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松平委員 欧州共同体というか、こういうようなことがやはり相当実現の可能性ができてきて、それで私どもの想像以上に早くこれが実現するという方向にあるようであります。従ってこれに対する
日本の考え方も、ただ単にあそこに域外の通商を平等にしようとか何とかいったところで始まらないのであって、そういう傾向からいたしまして、やはり東南アジアというものがだんだん
一つの広域経済的な方向へいくのじゃなかろうか、また欧州共同体というものはそういうものを非常にアクセラレートする性質のものではなかろうか、こういうふうに私たちは見ておるのであります。去年、おととしくらいに意見がまとまらなかったということは事実でありますが、これはやはり
一つの方向へだんだん持っていくとうら努力を
日本はする必要があるのじゃなかろうか。ところが
日本ではなるべくその問題には触れたがらないという態度が今までの
政府の態度であります。私はそれではいけないのであって、もう少し東南アジアの地域の中に入り込んで、その中で説得をする場合には説得も買って出るというようなことでもなければ、なかなか
日本の発言権も確立できない。こういう工合に私は思うのであって、最近の
状態では一歩踏み込んで東南アジアの貿易のいろいろな不便、つまり規則とか慣行とかあるいは国内的
法律的な措置とかいうものがあった場合において、それを緩和するためのやや常設的な
機関ということが、私が先ほど申した
機関でありますが、これは実はあなたの答弁とは違った報告を得ている。
インドがこれを欲しておるのです。ところがタイとかフィリピンというのがこれを欲していないということで、
インドは極力これを推進しておる、こういう
状況であります。従ってもう少し中へ入り込んで、どっちつかずの態度をとらず、もうそろそろ行くべき段階ではなかろうかと思うのです。たとえばサンフェドの問題にしても、この間予算
委員会で問題になって、西村
榮一君の質問に対して岸さんが答弁に立ったんですけれども、こまかい問題だったのでわからなかったというわけですが、あの問題についてのサンフェドは東南アジアの国でどこの国も賛成していない国はない、ぜひこれはやってもらいたい、そうして東南アジアの
開発をやってもらいたいという希望であります。ところが
日本はやはりどっちつかずの態度をとっておりまして、ことしはまあどうかと思うというようなことで、アメリカとかいイギリスとかの顔をうかがいながら、これに水をかけるように、来年まで延ばすというような
提案を
日本の代表はしておる。そういうやり方ではだめであって、ここまで来たらもう少し踏み出していくべき時代ではなかろうか。これは通産省がそれらの点についてもう少ししっかりしてもらって、ほんとうに
実情を把握して取っ組んでもらいたいと思う。他人まかせ、外務省まかせだというようなことではいかぬのじゃないか。サンフェドの問題もどこの国も要望しているのであるから、あれの
機関を作って、東南アジアの投資をしていく。最近聞くところによると、アラビア・グループが寄りまして、自己
資金を得て、それを国連に持ち込んでアメリカその他の援助を得てアラビア
開発銀行を作るという動きが相当活発になってきております。そうすると、東南アジアにおいても何らかの
機関を作って、東南アジア
開発投資
機関というようなものを作る必要があるのではなかろうか。世界
銀行とかあるいは昨年できましたIFCですか、IFCは世界全般的なもので後進国ということになっておるとは思いますけれども、しかし広域経済という立場からいくならば、そこに
日本が出ていって、東南アジア
開発のために援助してやる、これだけ働いてやっているんだ、こういう態度があってほしい。今までのようにちょうど東西貿易のまん中に立っておるような格好で、どっちつかずでふらふらしているから、どこにでも飽きられてしまう。こういうことを二、三年来繰り返してきたのが
日本の態度であります。これでは私はだめだと思う。もうここまで来たらそろそろ
日本は東南アジアに身をもって中へ入り込んでいくという決心を
政府自体がきめられる必要があるのではなかろうか、こういう印象を最近深く持っているのです。それは先ほど申した欧州共同体と、それからアラビア・グループの行わんとするところのアラビア
開発銀行、こういうものと関連しましてその感を深くしておるのですが、これに対する
大臣の所見を
一つ伺いたい。