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生田委員 そこで、そういうものをあなたの方ではなぜあわてて登記をしたか。将来そういう解決困難な事態になるのにかかわらず、なぜあわてて登記をしたのですか。むしろそれを登記するくらいなら、非現業が建てたものを国の方で買い取ってやる方がいい。将来あの全財産について、滞りのないような処置ができるわけだ。その場合に、あなたの方は何百万円かの欠損を見なければならぬから、国の方では支出ができないということで支出しなかったわけでしょう。そういうことになると、やはり非現業が品物を焼いて国に迷惑をかけたということになるのですよ。そういうことをあなた方は好まないのでしょう。いずれにしても、原因不明の失火だとして、国の方が、非現業に対して、賠償の責めに任ずるものでないといって
要求をしないというところに、こういう問題が起きている。もしあのときに賠償を
要求してごらんなさい。非現業は非現業で、自分の必要なだけを建てて国の方に寄付しなさい、こういえば問題は何もなかった。ところがあなたの方は、非現業の建てた
建物に対して財産権を認めて登記をさせるから、そこに今あなたの言うような理屈に合わぬ、処置のできぬようなことができる。こういうような一連のものの考え方は、みな理解することのできない役人根性だ。僕らは理解することができない。第一には、失火の原因にしたところで、先ほど言う
通りに、僕が国の物をお借りしておる動産だって不動産だって同じことです。それが私の家に置いてあったが、いつの間にかなくなっていた。それは家の者が、取った覚えもなければ、だれも盗みに来た覚えもない、しかし第三者がこっそり持っていったかもしれない。それを、私はなくしたことはない、私は
責任がないのだと言ってみても、所有して骨興しておった者が、盗難にあった品物について、自分が
管理、保管の
責任がないということは、僕はそんなばかな事実はないと思う。非現業が保管をしておった、
管理といいますか、どっちの
言葉が適当か知らぬけれ
ども、とにかく国から預かって保管をしておった。それは動産であろうと、不動産であろうと同じことだ。それを焼いても、原因不明だ、非現業の
責任はない、保管の
責任がないといって賠償の責めに応じないという理屈は、どこの事実
関係からも出てこないと思う。
法律を曲解すれば別です。僕は
法律関係を知らぬし、そんなものは調べるひまもないから、これは
法律家に
ほんとうに解明してもらわなければならぬが、あなた方が、非現業が失火に対して
責任がないといって、非現業に対する財産補償の追及をやらないというところに、このあやまちがあると思う。それをやっておれば、僕は今お尋ねするようなことは
一つもありません。国の財産も完全に保全されて参ります。そうして非現業にしても、自分の方で預かって
無償で使っておって焼いたのだから、申しわけないといって国の方へ賠償するのが当りまえだ。しかも非現業は、今日では十数億、二十億の財産を持っておる。その補償の責めに任ずることは何でもない、非現業の実力では。時価に換算すれば三十億も五十億も持っておる。そういう実力を持っておる団体なんです。それに対して、あなた方は何か理屈をくっつけて、僕は
法律を曲解しておると今では即断しております。
ほんとうは
法律家によく解明してもらわなければ実際の結論は出てこないが、常識的に考えてもそうではないか。しかも事件係争中にあわてて登記をやる。どこから考えて忌。いいことはないじゃないですか。ものの考え方にあまり正しくないところがある。そうして何とか間違った理屈をけてやってみようとしする、そういう考え方が役人の一番よくないところです。この問題は、僕は今お尋ねしたところでは、非現業に賠償の
責任がないとは思わない、あなた方の説も正しいとは思わない。この問題は、後日
ほんとうに
法律的に研究して解明するより仕方がないと思うので、その点、私は保留しておきます。