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渡邊説明員 御注意いただきまして、私もいろいろ
参考になることがたくさんありまして、ありがとうございました。私、御
質問でございませんから、御
答弁という
意味では申し上げませんが、一言だけ申し上げさしていただきたいと思います。
第一の
交渉の問題につきましては、私の方は、現在において
交渉の窓は全然閉じておりません。従って、条件も全然ございません。従って従来、
交渉の場合におきまして、もちろん議題をきめ、
日時をきめ、そうして
人数についてお互いの
話し合いをして、そうして
交渉をする、こういうことは従来ともやって参りましたし、そうして今度の段階におきましても、
組合の方でそうした積極的な要求があれば、いつでもこれを受けて立つ
用意をしておりました。
組合の方からそういう話があって、こういう事件の
あとだから、われわれの方ではやらないのだ、こういうことはやっておりません。ただ従来から、各
国税局、税務署に私の方からは、一応そういうことは
考えていいと言っておりますのは、たとえば
ピケを張る、あるいは警察の力を借りなければならなかった、そういうすぐ直後に、お互いのそうしたエキサイトした空気の中で
交渉をする、これはおもしろい結果にならぬから、これはやはり落ちついた空気の中で、お互いの
話し合いを進める、こういうことは言ってありますが、しかし普通に
交渉を持とうというのに対しまして、これを拒否するという
態度には全然出ておりません。
給与の問題につきましても、われわれの
気持としましては、とにかく一応
給与法が国会へ出てくる、その場合に、どういうふうにしたら、たとえば税務職の
給与が有利になるか、あるいは
給与法が通った後においても、今度は人事院の級別定数の問題がある、どういうふうにしたら、それが今度は具体的に税務
職員の有利なことになってくるか、いわばそうした地についた点でものを
考えていく面が、どうしても必要じゃないかと私は思っております。しかし遺憾ながら、全国税がわれわれの方へ持ってくる案は、われわれはとにかく一律二千円アップ以外にはだめだ、われわれはそれを要求するのだ、
国税庁長官はそれを聞け、この一本調子なんです。私はあの時期において、君の方としては、そういうスローガンが出ているから、それを引っ込めるわけにはいくまい、しかし同時に、それだけの一本調子ではまずいだろうから、これは
組合の案とかなんとかいう四角ばったようなものでなくてもいいから、たとえばこの
給与法のこの線に沿ったら、一体
組合としてはどういう
意見を持っているのだ、そういうものを一ぺん見せてくれないかという話もしたこともありますが、遺憾ながら
組合は、いやわれわれの方のスローガンは二千円の一律アップ以外にないのだ、こういった調子でもってわれわれの方へ
交渉にぶつかってきますから、そうなれば、遺憾ながらわれわれの方としては、それは賛成できぬと言わざるを得ないわけであります。そうすると、
組合の方は、それじゃ官側は誠意がない、こういうふうな断定の仕方をするのでは、私は、自分じゃ
組合運動をやったことはありませんけれ
ども、あまりに一本調子な行き方じゃないか。その結果として、時間
内職場大会をやる、これじゃどうもちょっと工合が悪いのじゃないかと私は思っております。私も、決してそう一本調子な
考え方を持っておりませんし、相当実質的に、とにかく
国税庁のうちの
職員なんですから、私としてもうちの
職員という
気持で、その方々の待遇が改善されることについては今後も
努力します。しかしおのずからそこにいろいろな制約があります。その制約の中を縫いながら、どういうふうにしていったらそこに明るい職場ができるかということを、われわれの方としては頭に置いて
考えていきたい。
それからいろいろなああいう問題が起きてくる温床が税務部内にあるのじゃないか、管理者側にあるのじゃないか。これは、私としても大いに反省すべき問題ではないかと思っております。戦争前から精励恪勤、そうして早出晩退というようなことを看板に税務
職員、が実際よく働いてきた。しかし、その頭で養われた現在の署長とか、そうした人
たちと、最近入ってきた人
たちと、年令的にも、頭の上からもかなりギャップがあると思います。同時に、そうした昔の観念でもって職場が守られていくのじゃない、これは私もよくわかっております。従って、もっと民主的な姿において職場の空気を明るくしていかなければならぬじゃないか、これは、私も口がすくなるように言っておりますが、しかし、相当の年配のものには一時に頭の切りかえができぬというような状態で、現状はなかなか不満のある点があろうと私も思っております。しかし、それはその線に沿いながら、今後とも管理者としても反省をしていく、こういった線でやっていきたい。同時に、これが気に入らないからすぐ云々ということは、これはちょっと少し話が早過ぎるのではないかと思っております。
解決のめどが一体どういうふうになってくるか、最近におきまして、多少
事態は落ちついております。しかし今度また向うが――向うといっちゃ語弊がありますが、
組合側がどういうふうなまた
態度に出てくるか、それによってこちらも、実は相手のある仕事ですから。しかし、私は
事態が円満に解決していく方向になんとか持っていきたい。同時に、そうした
組合の動きは動きといたしまして、とにかく税務の職場を明るくする、あるいは
職員の待遇を改善する、あるいは仕事の負担をできるだけ軽くする、こういう面につきましては、今後とも
努力をして参りたい、かように思っております。