○
川上政府委員 先ほど
中小企業団体法案につきまして、
大臣から
提案理由の
説明がございましたので、私はこの
内容につきまして若干補足的な御
説明をいたしたいと思います。
お手元に
中小企業団体法案要綱というのが配付してありますが、この
要綱に従いまして御
説明申し上げます。
第一は
目的でございます。「この
法律は、
中小企業者その他の者が協同して
経済事業を行うために必要な
組織又は
中小企業者が自主的に
事業活動を調整するために必要な
組織を設けることができるようにし、これらの者の公正な
経済活動の
機会を
確保し、及びその
経営の安定を図り、もって
国民経済の健全な発展に資することを
目的とするものとすること。」これは要するに、現在の
協同組合組織そのものは現在のままにしておくということ、それからもう
一つは、現在の
中小企業安定法に基きます
調整組合制度を改めまして、
商工組合制度というのを作るわけですが、これをこの
法律によりましては、この
協同組合組織とそれから
商工組合制度を一本の
法律としてまとめていくということでございます。この前段の方の「
中小企業者その他の者が協同して
経済事業を行うために必要な
組織」、これが
協同組合組織でございまして、これは
現行の
協同組合法の
趣旨と全く同じでございます。後段の「
中小企業者が自主的に
事業活動を調整するために必要な
組織を設けることができるようにし、」これが
商工組合制度でございます。
それから第二は、
中小企業団体等の種類でございます。「この
法律による
中小企業団体は、次に掲げるものとすること。」として一から六までありますが、この一から四までのものは現在の
協同組合法にありますものをそのままここへ掲げてあるわけでございます。五、六が新しい
商工組合制度でございます。
それから
中央会につきましては、その次に「この
法律による
中小企業団体中央会は、次に掲げるものとすること。」一、
都道府県中小企業団体中央会、第二は
全国中小企業団体中央会、これは現在
協同組合等の
中央会というのが
地方、
中央にございますが、これに今回の
商工組合を加入できるようなことにいたしますので、名前も
中小企業団体の
中央会ということにいたしたわけでございます。
それから第三につきましては、先ほども申し上げましたように、この
法律によりましては
協同組合関係もかぶせてあるわけでございますけれども、
協同組合関係につきましてはある程度現在の
制度を修正する点もございましたが、時間の
関係もありましたので、この次の
機会に譲ることにいたしまして、一応この第三におきましては
事業協同組合、
信用協同組合、
協同組合連合会及び
企業組合については、
中小企業等協同組合法の定めるところによるものとすることということにしまして、現在の
協同組合法にそのままよるということにいたしたわけであります。
それからその次からは
商工組合及び
商工組合連合会に関する
規定をずっと書いてあるわけでございます。
まず第一に
商工組合の
制度におきます
中小企業者の
定義でございますが、この第四に、「
商工組合及び
商工組合連合会に関する
規定において「
中小企業者」とは、次の各号の一に該当する者をいうものとすること。」一、「常時使用する
従業員の数が三百人以下の者であって、
工業、鉱業、
運送業その他の
業種に属する
事業を主たる
事業として営むもの」二、「常時使用する
従業員の数が三十人以下の者であって、
商業又は
サービス業に属する
事業を主たる
事業として営むもの」三、「常時使用する
従業員の数がその
業種ごとに
政令で定める数以下の者であって、その
政令で定める
業種に属する
事業を主たる
事業として営むもの」ということになっておりますが、要するにその
中小企業者の
定義につきましては、いわゆる
製造業者につきましては、
従業員三百人以下のものということにいたしたわけでありまして、これに属するものは一般の
製造業、あるいは
石炭産業、あるいは
鉱山関係それから
運送業というものが入るわけでございます。それから第二におきましては、
商業とかあるいは
サービス業につきましては、
従業員の数が三十人以下ということに限定をいたしたわけでございます。これは現在
協同組合法におきましても、あるいは
安定法におきましても、大体こういう
趣旨になっておるわけでございますが、第三のところで、その
中小企業につきましても、その
中小企業性そのものが、この原則に当てはまらないというような場合がございます。たとえば問屋におきましては、三十人以下ということが妥当であるかどうか疑問もありまして、これはある程度引き上げた方がよくはないかというような
意見もありますし、また
石炭産業とかあるいは金属
工業というようなものにつきましては、この三百人以下ということでは適当ではないというような
意見もありますので、そういう種類のものにつきましては、これは
政令でその
業種を指定いたしまして、
従業員の数の特例を設けたいというふうに考えておるわけでございます。
それから第五は名称でございますが、この
商工組合につきましては、
商工組合という名前をつけなければならぬ。それからまた連合会につきましては、
商工組合連合会ということにいたすわけなのですが、これは原則でありまして、
製造業者については
工業組合、あるいはまた
商業関係のものにつきましては、
商業組合という名前をつけてもよろしいということにいたしたわけでございます。
それから第六は
設立の問題でありますが、「
商工組合は一定の地域において一定の種類の
事業を営む
中小企業者の
競争が正常の程度をこえて行われているため、その
中小企業者の
事業活動に関する取引の円滑な運行が阻害され、その相当部分の
経営が著しく不安定となっており、又はなるおそれがある場合に限り、
設立することができるものとすること。」となっておりまして、いわゆる
商工組合はただ勝手に
設立することはできない。少くとも
過当競争が行われまして、そのために、
中小企業者の
事業活動に関する取引の円滑な運行が阻害されておるとか、あるいはまた阻害ざれるおそれがあるとか、しかもその
中小企業者の相当部分の
経営が不安定になっておるというような場合に、初めて
商工組合は
設立することができるというふうにいたしておるわけであります。相当部分というのは、大体過半数というふうに考えておるわけでございます。
それから第七は、「
商工組合の地区は、資格
事業の種類の全部又は一部が同一である他の
商工組合の地区と重複するものであってはならないものとすること。」要するに
商工組合は、一
業種につきましては地区が重複してはいけない。しかしながら後段のところに書いてありますが、商店街
商工組合につきましては、特別に地区は重複してもよろしいということを書いてあるわけであります。
それから第八は、「
商工組合の
組合員たる資格を有する者は、その地区内において資格
事業を営む
中小企業者及び第六に掲げる
事態を克服するため必要がある場合において定款で定めたときは次に掲げる者とするものとすること。」一、「その地区内において資格
事業を営む者であって、
中小企業者以外のもの」二、「
事業協同組合、
協同組合連合会、
企業組合、
商工組合、
商工組合連合会、農業
協同組合、農業
協同組合連合会、水
産業協同組合、森林
組合又は森林
組合連合会であって、その他区内において資格
事業を行うもの。だし、その資格
事業がこれらの団体の種類ごとに
政令で定める
業種に属する場合に限る。」要するにその
商工組合の
組合員たる資格を有する者は、原則としまして
中小企業者であるということになるわけでございますけれども、場合によりましては、第一に書いてありますように、資格
事業を営む者であって、
中小企業者以外のものである大
企業も加入きせることができるということになっているわけであります。それからもう
一つは、これは
事業を営む者ということになっているわけなんですが、しかし営利
事業者でなくても、いわゆるその資格
事業を行うものであって、どうしてもこの第二に書いてありますような
組合に加入させなければ困るというような場合においては、この
商工組合員の資格を付与することができるということになっているわけでございますが、そういう団体は
政令に上りまして指定することにいたしているわけでございます。たとえば農協等におきまして特別な
事業を行なっていて、どうしてもそういうようなものはこの
商工組合に加入させた方がよろしいというような場合におきましては、
政令で定める
業種に指定をいたしまして、これを加入させるということができるようにいたしておるわけでございます。
それから第九は、「
商工組合は、
組合員たる資格を有する者の二分の一以上が
組合員となるのでなければ、
設立することができないものとすること。」この一、二項につきましては、それぞれ一定の
制限規定を置いているわけでございます。
第十は
商工組合連合会の
設立でございますが、
商工組合連合会を、同
業種のものにつきましては
設立することができるのですが、それ以外に、きわめて密接な
関係のある
組合とか、そうして同時に、その密接な
関係のあるものもひっくるめて総合調整の必要があるもの、そういうようなものにつきましては、一緒に
商工組合連合会を
設立することができるということを、ここにずっと
規定をしているわけでございすして、この
規定につきましては、現在の
安定法の
調整組合連合会と同じようなことにいたしているわけでございます。
それから第十三、これは
商工組合の
事業でございますが、「
商工組合は、次の
事業の全部又は一部を行うものとすること。」一、二、三、四、五、六、七、八、ここまでが、いわゆるその
生産制限でありますとか、あるいはその販売方法に関する協定でありますとか、あるいはその価格の協定とか、そういうような
調整事業でございます。それから第二項の、「
商工組合は、前項の
事業のほか、次の
事業の全部又は 部を行うことができるものとすること。」というふうに書いてありまして、これはいわゆる現在の
協同組合の
事業を、この
商工組合においてもあわせて行うことができるということを
規定してあるわけでございます。この第一をの方におきましては、「全部又は一部行うものとすること。」従いまして
商工組合を作る以上は
調整事業を行わなければならないということにしてあるわけでございまして、経済的な共同
事業につきましては次の
事業の全部または一部を行うことができるものとするというふうに書き分けてございます。これは現在、たとえば尾西地区の毛織物の
製造業者でありますとか、あるいは陶磁器業者でありますとか、こうした方面から強い要望もありまして、どうしても
調整事業と一緒に経済的な共同
事業もやらしてもらいたい、またそういうことでなければ
調整事業そのものがうまくいかないということでありましたので、われわれとしましては、この
調整事業に合せまして経済的な
事業ができるようにいたしておるわけでございます。それから
調整事業につきましては、いろいろなほかの
調整事業をやってみてなおらまくいかないというよらな場合、あるいはこの七に書いてありますように、
技術的な理由によってどうしても価格統制以外のことができないというような場合に初めて不況克服の
一つの最後的な手段として、価格協定ができるということにいたしておるわけでございます。それから第三項は、「
商工組合は、その
事業に関し
組合員のためにする
組合協約を締結することができるものとすること。」これはあとで出てきますが、取引先あるいは
関係方面に対しまして
組合交渉ができるということを
規定しておるわけでございます。
それから第十四は、調整規程の認可に関する
規定でございます。「
商工組合は、その
実施しようとする第十三の第一項の
事業」いわゆるその
調整事業「に関し、次の事項を定めた規程を設定し、主務
大臣の認可を受けなければならないものとすること。」一、二、三というような
規定を作りまして、所管
大臣の認可を受けなければならぬということにいたしておるわけでございます。また調整規程の設定、変更及び
廃止につきましては総会の特別の議決を経なければならぬということにしまして、調整規程そのものにつきましては厳重な監督
規定をつけておるわけでございます。
それから第十五は、「主務
大臣は、第十四の第一項の認可の申請に係る調整規程が次の各号に適合すると認めるときでなければ、同条の認可をしてはならないものとすること。」調整規程につきましては、他の
関係方面に及ぼす影響がありますので、たとえば「第六に掲げる
事態を克服するため必要な最少限度をこえないこと。」とか、「不当に差別的でないこと。」とか、「一般
消費者及び関連
事業者の
利益を不当に害するおそれがないこと。」とか、こういう場合に初めて調整規程の認可をすることになっておるわけでございます。
それからなお第十六におきましては、従来の
安定法に基きます
調整組合制度の経験にもかんがみまして、少くとも二カ月以内にこの認可または不認可の通知を主務
大臣はしなければならないということにいたしておるわけでございます。
それから、第十七、第十入、第十九、これがいわゆる
組合交渉に関する
規定でございます。
まず、第十八から御
説明申し上げますが、「次の各号の一に該当する者は、
商工組合の代表者が、
政令で定めるところにより、調整規程又はその案を示してその調整規程による
調整事業に関し第十三の第三項の
組合協約を締結するため
交渉をしたい旨を申し出たときは、その
交渉に応ずるように誠意をもって
措置しなければならないものとすること。」これは、要するに
組合交渉をする場合におきましては、まず第一に、その
商工組合の代表者でなければならないということ、しかも調整規程またはその案を示して
交渉をしなければならない、いわゆる
調整事業に関する問題だけについて
交渉をしなければならないということを書いてあるわけであります。それから「
政令で定めるところにより、」というのは、この代表者につきまして、少くとも人数につきましては、あまりたくさんの者が行って
交渉するようなことは、そのためにかえって弊害の生ずることがありますので、そういうような人数につきまして
制限するとか、あるいはその
組合の代表者は
理事者でなければいけないとか、そういうような
制限規定をここには置きたいというふうに考えておるわけでございます。そういうふうに
交渉につきましてきわめて紳士的にやってもらい、同時にまた
調整事業に関するものだけということにいたしまして、そういうようなことにより、
交渉の申し入れがありましたとき相手方は誠意をもってその
交渉に応じなければならないことにいたしておるわけでございます。ではどういうものと
交渉ができるかということが一、二、三、四に書いてございますが、一、二は縦の
関係でございまして、三、四は横の
関係でございます。一の「
商工組合の
組合員と資格
事業に関し
取引関係のある
事業者であって、
中小企業者以外のもの」、これは大
企業者でございます。二の「
商工組合の
組合員と資格
事業に関し
取引関係のある
事業者をもって
組織する第八の第二号に掲げる団体又は輸出
組合若しくは輸入
組合」これは、いわゆる
中小企業者を相手にする場合にはその団体と
交渉するということにしてあるわけでございまして、団体につきましてもはっきり明記いたしているわけでございます。三は横の
関係でございます。「
商工組合の
組合員たる資格を有する者であって、
中小企業者以外のもの」いわゆる横の
関係の大
企業者。四の「地区内において資格
事業を行う
事業者(資格
事業を営む者を除く。)であって、
商工組合の
組合員たる資格を有しないもの」、これは生協でありますとか、あるいは農協でありますとか、そういうものを称しておるわけでございますけれども、そういう場合は
政令で限定することにいたしておるわけでございます。こういう
組合交渉の相手方を
規定しておるわけでございますが、その
交渉に応じないとか、
交渉がなかなかまとまらない場合におきましては、第十九におきまして、「主務
大臣は、第十八の第一項の
規定により申出が行われた場合において、その
商工組合の
組合員たる
中小企業者の
経営の安定のため特に必要があると認めるときは、その
商工組合又はその
交渉の相手方に対し、
組合協約の締結に関し必要な勧告をすることができるもの とすること。」としてありまして、その
交渉がまとまるように勧告することになっておるわけでございます。この勧告につきましては、三十三に書いてあります
中央中小企業調停審議会にかけまして、その
意見を聞いてすることに相なっておるわけでございます。またこの勧告に従わない場合はどうするかという問題は、別に罰則とかあるいはその裁定とかそういう
規定はつけておりません。これはあくまでも社会的な一種の制裁
規定と申しますか、訓示
規定と申しますか、そういうことにいたしておるわけでございます。
それから第十七におきまして、
組合協約につきまして、特別なものについては主務
大臣の認可を受けなければならないことにいたしておるわけでありまして、「
商工組合がその行う
調整事業に関し
組合員たる資格を有する者と締結する第十三第三項の
組合協約は、」というふうに、横の
関係について、特別なものにつきましてはその主務
大臣の認可を受けなければならないということにいたしておるわけでありまして、主務
大臣が認可をする場合におきましては、
消費者の
関係とか関連
事業者の
関係とかを考えて認可をしなければならないということにいたしておるわけでございます。なおこの認可をする場合におきましては、独禁法との
関係も考慮いたしまして、あとへ出て参りますが、公取の同意を得なければならないということに相なっておるわけでございます。
二十は
商工組合連合会の
事業に関する
規定でございます。いわゆる総括的な
調整事業ができ、同時にまた検査とか調査とか監査とか、そういう附帯
事業ができるということを
規定しております。
二十一におきましては、総合調整規程につきましてはやはり主務
大臣の許可を受けなければならないということにいたしております。
それから、この
商工組合は先ほども申し上げましたように経済的な共同
事業もできるということにいたしておりますので、出資ができるということを第二十二には書いてあるわけでございますが、非常に特別な場合あるいは零細
企業者というようなものにつきましては、
組合の承諾を得まして出資をしなくてもよろしいということにいたしておるわけであります。
第二十三はこれが
設立の認可についてのいろいろな手続についての
規定でございます。
第二十四はいわゆる
強制加入の
命令の
規定でございます。
法律には第五十五条に書いてありますが、「主務
大臣は、次の各号に掲げる要件を備える
商工組合の地区内において資格
事業を営む
中小企業者であって
組合員以外のものの
事業活動が第六に掲げる
事態の克服を阻害しており、このような
状態が継続することは、その地区内において資格
事業を営む
中小企業者の
経営の安定に重大な悪影響を及ぼし、
国民経済の健全な発展に著しい支障を生じるおそれがあると認められる場合において、その
商工組合がその地区内において資格
事業を営むすべての
中小企業者の
事業活動を自主的に調整することによって第六に掲げる
事態を克服することができ、かつ、その方法によることがその
事態を克服するのに最も適当であると認められるときは、
政令で定めるところにより、その地区内において資格
事業を営む
中小企業者であって
組合員以外のものに対し、その
商工組合に加入すべきことを命ずることができるものとすること。」そして
条件としまして一、二、三と書いてありますが、要するに
強制加入の
命令につきましては
中小企業者だけに限定されている。大
企業などを
強制加入させることはできない。大
企業関係につきましては、次の第二十五のところの
事業活動の規制に関する
命令、いわゆる
員外の統制、
命令によって拘束することができるということにいたしておりまして、どこまでもこれは
中小企業者だけだ。要するに
中小企業者が自主的に
調整事業を行おうとして、そして
員外の
中小企業者が若干おるためになかなかその
調整事業がらまくいかないというような場合に
強制加入の
命令は出すのであるということを
規定しておるわけでございます。しかもこれは勝手に出すのではなくて、少くとも
中小企業者の
経営の安定にアウトサイダーの
企業が重大な悪影響を及ぼすかあるいはまた
国民経済の健全な発展に著しい支障を生ずるおそれがあると認められる場合に限定して
強制加入の
命令は出すのだということにいたしておるわけでございます。従いましてこの
趣旨は、あくまでも
中小企業者が自分たちだけで自主的にこの
調整事業をやって、そしてアウトサイダーがおるためになかなかうまくいかない場合に、
政府の方でそれに対して援助を与えて、アウトサイダーである
中小企業者を加入させてその
組合の
調整事業がらまくいくようにするのだという意味でございまして、こういうような相当きびしい
条件を付してありますので、別に私どもの方としましては憲法に違反するという考えは持っていないわけでございます。それから二項、三項につきましては、
命令を発した場合におきまして、その
効果がどういうふうになっているかということを書いてあるわけでございますし、出資につきましては、別に強制はしないということをうたっておるわけでございます。
それから第二十五、これは先ほども申し上げましたように、大
企業に対しましては、いわゆる
員外者規制命令を出すということになっておりますが、その
規定と、それから
中小企業者が自主的に
調整事業ができない、しかもそれをほうっておいてはいけないというような場合におきまして、初めてこの
中小企業者に対しましても、アウトサイダーの
命令が出し得るということにいたしているわけでございます。「主務
大臣は、次の各号に掲げる要件を備える
商工組合の
組合員たる資格を有する者であって
組合員以外のもの(
中小企業者を除く。)の
事業活動が第六に掲げる
事態の克服を阻害しており、またはその
商工組合の
組合員たる資格を有する者の
事業活動を自主的に調整することによっては第六に掲げる
事態を克服することができず、」というふうに、前段の方におきましては大
企業者に対する規制
命令でございますが、後段の方につきましては、
中小企業者に対する規制
命令というふうに書き分けてあるわけでございます。それからその次のぺ-ジに一、二、三というふうにいろいろな
条件を付しているわけでございます。
第二十六は、これは
商工組合連合会につきましてもやはり同様な規制
命令が必要でございますので、この規制をここに書いているわけでございます。
それから第二十七は、
強制加入の
命令あるいはアウトサイダー規制
命令というような
命令につきましては、その
組合が総会の特別議決を経て申し出た場合でなければ、この
命令を発することができないというふうにしてあるわけでございます。それから
命令を出す場合におきましては、その次のところに遅滞なく
命令は出すか出さぬかということを通知しなければならないというらことを書いてあるわけでございます。
なお第二十八のところにおきましては、
強制加入の
命令とかアウトサイダーの
命令というものは、これは対
消費者の
関係あるいは関連
産業の
関係、そういうことを十分考えなくちゃなりませんので、広く聴聞を行いまして一般の
意見を聞かなければならないということにいたしているわけでございます。
それから第二十九、三十のところは、これは事務処理の
関係とかあるいは手数料
関係、それを
規定しているわけでございます。
それからなお三十一におきましては、
商工組合に関する解散の
命令でございますが、いわゆる不況要件というものがなくなりましたならば、
商工組合というものは解散しなければならないということを書いているわけであります。「主務
大臣は、
商工組合が第六または第九に掲げる要件を欠くに至ったと認めるときは、その
商工組合に対し、解散を命ずることができるものとすること、」それからその次は連合会に関するやはり解散の
命令でございます。こういうふうに
商工組合は、
中小企業者が
過当競争、不況により非常に困っているという場合に、
一つの対症療法として
商工組合を作って、
調整事業をもってその安定をはかるのだ、その安定をはかることができましたならば、そのあとは、そういう不況要件がなくなりましたならば解散させられるのだということになっておるわけでございます。これは
協同組合と
基本的に違う点でございます。
それから三十二は
中小企業安定
審議会でございます。これは現在の
安定法にもあるわけなのですが、それと同じような
規定を置いておるわけでございまして、先ほども申し上げました、あるいはその
強制加入の
命令であるとか、あるいはアウトサイダーの
命令でありますとか、そういうようなものにつきましてはこの
中小企業安定
審議会に諮問しなければならないということに相なっておるわけでございまして、まず第一は、「安定
審議会は、
関係各
大臣の諮問に応じ、
組合の
調整事業に関する重要事項を調査
審議するものとすること。」
組合の
調整事業に関しては、重要な問題につきまして調査
審議をすると同時に、この第三のところで、「主務
大臣は、第二十四の第一項、第二十五又は第二十六の
規定による
命令をしようとするときは、安定
審議会に諮問しなければならないものとすること。」、要するに
強制加入の
命令でありますとかあるいはアウトサイダーの
命令につきましては安定
審議会に諮問をしなければならないということにいたしまして、
消費者その他に対する影響を十分考慮に入れておるわけでございます。
それから
組合交渉についてのいわゆる勧告の
関係につきましては、その次の
中小企業調停審議会というものを
中央と
地方に設けるということにいたしまして、この勧告をいたしますときはその
中小企業調停審議会に諮らなければならないというようなことにいたしておるわけでありますし、また
組合協約に関する重要事項につきましても、この調査
審議をするといことにいたしておるわけでございます。
それから第三十四は、これは独禁法適用除外の
規定を書いておるわけでございまして、現在の
安定法にも同様な
規定があるわけでございます。
次に第三十五におきましては、
公正取引委員会との
関係を
規定しておるわけでございまして、この第一のところはいわゆる価格の協定――あるいは
組合協約によりまして価格協定というものができる場合、そういう場合の主務
大臣の認可というものにつきましては、
公正取引委員会の同意を得なければならないということにいたしまして、対
消費者関係につきましては公取とも相談をいたしまして、その同意を得た上で主務
大臣が認可をするということにいたしておるわけでございます。その他のもの、たとえば
強制加入の問題とか、あるいはアウトサイダー規制の問題とか、そういうものにつきましては、その次にありますようにやはりこれも
関係方面に影響することがありますので、
公正取引委員会に協議をしなければならないということになっておるわけでございます。
それからこの
法律の主務
大臣というのは、これは三十六に書いてありますが、「この
法律における主務
大臣は、
組合の資格
事業を所管する
大臣とするものとすること。」、従いまして現在の
安定法によりましてはこれは共管ということになっておりますけれども、この
法律によりましては、あとに出ておりますが、特別な場合を除きましては
組合の資格
事業を所管する
大臣が主管
大臣であるということに
規定をいたしておるわけでございます。
それから第三十七は、これは都道府県の知事でありますとか、あるいは
地方の支分部局長に対しまして権限を委任することができるという
規定でございます。
それから三十八は、これは
商工組合が総会の決議を経まして、
組織を変更して
事業協同組合になることができるとか、あるいはまた
事業協同組合が一定の
条件を備えた場合におきましては、これまた
商工組合に
組織を変更することができる、この
組織変更について比較的容易にできるようにしてあるわけでございます。
それからその次は
中小企業団体中央会でございますが、これは先ほども申し上げましたように、現在の
協同組合中央会と
制度は大体同じでございますが、
商工組合もその中に加入することができるようにいたしておりますので、名前も
中小企業団体中央会ということにいたしたわけでございます。
なお四十におきましては、現在の
安定法に基きます
調整組合または
調整組合連合会につきましては、
商工組合に対しまして簡単に移行ができるということにいたしておるわけであります。
以上
中小企業団体法案につきましての
要綱を簡単に御
説明いたしましたが、なおこの
法律に
関係いたしております
関係法律の
整理に関する
法律案につきましては現在いろいろ
検討いたしておりますが、来週中には
提案ができるというふうに考えております。簡単でございましたが、
要綱を御
説明いたしました。