○井上
委員 それは
舟山さん、あなたはどうかしているよ。工業地は、御存じの
通りソーダ会社が中心として使っているのです。その方はあんた、えらいお手厚い手当をいたしておるじゃろう。今まで握っておったやつを手放して、安いものを御自由にお買いなさいといって、今まであなた方でやっておったやつを放した 塩は専売ですよ。専売品を自由に扱わせること自身が問題なんです。これは、工業塩であろうと食塩であろうと
——たばこを見てごらんなさい。どういう扱いをしているか。
一つでも外国のたばこを売ったら、ひどいことになるんやぜ。それほど厳重な扱いをしておきながら、工業塩だけは野放しにしてそれでいいとお
考えになっているのですか。そこに問題があるのです。それで、一方食用塩は、やいやい言うて、
生産せよ
生産せよといって扇動しておいて、やっと
目標を達成したらもう要らない、これから先はただだ。そんなむちゃな話がありますかいな。片っ方はどんどんもうけほうだいにもうけさせておいて、片っ方は資金がないのにいろいろな工面をして、そうしてあなた方の方もいろいろなお手当をして、
価格もできるだけ安くし、
生産力もできるだけ高くするようにして骨折って、やっと最近でき上ってきた。この十年間どれほど苦しんだか。でき上ったら、それは要らぬという、一体そういう無慈悲な
考え方がありますかい。そうでしょう。だから、工業塩と調整をとりなさい。工業塩は、専売品からはずしてしまうのですか。要らぬのですか。そうはいきますまい。やっぱりこれにもあなたの方がいろいろ手当を
考えているのです。そうすれば、総合的にやっぱり対策を
考えてやらぬといかぬ問題です。また将来
増産されてくれば、あなたの方は、工業塩にでざるだけ使うようにしよう。このためには、いろいろ
生産費を安くするようにしよう。対策も指導もしよう、こういうことになっているのでしょう。それで、その結果は外貨をできるだけ節約しよう、こういうことじゃないか。それなら、当分の間工業塩と抱き合せで応急対策を講じていくということが、そこへ到達するまでの
一つの過程でなければならぬ、私はそう思うのです。それが最も親心のあるやり方である。そうしなければ、国内製
塩業者はほかに仕事がないので、しようがないから、しょうことなしにこれをやっておるのです。そんなことをされたもんならたまったもんじゃない。
流下式で、今
塩田の
生産の
方式も違うし、コストもいろいろ変ってきている。それをあなた方は、合理的にやろうとしておるのかしれないけれ
ども、そのしわは、結局入浜
塩田の塩を煮つめておる、あの非常に原始的なやり方の方に多くしわが寄ってくることは、われわれ予想し得る。どうしても大資本で大
経営をやっておる
流下式の製
塩業者の方には、そう大きなしわは来ない。ほんとに入浜
塩田の家族労働を中心に働いておる方面に多くのしわがくる。それはあなたの方にも、塩を扱っておるいろいろの地方の事務所にも出張して陳情にも要請にもよう行かぬのです。行くだけの
経費もなければ時間もないのです。それらの地方のおえら方を納得させ、得心さしていわゆるうまくやっているのは、地方の
流下式なりその他の大きな資本を投下して動かしておる地方の大資本の
塩業者です。それは、自分の方にあまり損が来ないように、あまり
生産が制限されぬように対策を練るのは当然ですよ。そうすると結局農民と一緒や。一番零細な
塩業者にそのしわが寄っていくのですよ。だから、この
価格の切り下げの問題は、ぴんときているのです。だから、将来あなた方の方が、これら入浜
塩田に対しても順次
流下式の製塩方法に転換さして、少くともそう大きな差別のないように、
生産施設に資金的にもあるいは税金の方でもすべて援助してやって、対等の発言できるような経済的基盤を与えてやる必要が現実に起ってきている。その過程にこういうことをやられるのですから、えらい問題です。そこらは、もう少しそうあわてぬで、いずれまた国会で、塩価対策審議会とか、何か法案も出ておったようですから、それらもいずれきめて、もっと広く将来あやまちのないように、塩業対策、塩価対策をきめてもらいたい。私の方には、旅出もなければ
塩業者もありません。あり、ませんが、国の塩業政策としては、そういう片ちんばな、そういう一方的なやり方は、合理的な方法ではないと思う。私は、これ以上議論はいたしませんが、
一つ専売当局で慎重に検討を願いたい、こういうことをお願いしておきます。