○井上
委員 関連して。ただいまの御答弁で、非常に重要な問題でありますから伺っておきますが、大蔵大臣は、食管
制度特別調査会を
設置するに当って何か
国会の方ではこの結果について御
審議を願った方がいい、こういうお話でございます。ところで、調査会なるものは
内閣に
設置する、そうして、これは何ら法的根拠のない総理大臣の諮問機関になるというものであります。その結果を
国会で
審議すると申しましても、
国会の
審議の対象になりますのは、それからさらに米価
審議会にこの結論がかけられて、米価
審議会がどういう結論を出すかということによって、初めて
国会の
審議の対象になろうと思うのです。そこで、私はこの際大蔵大臣に伺っておきたいのですが、われわれは、少くとも年間の
予算を対象にして
審議いたします場合、この
予算は、国民生活の基礎になります米価なり賃金なりというものはなんぼで一体押えられておるか、この米価、賃金は年間にどう動くか動かないのかということが、一つの重要な根拠になっておるのであります。その結果、物価はどう動くか、国際収支はどう動くかという一つの見通しを立てて、
政府の
予算編成方針の方向というものが大体正しいか正しくないかという一つの結論を下すのであります。ところが本年の
予算では、一応米価は上げないという前提に立って組まれておりますけれ
ども、しかし先般来、
予算委員会その他において
政府の答弁を聞いておりますと、三十二
年度消費者米価は特別調査会の結論を待ってきめる、こう言うのであります。そうなると、その特別調査会で、かりに消費者米価を上げた方が食管会計の運営上また採算上妥当であるという結論が出ました場合には、ただいまの
予算というものに大きな影響をもたらしてくると私は見ておるわけです。それと同時に、どうも大蔵大臣なり
政府の
考え方の中には、この特別調査会は、一つの米価値上げを
合理化せんがための機関ではないかということを私
ども強くて感ずるのであります。ただいま
質問者の伺っておる点を聞きましても、一体その調査会の
委員はどういうメンバーを予定しておるかということになりますと、おそらく
政府の方では、学識経験者、広く有識者を集めるという抽象的な御答弁でございましょうけれ
ども、私
どもが想定するのには、おそらく食管会計を独立採算制でつじつまが合うすっきりした会計に立て直すことを念願する人々を集めるのじゃないか、こう私
どもには考えられ得る。具体的に申しましてはなはだ失礼でありますけれ
ども、たとえばすでに予定されておるところの東畑精一氏が、この特別調査会の会長になるということを井出農林大臣は発表している。東畑氏は、すでに食管会計の現実を
検討されて、やはり独立採算制ではっきり消費者米価を上げるべきであるということを明確に発表されている。消費者米価を上げていいという人をその会の会長にして、それで特別調査会の結論を待ってみるという
政府の言葉は、
国会のうるさい論議さえ済めば、
政府の思うつぼの米価値上げは行われるということを予想されているのではないかということを、私
どもは感づかざるを得ないのです。一体さようなごまかしをやるべき筋合いじゃないじゃないですか。現に
政府は、
政府と気脈を通ずると言っては工合が悪いけれ
ども、
政府の御用を務める学者、
政府のお先棒をかつぐような有識者、経験者、たとえば農林中金の
理事長、あるいは全国農業協同組合
中央会の会長、これら一連の農業団体、生産者団体等の代表者を集めてきますならば、これらは全部
政府から
補助金をもらっている
補助金団体である。
補助金団体の代表者を集めて、それで一体
政府に反対する正確な意見が出るとお思いですか。そんなことをやられたのではたまったものじゃありません。それだから、私
どもは、
政府は米価をはっきり上げようとしているなということは明確であります。そう結論がなっていくと私
どもは見ておりますが、そう見るのははなはだ思い過ごしであると大蔵大臣はお思いになりますか。この点を明確にしていただきたい。