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渡邊政府委員 横山さんのおあげになった数字は、実はちょっと私には納得いきません。私も末端の仕事につきまして、それが順調にいっているかいないかは、これは
国税庁長官として当然関心を持たなければならぬ仕事でございますので、今の
申告をしろというと語弊があるかもしれませんが、
申告についての御相談を各税務署で受けているその現場を、実は昨日も回って参りました。昨日参りましたのは、黒田の税務署と浅草の税務署を回って参りました。黒田などというところは、これは御承知になっておると思いますが、
申告納税に関する限りにおいて、主として営業庶業の
関係で言えば、全国で一番納税人員の多い税務署でございます。
今年のやり方といたしまして昨年と多少変りましたのは、税務署の
調査としまして、
所得額が二十万といったような
一つの線を考えまして、それより低い数字の出た方については、特にいわゆるお知らせといった
意味の金額を申し上げることはしないで、とにかく
申告を出していただきたいということだけを申し上げているわけで、それより大きな方について、先般ここで御論議のあった税務署で調べました数字を申し上げている、こういうやり方をやっております。それで青色
申告もずいぶんふえて参りまして、こちらの方につきましては、別に税務署の方で幾らといったようなことはもちろん申し上げておりません。従いまして、その他の点におきましていろいろ変化はしておりますが、こちらで数字を申し上げておいで願っている方の出署の率は、ごく荒っぽくいいますれば、大体百人お知らせ申し上げますと六割見当です。それから同時にその出署してきた方の中で、第一回の出署で、それじゃ税務署の言うその数字で
申告をいたしましょうといってお出し願っている方が、おいで下すった方の大体六割です。それで一応一巡済みまして、きのうきょうやっておりますところは、まあ一回税務署と話し合ってみたが、その場でどうも
納税者の方としましても決断がつかぬし、税務署の方としてもいろいろ言い分がある。それじゃ一ぺん家へ帰っていろいろ自分の方の計算も仕直してみましょう、考え直してみよう、こういって出直しをお約束になった方が最近また始まっております。二回目とわれわれ言っております。そんなわけでございまして、昨年の
状況と今年の
状況と比較してみまして、これは
申告の相談を始めた時期が、署によっては一日おくれたり何かしている点もございますが、その著しい変化の状態になっておりません。従いまして、今
横山委員のおっしゃったように、非常に
状況が昨年と違い悪いというのは、私としましては、少くとも私の見た限りにおいては――その他日本橋、京橋へ私はその前に参りました。これは始まったすぐあとでした。それから次長をして、山の手の方の税務署へもやっております。しかし特に東京都内について申し上げますれば、昨年の状態に比べまして、今年の状態が特に憂慮すべき状態にあるといったような点は、全然私としては考えておりません。それから千九百億というのは来年の話でして、御承知のように、ことしは相当予算で見積ったよりも大きな自然
増収が出ることが予想されておることでございますから、われわれの方として今問題になっているこの
申告納税について、予算が云々というようなことで苛斂誅求ということは、当然考えるべきでもありませんし、また考えてもおりません。
それから
最後にお話しになりました督促状の問題ですが、これは、昨年は東京は二十四日に出しております。今年は二十四日が日曜に当るものですから、従いまして東京は二十三日を一応の目途としております。しかしそれは一応の目途でありまして、各税務署において努力して、できる限りにおいてはもちろん二十三日にやっていただきたい。しかし非常に無理ができるというならば、必ずしも二十三日にこだわるものではないのだという指導をしております。これも御参考に申し上げますと、黒田は一応二十三日に出せよう、そのためには二十一日の休みはあるいはつぶさなければならぬかもしれない、こういうことを言っております。
申告をまとめる段階までは
所得税の係でして、そのあと督促状の
関係になりますと、徴収裸の
管理係の仕事になりますが、
管理係は休みはことしになってつぶした例は全然ありません。超勤も、それほど無理な超勤はやっておりません。それで、そんな
意味で一日ぐらい休みをつぶそうかということを考えているようです。それから浅草は、休みはつぶさないで多少の超勤をするという
程度でやろうと考えている。ただそういうことにすると、二十三日は多少無理かもしれぬ、こういうような計画を立てております。従いまして、どういうお話でございますか存じませんが、それほどわれわれの方で
納税者の立場も考え、同時に税務職員の立場も考えて、ひどい労働強化になっているというふうには、私は考えておりません。