○村上
説明員 お答え申し上げます。第八条の
資材の
共同購入、この権限を、新しくできます
法人化された
耕作組合に与えて、それを第七条で独占禁止法の例外とする、この点が一番現在の争点になっておる
ようでございます。いろいろこまかい事実を足でお集めになった
井手委員の御研究には、敬意を表するわけでありますが、その事実の問題につきましては、先ほど
生産部長からお答えした以上のことは申しかねるのでございますが、その事実とこの法律のこの二つの条文がどういう
関係にあるかということにつきまして、まず私の
立場から申し上げたいと思うのであります。
こういうふうな、実があるかどうか、こういう問題から、第七条で、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の除外をすることが、かえって
組合に
耕作者に対する強い統制力を与えることになって、弱い
耕作者をいじめることになるのではないかという御
質問については、私は、法律的な議論からはそうはならぬと思います。これは、法制通の
井手さんのことでございますから、先刻御承知の上での御
質問かと思うのでありますが、実は第七条の独占禁止法の問題は、
組合と
組合員との
関係のものではございませんで、
組合と大きな
肥料商、あるいは大きな
肥料メーカーとの
関係を律するものでございます。御存じの
ように、自由競争ということが資本主義経済の原則になっておりますが、その場合に、弱い
耕作者が
肥料を買います場合に、一人々々の弱い
耕作者と大きな
肥料メーカーとか
肥料商との
関係では、どうしても弱い
耕作者の方がいろいろの
立場の力から押されがちである。そこで、弱い
耕作者に団結の力を与え
ようというのが、それが第七条の
趣旨でございます。普通の企業が団結することにつきましては、これは独占禁止法に引っかかるのでございますけれ
ども、弱い
耕作者に対しては、団結してよろしい、この団結権を
組合の理事者なり何なりが、この法律で本来考えております
ような方向に使わずに、かえって逆に
組合員をいじめるというふうな方向に使ったといたします場合には、これは理事者の問題であって、こうした法律によって弱い
耕作者に団結権を与えんとする法律の
趣旨そのものを否定することにはならぬのじゃないか、私はこう考えるわけであります。非常に足の弱い人がいて、自転車に乗せたけれ
ども、ハンドルの切り
ようが悪いからなかなか早く走れない、これはハンドルの切り
ようを教えるべきであって、それが長い目で見ますときに、
耕作者という弱い
立場が、大きな
肥料商とか
肥料メーカーと対抗して、
肥料の
購入計画をきめます場合に、結局
耕作者のためになる、こういうふうに考えるわけであります。ただ、先ほどおっしゃいました
ように、しかしそういうふうな理事者もおる世の中だから、その権限をうまく使うか、よく監視しろという御
意見には、私も非常に賛成でございますけれ
ども、法律はそういうことであろうけれ
ども、事実上
組合が
組合員に対して統制力をふるっておるというこの事実をどうするかということに対しましては、確かに
専売公社はその
組合に対して、七条の
趣旨が本来の目的のために使われる
ように監視すべきであろうかと思うのでございます。一体、
組合員が
組合のきめた
値段に不服の場合にどうするんだ、この法律にはちゃんとあとの条文で、脱退、加入が自由だということが書いてございますが、すべての協同
組合法の規定にございます
ように、そうした場合に
組合員を保護するための立法でございますので、
組合員が不満な場合には、加入脱退ということによって、この
組合員に対する
組合の拘束力に対してこたえでいくという工合に、法律はちゃんと準備してあるわけでございます。従って、今
井手委員がおっしゃいました
ような事実の問題に対しては、一応法律的には、すべての理屈が通る
ようにできておると思うのでありますが、ただ現実の問題としてそういうことがありますとすれば、先ほど
生産部長が言いました
ように、この法律の
趣旨そのものが安い
肥料を買わせるためにできておるわけでございますので、その法律が存在しまして、なおかつそういうふうな高い
肥料を
購入しなければならぬというふうな事態があります場合には、この法律にちゃんと用意してございます加入脱退の自由ということによって、安い
肥料を買う
ようにすればいいんじゃないか、またそういうふうに
専売公社としては、この法律ができましても、監視すべきだ、こう考えております。