで、こちらの方が高いからまだ引き上げても大丈夫なんだ、こういう数字のごまかしは、私はやめてもらいたいと思うのですが、この点どうです。
  69. 池田勇人

    池田国務大臣 何もごまかしをしておるわけじゃございません。大蔵省の方で調べました全産業の利益率はこう、自動車運送事業の利益率はこうであります、こう申し上げたのでございます。その計算の根拠その他につきましては、主税局長から答弁させます。
  70. 井岡大治

    井岡委員 比較をする場合、同一条件に置かれたものを比較することがいいのです。たとえば、極端な例を申し上げて申しわけありませんが、衆議院の自民党の方々の平均年令を出すのに、地方の自民党の議員を入れてきて、そうして社会党より年令は低いのだというような比較の仕方というものはないのです。衆議院の議員の平均年令を出すのは、社会党と自民党の衆議院の内輪のものをもって比較するのが正しいのです。それを経営形態が違う、条件の違うものまでも引っぱり込んできて、これでどうだというような考え方、しかもこれで担税能力があるのだというような考え方は、これはあやまちじゃないか、こう言っているのです、数字を言っているのではない。
  71. 池田勇人

    池田国務大臣 そういういろいろな疑問がございますから、全企業の収益率はこうでございます、自動車運輸業はこうでございます、こう言っておるのでございます。これで御判断願うということでございます。
  72. 井岡大治

    井岡委員 それだけならいいのです。いいのですが、大臣は、こういう結果だから担税能力は十分あると言われているのですよ。これが問題なんです。初めの比較の問題を言っているのではない、そこにウェートがあるのではない、これで担税能力があるというから、この比較の仕方は間違いじゃないかと言っているのです。
  73. 池田勇人

    池田国務大臣 担税力のあるないの問題は、その人の認識でございます。私は昭和三十年川度全企業の収益率は三七六だ、それから自動車運輸業は六・四三だ、こういうように違う。そこでガソリン税がもし六千五百円上った場合には、この利益率がどうなるか、その利率率が二%だから、これを引きますと、全産業は三・七六、自動車運送業は四・四三、こうなってくると、全産業の収益率よりもまだ上でございますということを言ったのであります。上ならば一応の担税力はあると見られるのではないか、これは私の主観でございます。それはそうではないかというのはあなたのお考えで、私はこういう数字のもとで担税力があると見ておるわけです。
  74. 井岡大治

    井岡委員 主観論で税金をとられたのではたまったものでないです。しかし、そのことであなたに言っても、あなたはどうやらこれは見解の違いだから勝手にさらせというような言葉使いですが、そういうことにはなりませんよ。運輸省の調べで、バスは五・二三、ハイヤー、タクシーは六・三、こういうようになっている。ですから、あなたの数字は六・四三なら、これはだいぶ違ってきている。この違ってきているのに、さらに二をここから引いてごらんなさい、どうなる。そうして一般の方を比べて、いわゆる全産業を比べて、これでどうだ、こういうような言い方というものは、見解の相違だけで済まされる問題ではないのです。なぜこのように違ってくるのですか、この点……。
  75. 池田勇人

    池田国務大臣 運輸省の調べは存じません。私は大蔵省税務当局の調べで申し上げておるのであります。運輸省がどういう調査をしたのか、私らの方としては、税務統計からこういうふうに数字を出しておるのであります。
  76. 山本幸一

    山本委員長 井岡委員、発言中まことに申しわけございませんが、実は門司君から、地方税に関連して正要な発言の請求がございますし、参議院の方からたびたび請求が来ております。従って、この際一時あとを留保していただいて、門司君に交代していただきたいと思いますが、よろしゅうございますか。
  77. 井岡大治

    井岡委員 もう一点お尋ねしたいのですが、設備の経営形態――私は先ほどから言っているのですよ、自動車というような産業は、全産業と比べる場合において、十分その立地条件を考えてもらわなけばならぬ、こう言っておるのです。そこで大臣にお尋ねしておるのは、設備の経営形態というもの、これをまず考えてもらわなければいかない。自動車の場合は、総資産に対する固定資産が五〇%以上なんですね、これを同じような条件のもとでやりますと、ほかの産業は七・四六%になるわけです。片一方は、大臣の言われる六・四三、これに比べてどういうことになるか、こう言うんです。これでいいということにならないじゃないですか。担税能力があるといっても、ないじゃないか、この点が問題だ、こう言っておるのですよ。この点どうなんです、これは大蔵省の調べですよ。
  78. 池田勇人

    池田国務大臣 先ほど来申し上げておりますように、私は全企業と自動車運送業を比較したのであります。そうして、そういう数字が出たのであります。あなたはどの企業とお比べになりますのか、それだったら、その特定の企業と自動車事業と差が出て参りましょう。全企業でございますから、自動車運輸業よりはいいのもございましょう、また相当悪いのもございます。しかし平均で言っておるのでございます。
  79. 松原喜之次

    ○松原委員 関連して。今の問題ですね、つまり全産業と自動車産業とを比べるということは、担税力を計る上において非常な間違いだという点を指摘せられておるのだと思うのであります。ということは、総資産の中で固定資産が五〇%以上のものを特に全産業から、抜き出した場合には、これは設備経営形態事業として、特にそういう統計を出しておる向きがあるのであります。これならば、固定資産が総資産に対し五〇%以上であるような条件を持った全産業を比べてみれば、正しい比較が出る、こう思うのであります。その際にはそういう条件での設備経営形態の産業全体と、それからその一つであります自動車産業だけ抜き出した場合のこの収益率ないし利益率を比較すると、全産業の方が自動車産業よりもやはり利益率は多い。それはもちろんですね、固定資産が多いのですから。固定資産税も納めなければならないでありましょう。それも、大体土地等以外は、償却費も要るでありましょう。そういうふうな点が条件が違うので、それを一般産業と比べることは、この担税力を計るのに必ずしも適当でない、そこで設備経営形態の全産業と比べる方が正しい。それを比べると、自動車産業の方が悪いのでありますから、この担税力を計る上においては、どうも大臣の結論とは非常に違った結論が出る、こう思うのでありますが、この点に関して、やはり大蔵省の比べ方の方がいいのか、それとも私の言う比べ方の方がいいのか、どっちか一つ大臣から御見解を承わりたいのであります。
  80. 池田勇人

    池田国務大臣 比べ方にはいろいろあると思います。資産の状況、あるいは経営形態の状況、あるいはその経営形態が過去の蓄積によるものなりや、いろいろな点があると思います。いろいろな議論の存するところでございましょう。しかし私は、全企業と自動車運送業と比べればこうなります、こういうのでございますから、松原さんの言うように、こういうものと比べれば自動車は悪い、今度はこういうものと比べればいいという、いろいろなのが出てきますが、私の申し上げたのは、全企業の平均はこうでございます、自動車産業の平均はこうなっております。お話しのように、ガソリン税が上りますと、必要経費でございます、所得から納めるのでないので、利益率はほかのものよりも二%も下る、こう申し上げたのであります。
  81. 松原喜之次

    ○松原委員 私はそれを尋ねておるのではないので、大蔵大臣の御答弁は数字が間違っておるとは言うてない、その数字は正しいが、比べ方がおかしい。全産業と比べるか、あるいは同じような経営形態のものと比べるか、どちらの比較の方がその自動車業の担税力をはかる上においてより正しいか。もちろん完全ではありません、しかしより正しいかということは、これはおそらく中学生といえどもわかることだと思うので、大蔵大臣はどうお考えになるか聞いておる。
  82. 池田勇人

    池田国務大臣 いろいろな比べ方がございます。だから、どの分も正しい場合がございます。これはとり方によりましていろいろ違います。従って、私は前提としてこういうとり方で見ます、こう言っておるのであります。だから、松原さんの方で御研究になりまして、いろいろな比べ方をおやりになることは、どうぞ御研究願いたい。
  83. 松原喜之次

    ○松原委員 それはどうもけしからぬですね。大蔵大臣ともあろう人が、担税力をはかる基礎となる比較論をやっておる際に、それはいろいろのはかり方もありますから御自由におはかりなさいでは、これは大蔵大臣としてあまり不見識だと思う。担税力をはかるのにいずれが正しいかということは、これはほとんど子供といえどもわかっております。経営形態か同じような業種同士をはかる方が、経営形態が全く違ったものを持ってきて一緒にしてその平均数字と比較するよりは、はるかに正しいということは、これはだれでもわかっているんですから、それは大蔵大臣、そんな御強弁はなさらないで、それはやはり大蔵省の比べ方に欠陥があったんだ、こういう比べ方の方が正しいのだということをお認めになる方が、私は池田さんらしいと思うのですが、どうでしょうか。
  84. 池田勇人

    池田国務大臣 その比べ方はいろいろございます。資産の状況によって見るのもございましょう。しかし私は、それが悪いというのじゃありません。より正確な資料をもって検討しなければならぬと思いまするが、せんだって松原さんの御質問に対してお答えしたのは、こういうことでいけばこうなって、担税力があるようでございます、しかしあなたの方では、こういう計算をすると担税力がない、こういうようなお話のようです。それはわれわれとしても今後研究いたしましょう。ただ問題は、これをこう言った理由は、私は担税力があると見るのにこういう計算の仕方をしました、あなたの方は、それは間違いとは言わぬが正確でない、もっとよりよい計算の仕方がある。それは、そういうのもこっちも研究してみましょう、こういうことなんでございます。
  85. 井岡大治

    井岡委員 委員長から御注意がありましたし、研究するということですから、私は最後に言っておきますが、今言われたように、ただその比較によって税金をとられていくわけですね。そうなってくると、その企業の結果というものはどうなるか、こういうことなんです。これは、自動車五十両を持っておられる人方が今までの実績をずっと調べられた表があるんです。これは金をとられる方ですから、一番よく知っておると思う。自分たちの今までの実績をはかって、そうして来年度の収支はどうなるだろうか、これは心配されるのは当然なんです。こうして見るとみんな赤字が出る、その結果は、企業それ自体無理をしなければならぬ。しかもその結果はどうなってくるかというと、事故が起ってくる、事故が起れば、それだけまたふえてくる、労働強化になってくる。こういうことを考えるならば、私は比較論というものが、単なる比較論の問題だけでなしに、企業の経営自体に大きな影響を持っておる、こう言っておる。ですから、この点を十分お考えになって、今までの比較の仕方がある、これを研究して見てより正確にすると言われるのであれば、私はこの際よく研究されて、これに基く値上げをなさるわけですから、この値上げ率それ自体も、もう一度再検討をしてもらいたい、こういうことを申し上げておる。
  86. 山本幸一

    山本委員長 門司亮君。
  87. 門司亮

    ○門司委員 同僚委員からおのおの所管別に質問がされておりますので、私は私の関係いたしております地方行政、いわゆる地方財政に関する点だけをごく簡単に大臣に質問いたしますが、率直に答えていただきたいと思います。  揮発油の税金が上って参りますと、地方税であります軽油の税金が当然それと見合う額だけ上ることが、大臣の説明書に書いてあります。従って問題になりますのは、一番先に私の聞いておきたいと思いますことは、今の討論その他をいろいろ聞いておりますると、大臣の方では、企業内で大体この上っただけの税金は消化できるという見通しのように承わっております。そうだといたしますと、結局これからくるバスの料金が上ったり運搬賃が上ったりするようなことはないということに大体なると思いまするが、これが認可権あるいは許可権を持っておりまする運輸省は、そういうことは絶対にしないというお考えでございますか。その点を先に一つ承わっておきます。
  88. 山内公猷

    ○山内政府委員 現在自動車関係の料金として改訂を進めておりますのは、バスの料金でございまして、これはこの税金だけではなく、昭和二十七年以来運賃が据え置きになっておりますために、全部のバス業者の改訂をしておるわけではないのでありますが、個々のバス会社について改訂を進めております。それからその他のハイヤー、タクシー及びトラックにつきましては、まだ現在そういう要請がございませんので、検討を進めておりません。それでこのガソリン税あるいは軽油税が上りました結果、それのみによりまして運賃が上るかどうかということは、今軽々にお答えできないわけでございますが、ただ常識的に考えて、そういう支出がふえれば原価がそれだけふえるということは、もちろん当然でございます。ただそういういろいろな運賃は、独占企業でないわけでございますから、ただ経費支出だけですぐに運賃値上げということにもなりませんし、要は業界がそれでやっていけないということで申請をいたしたときに、役所といたしましてはその内容を検討するわけでございまして、その場合に、原価構成として、この税金が上れば原価に入って全体的の収支のバランスの計算をするということになることは、申し上げられるわけでございます。まだトラックなりハイヤー、タクシー業界におきましては、そういう要請は出ておりません。
  89. 門司亮

    ○門司委員 私そんなことを聞いておるのではないのです。私の聞いているのは、これは大蔵大臣は企業内でやれるというのだから、それなら一般の国民に影響を及ぼさないということになるわけですね。だから、あなたの方はそういうことでいいのかということを聞いているのであって、まだ申請があるとかないとかいうことを聞いているのではございませんので、その点は間違いのないようにしておいてもらいたい。そういう押し問答をしておると長くなりますから、私どもは絶対に物価に影響がない、運賃の値上げをしないということは、大蔵大臣答弁で一応聞けると思います。  その次に大蔵大臣に聞いておきますのは、今日道路が非常に悪くなっておることは御存じの通りであります。この原因はどこからきたかということを、大蔵省ではほんとうにお調べになったことがありますか。今の道路の荒廃している原因を探らなければ、これが直ちに業者にといいますか、ガソリン税目的税にしたときも問題があったと思いますが、いろいろなことになると思いますので、一体どういうわけで今日のように道路が荒廃したかということ等について調査されたことがございますか。もし調査されたことがあったら、その結果をこの際私は教えてもらいたいと思います。
  90. 池田勇人

    池田国務大臣 ガソリンの値が増税によって上った、これは全部企業家の方で負担するのだ、私はそう答えたことはございません。これは、企業家の方で負担できるものは負担していただくし、また前に御質問に対しましてお答えしたように、これは理論上は消費税でございますから、利用者が負担するのが当然でございます。ただその間は、経済の原則によって片づけられるものと思っております。  それから次の道路の荒廃した原因ということにつきまして、私は特に調査はいたしておりませんが、自分の考えでは、道路の修理がおくれたこともあります。そしてまた交通量が予想以上に非常に多くなったこともございます。こういういろんな点が出てくると思うのであります。そしてまた荒廃の原因にいたしましても、今日本では、ほとんど全部がセメント道路になっております。これがいいか悪いかという問題も相当検討しなければならぬ問題だと思います。
  91. 門司亮

    ○門司委員 最初の御答弁でございますが、この問題は、私は明確にしておきたいと思いますけれども、理論上利用者が負担するということになりますと、消費者課税だという大蔵大臣答弁だと思います。そうすると、ガソリン税の上っただけは結局消費者が負担するということに大体なる、こういうふうに私は解釈いたしておきます。従って物価も、バスの運賃も、その他の料金もみんな上るであろうということだけは申し上げて差しつかえないということになると思います。  その次に、今の道路の問題でありますが、道路の問題と揮発油税の関係をずっと申し上げて参りますと、これは大臣の方がよく御存じだと思いますけれども、揮発油税は昭和七年に創設されておりますが、その当時は、大体一般物品税として取り扱われておったと私は思います。これが戦争中は、軍が全部ガソリンを消費することになりましたので、自然消滅のような形でこの税金はなくなっております。そして昭和二十四年からまたあらためて揮発油税というものができております。それから昭和二十四年から昭和三十一年までガソリン税として取り上げられておりますものが、大体一千五百七十五億ある。その間に、昭和二十八年の法律改正で、二十九年から目的税としてこれが道路に使われるようになって参りましたのを差し引いてみましても、その前にガソリン税として取りましたものが、一般の国費に使われておることに間違いはございません。従って、もしここでガソリン税目的税として、そして道路整備に充てるのだという考え方が出て参りますと、結局今まで国がガソリン税を取り立てて使っておりました分くらいは、やはりこの際国がこれを支出して、新しい支出のもとに道路整備していくという考え方が正しいのではないか。これは、私は池田さんの議論からいえばいろいろ議論はあると思いますが、道路ガソリン税との関係を調べてみますと、こういう数字が出てきます。従って、この際ガソリン税の値上げをして国民に負担をかけるというよりも、むしろ国がガソリン税として取ったものを前に一般国費に使っておったのだから、こういう景気のいいときには、やはり一般の消費者に迷惑をかけないで、国費でこれをまかなっていくということが、この税金と道路との関係、国民の消費との関係を考えて参りますと、私は正しいと思うのだが、大蔵大臣はそれに対してどういうお考えをお持ちになりますか。
  92. 池田勇人

    池田国務大臣 お話しの通りに、ガソリン税ができたのは昭和十一年だったと思います。それからやったのでございますが、それでは十一年から取った分を一般会計に取りまして、そして道路費用ガソリン税の収入がどうなっておるかという問題は、私は計算しておりませんが、もし十一年から取った分でそれが道路に向けられなかったということになると、ガソリン税を取る前の道路費用をどうするかという問題がまた出てくるわけであります。だから、私はそういうことよりも、昭和二十七年の暮れ、私が通産大臣をしているときに、これは目的税的なものにした方がいいという結論を出しまして、やっておるのであります。だから私は、原則といたしましてガソリン税の分は道路に使う、そして国家財政に余裕があるとは言いませんが、国家財政の方からもできるだけ道路の方へ出して、経済の基盤を強化する、こういう考えで進んでおるのであります。
  93. 門司亮

    ○門司委員 今お話がございましたが、私の考え方と少し違うようであります。あまりここで理論闘争だけをやる必要はないかと思いますが、ガソリン税目的税にするときの動機と、ガソリン税か国費に使われておったこと――大臣はその前はどうするかと言われますが、もしもそういう議論が出て参りますならば、一体国の道路行政というものはいかなる姿であるべきかということを先に考えなければならぬ。この議論をしていると、私は相当長いと思いますよ。そうなって参りますと、私ははっきり聞いておきますが、今日の日本道路を荒廃させた原因はどうなっておるか、もう一ぺん聞いておきたい。もし大臣がそういう答弁をされるならば、それにさかのぼって、処置すべき人がこれを処置していく、負担すべき人が負担していくというふうに、区分をはっきり分けようではありませんか。
  94. 池田勇人

    池田国務大臣 今後の道路の問題につきましては、ガソリン税をこれに充て、そうして国の一般財政の方からできるだけこれにさいていこう、こういう方針でやっておるのであります。これでいくべきであると私は考えております。過去の問題につきまして、これだけ取り過ぎた、これだけやり過ぎたということよりも、将来どうしていくかということが私は問題であると思うのであります。道路の荒廃の原因は、先ほど申し上げましたように、道路の改良補修ということよりも、急激に交通量がふえていった、そうして改良補修の方に手が十分回らなかった、こういうことにあると思うのであります。従いまして、道路五カ年計画を立てて、これに向って国策の最も重要な部分として進んでいこうとしておるのであります。
  95. 門司亮

    ○門司委員 大臣はそういうことを言われますが、それなら私は、地方財政の関係から申し上げて、一応大臣考え方を聞きたいと思います。地方財政の今日までの状況は、大臣ごらんの通りであります。私は御存じの通りであると考える。もし御存じでなければここで申し上げてもよろしゅうございますが、時間が長くなりますから節約いたしますが、地方財政の一般的現象を見て参りますと、昭和二十五年あたりまでは、消費的経費と投資的経費というものがほぼ均衡を保っておったのでありますが、御存じのように、だんだんと地方財政が国家財政の犠牲になってきて、その運営が非常に困難になって参りますと、消費的経費と称される分、あるいは義務的経費と称される分はなかなか節約するわけには参りません。人の給料を払わぬわけにも参りませんし、教育を行わぬわけにも参りません。従ってだんだんこの面はふえていくが、投資的経費は節減されていく、投資的経費をだんだんと節減せざる々得なくなって参りますと、そこに出てくるものは、道路の荒廃が先に出て参ります。国家財政と地方財政の関連と、地方の道路と国の道路の関係もございましょうが、これが現実の姿だろうと私は思う。県の名前を私はっきり申し上げませんが、さっき申し上げましたようなことで、ある一つの県をモデルとしてとって参りましても、昭和二十五年からずっと計算をいたして参りまして、そうして消費的経費と投資的経費とずっと差額を調べて参りますと、数十億の開きが出て参ります。もし消費的経費と投資的経費が昭和二十五年当時と同じように使われるだけの余裕の財源を持っておったならば、私は今日のような道路の荒廃は来たさなかったと思う。さっき申し上げましたように、一つの県の実例をとって参りますと、ほとんど道路という道路は穴だらけであって、橋には重量制限をしなければならない橋がたくさんある。どこから原因がきておるかというと、財政上のそういうアンバランスからきておるのである、従って、今日の地方の道路の荒廃というものは、あげて今日まであなた方がお考えになっておりました、国は一銭も借金をしないが、地方には五千三百億という大きな借金を背負わせるというような財政政策をとられてきておるところに原因があると思う。この誤まった地方財政政策からくる今日の道路の荒廃というものは、おおいがたい事実であります。従って、これをただ道路が荒廃しておるからガソリン税負担をかけて、そうして一般の消費者にかけようということでは、私は済まされないと思う。国が神武以来の景気であって、そうして増収が二千億あるというような時代になっておりますときに、国の施策に基いて今日のような道路の荒廃ができておる。これに加えて申し上げなければならないことは、先ほどから言われておりますような、今日駐留軍が一体どれだけの道路をこわしておるか、日本道路はどれだけが原則なのか、戦争前の日本道路というものは、第一国道が、御存じのように、橋梁において十二トン、道路の耐用は六トンが大体基準であったと思う。今日の日本の運んでおりますトラックの重量からみれば、そういうものを凌駕したものがたくさんあると思いますが、それよりももっと大きな障害を与えておるのは駐留軍の戦車、何十トンというものを運んでおる、これが今日一番大きく道路を破損しておると思う。だから、道路の破損を直すことのために国民に均分した負担をせよというならば、やはり国がその辺をお考えになったことがあるかどうかということで、先ほどから荒廃の原因がどこにあるか御存じかということを私は聞いたのであります。私が今申し上げました、今日の地方道路の荒廃は、国のそうした地方財政計画に対する誤まりからきたものであるということを、大臣は一体承認されるかどうか。もう一つは、今日の日本道路の荒廃は、道路の耐用力より以上の、しかもそれは税金を納めない、税金の取れない、行政協定に基いた外国軍隊の使用というところに大きな原因があるということは、大臣もお認めにならざるわけにいかぬと思うんだが、この点を大臣は認められますか。
  96. 池田勇人

    池田国務大臣 道路の荒廃の原因についていろいろお話がございましたが、御承知通り昭和二十六、七、あるいは、八、九までは、地方の財政が消費的投資にかなり向けられたのであります。それで、お話しのような建設関係、投資関係の方が非常に出てくるようになりまして、にっちもさっちもいかぬという県が相当できたので、再建整備法によりまして新たに出発しようとしたのであります。幸いに最近の経済界の好況によりまして、国及び地方にも相当自然増収が出てき、そしてまた交付税率も上げまして地方の財政を健全化し、今まで行政水準の低下しておったのをこれから上昇させていこうといたしておるのであります。一時的の波と申しまするか、地方の消費的支出が過去数年間非常にあったというので、そういう建設がおくれておったのであります。これは国の方から出さない、こういうことでございまするが、われわれは地方のあり方につきまして、十分な監督権も持っておりません。昔とは違いまして、大蔵省には地方財政に対しての監督権はない、ただ法律の命ずるところによりまして交付税を交付するとか、いろいろな財政上の手続をいたしておりまするが、これは国ばかりの責任でなしに、全部の責任だと私は考えておるのであります。幸いに経済界の好転を見ましたので、地方の行政水準の確保、向上にこれから相当努めようといたしております。  なお道路が破損した原因につきましては、これは進駐軍がタンクをやるのもありましょうが、今の舗装が現在の交通量、あるいは大きいバスとかトラックに耐え得ないところもあるのでありまして、一がいにこうだと断定はできません。いろいろな事情から荒廃してくると思うのであります。
  97. 門司亮

    ○門司委員 非常に大臣の認識が不足というよりも、答弁されることのための答弁をされておると思いますが、先ほどから私が申し上げておりますのは、地方財政の関係では、消費的経費というものは、これは大臣はよけい使っておるような口吻でございましたが、これは節約がなかなかできない義務的な経費なんです。国が三百種類にも及ぶような補助金をつけていましょう、補助金の総額は三千億です。これに対応するだけの地方財政というものは必要なんです。だから、国がそうした仕事に対する財源を十分に与えておらないところに今日の大きな借金が出てきておる。その借金の元利払いを、ことしは七百六十億もしなければならないでしよう。  同時に大臣の最も大きな認識の不足だと考えておりますのは、だから再建整備をやっておるといわれますが、再建整備は何なんです。再建整備で削らなければならないのは、今までの事業を七五%にせよというのでしょう。七、八、九の三カ年の平均の七五%に行政水準を切り下げろというのです。これが再建整備法の骨子でしょう。そういたしまするならば、一体事業量はどうなります。現実に今再建整備を行なっておりまするところは、七五%にはいっておりません。三カ年の平均の八五%くらいの仕事をしております。しかし再建整備を受けておらないところは、一一五%も仕事をいたしております。再建整備を受けているところと受けていないところは、三〇%の大きな開きを行政水準の中に持っております。この開きは、再建整備の終ったころには、再建整備を受けている団体はどうにもならない事態に立ち至ると私は思う。従って、地方の今日の道路というようなものは、今大蔵大臣は再建整備でと言われますけれども、再建整備などやっていればやっているほど悪くなりますよ。行政水準を切り下げておりますから、よくはなりません。そういうふうな大臣のお考えでは困ると思うんです。  それから、国と地方との財政計画の面においてやむを得なかったというようなお話でありまするが、もしやむを得なかったとするならば、国に余裕財源があるならば、地方財源等に対して、道路、橋梁その他にもう少し十分に費用の使えるだけの自立財源を一体どうして与えないかということです。私はどう考えて参りましても、このガソリン税の値上げが一応の消費者負担になっておるということがどうしても考えられないということと、それからもう一つは、政府が今日の道路の破損の原因というものを十分に調査しないで、ただこういう状態になっておるから、これにガソリン税を増していったらいいだろうというような安易な考え方から、これはきていないかと思うのです。大臣のお考えは、先ほどからも答弁の中にありますように、原因がどうであるかということはよくわからぬような話でありましたが、原因がよくわからないで、ただ末梢的の現象をとらえて、これを消費者負担にかけていこうというようなことになって参りますと、ことに、消費者負担ができないというならば、業者が企業内でこれを操作していけということになると、業者の負担になってくる。私は、こういう原因がはっきりしないものについては承服するわけには参りませんが、この点もう一応大臣から、あるいはほかの建設省の方がおいでになっておれば、建設省の方でよろしゅうございますが、道路の今日の破損の原因と、大体どのくらいの道路計画を立てて、どの年度くらいに道路整備ができるのか、これは重ねて質問いたしておきますが、その点をもう一応お聞かせ願っておきたいと存じます。
  98. 池田勇人

    池田国務大臣 再建整備によりまして地方自治体の再建をはかっていくのであります。お話しの通りに、事業を縮小せざるを得ぬことになります。いつまでもこうやっておりますと、貧弱な県はますます貧弱になりますから、今自然増収その他の経済界の好況によりまして、できるだけおくれを取り戻すように、行政水準の向上をはかっていこうとしておるのであります。こういう経済情勢が続いていきまするならば、われわれが予想しておった以上に早く立ち直りができるだろうと思うのであります。そうして道路の荒廃した原因につきましては、何も知らぬというんじゃございません。先ほど申し上げましたように、急激に交通量がふえ、そうしてこれを修理するに十分なる財源がなかった、こういうことが原因でございましょう。お話しのように、駐留軍が重いタンクを走らすということもございましょうし、また国内におきましても、今の道路負担し得る力以上のものがたくさん走るということにも原因があると思うのであります。いずれにいたしましても、荒廃の事実を認めまして、これを早く直そうとしておるのがガソリン税を引き上げました一つ目的でございます。
  99. 中井徳次郎

    ○中井委員 関連して伺いたいのですが、先ほどから伺っておりますと、道路の荒廃等については、予想以上の自動車だとか何だとか、そういったものがふえてきた、それから財政再建整備などという問題についても、好況が続く限りは予想外に早く片づくのではないか、こういうお考えのようであります。私はそういう考えであるならば、なぜ今回軽油引取税やあるいはガソリン税について、これだけ問題になることを値上げをする必要があるのであるか、皆さんの予想以上に増収があろうと思うのでありますが、その点について、どうもあなた方の御答弁と実際政府計画されておることと、――それは十分財源を確保するために、慎重の上に慎重にといえばそれまででありますが、あまりにどうも場当りな御答弁のように思うのであります。これは基本の問題でありますが、今後とも自動車の数、あるいはガソリンの消費税などは皆さんの予想以上にふえるだろうと思います。ふえるのになぜ値上げをしなければならぬのか。この基本問題をもう一度伺っておきたいと思います。
  100. 池田勇人

    池田国務大臣 再建整備の方の関係は、わが国全体の経済の問題を言っておるのでございます。もちろんそれによりまして、ガソリンの消費もふえて参りましょう。われわれは累年ガソリンの消費のふえることも見込んでおります。そうして経済界が好転いたしまして、他の租税収入の増加も見込めます。従いまして、交付税の増加も予定しまして、経済界の好況と、ガソリン税の増収等を見込みまして、道路整備も予定通りにいくんじゃないか、こういうことをお答えしておるのであります。
  101. 中井徳次郎

    ○中井委員 おそらくこの問題は、この前の連合審査会でも大いに問題になったろうと私は考えておるので、これ以上聞きませんけれども、政府は、これまで大てい資料をお出しになるときには、決算を見ますと、その資料と非常な差がある。それの一番大きい差のありますのは、このガソリン税であります。これを目的税にいたしますときには、建設委員会においてどうしても目的税にしろと言いまするし、それについて当時の大蔵省の渡邊主税局長でありましたか、目的税は因るというてずいぶんがんばりました。しかしわれわれは、これはきっと諸君の予想よりも現実においてはうんとふえるから、目的税にすれば率を上げなくても大丈夫ですよと、くどくどと申しまして、あの案は通ったように記憶をいたしております。結果を見ると、われわれの予想通りふえております。しかるにまたことし値上げをする。この点は、大蔵大臣は、経済界の好況は依然として続くというのであります。そうして予想以上に続くというのであります限り、政府のこれまでの御説明が信用できない、もっともっと私はふえると思う。ふえるならば、何も率を上げる必要はない、こういうふうに思うのであります。この点をもう一度念を押して伺います。
  102. 池田勇人

    池田国務大臣 過去において予想以上にふえたと申し上げました。将来予想以上にふえるというのではありません。しこうしてわれわれは、将来相当ガソリンの消費もふえると思います。しかし道路五カ年計画によりまして早く整備いたしたい。量もふえますが、この際増税していただいて、早く道路整備をしよう、こういうことであります。
  103. 門司亮

    ○門司委員 私は時間がございませんので、そう長く申し上げませんが、この際もう一つ伺っておきたいと思いますことは、ごく最近の新聞か何かに、大臣は、ガソリン税については今の六千五百円を少しくらい下げてもいいというような談話か何かを発表されたように私見ておりますが、これは事実ですか。
  104. 池田勇人

    池田国務大臣 私は、ガソリン税につきましては、私の意見を言ったことはございません。ただ党の幹部の政調会長が私のところに相談に来られたことは事実でございます。
  105. 門司亮

    ○門司委員 私がこのことを聞いておりますのは、ガソリン税が下って参りますと、私の方の所管になっております軽油税にも関連を持っておりますので聞いておきたいと思いますが、党の方でもしこれが下げられる、いわゆる議員の修正というか、そういう形で税率が下って参るということになりますと、私は当然最初考えられた国の収入の方に響いてくると思いますが、そういう場合に、大臣はどうされますか。
  106. 池田勇人

    池田国務大臣 私は六千五百円の増税で御審議を願っておるのであります。まだ結論は出ておりませんので、結論がどう出るかによっての対策をここで申し上げることは、早過ぎるのじゃないかと思います。いずれにいたしましても、私は予算の数字は絶対確保いたしたい、こういう考えでおります。
  107. 門司亮

    ○門司委員 これは非常に微妙な形になって参りますが、予算はいわゆる予算でありまして、率がどう変ってきても予算の総額は確保したいということになって参りますと、これを審議いたします場合においては、非常に妙なものが出て参りまして、税率が下っても税総額が確保されるということになると、何だか今提案されておるものがいいかげん――と言うとおしかりを受けるかもしれませんが、はっきりした基礎の上に立っていないのじゃないかという考えも出てくるのであります。この問題について、大臣は税率を下げようと言ったことはないという御答弁でございますので、私はそれでそれ以上追及はいたしません。今お話しになったことから憶測をいたして参りますと、大臣といたしましては、この税金がやめられるか、あるいは税率が下って参ってもやむを得ぬというようにお考えになっておるということに解釈しておいてよろしゅうございますか。
  108. 池田勇人

    池田国務大臣 私は、六千五百円で御審議願っておるのでございます。ぜひ六千五百円で御決定を願いたい、こう熱望いたしております。
  109. 門司亮

    ○門司委員 大臣の立場としては、そう言わざるを得ないと私は思います。しかし、これはいつまでも押し問答しているわけにいかない段階に来ていると私は思います。従って、大臣もやはりこの場合は、大臣の立場だけでなくして、国会の意思は尊重するというくらいのことは私は言われても一向差しつかえないと思う。どうなんですか、そういうお気持はございますか。
  110. 池田勇人

    池田国務大臣 国会の意思を尊重せぬということは、私も国会議員でございますから言えない。だから民主的に、政府としてはこれがいいと思います、こういうことで御審議願っておるのであります。国会は国権の最高権威でございますから、どうぞ一つわれわれの熱望をお聞き下さることをお願いいたします。
  111. 門司亮

    ○門司委員 大体大臣答弁はその程度だと私は思います。またそういうこと以外に言えないと思います。言えないと思いますので、これ以上私はこの問題に対しての大臣との押し問答はいたしませんが、問題はガソリン税の値上げが妥当であるかどうかということにもう一応さかのぼってお聞きしておきたいと思いますことは、先ほどから申し上げておりまするように、道路の荒廃についてこれを直すということが、私はこの一つ目的だと思います。新しい道路をつけるというならば、それから新たにくる受益者にある程度負担させるということも一応考えられる。しかし、今までの荒廃したものを整備するということになって参りますると、その荒廃させた原因が那辺にあるかということが明確にならなければ、それを負担するものもまたおのずから明確にならないということに結論はなると思う。今日道路の荒廃しておりまする最も大きな原因は、いろいろな問題があるでございましょうが、簡単に申し上げて参りまするならば、先ほどから申し上げておりますように、日本道路の力というものは、ほんとうに一番いい道路でも大体六トンを基準にいたしておりますから、コンクリートの厚みというものは、大体十七センチかそこらに規定されておった、橋梁は十二トンで制限しておった。それに、大臣はいろいろ大きなものができてきたというが、これも何もバス業者あるいはその他の人が勝手にバスを大きくしたわけではございません。建設省なりどこなりがこれを許可し認可して、こういうものが動いておるのである。そういたしますと、道路行政と交通行政のマッチが行われていなかったというところに私は原因があると思う。今日の道路の荒廃はそこだと思う。道路行政と運輸行政とが完全に一致しておれば、今日のような問題は私は起らなかったと思う。運輸行政はかくあるべきだ、時代の趨勢でこうなるのだ、それならば、道路はこう直さなければならないということを、政府当局が十分この間の連絡がとれておったならば、私は今日のような状態にはならなかったと思う。この点については、大蔵大臣はどうお考えにたりますか。
  112. 池田勇人

    池田国務大臣 道路行政、交通行政、運輸行政は、できるだけマッチしていくように努力して参っておるのであります。お話しのように、完全無欠とは参りますまいが、そういうマッチはしてきたのでございますが、なお交通量の増加等によりまして十分でないので、道路五カ年計画を立てて、そうして輸送の完璧を期しておる状況でございます。
  113. 門司亮

    ○門司委員 それは今日の状態であって、少くとも原因は、先ほどから申し上げておりますように、運輸、交通、道路の行政というものは必ず一本でなければ、完璧を期しておかなければ、今日のような結果の来ることはわかっておるのである。政府は、今日まで国の財政を一体どこに使ったのか。また私どもが観念的に言うておるとおしかりを受けるかもしれませんが、国の予算の使い方というものが、どこに使ったかということと、行政協定に基く費用といたしましても、行政協定というのはことごとく軍事道路でしょう。たくさんの道路ができておりまするが、日本の産業経済にプラスのためにつけた道路がございますか、ほとんど米軍の要請に基く軍事道路にほかならない。今の日本道路行政を見てごらんなさい、ちょうど昔の道路行政の、一番先に、国道とは帝都から師団司令部、軍司令部、県庁の所在地に通ずる道路を国道というと書いてあった、これが日本の定義でしょう。最近の国道というもの、あるいは行政協定に基くものを考えてごらんなさい、米軍司令部から米軍基地に通ずるものを国道ということに変えた方が私はいいくらいだと思う。そういうところに、行政協定その他たくさんの費用が使われておる。そうして交通量が自然に増すということは、これは社会の進化に従って当然であります。当然来たるべきものが来ておることについて、その原因が十分にわからない、そうしてこれを国民、消費名に負担させようというものの考え方は、私は誤まりだと思う。少くとも国が今日までの道路行政に対してほんとうに反省しておるというならば、今荒廃しておる道路の修理は、消費者がそれだけよけい負担せよというような考え方でなくして、やはりこういう景気のいいときは、ガソリン税その他の値上げはやめて、一般の国費でこれは修理するというものの考え方が正しいのである、私はそう考えておる、また私は、それが正しい理論だと考える。国が道路行政に対して十分な処置をしていない、そうして予算の使い方を誤まった方に使っておる、そうして破綻が出てきたから、それは国民一般負担せよということは、あまりにも私は勝手過ぎると思う。こういう考え方に対して大臣はどうお考えになるか、もう一度私はそれを聞いておきたいと思う。
  114. 池田勇人

    池田国務大臣 一般会計の方からも負担いたしまするが、ガソリン税目的税とした趣旨から申しまして、ガソリン税で原則として道路を修理する、そしてまた一般会計からできるだけこれを補充して出す、こういうことが将来の道路の改修に適切な方策だと考えております。
  115. 門司亮

    ○門司委員 私もガソリン税道路に使うなとは言っておりません。新しい道路その他ができて、新しく建設されるもの等については、あるいはそういうことが考えられるかもしれない。しかし過去の荒廃したものを直す、道路整備するという建前からいたしますならば、やはりこれは当然国が怠っておった道路行政の責任は国が負って解決すべきである、こういう状態にまで持ってきたということ自身に国は責任を感ずべきだと思う。その責任を感じないで消費者に負担させるというものの考え方は、やはり私は誤りだと思う。私は、この税金は、この際取りやめられた方が政府のためでもあると考えております。それがまた一応日本道路行政としての今日までの処置の誤まりを償うことにもなりますし、将来の道路行政に対する考え方も私ははっきりしてくると思う。こういう点について、もう一応御答弁を願っておきたいと思います。
  116. 池田勇人

    池田国務大臣 ただいまお答えした通りでございます。やはりガソリン税増徴によって早急に改修する、ただそればかりでも十分でないので、できるだ一二般会計の方からも出していこう、これで進みたいと思います。
  117. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 関連して。今の御答弁関連して一問だけお聞きしておきたいのです。  今の大臣答弁では、院議を尊重する、国家の最高決議機関でありますから当然これは尊重すべきだと、まことしやかに御答弁になりました。しからばこのガソリン税目的税に変えて、そして昭和二十九年に道路整備五カ年計画が樹立されて、そのときは大体二千六百億の予算総額をもって道路整備五カ年計画を遂行する、そしてその総額のうちのほぼ五四%に当るものをガソリン税をもつて充てる、残りの四六%は国費でもってこれを支弁する、こういうことで一応決議されて、この五カ年計画は遂行せられておるのであります。今、大臣が言われますように、これを尊重していくということになれば、当然国家もこれに見合う予算を組むべきであります。しかるに先ほどの私の質問に対して、本年は一般会計から四十四億という莫大なものを増額しているのだと切り返してきた。また門司亮委員の質問に対しても、尊重する、しかし実際に過去のその内容を調べてみますと、ガソリン税の方では、当初の予定であります千円百億に、一年あとを残してほぼ見合うような千三百億以上のものを本年をもって取り立てられておる、そういう結果になる。しかるに政府の方ば、本年度の予算を含めましたところで、わずか六十八億しか支出しておらないということにたる、そうなれば、一体院議の尊重ということはどういうことになりますか、まことにもって院議を無視した行為ではないか。この一点をもっていたしましても、いかに政府のやっておられることが、国の最高決議機関をを軽視しておるかということがおわかりにならないのですか。しかも数度にわたってのこのガソリン税の値上げ等は、もうすでに業界においては、担税の限界でもあり、また低物価を基調とする政策からいっても、少くともその基本をなす運賃の値上げ等に響く問題であるから、従ってこのガソリン税の値上げは適当ではないという委員会決議、あるいは運輸委員会等におきましても、あるいはこの連合審査会におきましても、再三の決議がなされている。もし大臣の御答弁通り、この国家最高決議機関の決議を尊重なさるということでありますならば、これはその通り実行せられてしかるべきであります。しかるに、今私が指摘いたしますように実行されていない、全く無視された行為である。しかも政府がこの五カ年計画を遂行するためには、少くとも当初の予算からいえば、千二百億円の支出を必要とすることになっておる。これは委員会決議ではない、国会決議として義務づけられておるわけであります。しかるにそれを実行しないで、ただわずかに六十八億を支出するにすぎない。一方民間から取り立てるものについては、遠慮会釈なくやって、ほぼその予算額にひとしいものを本年度で完成しようとしておる。しかも今までの道路整備の状況というものは、昨年度の報告によっても、当初の計画のわずかに四〇%前後にしかすぎない、すでに計画年度はあと一年を残すのみである。このようなことで、あなたは国会の最高決議機関の決議を尊重し、かつこれを忠実に実行する政府、こういうようにお考えになっておりますか、一体その点はどうなっておるのですか。これは公約無視どころの騒ぎではない、いわゆる国家軽視の行為であると言わざるを得ない。大臣がそういうようにお答えになるならば、私はそのお答えになった通りを実行して、初めてここでその通りのことをおっしゃってしかるべきだと思うのですが、これは、私たちの質問に対する大蔵大臣の巻き返しにすぎない、こんな不見識のことはないと私は思いますが、一体御見解はどうですか。
  118. 池田勇人

    池田国務大臣 先ほど門司さんの御質問に対しまして、ガソリン税の税率の点についてどうかということでございますから、私は六千五百円を計上しておりますので、それで御審議願いたい、その結果についてはどうか、それは国会決議を尊重いたします、こう言っておるわけであります。  しこうして二十九年に行われました決議等のことも聞き及んでおります。しかしその決議に沿うべく努力いたしたのでございますが、先ほど来申し上げておるように、一般会計からの歳出は、過去において十分でございません。それをだんだん決議趣旨によって今後是正し、それに沿うように努力しようといたしております。従いまして、今年度におきましては、そのスタートを切ったと申しますか、できるだけ一般会計からも出そうとして努力いたしておるのであります。
  119. 山本幸一

    山本委員長 中島巖君。
  120. 中島巖

    中島委員 参議院の方からも大蔵大臣の出席を要求されておるようでありますし、私もごく簡単に要点をつかんで質問いたしたいと思うのでありますが、ただいま同僚の名議員との質疑応答を見ましても、どうも三百代言的なお答えで、いささか私も、一国の大蔵大臣としてどうかというような気分があるのであります。  そこで、先ほど門司亮君から大蔵大臣に対しまして、わが国の道路の荒廃したのはどこに原因があるかという基本的な問題をついておられたのでありますが、またこれは、順次質問の段階において明らかにいたすつもりでありますけれども、これは全く大蔵官僚の道路に対する認識がない、こういうことがはっきりとあとの質問の過程において申し上げ得ると思うのであります。そこで、政府は昨年七月アメリカよりワトキンス一行六名のわが国の道路の調査団を招聘いたしまして、四千万円の調査費を使って調査をいたしました。わが国の道路局の技術員もこれに総動員いたして参画いたしております。そのワトキンス報告書とでも申すべき報告書は、日本道路は、世界の工業国に比較して四十カ年間おくれておる、日本道路を世界の工業国水準並みに持っていくのには、年間千八百億ずつの道路整備をせねばならぬということをはっきりとうたっておるのであります。従いまして、おそらく今回の二百億あまりの道路整備費の増額ということも、ワトキンス報告書にあるように、日本の産業経済がこの悪路のためにいかに押えられておるかという事実、それからただいま申し上げましたような結論に従ってふやしたと思うのであります。そのふやしたのを、ほとんど全部ガソリン税へ持っていこうという意図に対しまして、私は逐次質問いたしたいと思います。  昨年度軽油税を新しく創設いたしまして、多分キロリッター六千円程度だったと思いますが、これも非常な問題であったのであります。それから昨年の五、六月ごろのガソリンの価格は、防衛庁の入札などに見てもわかるように、大体キロリッター二万二、三千円程度であった。それに対して一万三千円のガソリン税が課せられておったわけであります。原価に対して一〇〇%以上のガソリン税がかけられておった。それから軽油税につきましても、非常な問題でもって国会を通したわけです。にもかかわらず、さらに本年度追い打ちをかけてこういうような大幅な増税をする、これに対しまして大蔵大臣は、道路整備のためであるということを言われましたけれども、そのほかに、これだけの増徴をすべき理由と申しますかがあるはずだと思いまするが、どういう理由でこの大幅な増徴案を出したのであるか、その点をお伺いしたいと思います。
  121. 池田勇人

    池田国務大臣 先ほど来申し上げました通り日本の産業の隘路の一つは、道路の悪いことでございます。これをできるだけ早く改修いたしたい、こういう念願でやっておるのであります。
  122. 中島巖

    中島委員 それではなくして、ガソリン税に大幅に持ってきたのはどういう理由であるか、この点をお伺いしているのです。
  123. 池田勇人

    池田国務大臣 道路改修の財源をどこに求めるかという問題でございまするが、ガソリン税を主としてやろうという従来の基本方針によりましてやっておるのでありまするが、今の税率では、われわれの企図する舖装改修ができませんので、この際増税によってやろう、そしてまた一般会計からもできるだけの金は出そう、こういう考えでやっておるのであります。
  124. 中島巖

    中島委員 ガソリン税増徴するについては、業者の業態がいいのであるか、あるいは他の税率より低いのであるか、あるいは道路整備のために自動車がそれだけ受益するとか、何かの理由がなければならないと思いますが、そのおもなる理由は、どういう理由であるか、この点をお伺いするのであります。
  125. 池田勇人

    池田国務大臣 第一の理由は、先ほど申し上げましたような道路改修に財源が必要だ、しかるときに、それが各国の例と比べてどうかということも見ました、そうして道路を改修することが運送業者のためにも非常になる、たとえば自動車の修理が減るとか、あるいはガソリンの使用量が減ってくるとか、あるいは運転その他関係業者の疲労も少いとか、いろんな点も考えたわけでございます。
  126. 中島巖

    中島委員 そこで、このごろ主税局長答弁を聞いておったのでありますが、ガソリン税に転嫁したその第一点は、道路整備をすれば自動車の運転費が非常に削減されるという一点と、それから日本ガソリン税はアメリカを除く他国より低い、この二点に要約できる、こういうように思われるのでありますが、これは大臣でなくて、主税局長でいいのですが、そういうお考えですか。
  127. 原純夫

    ○原政府委員 大体それでよろしゅうございます。
  128. 中島巖

    中島委員 そこで先ほど門司委員から質問したときに、道路の関係を調査したことはないと大蔵大臣は言われておりました。全くその通りで、非常な認識不足です。いいですか、道路整備をすれば、何年か後にはあなたのお考えのようになることは、これは事実です。しかし道路整備にかかるときは、これは道路局長もおられるからよくおわかりですが、つまり、直ちに舗装するわけにはいかない。すなわち、一カ年かかってわずか三百メートルか五百メートルの道路を改修して、その翌年また一年かかって舗装するのです。その間は、その三倍も四倍もいなか道を遠回りしたり、あるいは片方交通で石ばかりの道をごとごと走ったりしている、道路整備にかかって二年か三年の間、一番被害を受けるのは自動車事業者です。従いまして、きょうここに予算を計上して、あすからトラックがアスファルトの上を通るというようなお考えは大きな間違いであって、道路整備することによって目前において一番被害を受けるのは自動車業者である、だからその議論は当りません。それからアメリカを除いて諸外国と比較すれば、わが国が最も低率であると申しますけれども、これは税負担力、つまり国民所得というような点からお考えにならねばならぬと思うのです。国民所得の点につきましては、私が申し上げるまでもありませんが、一九五三年の統計によりますと、日本が一人当り五万九千七百六十円、アメリカは六十六万九千六百円、スェ一デンが三十六万二千百六十円、カナダが四十六万八千円というように、国民所得において七、八倍ないし十数倍というような開きのあることが第一点です。それからもう一つの違いは、アメリカなどは乗用車が八〇%を占めておりまして、トラック、バスが一五%ないし二〇%という状態になっておる。日本は逆で、トラック、バスが八〇%で、乗用車が一七%くらいしかない。従いまして、国民経済に与える影響というものは非常に大きいのです。こういうように、国民所得の面から見、税負担力から見まして、それから自動車の使用種別から見ましても、どうしても揮発油税増徴は理屈に合わぬ。ことに三十年度の道路利用者会議の統計によりますと、日本自動車は一台当りいろいろな税でもって六十五万五千円というものが課せられておる、こういうような状態なんです。従って大蔵当局の言われるところの、道路整備によって自動車の受益が多いから増徴するということも、当面の問題として当らないし、それから第二の問題として、諸外国と比較して我が国は低率であるということも、この税負担力、個人の所得、それからその他の名目で課せられて、一台当り六十五万五千円というものを負担しておるというところから見ても当らない、こういうように考えるのですが、これらについて御調査なさったことがあるかどうか、この点を承わりたいと思います。
  129. 原純夫

    ○原政府委員 国民所得との比較は私どもいたしておりますが、これは先般の連合委員会でもお話が出ました通り、私どもは、そういう面で国民所得の比率で税負担の比率を調整するというのは正しくない、それじゃ大へんな結果になると思います。  それから、自動車に対する税負担は総括してどうかという調べは、私どもの調べでは、現在日本では、燃料まで入れ、自動車税も人れ、物品税も入れて、一台当り六万四千円という数字を持っております。これに比較をされますものには、アメリカは四万二千円、イギリスば八万二千円、フランスは八方七千円、西独は九万円、概数でありますが、そういう調べを持っております。
  130. 中島巖

    中島委員 主税局長の関係は、若干私と食い違うところがありますが、あとにして、そこで大蔵大臣に質問いたしますが、十六国会におきまして、先ほどから同僚委員からいろいろな質問がありましたけれども、道路整備費財源等に関する臨時措置法なる法律案が通過いたしておるのであります。この法案は、非常に当時の苦しい国の財政においても、道路整備だけはゆるがせにできないというような観点から、ガソリン税目的税性格のものに改めて、さらにそれにプラス・アルファを一般会計でして道路整備に当る、こういう決議であったのでありますが、大臣は御記憶がありますか。
  131. 池田勇人

    池田国務大臣 そういうことは知っております。
  132. 中島巖

    中島委員 それで、その後における昭和二十九年、三十年、三十一年の道路整備費にどれだけ支出されておるかと申しますと、一々年次ごとに申し上げるのも、時間がありませんので省きますすけれども、この三カ年に八百二十九億二千百万円使っておるのです。そのうち、ガソリン税から八百四億一千七百万円であり、一般会計からはわずかに二十五億八百万円、三%弱しか一般会計から出ておらないのです。ことに昨年度昭和三十一年度におきましては、三百四十七億二千七百万円のうち、ガソリン税からは三百四十二億二千百万円、一般会計からはわずかに四億六百万円しか出ておらぬ、こういうふうな状況なんであります。これはおそらく大蔵省関係の制肘を受けてこうした結果になっておると思うのですが、その間の事情につきましてお答えを願いたいと思います。
  133. 池田勇人

    池田国務大臣 昭和三十一、三十、二十九、三年度を通じて二十五億ということも知って降ります。これは当時の財政事情から申しまして、それだけの余裕がなかったと言わざるを得ないのであります。しかしお話しのような点もございましたので、今年は、昨年の四億に比べて、先ほど申しましたように四十四億、十一倍も出すようにいたしたのであります。今後こういう方針は続けていきたいと考えております。
  134. 中島巖

    中島委員 同僚委員から先ほどいろいろお話がありましたので、この点省略いたしますけれども、本年におきましても、臨時就労でで七十四億、失業対策で十五億、積寒関係で十億、道路公団に三十億、百二十九億という金が、この道路の百パーセント整備という目的以外のところに使われているのです。この就労対策につきましては、同僚の井岡委員その他からも質問がありましたので略しますけれども、これは当然同僚諸君の質問の通り失業対策費から出すべきである。それから道路公団におきましては、この道路公団目的は、有料道路な作って、そうして通行料を取ってそれでペイしていく、こういう建前に立っているものでありまして、従ってこれらも本来の目的違うのであります。それから先ほど道路局長は、この臨就なんかの関係で道路整備五カ年計画とマッチしてやると――大臣からも局長からもお話がありましたけれども、それは確かにその通りでしょう。しかし実際問題といたしまして、なかなかうまくマッチできない。従って五里も八里も離れたところに朝トラックで集めておき、夕方トラックで迎えるというようなことで、能率の点において三分の一か四分の一しか上らないような、現在無理な仕事をしているのが実情でありまして、従いまして、このガソリン税をこれらの方面へ振り向けるということは、非常に不当なことだと思うのであります。これらに対しまして質問いたしましても、先ほど同僚委員が申されたし、押し問答になりますので私やめますけれども、そこで大臣にお伺いいたしたいことは、十二月四日の建設委員会におきまして、時の馬場建設大臣は、明年度、すなわち昭和三十二年度においては、大蔵省に対して九百四十六億の予算請求をしている。そこでその財源といたしまして、ガソリン税増徴と、それから道路公債、一般財源の三本建にする、こういうような答弁があったのであります。われわれといたしましては、その比率をはっきりと聞くことはできなかったけれども、大体その三本建が平均した比率であろうというように考えておったのでありますが、結局道路公債は全然認められず、わずかに一般会計から四十四億、こういうことになっておるのであります。そこで私のお伺いしたいことは、当時の建設省大蔵省との予算折衝の経過について、様子をお伺いいたしたいのであります。
  135. 池田勇人

    池田国務大臣 馬湯前建設大臣がどういうことをおっしゃったか、私存じませんが、予算折衝に当りましては、大蔵省の主計局が建設省と下話をいたしまして、そうしてまとまらないところを私のところへ持ってくるのでありますが、南條現建設大臣と私との間では、御審議願っているような予算で話かついたのでございます。
  136. 中島巖

    中島委員 そこで、ただいま同僚委員からも再三質問があり、あなたの方の党でも、ガソリン税増徴に対しては相当反撃があるように聞いておりますが、大臣はただいま私の申し上げました、ワトキンスの勧告書にあるように、日本の産業経済を悪道路のために非常に圧迫しておる、こういうような情勢下におきまして、もし一般会計の方から国の予算支出ができぬとすれば、道路公債を発行する御意思があるのかないのか、この点御研究願ったことがあるかどうか、お伺いしたいと思います。
  137. 池田勇人

    池田国務大臣 道路公債につきましては、研究はいたしましたが、ただいま発行する考えはございません。
  138. 中島巖

    中島委員 私の仄聞するところでは、二月十一日に自民党の政調会の臨時税制改革特別委員会で、委員長は小笠原三九郎氏でありますが、揮発油税は若干引き上げるが、これと同額程度以上を国より支出するということを決定して、あなたの方へ申し込んであるということを聞いております。また運輸委員会におきましても、揮発油税増徴に対しましては反対であるという決議をされておるとも聞いております。従いまして、連輸委員会の意思、それからあなたの方の党の臨時税制改革特別委員会の意思なんかに対しまして、大臣はどういうお考えを持っておるか、この点をお伺いしたいと思います。
  139. 池田勇人

    池田国務大臣 そういう各部会の意見のあることは聞いておりまするが、私はただいまの予算、あるいは税制というものは、党の正式の機関に相談いたしまして決定いたしたのでございます。
  140. 中島巖

    中島委員 いろいろ各委員からも御質問があり、大臣からも答弁がありましたので、また大臣も忙しいので、私はこの程度でとどめたいと思いますけれども、重ねて申し上げますが、このワトキンス報告書にあるように、日本道路整備は四十カ年間おくれておる、これによって日本の産業経済を非常に圧迫しておる、そして年間千八百億の道路整備費を今後つぎ込まなければ、日本道路は世界の工業国水準並みにならない、こういうようにはっきりと勧告されておるのであって、大臣もこれを御承知だと思うのです。しかも今までの歴年予算を見ると、建設省の要求が大蔵省で大幅に削られ、それで道路整備のために使われるべきガソリン税が、その他の失業対策などに使われておるという、こういうような状況なのであります。従いまして、本年度二百億程度の大幅の道路整備費予算を計上いたしましたけれども、それはほとんどガソリン税でまかなうというような状態でありまして、実に与党内におきましても、昨年度の軽油税に対してもあれだけの反対があったのを、一年に置いてまたこれだけの増徴をする、こういう状態でありますので、非常な反撃があるわけであります。従って、国会におきまして言葉の上でのがれただけでは、国民の世論が許さない、こういうような状態になっておるのであります。どうも先ほどからの御答弁を聞いておりましても、内容の納得できるものは何にもない、全く三百代言的の詭弁の答弁のようにしか思われない。実はこの間ある官庁の官房長が、最近新聞で委員会の記事を出すので、議員さんが勉強し出して困ってしまったということを言っておりましたが、おそらく今あなたも、それくらいの考えでいいくらいの答弁でお茶を濁そうと思っておるようでありますが、これは実に重大な問題でありまして、われわれもこの問題に関連して、官僚のそういう態度に対して十分な関心と決意を持たねばいかぬ、こういうように考えるわけであります。  以上、幾らあなたに質問いたしましたところでらちのあくものではありませんから、これで質問をやめることにいたします。
  141. 山本幸一

    山本委員長 大体予定いたしました時間より一時間余超過いたしておりまして、参議院から非常に請求もきております。従って、大臣はこの程度で解放したいと思いますので、御了承願いたいと存じます。なお大臣以外の政府委員はおりますから、もし御必要があれば、生理的な要求もありましょうけれども、しばらく御質問願ってけっこうだと思いますが、なければ散会したいと存じます。(「散会々々」と呼ぶ者あり)散会の御希望も強いようでありますから、これにて連合審査会は終了いたしました。  散会いたします。    午後零時五十七分散会