○門司
委員 大臣はそういうことを言われますが、それなら私は、地方財政の関係から申し上げて、一応
大臣の
考え方を聞きたいと思います。地方財政の今日までの状況は、
大臣ごらんの
通りであります。私は御存じの
通りであると
考える。もし御存じでなければここで申し上げてもよろしゅうございますが、時間が長くなりますから節約いたしますが、地方財政の
一般的現象を見て参りますと、昭和二十五年あたりまでは、消費的
経費と投資的
経費というものがほぼ均衡を保っておったのでありますが、御存じのように、だんだんと地方財政が国家財政の犠牲になってきて、その運営が非常に困難になって参りますと、消費的
経費と称される分、あるいは義務的
経費と称される分はなかなか節約するわけには参りません。人の給料を払わぬわけにも参りませんし、教育を行わぬわけにも参りません。従ってだんだんこの面はふえていくが、投資的
経費は節減されていく、投資的
経費をだんだんと節減せざる々得なくなって参りますと、そこに出てくるものは、
道路の荒廃が先に出て参ります。国家財政と地方財政の
関連と、地方の
道路と国の
道路の関係もございましょうが、これが現実の姿だろうと私は思う。県の
名前を私はっきり申し上げませんが、さっき申し上げましたようなことで、ある
一つの県をモデルとしてとって参りましても、昭和二十五年からずっと計算をいたして参りまして、そうして消費的
経費と投資的
経費とずっと差額を調べて参りますと、数十億の開きが出て参ります。もし消費的
経費と投資的
経費が昭和二十五年当時と同じように使われるだけの余裕の
財源を持っておったならば、私は今日のような
道路の荒廃は来たさなかったと思う。さっき申し上げましたように、
一つの県の実例をとって参りますと、ほとんど
道路という
道路は穴だらけであって、橋には重量制限をしなければならない橋がたくさんある。どこから原因がきておるかというと、財政上のそういうアンバランスからきておるのである、従って、今日の地方の
道路の荒廃というものは、あげて今日まであなた方がお
考えになっておりました、国は一銭も借金をしないが、地方には五千三百億という大きな借金を背負わせるというような財政政策をとられてきておるところに原因があると思う。この誤まった地方財政政策からくる今日の
道路の荒廃というものは、おおいがたい事実であります。従って、これをただ
道路が荒廃しておるから
ガソリン税に
負担をかけて、そうして
一般の消費者にかけようということでは、私は済まされないと思う。国が神武以来の景気であって、そうして増収が二千億あるというような時代になっておりますときに、国の施策に基いて今日のような
道路の荒廃ができておる。これに加えて申し上げなければならないことは、先ほどから言われておりますような、今日
駐留軍が一体どれだけの
道路をこわしておるか、
日本の
道路はどれだけが原則なのか、戦争前の
日本の
道路というものは、第一国道が、御存じのように、橋梁において十二トン、
道路の耐用は六トンが大体基準であったと思う。今日の
日本の運んでおりますトラックの重量からみれば、そういうものを凌駕したものがたくさんあると思いますが、それよりももっと大きな障害を与えておるのは
駐留軍の戦車、何十トンというものを運んでおる、これが今日一番大きく
道路を破損しておると思う。だから、
道路の破損を直すことのために国民に均分した
負担をせよというならば、やはり国がその辺をお
考えになったことがあるかどうかということで、先ほどから荒廃の原因がどこにあるか御存じかということを私は聞いたのであります。私が今申し上げました、今日の地方
道路の荒廃は、国のそうした地方財政
計画に対する誤まりからきたものであるということを、
大臣は一体承認されるかどうか。もう
一つは、今日の
日本の
道路の荒廃は、
道路の耐用力より以上の、しかもそれは税金を納めない、税金の取れない、行政協定に基いた外国軍隊の使用というところに大きな原因があるということは、
大臣もお認めにならざるわけにいかぬと思うんだが、この点を
大臣は認められますか。