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1957-04-05 第26回国会 衆議院 商工委員会 第23号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
三十二年四月五日(金曜日) 午前十一時十九分
開議
出席委員
委員長
福田
篤泰君
理事
小笠
公韶君
理事
小平 久雄君
理事
笹本 一雄君
理事
西村 直己君
理事
加藤 清二君
理事
松平
忠久
君
阿左美廣治
君 川野
芳滿
君 菅
太郎
君 南 好雄君 村上 勇君 横井
太郎
君 田中 武夫君 多
賀谷真稔
君 中崎 敏君
永井勝次郎
君 帆足 計君
水谷長三郎
君 八木 昇君
出席国務大臣
通商産業大臣
水田三喜男
君
出席政府委員
通 商 産 業 政 務 次 官
長谷川四郎
君
通商産業事務官
(
通商局長
)
松尾泰一郎
君
委員外
の
出席者
通商産業事務官
(
通商局輸出
保険課長
) 佐々木 宏君 専 門 員 越田 清七君
—————————————
四月四日
委員片島
港君辞任につき、その補欠として
岡良
一君が議長の指名で
委員
に選任された。
—————————————
本日の
会議
に付した案件
輸出保険法
の一部を改正する
法律案
(
内閣提出
第七九号)(
参議院送付
)
昭和
三十二
年度
上期
外国為替予算
に関する
説明聴取貿易
に関する件
—————————————
福田篤泰
1
○
福田委員長
これより
会議
を開きます。
輸出保険法
の一部を改正する
法律案
を議題とし、質疑を継続いたします。
松平忠久
君。
松平忠久
2
○
松平委員
輸出保険法
に関連しましてこの前の質問の継続をしたいと思うのですが、ちょうど
大臣
がお見えになりましたので、少し重複した点がありますが、根本の問題について
一言通産大臣
にお伺いしたいと思います。
日本
の
海外投資
の今までの実績を見ておりますと、その種類と
地域
というものについてこれという
計画
がないのではなかろうか、こう見えるわけです。つまり
日本
の
海外投資
というものは、
日本
の
産業
の基盤を育成しなければならぬ、これに役立たせなければなぬ、
日本
の
貿易
を進展しなければならぬ、こういうところにあるわけであります。そういたしますと、やはり第一次
産業
を主として
投資
の対象にするということが、まず考えられなければならぬと私は思うのです。すなわち鉱山とか、あるいは林業、水産とかいうようなものに
相当重き
を置いて、
資源
の非常に貧弱な
日本
として、
海外
に確保すべき
資源
を
投資
によってまかなっていきたいということが非常に大きなねらいだと私は思うのですが、今までの
投資
を見ておりますと、金高にいたしましてどうも第一次
産業
は利益が少いとか、あるいは
開発
に手間がかかるというようなことからか、
割合
に少いのであって、
繊維
とか
機械
とかいうものが
割合
に金がのしておる、こういう
統計
になっておるわけです。これでは私はどうも
日本
の将来からいってもおもしろくない。それからもう
一つ
は、南米に非常に偏重し過ぎているのではないか。ほとんど六〇%以上も
中南米
に
海外投資
が行われておる。これは
日本
人が非常に多いことからかとも思いますが、それに引きかえて、
東南アジア
には思ったよりも少い。ただし
東南アジア
には
貸付金
はかなりな
程度
にあるようでありますが、これは
投資
の形態にはなっていない。そこに経済不安というようなものもあるから、いわゆる長期の
投資
ではなくて
貸付金
というふうになったかとも思うのでありますが、どうも
統計
はそういうふうに見える。そこで、これは戦後の混乱というようなことがあって、そこに
一つ
の
計画性
というものを持たなかったから現象的にはそういう
統計
が出ていると思うのです。もう
一つ
は、
海外投資
をするために、
日本
の
政府
の内部の
機構そのもの
がうまくいっていないのではないか。聞くところによると、その場合に
協議会
のようなものがありまして、これによって
協議
をするというようなことがあるそうであります。しかし問題は金でありますから、大蔵省がこれを握っておる。しかし
経済全般
という立場からいって、通産省もしくは
企画庁あたり
が、相当大きな、広い観点でこれをながめなければならぬのじゃないか、こういうふうに思っておりまして、今までやってきた
協議会
というものが、ただ単なる
事務機構
ではなかったか。しかもそれもあまり権威のないものではなかったかと思われます。そこでこれから
日本
の
投資
が行われるわけでありまして、今後やはり
日本
としてはもっと
機構
を整備するというか、もう少し高い見地からこれを
取り
上げていくような
方向
にいかなければならぬのじゃないか、こういうふうに私は思っているわけですが、以上の点につきまして
大臣
の所感、並びに
閣議等
においてこういうふうなことが問題になったことがあるかどうかという点についてお聞かせ願いたいと思います。
水田三喜男
3
○
水田国務大臣
海外投資
は御指摘の
通り
でございまして、できるだけ
経済協力
を活発にするという
方針
のもとに、もっぱら
民間同士
の話し合いによってできた問題について、
政府
はそれを実現できるように努力するというふうな
方針
で、ばらばらやってきたことは事実でございますが、しかしそれによりましても、
東南アジア
の各国との
経済提携
の件数というものは相当ふえて参っておりますので、これからが
投資
の本格的な
活発化
の時期に入るのではないかと私
ども
は考えております。これをもっと推進きせるための策としましては、やはり
投資
についての危険を保障するということをやらなければなりませんので、この点を中心としてただいま
国会
に法案の御
審議
を願っているという
状態
でございましてこれによって
相当投資
の危険が除かれるということになって、今まで足踏みをしておったいろいろな問題もさらにこれから進むということになってくると思います。 その次の問題は
投資
するにしても、
投資
の金の調達の問題がございまして、
海外
と話が進んで
投資
する場合に、
投資金融
をやってくれぬか、その金を貸してくれぬかという要望も相当ありますので、この問題を解決するために、今度近く
輸出入銀行法
の
改正案
を
国会
に提出して、御
審議
願うことになっておりますが、そうして
投資融資
というものをここで拡大するという
方向
でいけば、
輸出保険
の問題と相まって
投資
がもっと推進されるのではないかと考えております。 それから今
閣議
で問題になったことがあるかということですが、
閣議
では今
保険
の問題と
融資
の問題が問題になっております。その場合に、
融資
ではなくて必要な場合には
政府資金
の
出資
の道を開いてもらいたい、これによって
民間
ではなかなか手の出ない問題も解決できるというような問題が起っておりまして、たとえば
開発銀行
とかあるいは
輸出入銀行
に
出資機能
を与えるかどうかというのが
関係省
の間に
議論
になっておりますが、将来どうしてもそういう
方向
への踏み切りも私
ども
はつけなければならぬと考えておりますが、
国家機関
の性格上の問題とかいろいろな問題がございまして、まだ検討が不十分でございますので、さしあたり
出資
という問題には
政府
は関与しない、
民間
の問題として、
民間
の
投資
について
政府
が
投資資金
を融通し得る道だけはもっと多く広げようということで、今折り合っておりますので、その線に沿った
改正案
を近く
国会
に出したい、こう考えております。
松平忠久
4
○
松平委員
民間ベース
で今までやってきたということも私はその
通り
であると思う。従ってやや
計画
がなかった、こういうことになると思うのです。そこで結局
外貨
なりあるいは
日本
の
機械
なりというものの
投資
ということになるわけでありまして、私の申しましたのはもう少し
政府自体
が
計画
を作るというか、
一つ
の
計画
を持ってやる必要があるのではないか、
民間
の
創意工夫
にまかせて、それのスムーズに行われるようにするというのが今までの
やり方
であると思うのです。今度の
やり方
もそうではないかと思いますが、私はもう少し一歩進めまして、
政府自体
がみずから
投資
しなくても、
輸出入銀行
その他をして
投資
きせるという——今もそういう道を開くというお話でありましたが、それに付随して、むしろ先行して
政府
がもう少し
計画
的に
投資
をするような
指導性
というか何というか、そういうものを持たないといけないのではないか、こう思うのです。なぜかというと、かりにその目標を
東南アジア方面
に置くといたしましても、インドにいたしましても、セイロンあるいはビルマ、
パキスタン等
にしても、いずれも五カ年
計画
とか八カ年
計画
というものを作ってやっておりますが、どこも非常に金に困っており、
計画
をほとんど毎年変更しておる、こういうような
実情
です。
割合
に
新興国家
でありますからトラブルがあってうまくいきませんので、次次と変更を加えておる、こういう
実情
なんです。そこでそういう国と
取り
組むということでありますから、私はやはり向うは何カ年
計画
というものを持ってやっておりますから、ただ
民間ベース
だけでもってこれをまかしておいたのでは、なかなかうまくマッチしないのじゃなかろうか。そこでどうしてもこれに対してはある
程度
計画性
を
日本
が持たなければならぬ、こう思うのです。ただし
中南米等
は別に何カ年
計画
ということでやっておりませんから、
民間
でも十分やっていけると私は思うのですけどれも、少くとも
東南アジア
あるいは
AAグループ
、こういう
方面
にいきますと、いずれもどうも
計画経済
のようなかっこうで、いわゆる
経済開発
何カ年
計画
というものを、作ってやっているから、それにマッチするような
日本
の
考え方
を持っていかなければ、なかなかうまくいかないのじゃないか。最近のヨーロッパの
共同市場化
の動きというものとあわせ考えてみると、やはりある
程度
日本
がそこへ踏み切るような——踏み切ると申しますのは、つまり
投資
に
一つ
の
計画性
を持たせるというようなことが
地域
においては非常に必要ではなかろうか、こういうふうに思います。
政府
においてそれを考えるためには、やはりその
気持
になり、またおそらくそういった少し高い
機関
というものも必要ではないか、こういうふうに思いましてお聞きしたわけなんですが、その点念のためにもう一度御見解を承わりたいと思います。
水田三喜男
5
○
水田国務大臣
その点はもう御意見について採決いたします。
本案
に賛成の諸君の
起立
を求めます。 〔
総員起立
〕
福田篤泰
6
○
福田委員長
起立総員
。よって、
本案
は原案の
通り
可決すべきものと決しました。 お諮りいたします。ただいま議決いたしました
本案
に関する
委員会報告書
の作成につきましては、
委員長
に御一任願いたいと存じますが、御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
福田篤泰
7
○
福田委員長
御
異議
なしと認め、きょう決定いたします。
—————————————
福田篤泰
8
○
福田委員長
この際、
理事会
の
協議
により、
貿易
に関する問題について調査を進めることにいたします。
政府
より
昭和
三十二
年度
上期
外国為替予算
について
説明
を求めます。
松尾通商局長
。
松尾泰一郎
9
○
松尾
(泰)
政府委員
それでは三十二
年度
上期の
外国為替予算
の
概要
を御
説明
申し上げます。 お
手元
に
昭和
三十二
年度
上期
外国為替予算
についてという
資料
と
主要物資
の
輸入計画
というのをお配りいたしておりまするので、それを
ごらん
になりながらお聞き
取り
を願いたいのでありますが、三月三十日の
閣僚審議会
におきまして、この上期の
外国為替予算
が決定せられたのであります。 今期におきます
予算
の総額は、
輸入貨物予算額
は、
通常予備費
の一億五千万ドルを含めまして二十二億三千六百万ドルになっております。
貿易外
の
支払い予算額
は四億七百六十九万七千ドル、
合計
二十六億四千三百六十九万七千ドル、こういうことになっております。これを
前期
の
最終外貨予算額
と比較いたしますと、
輸入貨物関係
におきまして二億四千七百万ドル
程度
の
減少
、
貿易外支払い関係
におきましては千八百万ドル
程度
の減になっております。
合計
しますると二億六千五百五、六十万ドル
程度
の
減少
となっておるのでありますが、三十一年の上期と比較しますると、
輸入貨物関係
におきまして四億七千万ドル
程度
の
増加
、
貿易外支払い関係
におきましても六千百万ドル
程度
の
増加
になっておりまして、
合計
五億三千百万ドル
程度
の
増加
になっておるのであります。 まず最初に
輸入貨物予算
の
概要
でございまするが、
食糧
、
専売物資
、木材、
日用品原料
、
繊維原料
、
肥料
及び
肥料原料
、
石炭
、
鉄鋼原料
及び
鉄鋼製品
、それから
非鉄金属
及び非金属、石油、
化学品
、
医薬品
、
機械
というふうに、
重要物資
につきましては、お
手元
の
資料
で
ごらん
のような
金額
を計上いたしておりますし、そのほか
加工貿易原材料
、
求償取引物資
の
関係
、
軍納物資
の
関係
、再
輸入
及び
追加支払い物資
また
雑輸入品
につきましても、それぞれ所要の
金額
を計上しておるわけであります。 なお
自動承認制
といたしましては約五億ドル計上しております。 最後に、
通常予備費
一億五千万ドルを入れまして、二十二億三千六百万ドルということになっておるのであります。 次に、
貿易外
の
支払い予算
も、この
数字
で
ごらん
を願えばおわかり願えるかと思いますので、
省略きし
ていただきまするが、そこでまずこの
外貨予算
の
編成方針
につきまして若干申し述べてみますると、
編成
の
方針
といたしましてはほとんど従来と変りはないわけでございます。すなわちまず第一には、
国民経済
の健全な発達に即応いたしまして、必要な
輸入需要
を充足するに足る
予算規模
としておるわけでございます。また
品目別
の
予算
の算定に当りましては、
鉱工業原材料
、
生活必需物資等
につきましては十分な
金額
を計上する。特に当面
険路部面
に対しましてはこれが
険路打開
のための必要な
輸入
を推進する。 次に、
不要不急物資
につきましては、
通商協定等
特別の必要ある場合のほかは
輸入
しないという従来の
方針
を継続する。 次に、
買付
の
経済性等
に即しまして漸次
通貨別
の区分を撤廃するという従来からの基本的な
方向
はこれを
維持
するわけでありますが、米ドル及びこれに準ずる
清算勘定
を通ずる
輸入支払い
についてはなお慎重を期するものとする。またその他の
通貨地域
からの
輸入
につきましては、これらの
地域
に対しまする
輸入貿易
の
維持伸張
をはかるように必要な範囲において引き続きこれを促進する。なお、わが国に対し
通商
上特に
差別待遇
をとっておる国からの
輸入
につきましては、相手方の
待遇
に応じまして適切な措置をとるものとする。 次に、
自動承認制品目
の拡大につきましては、
通商
上及び
産業
上の諸問題との
調整
をはかることを実施する。また
自動承認制
の
適用品目
につきましては、
国際収支
上の
理由
により
外貨割当制
に変更しないことに関する従来の
方針
はこれを堅持するものとするというふうな
方針
をもちまして作りましたのが、先ほど申しました
輸入貨物予算
にいたしまして二十二億三千六百万ドル、
貿易外
の
支払い予算
といたしまして四億七百万ドル
程度
になるわけであります。 そこで次に、
主要物資
の
輸入計画
という刷りものをお配りしておりますので、これで
ごらん
願いたいと思うのでありますが、まず
食糧
の中におきまして、米、
小麦
、
大麦
、
大豆
、
砂糖等
が掲げられております。従いまして、先ほど申しました
大分類
の内訳という
意味
でお聞き
取り
を願いたいのであります。 まず米でございますが、
年間
五十万四千トン
程度
を
輸入
をするという
計画
でありまして、その大部分は
通商
上の
理由
によってやむを得ないものに限りまして下期におきまして買い付けるという
方針
でございます。上期におきましては、
通商協定等
によりまして、
前期
の
買付
を
予定
したもののうち、買い残した分の七万四千トンだけを買い付けるという
考え方
で、七万四千トンだけを計上しておるのであります。 次に
小麦
でございますが、
年間
といたしまして二百十九万二千トンを買う
予定
、上期におきましてその約半分であります百万五千トン、こういう
計画
でございます。前
年度
の
数字
と比較して、
ごらん
の
通り
に若干の
減少
になっております。 次に
大麦
でございますが、
年度
間として八十八万トン、上期は四十万七千トンを買う
計画
でございまして、ほぼ前
年度
と同量かと思うのであります。 それから次に
砂糖
でございますが、
年度
間としまして百十五万トンないし百二十万トンを買い付ける
計画
で、上期は五十八万トンという
予定
にいたしております。 それから
大豆
でございますが、
大豆
は
年間
に八十一万トン、上期で四十万トンを買うという
計画
でございます。(「
数字
は見ればわかるんだから、
理由
を
説明
してくれ」「大きい増減の
理由
だけを指摘してくれればわかる」と呼ぶ者あり)いろいろの
理由
がございまして、これは
前期
と比べましての
理由
でございますが、まず
外貨予算
というものは昨年三十一
年度
末の
在庫
及び
スリッページ
と上期末の九月におきまする
在庫
及び
スリッページ
を幾らにするかという
考え方
からいたしまして、おおむね
食糧類
につきましては、二年続きました米の豊作によりまして、
在庫
が潤沢でございますので、若干九月末におきます
在庫
及び
スリッページ
を三月末におきますよりも
減少
するというつもりで、その
期間
の
消費量
を想定してはじいておるのであります。ところがいろいろな
買付
の都合によりまして、三月末における
在庫
以外の
スリッページ
がかなり多いものが若干あるわけでありまして、そういうものにつきましては、この
数字
を算術的に
比較願
いますと、少し
数字
のおかしいような印象を持たれる点もあろうかと思うのでありますが、今申しますように
食糧類
につきましては、九月末の
在庫
なり
スリッページ
を若干三月末よりも少くするという
気持
で
編成
いたしております。なお原綿及び
羊毛等
につきましては、大体三月末の
在庫
及び
スリッページ
を九月末に
維持
をするということで、ただ
期間
における
生産
の上昇だけを織り込んで
予算
を
編成
しております。
あと石炭
、
鉄くず
、銑鉄、鋼材あるいは
原油
、
重油等
につきましては、この
生産
の伸びも大きいわけでございますが、三月末における
在庫
及び
スリッページ
よりも九月末におけるそれをより多くするというつもりで
編成
をいたしておりまするが、
原油等
につきましては、御存じのように
貯油能力等
の
関係
もありまして、必ずしも
数字
的に
ごらん
になった場合にはそう多くふえておるのではないじゃないかというふうな御
議論
もあろうかと思いますが、大体の
考え方
としてはそういう工合に
編成
をしたのであります。一々について申し上げますと非常に長くなりますので、
省略
をきしていただきたいと思います。 なおこの
予算
は、数量のみならず、どういう
単価
及び
フレート
を
予定
するかということが非常に大きな問題でございまするが、ちょうどこの
予算編成
をいたします二月、三月という時期は、
スエズ紛争
によって
価格
及び
フレート
が非常に上昇した
あと
を受けまして、やや平常
状態
に復帰をする過程にあるように思うわけであります。
フレート
にしましても
価格
にしましてもが、やや下落の
方向
に向いておりまするので、事務的にこの上期において予想し得る先行きの
価格
を一応推定して、
単価
なり運賃をはじいて計算をしたのであります。従いまして必ずしも今日の
価格
に合っていないものもかなりあろうかと思うのであります。 次に
自動承認制
でございまするが、先ほどの表において
ごらん
願いまするように、上期は四億九千七百万ドルでございまして、三十一
年度
の下期に比べますと若干減っておるのでありますが、これも三十一
年度
の下期におきましては、
スエズ紛争
の影響もありまして、
輸入単価
も非常に上昇した点もあるし、また
在庫補てん
の
意味
におきまして非常に
輸入
がふえたその
あと
を受けまして、上期におきましては若干それがおきまるのではないかというふうな
意味
で、三十一
年度
の上期に比べますと、非常な大きな
金額
でございますが、三十一
年度
の下期に比べますと若干少い
金額
を計上しております。なお上期から新しく
自動承認制
に追加しました
品目
は、大きな
物資
といたしましては
燐鉱石
、
羊皮革
でありまして、他は
化学品
及び
医薬品
のうち従来ほとんど無制限に
雑輸入
の中において
割当物資
となっておりましたのを
自動承認制
の方に拾い上げたということであります。従いまして、今申しまする
燐鉱石
、
羊皮革
のほか
化学品
及び
医薬品
を、
品目
の数で申しますと、三十四
品目程度
が新しく上期から
自動承認制
に追加された、こういうことになるわけであります。 なお全体の
予算
の中において
自動承認制
の
占むる割合
は、
前期
におきましては約二一%
程度
であったわけでございますが、この上期においては二四%
程度
になっておるのであります。 なお、この
貨物予算
及び
貿易外
の
予算
合せまして二十六億四千三百万ドル
予算
を
編成
した結果、
国際収支
がいかようなことになるかという点でございますが、上期におきましては、受
取り
として、まず
輸出
を十三億八千万ドル
程度予定
をいたしております。特需を三億ドル、
貿易外
を一億三千九百万ドル、
合計受け取り
は十八億千九百万ドルであります。それに対して
支払い
は、
輸入
が十六億八千万ドル、
貿易外
が十九億四千五百万ドルになります。従いまして
実質的収支
は一億二千六百万ドル
程度
の
赤字
になるわけでありますが、
余剰農産物
とかあるいは
支払い
の繰り述べその他の
調整項目
を差し引きますと、
形式収支
において約一億ドル
程度
の
赤字
が九月末に出る、こういう見通しになっております。
説明
は一応これで終らしていただきまして、
あと
はお尋ねがあれば、お答えいたします。
福田篤泰
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○
福田委員長
本日はこの
程度
にとどめ、
次会
は来たる九日午前十時より開会することとし、これにて散会いたします。 午後零時四分散会 ————◇————— 〔参照〕
輸出保険法
の一部を改正する
法律案
(
内閣提出
)に関する
報告書
〔
別冊附録
に掲載〕