○春日
委員 大臣はお急ぎのようでありますから、大臣に関係いたします分から先に片づけたいと思うのでありますが、これは昨日も申し上げました
通り、ブラジルに対する工業進出の問題は、何といってもタイミングなものでありまして、向うは経済を計画的に持ち運んでおりますから、たとえば他国から工業投資の進出が終りますと、もう事は足るわけであります。そのときになって、たとえば日本の経済事情がよくなったから、しからばひとつ日本がやってみようとかりに考えても、そのときには、もう向うは要らない、こういうことになろうかと存ずるのであります。従いまして、わが国が当面いたしております外貨事情は、いうまでもなく非常に極悪の条件にはあるのでありますけれども、しかしわが国の経済は、当面の問題を処理すると同時に、また百年の計もはかっていかなければならない、そういう意味で、このブラジル工業化に即応するわが国の協力態勢というものは、特にこの際緩急よろしきを得た柔軟性のある態度をとっていかなければならぬかと存ずるのであります。こういうような事情におきまして、今日わが国のそれぞれの企業末
たちが
相当の計画を持って、向うの政府当局との話を推し進めているという際であります。このブラジルに対する無為替輸出の取扱いについては、
一つ大臣が、わが国の経済、特に当面する問題と将来の問題とを合せて、あやまつところなき措置を講ぜられたいということを強く
要望しておきたいと存じます。
それからもう
一つこのミナスの問題は、これはたまたまわれわれ大蔵
委員会第二班として、当地に参りまして、そこの議会も訪問し、政府当路者並びに中央銀行
総裁、開発銀行
総裁、これらの諸君とも深く懇談をして参ったのでありますが、向うの議会は、この問題をこの八月の
国会にかけて、八月中には向うの国としての最終的態度をきめることに相なっておるわけであります。その際心配になっておりますのは、日本の外貨事情からするところの日本の資金供給が果して可能であるかどうかということにもかかっておる様子でありますから、これも外交
機関を通じて、
一つ大蔵省において今御
答弁のような経過がとられておりますならば、その
実情について相手に安心を与えるような手続をとられることが効果的であろうと考えますので、これまた適当な措置を講ぜられたいと存ずるのであります。
そこで、私はもう
一つあなたにただしておかなければなりませんことは、これは横路君の質疑応答を通じて、私は今さらながらこの問題を新しく論じなければならぬと考えたのでありますが、こういう論議が行われておるということは、あなたは御
承知でありましょうか、すなわち本年五月十六日、
国会の会期がまさに終ろうとして、そうしてわが国の対外収支の逆調克服のために、
金融の諸施策が強硬に講じられて、ようやくこれがわが国の大きな政治問題、経済問題として論ぜられておりましたとき、本
委員会は、特に山際日銀
総裁と大蔵大臣とにこの問題について深い論議をまじえたのであります。あなたは当時大蔵
委員でありましたが、どういうせいか、ずぼらでほとんど御出席になっておりませんでした。私はあなたがこの論議をお聞きになっていなかったことを、はなはだ遺憾に存ずるのでありますが、念のためにただいま速記録を取り寄せてみましたら、こういう質疑応答が行われておる。私が池田大蔵大臣に対して
質問したことは「そういたしますると、あなたは本年度立てられております財政投融資計画、その他本年上期における外貨予算のその実行というものは何ら修正をする必要はないとお考えになるか、原案
通り執行が可能であるとお考えになりますか、この点をあわせてお伺いしたい。」こういう工合に私は池田大蔵大臣に
質問いたしておる。そうすると池田大蔵大臣は「財政投融資につきましても、原案
通りやっていきたい、またそれでいけると確信いたしております。しこうして財政投融資も原案
通りやっていくためには、私が期待いたしておりますごとく、貯蓄の増加の範囲内において投資をやってもらいたい、こういうことでいくことが財政投融資を原案
通りやっていく道である、こういう考えでいっておるのであります。」こういう
答弁をされておる。今横路君の
質問に対してあなたは、神ならぬ身の見通しはなかなか立てがたいということを言っておられるが、池田さんは五月十六日に、財政投融資は削減する必要はないのだ、原案
通り執行できるのだ、本
委員会でこのように明確に
答弁されておる。私は、これは印刷した
通りを何ら修飾しないで朗読しているのです。あなたが内閣でとられておりまする措置は、これはやっていったら大へんなことになるというので、ついに一割充分を大削減しておられる。さらには財政政策が行き詰まっておる、この予算に基いていろいろの計画をしておったところのそれぞれの
機関は、大波乱を生じておる。一体一カ月、二カ月の見通しも立たないという、それでもなおかつ内閣全体の責任として国民に責任を感ずるところはないのであるか、この池田大蔵大臣の
答弁は、はなはだ間違って軽率である、従って彼を処分することによってその責任を明らかにしたものであるのかどうか、あるいは横路君の
質問の
通り、責任は内閣全体のものであって、池田さんの見通しは当時閣議に諮って、あなた方も加わって、そういうような見通しを立てておったものであるのかどうか、この点の経緯について、
一つあなたから
答弁を願っておきたいと思うのであります。