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中崎委員 これは
通商産業省としては、自由主義的な
考え方が
相当あるために、たとえば先ほど申し上げますように、もぐりのカルテル的な
組織というものが数限りなくある。それをまだ調査もしていないというような状態なんだから、いかに自由主義的な
考え方の支配を受けておるかということは、これでもわかる。一体国の
経済がどういうふうに動いておるんだろうかがわからないというんだから、私
たちは驚くほかない。これで
経済計画の、五カ年計画のなんて言うておられるから私はわからない。そういうふうな大きな
産業構造組織の上に立って国の
経済が動いているんだ、九千万の
大衆が引きずり回されているんだという、こういう実態がわからないというのだから、これは自由放任であると言うほかはないのであります。こういう実態を私は言うておる。これに対してもう少しメスを加えて、ここまではいいけれ
どもここは行き過ぎだ、ここは
一つ勧告をするなり、こういう
組織を法制化するなり、もう少し全体として
運用を適正化するんだというあり方でなければ、幾らあなた方が五カ年計画だといっても、絵にかいた餅で、何にもならない。そういうことを私は言っているのです。だからその意味においてもう一ぺん研究してもらって——たとえば完全雇用だなんて社会党に近いことを言っておられる、社会保障をさらに拡充していくなどと言っておられる。言葉だけは何べんそう言っても、骨の髄から変ってこなければ何にもならない。ただいかにして
国民から投票をかき集めようかというような
考え方でなしにほんとうに
国民とともに国の政治を少しでもよくしていくんだという
考え方の上に立って、重要な国の
産業経済を
考慮していかれる上においては、もう一歩進んで、あまりにも不当な行き過ぎの利潤というものは、何らかの
方法で検討すべきではないか。国家の特別な利益、たとえば何億、何十億、はなはだしいのは何百億という低利
資金というものが回っておる。これによって一カ年間何億、何十億という利益をそれだけでも取られておる。そういうふうな
事業はたくさんある。ところがそれがどんどんほしいままに値段をつり上げていったり、あるいはカルテル的な
独占的
企業の形において、もうかるのは当然だ。
国民という赤ん坊の手をひねって、自分
たちの思うような値段をつけて、思うように数量の調節をやっていくんだから、どんなにだってもうかる。一体そういうふうなものについてどういうような措置を講ずるかということを、実はもう少しよく
考えてもらいたい。こういうことを申し上げているのでありまして、これ以上また突っ込んでも仕方がないので、これは今後においてさらにいろいろ検討してもらえばいいと思う。
次に、そうしたような
一つの
産業経済の構造の中に、一面においては綱紀粛正といいますか、綱紀の問題と
関連してそうしたような取引というものが裏から裏へと行われていって、これがやっぱり
一つの大きなピラミッド型の
経済形態をなしていくということ、これはまた争うべからざる事実だと思う。そこで私は特に
通産大臣に要請しておきたいのでありますが、ややもすればこの
経済機構を持っておられるところの大臣なりあるいは、そういうふうな面においては、そうした者の誘惑に陥りやすいから、
一つそうした面においてほんとうに身をもって政治というものを粛正していく。ことに財界と官界においても
相当腐敗がある。たとえば通商局のごとき、
相当問題を持っているところのものが、年がら年じゅう警視庁のお世話になっている。こうしたようなことについても、もう少し身をもってこの政治を粛正して、ほんとうに
国民の信頼と期待にこたえるというふうな腹がまえをもって、
一つ政治の——社会党でなくてもいいのだから、
一つ政治を革新するという上において、大きな役割を果してもらいたいということを、私は特に
通産大臣に要望しておきたいのであります。
それから次に、完全雇用の問題に
関連しているのでありますけれ
ども、将来の完全雇用の線に沿うて、
一つの
産業のあり方というものを進めていくというふうに言っておられるのでありますが、具体的にはどういうふうな
方法によって、この完全雇用というものを実現していかれようとするのか。現にこの中にもあるし、ことに今度の
予算編成の大綱の中にも、そういう線に沿うてあらゆる
施策が集中して、社会保章とそうしてこの完全雇用の線に持っていって、一切の政治の
方向が向けられるのだというふうな大眼目の
考え方でありますからして、失業者、将来生まれてくるところの労働力というものを、どういう
方向に具体的に吸収しようとするのか、そしてこの問題を解決しようとするのかを、
一つお尋ねしたいのであります。