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1957-04-15 第26回国会 衆議院 社会労働委員会診療報酬及び薬価に関する小委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十二年四月十五日(月曜日)     午後二時一分開議  出席小委員    小委員長 小島 徹三君       亀山 孝一君    田中 正巳君       野澤 清人君    岡本 隆一君       滝井 義高君  出席政府委員         厚生事務官         (医務局長)  小澤  龍君         厚生事務官         (薬務局長)  森本  潔君         厚生事務官         (保険局長)  高田 正巳君  小委員外出席者         厚 生 技 官         (保険局医療課         長)      館林 宣夫君         専  門  員 川井 章知君     ————————————— 本日の会議に付した案件  診療報酬及び薬価に関する件     —————————————
  2. 小島徹三

    小島委員長 これより社会労働委員会診療報酬及び薬価に関する小委員会を開会いたします。診療報酬及び薬価に関する件について調査を進めます。発言の通告がありますからこれを許します。滝井君。
  3. 滝井義高

    滝井委員 この前小委員会の第一回の終りに、各委員の要望によって、中央社会保険医療協議会臨時医療保険審議会経過概要当局の方から御説明を願うことにしよう、こういうようなことになっておったわけです。それから同時に薬価基準の何か審議会というようなものができておるはずだ、従ってその審議会経過といいますか、何かそういうものも同時に説明をしてもらいたい、こういうことで、その説明資料を同時に要求をしておったというのがこの前の終りの状態だったと思うのです。まあさようは先に一つ保険局なり医務局の方で関係あるところから、その中央社会保険医療協議会臨時医療保険審議会の今までの審議経過結論的なものが出ておれば、そういうところを一つ説明願いたい。
  4. 館林宣夫

    館林説明員 最初に臨時医療保険審議会審議経過とその内容について申し上げます。本日お配り申し上げました資料をごらんいただきたいと思います。第三回、昭和二十七年七月十四日、その際に日本医師会側医療担当者の側から医療社会保険の三原則というのが出されたわけであります。それについての議論が相当長期にわたって行われておるわけであります。ある程度内容を朗読していった方がいいかと思います。第一回から読んでみます。  昭和二十七年六月十九日に第一回を開きまして、会の運営要領について、協議し、臨時医療保険審議会要領(会の名称を臨時医療保険審議会とすること等)を決定。また会長に川西委員会長代理東畑委員を選出した。  第二回は、昭和二十七年七月五日に開かれまして、当局から配付された資料の説明と、本会の性質、類似機関との関係等について説明を聴取し、また、諮問事項決定方法、その手順、問題の出し方等について意見の交換を行い、大体の方向としては、医療原則の問題、基本問題について討議しようということになった。このときに審議会の性格が明らかになったわけであります。  第三回は昭和二十七年七月十四日に開かれまして、当局から、社会保障制度審議会の「社会保障制度に関する勧告」、「社会保障制度推進に関する勧告」等の説明を聴取した後、具体的な問題を見出すための基本的な問題について、自由討議が行われたが、特に、当日医療担当者側から出された「医療社会保険の三原則」について論議が集中した。ただいま申し上げましたように、これからこの三原則を中心にして審議が展開していくわけです。  第四回は昭和二十七年八月一日に開かれまして、前回に引き続き、医療担当者側提案の三原則について活発な論議が行われ、また、木崎委員から「社会医療保険運営の原則」が出されたが、これら原則の取扱いについては、具体的な問題の議論を進める際に考慮しながら論議を進めるということで一応第二段階に入り、具体的問題(厚生大臣がこの会に諮問すべき事項)の検討を進めるため、問題の整理を会長に一任することとした。  第五回は昭和二十七年九月八日に開かれまして、各委員、各団体から出された「提案事項」について、それぞれ提案者から説明を聴取した後、具体的審議事項厚生大臣から諮問を受くべき事項)について論議が重ねられた結果、諮問事項を、「医療保険の制度の大綱、運営の基本的方策並びに制度立案に必要な資料の整備、しゅう集作成に関し、得に重要かつ具体的な改善事項について、その意見を問う。」とすることと決定した。(なお、この諮問事項は翌九月七日付で、そのまま正式に厚生大臣から会に諮問された。)ここに書いてありますように、まず会を開きまして、各会員の意見を聞いた上で厚生大臣から諮問事項を後にきめて諮問がなされた、かなり自主的な運営をとったわけでございます。  第六回は昭和二十七年十月十五日に開かれまして、「医療保険の全般にわたる制度の大綱、その運営の基本的方策に関する改善事項」について、医療担当者側委員の説明を聴取した後、各種社会保険料(税)の所得控除に関する決議を採択し、また、前回から問題となっていた小委員会の設置をきめ、構成は、診療担当者側三人保険者、被保険者事業主側三人中立側一人計七人とし、それぞれ人選をした。小委員会をこの際作ったらよかろうというのは、非常に人数が多いので、具体的問題を多数の人間が審議しておっても審議が進まないというので、小委員会を作ることにいたしたわけであります。  第七回は昭和二十七年十一月十一日に開かれまして、今井小委員長から、小委員会における審議(各側から提案された事項の分類、整理)の結果報告を聴取した後、整理された議案の審議順序について検討した結果、まず財政問題を取りしげることに決定、論議が進められた。  第八回は昭和二十七年十二月三日に開かれまして、財政問題に関する健保連及び国保関係から提出された資料並びに、当局から提出された資料について、それぞれ説明を聴取した後、これらについて質疑並びに論議が行われ、この問題の答申案の取りまとめについて、協議した結果、小委員会を開いて検討することとした。  第九回は昭和二十七年十二月二十三日に開かれまして、今井小委員長から、小委員会の審議の結果報告(財政問題に関する答申案)を聴取し、これについて質疑、検討の結果、一部字句の修正を行なって、これを採択した後、今後取り上げるべき議題の順序については、小委員会に一任することとした。  次は、第十回が二十八年二月九日に開かれております。今井小委員長から小委員会の審議結果について報告(議題の順序は、まず第一に資料整備を取り上げ第二に医療費の問題に移ることとした。)を聴取した後、小委員会の意見によって当局が準備した資料について、当局の説明を聴取し、この資料について質疑応答が重ねられ、さらに資料の提出要求がなされた。  第十一回は二十八年二月十八日に開かれております。当局及び健保連から追加提出された資料の説明の聴取とこれに対する質疑を行なった後、医療費問題に入り、点数、単価方式の是非、その他について、種々意見の交換、質疑を行なった。  第十二回は二十八年三月十八日に開かれまして、当局から追加提出された資料の説明を聴取、次いで医療担当者側から提出された「社会保険診療報酬決定の原則」について説明を聴取し、これについて、医療担当者側委員と、その他の委員との間に、質疑応答が重ねられた。  第十三回は七月二十七日に開かれまして、審議の促進をはかる意味で、原則として第二、第四の水曜日に会議を開くことを決定した後、診療担当者側提出社会保険診療報酬決定の原則について質疑を行い、また、健保連から、この原則に対する意見が述べられた。  第十四回は八月十二日に開かれまして、原則の取扱い等について論議がかわされた後、具体案の作成について、種々論議がなされ、医療費問題の取扱いを検討するための小委員会を設置することとし、その人数は従来通り七人とすることとなったが、その構成及び運営等については会長に一任することとした。  第十五回は二十九年三月十七日に開かれまして、今井小委員長から、まず、診療報酬に対する課税問題の取扱いに関する小委員会経過報告が行われ、また、当局から、その経緯の説明を聴取し、この問題について政府に対して申し入れを行うことを決め、直ちに起草委員を指名して、案文を起草し、これを採択した。なお、今井小委員長から右の問題以外の小委員会審議経過について中間報告を聴取した。第十六回は二十九年九月十一日に開かれまして、今井小委員長から小委員会審議経過報告があって、質疑並びに意見の交換を行なった結果、いまだ結論を出す段階に至っていないので、特に診療報酬に重点を置いて、小委員会審議促進をはかることとした。これが最後でございます。  なお、ただいままでの記録の中には小委員会の結果の報告のことを載せておきましたけれども、小委員会はこれと並行にたびたび開かれておるわけであります。  なお、一番最後に審議会委員の名簿をここへお出し申しておきましたが、ここに書いてございますように委員が非常にたびただ変っておるのであります。ことに小委員の委員がかなりたびたび変っておりまして、そのために審議が中断されるという事態もしばしば起ったわけであります。  小委員会におきましては——資料はお配りしてございませんが、これが取扱いは非公開になっておりまして、審議の促進をはかるために、今井小委員長からメモが出されまして、そのメモの順序に基いて、主として診療報酬に対する基本原則診療報酬の立て方というようなものが審議されて参っておるわけでありまして、ただいままでの段階ではまだそれらの結論が出るには至っておりませんけれども、今井委員から提出された問題点に対して、相当回を重ねて論議が行われてきておりまして、各委員の意見もある程度述べられておるわけであります。  それから次に、本日お配り申し上げました中央社会保険医療協議会に新医療費体系に基く新点数表案を諮問して以来の審議経過をここでごく簡単に要約してあるわけであります。  最初に諮問されましたのは、これにございますように三十年十二月二十七日でございまして、それ以来約三十回程度原則的な問題について審議が行われたわけであります。  その内容についてこれから簡単に申しますと、三十年十二月二十七日はこの新医療費体系に基く新点数表案がかけられた第一回目でございました。このときには単に諮問案の説明に終っております。  次が三十一年一月十六日でございまして、前回に引き続きまして新体系と新点数案との関連性、初診料の構成要素等について質疑が行われております。  その次が同年の一月二十三日に開かれまして、新点数表案を用いまして社会保険病院で調査をいたしたわけでありますが、その調査についての質疑が行われたのであります。またあわせて当局側から配付いたしました諸外国の料金表あるいは行為別新旧点数換算表等の説明、また手術料算定資料の説明をいたしたのでございます。  次回が同年一月二十五日に開かれまして、厚生省側から提出いたしました資料の質疑応答、外国の平均賃金と初診料の比較等の配付資料の説明が行われたのであります。  その次が二月二日に開かれまして、配付された資料は医療費体系関係資料抜粋行為別新旧点数換算表診察料設定経過の説明が行われ、これについて質疑が行われております。  その次が二月三日でありまして、一般点数設定経過行為別新旧点数換算表委員要求資料、それらの配付資料の説明が行われ、一部負担方式保険者の指定する者との特別契約等をめぐり論議が行われたわけであります。これはただいま申しました社会保険病院の調査に伴って生じた議論であります。  次が二月十日に開かれました。非公開で懇談会が行われまして、新点数に関する新聞記事に閲して論議が行われたわけであります。  その次が二月十一日に、三十年三月及び十月調査をめぐって質疑が行われ、また医療担当者側より原案の診察料中に注射手術料、処置等を含ましめている点、疾病別に入院料の格差を設けている点について不満の意が議論とともに表明されております。  次は二月十七日で、原案の診察料に関して受診率に及ぼす影響等が論議の中心になっております。  次が二月十八日に開かれまして、総括的な質疑が行われましたが、ことに医療担当者側より学会の意見を聞かなかったのは遺憾である旨の発言がなされたのであります。  次は二月二十五日に、原案の診察料に対して質疑が行われましたが、ことに日本歯科医師会側より、補綴等のコストまで診察料に含ましめている点は不合理であるという意見が開陳されております。  次は三月一日でありまして、医療担当者側より技術差の考慮が不十分である点、再診料が不合理である点等について意見が述べられております。  その次は三月九日に開かれまして、新点数案の審議が遷延し、医薬分業の実施に間に合わなくなったので、当面分業に必要な範囲の暫定的な改正を願いたいという旨を厚生当局からお願いいたしましたので、その取扱い方について協議が行われました。  次の第三十三回、第三十四回は、その暫定案の取扱いについて今井原案を中心に審議が行われ、答申がなされております。  その次が三十一年四月十四日に第三十五回の協議会が開かれまして、今後の審議方法について協議が行われ、今までの審議において表明された意見を整理して問題点を明確化し、審議の促進をはかることということで、この際前年の暮れから三月中旬にかけて論議された論点を明確にしようということになったわけであります。  四月二十一日に開かれましたときには、幹事側からその論点を明確にした意味の「審議経過整理メモ」が提出せられました。これを中心として今後審議を行うことを各委員了解いたしたわけであります。  五月九日に開かれました協議会で「整理メモ」に対して医療課長から説明要旨を添えて、その内容の作成上の説明をいたしたわけでありますが、これに対して医師会側からある程度の批判があったわけであります。  その次の五月十日には、「整理メモ」第一項(物と技術の分離)について協議が行われた。これは「整理メモ」の内容そのもの保険者側からかなり意見がございまして、いま一度明確化するようにいたしたいというような希望があったために、「整理メモ」の内容について、いま一度論議してみようということになったわけであります。それに基いてこの第三十八回以後「整理メモそのものを中心に論議が進んでおります。「整理メモ」の第一項の(物と技術の分離)について協議が行われた。この結果物と技術を分離することについては意見の一致をみたが、医療担当者側は適正な原価計算より算出された点数は、総医療費のワクとは無関係に設定すべきであるとし、保険者側は医療費の総ワクは変えないことが前提となっていると主張しております。  次は「整理メモ」第三項(原案作成の方法)について協議が行われ、医療担当者側よ三月調査補正について意見を述べられたが、問題点を明確にするにとどまった。  次は五月十八日に開かれまして、「整理メモ」第四項(計算の基礎)について協議が行われましたが、新点数の算出資料が昭和二十七年では古過ぎるからスライドすべきこである、すなわち経費と人件費は原価を割らないようにしてもらいたいという医療担当者側の意見に対し、厚生省側は、原則的には賛成であるが、間接経費価格按分比例ないし時間比例で医療行為の中に入れないで他の経費に入れることも例外的には認められてもよいのではないかという意見を述べております。このようにずっとこのところ論議しているのは幹事案として厚生省専務当局が三月までに整理せられた審議の終ったものをそのままでよいかどうか、その整理されて厚生省側がメモとして出したものが、果して委員の気持を反映しているかどうかを各項目ごとにこのようにして検討していったわけであります。その検討の際にあわせて意見の追加もあればメモの訂正もあった、こういうわけでございます。  第四十一回は五月三十日に開かれまして、「整理メモ」第五項(診察料入院料の定め方)について審議が行われ、医療担当者側より入院料について格差を設けているが、二十六年当時の資料で精神、結核における再診の頻度も変っているし、その特殊性を考慮してもらいたいという思見が述べられております。  次は五月三十一日に開かれまして、前回に引き続き第五項及び第六項(技術の難易差)第七項(点数単価方式をとりながら件数定額式を導入することの矛盾)について審議が行われた。これは初診料に少しこの精神が入っているという点の論議であります。  次は六月十三日に開かれまして、日本医師会側から各医学界の意見をまとめた資料が提出されております。これに対して質疑がかわされた後「整理メモ」第八項(診察料中に含まれる診療行為の範囲)、第九項(点数表を金額表とすることの可否)、最後に第二項(医療費の総ワク)について審議し、それぞれの問題点を指摘いたしております。  次は六月十四日に開かれまして、今後の議事運営について協議いたしましたが、今までの審議経過を再度要約して、これによって問題点を的確にすることになったわけであります。すなわち「審議経過整理メモ」について、今まで四月から六月半ばまで審議が行われて参りました論点が明らかになりましたので、さらにもう一度その論点を整理してみようということになったわけであります。  第四十五回は七月二十五日に開かれまして、委員改選に伴う会長の選出がなされて、このときに従来の湯沢三千男会長から児玉政介会長に会長が変ったわけでありますが、担当規程の改正について審議を行なっております。  次は八月二日に開かれまして、「審議経過整理メモ(その二)」が当局側から出されたわけであります。これに対しまして医療担当者側から、内容が主観的であるとの異論があったが、そのような部分は今後の審議で修正することとなり、「整理メモ」A(点数表の組み立て方についての問題)の(意見の一致のみた事項)の1(個別支払の原則)2(物と技術の分離)3(診療項目)についての協議が行われたのであります。この第二次「整理メモ」というのをもう一度その内容を検討しながら、果して事務当局が書いたそのままが各委員の意見であるかどうかということを再確認しようというわけで、この第四十六回以後第二次「整理メモ」の審議に入ったわけであります。  第四十七回は八月十五日に開かれまして、前回に引き続きまして「整理メモ」Aの2(今後意見の調整を必要とする事項)の1(診察料構成要素)について協議が行われました。その結果、各科の診察料を同一にするということについては意見の一致を見ましたが、診察料にいかなる要素を含めるべきかについては専門委員会で検討することとし、歯科の診察料は一般医と別個に審議することといたしたのであります。  次回は八月十六日に開かれまして、「整理メモ」Aの2の2(技術料の難易差等の問題)についてはでき得る限り難易差を考慮すること、また直接経費を決して割らないことについては意見の一致を見まして、間接経費については、なお検討することとなったのであります。3(入院料の格差の問題)については専門委員で検討することとなったのでありまして、入院料の格差をつけることの不合理と、各科のバランスと、こういう問題がありますので、専門委員に検討をお願いすることになったわけであります。Bは(個々の点数値の決定についての問題)の1(意見の一致を見た事項)の1(技術料決定方法の問題)及び2(技術の評価と総医療費のワクとの関係)について協議が行われました。  次は八月三十日に開かれまして、前回に引き続きBの1の3(各科別、病院、診療所別医療機関の収入に及ぼす影響の問題)4(三十年三月調査の補正の問題)5(医師の個人的技術差の問題)及び2(今後意見の調整を必要とする事項)の1(二十七年十月調査によるコストのスライド問題)2(初診療及び注射料をめぐる特殊の考慮の問題)について審議が行われました。  その次は八月三十一日に開かれまして、これまで逐条審議した「整理メモ」が確認されまして、これに基づいて専門委員を設け検討することについて、審議の結果専門委員に関する方針を決定いたしました。これによって設定するよう厚生大臣あて要望することになったのであります。十一月七日の専門委員の人選結果の報告が厚生省側からありまして、部会の議事運営について協議が行われ、なお、専門委員合同会合を十一月十三日に開催することとしたのであります。第五十二回は、これは他の関係で医療協議会が開かれた機会に、それまでの各部会の審議状況の報告をことしの十一月二十日に求めております。  次は、非公開で行なっておりますが、専門委員会の審議の経過でございます。専門委員会は四つに分れておりまして、第一部会、第二部会、第三部会、第四部会となっております。第四部会は歯科の関係でございます。第一部会は三十年三月の資料、二十七年十月の資料並びにそれらのスライド補正等を中心にいたした問題について審議することを主目的とした部会でございまして、第一回は十一月十三日に開かれまして、新点数作成の経緯、新点数作成基礎資料となった諸調査の概要について説明が行われ、第二回は十一月十四日に開かれまして、新点数作成のもととなった昭和二十七年三月医業経済調査及び同年十月医業経済精密調査に対する説明並びに質疑が行われております。次は、十一月三十日に開かれまして、資料に対する質疑応答が行われ、その次の十二月七日も資料に対する質疑応答、次の十二月十四日も資料に対する質疑応答が行われております。次の一月十一日は資料に対する質疑が行われ、スライドする場合対象となるコストに関連しての論議がありました。一月十八日は資料に対する質疑が行われ、診療科を平均的に扱って費用計算されているので、スライドした場合診療科ごとで著しいアンバランスを生じないか等の論議が行われております。次の一月二十五日には資料に対する質疑が行われ、個人立診療所公立診療所との実体の相違に関する論議が行われ、次は二月一日に資料に対する質疑が行われております。次は二月八日に開かれまして、資料に対する質疑が行われ、スライドの時期及びスライドの可否等について意見の交換がありました。次は二月十五日に開かれまして、スライドの方法論に関する論議がなされ、二月二十二日にはスライドの方法論に対しての論議がなされております。三月一日は資料に関する質疑応答が行われ、三月八日にはスライドに関する参考資料が提出され、それに対する説明、質疑応答が行われました。三月二十二日には資料に対する質疑応答が行われ、四月十二日にはスライドに関する資料の説明が行われて今日に至っておるわけでございます。  第二部会は、初診料再診料、入院料に関する審議を主としておる部会でございます。第一回は十一月十三日に開かれまして、このときは単に座長の推挙——選挙のようなものでございますが、推挙、議事日程等について協議がなされ、十一月二十二日に新点数作成について診察料に含ませた範囲の説明が行われました。次回の十一月三十日に診察の内容に関する論議がなされ、診察の定義に関して意見の交換がありました。十二月七日には診察行為を、診断に必要な資料の収集、診断行為治療方針の決定、指示行為等の群に分けて、一応料金とは無関係に診察とは何ぞやということを検討することになったわけであります。次は十二月十四日は診察行為の定義について論議が行われ、一月十一日には疾患別に診察行為を分析する提案がなされ、一月十八日は診断に必要な資料の収集について物と技術の立場から分析する案が提出され、一月二十五日には検査行為分類方式が提案されております。二月一日には実際患者を診察する場合の仮定に立って診察行為の評価について審議が行われております。二月十五日は検査行為分類方式並びに一般的な評価の原則論の提案がありました。三月一日には前回提案された事項について論議が行われ、三月八日には診断に必要な検査行為のうち独立した行為として別料金を課するものがあるかどうかについて論議があったのであります。三月十五日には諮問事項についての質疑が行われ、四月五日には診察料のくくり方及び評価の要素についての提案が行われたのであります。  この部会は四月五日が今のところ最後であります。  次の第三部会は、技術の難易さ、あるいは物と技術の分離の程度というようなことを審議することを目的としておる部会でございます。  第一回は十一月十三日にやはり開かれまして、座長の推挙、議事に地程等について協議され、十一月二十日には諮問事項についての説明並びに資料の説明、二十七日には医療を物と技術に分けることの是非、難易、方法等について総論的な意見の交換がなされ、十二月四日には物と技術を分離した場合の影響について意見の交換があり、十二月十三日には技術評価の方法として技術の難物差、高度差を要素とする意見についての論議があり、十二月二十日には技術評価をする方針について意見の交換が行われております。一月八日には評価案作成の態度が確認され、方法論について論議がされ、一月二十二日には手術における技術評価に対する意見が出され、一月二十九日には診察料についての第二部門の審議状況の説明が行われ、二月十二日に手術についての技術評価の具体的事項についての意見が出されまして、二月十九日に各学会において検討するため現在までの意見の要約がこのときにされております。それ以後第三部会は開かれておらないのでございますが、これは四月の学会に関係があるわけでございまして、第三部会の委員は大部分大学の教授の方々でございまして、四月の学会のために非常に忙しくて、準備の都合上少し審議を延期してもらいたいという御希望がございまして休んでおる格好でありまして、終り次第すぐに開くことになっております。  第四部会は歯科でございまして、第一回は十一月十三日に座長の推挙、議事日程等の協議が行われ、第二回は十一月十九日に新点数作成のもととなった調査資料の説明並びに質疑が行われ、十一月二十六日に新点数のらち診察料に関して設定経過等の説明があり、十二月十日に歯科における診察行為の内容に関する資料が提出され、診察、診断の概念について論議があり、十二月十七日に歯科における再診について論議が行われて、前回提出の資料に検討が行われました。一月十四日に診察の付帯行為についての検討が行われ、一月二十一日に補綴のための診察行為について論議があり、外科、保存、補綴の各科別に診察行為を検討することになり、補綴に対する検討が行われたのであります。一月二十八日には補綴に対する診察行為について検討が行われ、二月四日には保存に対する診察行為について検討が行われ、二月十一日には外科に対する診察行為について検討が行われ、二月二十五日には歯科全般に対する診察行為について検討が行われ、三月十一日にはやはり前回同様の検討が行われ、三月二十五日には歯科の技術評価についての試案が提出され、四月一日には歯科における診察行為の最終的内容の検討を終了し、前回提出資料の説明が行われました。従いまして、歯科については大体診察行為に対する検討は終ったのであります。なお、引き続き一般の第三部会に相当する部分の審議に入ることになっております。
  5. 森本潔

    ○森本政府委員 ただいま提出しました薬価基準改正経緯についての御説明を申し上げます。  最初薬価調査方法でございますが、これが二十年度、三十一年度と三十二年度が若干変っておりますので、それについて申し上げます。三十年度、三十一年度は大体同じ方法でございますが、三十二年度において変ったということでございます。まず調査対象でありますが、三十年、三十一年はここに書いてありますが、三十二年度におきましては、その数字が約三倍ほどになっております。すなわち、調査対象は三十二年度は病院が千六百二十一でありますが、た体病院の数の三分の一という数字になります。それから診療所につきましては、三十分の一というように調査対象数を非常にふやしました。これが三十二年度に新しく違っておることであります。それから調査の品目でありますが、従来は、三百品目ずつを押えておりましたが、三十二年度は約二百品目であります。これは調査の実績によりますと、三百品目をいたしましても、頻度の少いものがございまして、病院によっては回答のないところもございます。従いまして使用回数の多いというのだけにいたしますと、約二百で足るんじゃないかということで、頻度の多いものだけを選んでやっております。それから調査対象の期間でありますが、これは三十年度は一カ月間の調査、三十一年度は二カ月間でございます。三十二年度は、これも九月、十月の二ヵ月間ということでございます。それから調査の項目につきましては、三十年、三十一年度におきましては、薬価基準に収載してありますところの包装の価格、たとえば、ある薬が百錠薬価基準に収載されておりますと、そのものだけを調べております。ところが三十二年度におきましては、ある薬につきまして実際に使われております包装が百錠もあり、五十錠もあり、十錠もあるとしますれば、そのすべての包装について価格の調査をした、こういうやり方をいたしております。すなわち三十二年度におきましては、調査対象をふやして、品目数は頻度の多いものだけ、それから同一品目におきましても、数種類の包装のあるものについては、全包装にわたって調べた、こういう調査方法をいたしております。それの結果はあとでまた申し上げます。  それから二番目の収載品目でありますが、これが昭和三十年度、三十一年度と書いてありまして、三十二年度はまだきまっておりませんので、書いてございません、ここに申請数と収載数と不採用数というのがございますが、これはその年度におきまして新しく申請された数が申請数であります。従来から記載されておるものは書いてございません。従いまして三十年度におきましては、新しく収載の申請があったものは四百四十一、そのうちで収載したものが三百二十四、採用しなかったものが百十七、三十一年度におきましては六百申請がございます。その中で採用したのが三百四、採用しなかったのが二百九十六でございます。こういう数字になっております。この収載数につきまして、申請があって収載した場合にどういう基準で収載しておるかと申しますと、これは従来から同じ扱いでございますが、第一には、生産金額が少いもの、それからいわゆる家庭薬のように医師が使用しないと思われるものは収載しない。それから二番目は、同種他品目と比蔵して割高なものは収載しない。たとえばある薬がすでに収載されている。ところが他の会社が自分のところの製品も収載してもらいたいと言ってきた場合に、現在より高いものは収載しないということでございます。それから策三は、公定書外医薬品である配合薬であって、相乗作用の認められないものは収載しない。一つの薬を作りますのに数種の薬をまぜ合す場合に、たとえばABCの薬をまぜ合せる場合にABCの薬の効能がお互いに助け合ってより多くの効力を持つというものは採用いたしますが、そういう効果を持たない配合薬は収載しない。この第三番目の原則昭和三十一年度より追加して採用しているのであります。  その次の第三でございますが、病院診療所薬局別の薬価の算定、昭和三十一年度の薬価調査によって検討の結果、病院診療所、薬局別の薬価を定めるいわゆる三本建薬価基準作成するためには、さらに資料を追加することが必要であったので、次回に見送ることにした。そのため、昭和三十二年度の調査では、昭和三十一年度に比して調査対象数を二・六倍に増加し、かつ調査品目のすべての包装についての価格を調査することとした。なお資料の集計はおおむね五月初旬に完了する予定である。これはいつかも申し上げましたように、病院診療所、薬局の購入価格が違っているのではないか、その差を調べるということでございますが、これは三十二年度の調査で何らかの結果が出ると思います。この三十二年度の調査の結果は、五尺初旬に出る予定でございます。  その次は次のぺ−ジの薬価基準の品目の整理。この収載品目の整理につきましては、さらに整理をする必要があるのではないかというような御意見等もございますし、またあるいはその必要がないというような意見等もございますが、これらはもっぱら専門的なことでございますので、その整理につきましては、学識経験者の意見を聞きまして、それによって次回の大改正に間に合うようにいたしたい、かように考えております。  一応以上で資料説明終ります。
  6. 滝井義高

    滝井委員 今保険局と薬務局の方から今までの経過の御説明をいただいたのですが、先に保険局の方に一、二お尋ねしておきたい。まず臨時医療保険審議会経過報告の中で、日医の療養担当者側から出された医療社会保険の三原則というのはどういうことか、一つ簡単に御説明を願います。
  7. 館林宣夫

    館林説明員 非常にむずかしいものでございまして、ちょっと簡単には御説明いたしかねますので、読み上げます。  医療社会保険の三原則一、社会医療の本質。桂会医療の本質は、生産を通じて社会福祉の増進に寄与するにある。社会医療は純粋に医学上の見解のもとに行われる以外に社会性持つものであるから、当然に社会的制約を持つべきである。しかしながら、本質として、学問の自由を否定するものであってはならない。また反面に、国民の社会的自由を不当に制限するものであってはならない。社会医療は進歩発展の基礎をみずからの制度の中に持つものでなければならない。これは当然国民大衆がみずから学問の社会的桂盤について認識し、次の時代の学問を社会的に再生産せしめるものであることを常に考えながら、社会医療の本質を誤まらしめない用意がなければならない。  二、社会保障的医療における医学の水準。現在の日本の経済力は、とうてい日進月歩の世界の医学を社会医療に適用し、国民の生命尊重の本義に徹せしめることは困難である。ことにわが国の低賃金は、これを全く不可能ならしめている。従って社会福祉の増進を生産に求める新しい考え方からすれば、わが国の社会医療は、生産資材の一部として社会的責任においてこれを認める以外にはない。それ以外に学術的良心に基いて行われることは、きわめて困難である。国民所得分配の概念に立った過去の医療保険制度は、今後の学問の進歩を社会化するものではない。  三、社会保険の機構及び運営における有機的関係の認識。過去の医療保険の思想と第二次大戦後の社会保障的な思想とは、いかに機構及び運営において取り扱わるべきか、すなわち疾病は社会的責任において処理されるときに、これに関係する医薬の経営方式と学問の進歩、さらにこれらと生産力との関係のごときは、全く有機的な関係を有し、社会保障体制の中においておのおのその本質を尊重し、社会の進歩を促進するものでなければならない。過去においては、これらの関係について明確なる認識を欠いていた。  以上であります。   〔小委員長退席、亀山小委員長代理着席〕
  8. 滝井義高

    滝井委員 そうしますと、医療担当者側から出された、今度新しく会長になった武見さんがお出しになったのじゃないかと思いますが、この日本医療の三原則という結論は、どういうことになったのですか。結局論議をしてしり切れトンボになってしまったということなのかどういうことなんです。
  9. 館林宣夫

    館林説明員 この原則を頭に置きながら、今後の審議を進のようということになったわけであります。
  10. 滝井義高

    滝井委員 この三原則を頭におきながら審議を進めるだけで、それ以上何もないようでありますから、次に移ります。  臨時医療保険審議会諮問事項というものが三、四回の論議の結果具体的に出てきて、それの具体的に出てきたものが、医療保険制度大綱運営基本的方策並びに制度立案に必要な資料整備収集作成に関し、特に必要かつ具体的な改善事項についてその意見を問う、こうなっておるわけですね。二十七年六月十九日に第一回の委員会が開かれて、足かけ六年になります。六年にまたがって開かれておりますが、その後七人委員会ができるし、それから医療保障の委員会が厚生省にできて、同じようなことをやっておる。これらの関係というものは一体どうなるのかということですね。私今これを聞いてわからぬようになった。おそらく厚生省の皆さんは頭がいいからわかるだろうが、おそらくテン・メン・テン・カラー、十人十色、委員会が十できれば、十の結論が出ると思うんです。そうしますと、その結論はどれがいいのか、応接にいとまがない。おそらくあなた方の頭で作ることになる。あなた方の頭でしたものか一番いいということになる。参考にはなるかもしれないけれども。これじゃあまり無責任だといわざるを得ない。その後あなた方が七人委員会やら医療保障の委員会など、作らなければいい。しかもその中で指導的な役割を演じておるのは、いつも今井さん。今井さんがどれにも入っている。それなら何もそんなに——失礼な言い分だけれども、いつも今井メモとか今井調停案というものでやるなら、ほかの者は、金魚のしりについているふんみたいと言ってはおかしいけれども、付録みたいな、盲膓的存在になる。それならば、大事な問題ですから、たくさんの委員会を作らずに、整理してこれをきちっとやる、何人かの委員会、五人なら五人の委員会を作って、専門的にやる方がよかった。実は私はきょうはそういうことがここではっきり暴露されるだろうと思って、この前からこれは国会が独自の立場で、単価なら単価をきちっと出すべきだ、執行部が、それを参考にして、やるかやらぬか、たとえば国保が二十円なら二十円、二十五円なら二十五円という一応単価の標準が出れば、それから先は政治的に見て、二十五円と出たものを日本の財政から見て十円でいいとか十三円でいいとかいうことは、政治がきめればいいのであって、一応やはり独自の立場で出すことが必要じゃないかということを私は考えたがゆえに、きょうは特にお願いをして、その経過説明してもらうことにしたのです。ずいぶんたくさんやっておりますけれども、討議をした、意見交換が行われた、質疑が行われた、検討したと言われておるけれども、結論が書かれていないですね。たとえばずいぶんいろいろなものが出た。歯科のごときは、今の館林さんの御意見では、結局第四分科会で診察検討が終ったというけれども、それでは診察ではどういう結論になったかということは書かれていない。だから私は、そういう委員会がやはりずっと討議したからには、一つの討議が終って、その結論というものは、補綴なら補綴はどうするという結論は、一応出しておいてもらわぬとしり切れトンボです。皇統連綿じゃないけれども、連綿として続いていっている。こういう感じがするんです。その感じはとにかくとして、その後雨後のタケノコのようにできたいろいろな委員会、これまた続いている。みんな続いているんです。その関係は一体どうなるのかということなんです。もしここから結論がぴしゃっと出て、医療保障委員会が、そういうことはまかりならぬ、おれはできません。あなたの方で、千何百万円か去年はとっていたが、ことしはだいぶ予算が減っておるのだが、作っておったあの五人の、長沼弘毅さんが会長ですか、あの委員会との関係は一体どうなるのか。
  11. 高田正巳

    ○高田(正)政府委員 滝井先生の御指摘は確かにごもっともな考え方でございます。ただ単価の問題について、たとえば何円なら何円ということを国会がおきめになるかどうかということについては別としまして、いろいろな委員会があって、そうしてその点が非常に錯綜しておるということにつきましては、私個人的な感じを申し上げるわけですが、私もそういう気がしないでもないのです。それで確かにそういうわけでございますが、たとえば臨時医療保険審議会経緯をずっとごらんいただきますと、最初諮問医療保険制度大綱運営基本的方策並びに制度立案に必要な資料整備云々と非常に広範なわけですが、これをずっとごらんいただきますと、もちろんこういうふうな大きな問題とはなっておりますけれども、中心は財政問題ということにだんだんなってきておりますし、最後の方を見ますと、小委員会にかけていろいろ御論議になっておりますのは、端的にいいますと、診療報酬をきめるのに、どういうルールできめたらいいかということが検討の主題になっております。それで結局最初諮問というのは、そういうものをきめるには、いろいろ全般にも関係があるのだからということで、大きくいって、それがだんだん審議経過によってしぼられていったというふうに見るべきでありますが、あるいは最初取りかかろうという問題もまだ結論が出ないので、それが出たらあとの医療保険制度大綱運営基本的方策云々という全般的な基本のことに取りかかろうということであるのか、その辺私もその当時の事情は詳しく知りませんので、どうであろうかと思っておるのであります。しかしその後もいろいろな委員会ができておるわけでございまして、ただいま五人委員のことを御指摘になりましたけれども、あれはちょっと観点が違っておるのじゃないだろうか。むしろ国民皆保険というふうなことを推し進める際にいろいろ問題点になるようなことを研究をしてもらいたいということが主であるように思っております。しかしそれにしましても、国民皆保険というようなことを推し進めるには、臨時医療保険審議会の方でやっておられます財政問題というふうなことも関連があるわけでございますから、その意味においては、今先生御指摘のように確かに関連があると申さねばならぬと思います。しからばあの際にああいうようなものを作る必要はなかったじゃないかというようなこともあるいは言えるかもしれませんが、オーバー・ラップする部分はあったにしても観点が違うということであれば、また別個に作っても一向差しつかえないじゃないか、こういうことも言えるかと思うのであります。それでこれはごく率直に言わしていただくならば、実は私自身も臨時医療保険審議会審議が、一体どういうふうなところである程度の結論が出るかということにつきましては、若干危惧の念を持っておるわけでありますが、こういうものを存置してお願いしておるのでありますから、これを全然ネグレクトしてしまうわけにはいかぬし、それかといって、従来厚生省がとってきましたような態度でここにお願いしておるのだから、この結論が出てからわれわれは動き出すのだというふうなことであってもいかぬのではないか。従いまして私どもとしましては、審議会の方にお願いをしまして、できるものならばできるだけ早くこの審議会結論を部分的にでもまとめていただく、それをまとめていただくことと並行して、私どもも事務的な作業を役所の事務当局独自の立場で進めていくというふうなやり方をせざるを得ないのじゃないか、こういうふうに考えておるわけでございます。それでその際に結論が出た場合に、今度この医療保障委員との関係をどうするかという問題が必ず出てくると思います。これも当然医療保障委員にも適当な方法で御意見を拝聴するようなことは必要になってくるだろうというふうに考えております。ごく率直にいって、滝井先生の御指摘のように、いろいろなものがあるので非常にはっきりしないじゃないかということにつきましては、考えようによりますと私も先生と同じような気持がするわけでございますが、また考えようによれば、それぞれ違った運営をしている、従ってそれを直ちに今つぶしてしまうというようなことを考えなくても、やりようによってはやっていけるのじゃないかというふうな気がいたしております。
  12. 滝井義高

    滝井委員 今まで単価の問題がヒョウタンナマズのようにぬらりくらりしておったときには、かえって都合がよかった。いやあの委員会結論が出ません、この委員会結論が出ませんというふうにそこに責任を転嫁して、隠れみのの形でうまくいっておった。しかしもらあくまでも結論を出すのだということがはっきりしてくると、今となってみればこれは手足まといになる感じがするのですね。しかしこれはできているものだから、あなた方は適当にそれぞれの審議会なり協議会なり委員会はかわいがっていかなければならぬ。一つうんとかわいがってやっていただきたいと私は考える。そこで委員会の方は、十分あなたの方でかわいがって御意見を聞いていただきますが、私の方としては、大体厚生当局診療報酬決定基本原則というものはどういうことを考えたらいいのか、ここにも基本原則というのは出ている。これは当然あなた方が考えておるはずなんです。あなた方の基本原則というものはどういうものなのか、一つあなた方の意見を言うてもらいたい。
  13. 高田正巳

    ○高田(正)政府委員 先生そうお聞きになっても、私即答できないだろうということをよく御承知でお聞きになっていらっしゃるわけなんですが、それがなかなかむずかしいことなんで、実はこちらの臨時医療保険審議会の方の小委員会でおやりになっていることは、それなんでございます。それで診療報酬の今の単価は御存じのような方程式できまったわけなんですが、その方程式そのもの、すなわち算定のルールそのものについても、いろいろ論議があるわけであります。それをどういうふうな方向でものを考えたらいいかということについて、小委員会で相当長い間にわたって御審議をいただいておって、しかもまだ結論が出てないというふうな段階でございまして、私どもは、厚生省自体の考えを今申せと御質問をいただきましても、こういうやり方でこらやればいいのだということを明快にお答えするだけのところまで至っていない。これはわれわれの不勉強だということにもなりましょうけれども、また同時に、この問題はそれほどめんどうな問題だということの例証にもなるかと思うのでございます。従いまして今の御質問に対しては、大へん恐縮でございますがその程度で一つごかんべんを願いたいと思います。
  14. 岡本隆一

    ○岡本小委員 そこでちょっと伺いたいのですが、戦前にきめられておった単価というものは、また診療報酬というものは当時の日本の経済状態あるいはその財政状態の観点から大体において妥当なものだったと思っておられるのか、あるいはあれはこれからの単価の方式をきめていくことについての基準にならないものだというふうなお考えを持っておられますか。
  15. 高田正巳

    ○高田(正)政府委員 たしか私の記憶によりますと、戦前のは請負方式であって……。
  16. 岡本隆一

    ○岡本小委員 いや、もうその後そうでなくなっておるんです。ごく初歩はそうだったけれども、大体前半くらいですよ。
  17. 高田正巳

    ○高田(正)政府委員 だいぶ長い間そうなんですね。あれは昭和十八年か九年ごろですね。十八、九年ごろに今のようなことになったんですね。それで長い間請負方式であって、従って単価は毎年々々変ってきたわけなんです。というのは幾ら幾らで請け負うということで、それを適当に分けてみたら稼働点数が当時よりいろいろ動きますから単価がもうその年その年で動いているんです。当時単価というものはなかったわけなんですね。
  18. 岡本隆一

    ○岡本小委員 いや、そんなことはございませんよ。単価は十二銭だったか何かで相当長く安定していたように私は記憶しておりますがね。
  19. 高田正巳

    ○高田(正)政府委員 岡木先生の御指摘になっているのは二十五、六年ぐらいじゃないでしょうか。十円の単価が長かったですね。
  20. 岡本隆一

    ○岡本小委員 十円というのはもう戦後ですよ。大体十二銭か十銭程度で長く続いていたです。
  21. 高田正巳

    ○高田(正)政府委員 昭和十八、九年だったと思いますが改正になりまして、それ以前は今のように私が申し上げたようなことですので、単価が安定しておるということはあり得ないような制度になっているわけなんですがね。
  22. 岡本隆一

    ○岡本小委員 それじゃそれはあとで調べていただいたらいいと思うんです。けれども大体十銭から十五銭くらいの間でもって、たしか十二銭くらいで相当期間比較的動かなかったと私は記憶しているんです。私自身その単価でもって報酬を受け取っていたんですから、私の記憶も相当しっかりしていると思うんですがね。それで当時大体十二銭程度のものが今では十二円五十銭ですからそれが百倍になっているわけです。その戦前の大体十二銭程度というものが当時の比較的安定しておった経済のもとで妥当なものであるかどうか。それと比較して、それから出発して今の経済状態に当てはめていくことの可否ですね。そういうことについてどういうお考えを持っておられるかということを私は承わりたいと思うのです。  それでもう一つ、具体的に言いますと、私の記憶に従えば大体十二銭のものが十二円五十銭になっておるのだからそれの百倍である。そこで戦前の単価かける戦前と比較した現在の物価指数ですね。それも一つの単価をきめる基準になると思うのですね。それからもう一つのきめ方からいけば、戦前の単価かける公務員の給与のベース・アップ、これはいろいろなものを勘案したきめ方が出てきていると思うのですが、そういうものも一つの基準になると思うのです。あるいはまた戦前の何に対してかけていくいろいろなその他の計数も、まだほかにもあろうと思いますが、そういうふうないろいろな計数をかけていくことによって単価のある程度の見当というものを生み出す基準は出てくると思いますね。そういうふうなものに単価のきめ方を考慮していくということは私は一つ方法だと思うのですが、あなたの方でどう考えるか。  そこで問題になってくることは、多少点数を拾っていますからね、それはやはり矯正しなければならぬと思うのですが、しかしその点数を拾っているということは別問題として、そういうふうな考え方というものをきめ、診療報酬の適正なきめ方ということの中に戦前を基準に持っていくということについて、あなたの方はどういうお考えでしょうか。
  23. 高田正巳

    ○高田(正)政府委員 そういう計算もやってみなければならぬ計算一つだと思っております。従ってそういうものも一つの参考にしなければならぬというふうに結論的には考えております。それには、今先生は点数表改正のことを仰せになっておりましたが、それより大きな問題として医療行為の頻度というものを考えなければいけない。だからそれを無視しては単価だけのスライドということはできないということが一つと、それから今先生がおあげになりました例で私気のついたことで非常に重要たと思いますことは、たとえば物価がかりに五百倍になっておるから単価を五百倍にする、あるいは公務員の給与が三百倍になっておるから単価を三百倍にするということは、私はできないと思います。というのは、御存じのように公務員の給与べースなんかの値上りというものを考えるとしますれば、それは単価の中に含まれておる一種の所得、いわゆる技術料に当る部分と比較してみなければならぬと思います。しかしそれは生活必需物資の物価の値上りとかなんとかいうことは、生活費の問題になりますから、所得の問題になりますからね、だから関連づけて考えなければなりません。それからその単価の中に含まれておるいろいろなコストに当るものもありますね、そういうものはまたそういうものとして、それらの物資の値上り分というものを考えて、いろいろ考えていかなければならぬというふうな気がするのです。それで私の申し上げたいことは、一つはこの頻度という問題をネグレクトするわけには絶対いかない。それから物がどれだけ上ったから、あるいは公務員のべースがどれだけ上ったからというようなことで、いきなりそれにスライドをするというふうなことは、単価という今のような形をとっておるとすれば、それは非常に不合理であるという気がするのです。まあその辺のところが相当大きな問題点となりはせぬか、しかしいずれにしろ先生の今示唆されましたような計算を、私が申したような意味でできるだけ精密に——しかし頻度の点なんかできないと思います、当時の頻度の調査がありませんから。だからもう少し、できるだけ精密にそういうふうな計算をしてみるということは、やはり重要な一つのあれじゃないだろうかというように私どもは言っておるわけです。
  24. 岡本隆一

    ○岡本小委員 頻度の問題ですが、頻度の出題について、これは戦前に医務課長をしておられました野間さんなどがいつも出された問題でして、健康保険の制度ができれば、医者によけいかかるじゃないか、だから少くてもいいじゃないか、当時これはいつも出てきた議論なんです。私らもそれは覚えております。だけども原則的に考えて、厚生省としてもまじめに考えていただかなければならない問題は、その一人の医師が一日に大体何人くらい見ることが正しいのか、これは私必要なことだと思うのです。それで今あまり一入の特定の人に患者が集中するということは、それは今日自由競争の形に置かれたらやむを得ないと思うのですよ。しかしそのために、非常に忙しい日は、やはり大なり小なり数の中には多忙なるがゆえの疎漏もできますし、またことに忙しいと必要な検査を省略して、診療行為というものが粗雑になるということはどうしてもやむを得ないと思うのです。だから非常に多数の患者を集めなければやっていけない、あるいは多くの診療行為をやるから、数多く見るのだから、数でこなせるからいいじゃないかというようなお考えを医療報酬の中にあまり強く織り込んでいただくと、やはりこれは実質的な医療内容の非常な低下になってくるわけで、医師が大体どれくらいの患者を一日に扱うことが被保険者のために一番望ましいかということですね。それから仕事の内容が非常に緊急度のある業態なんです。急に苦しんだ、あるいは熱が出た、腹が痛い、すぐ来てくれ、そうすると、それにすぐ応じられるだけの態勢でなければならないから、普通の工場で絶えず機械にびしっと取りついて一日の間に何個製作できるというふうな形と、医師が八時間労働をして、その八時間の中で何人扱えるということは、これはまただいぶ意味も違ってくると思うのです。幾分ゆとりを見ておかなければ緊急に応じ切れない。そうでないと、今仕事の途中だから仕事が済んでから行くということになって急患を断わらなければならぬということも出てくる。だから頻度の問題というもの、戦前の頻度と今の頻度とやはりそれは同じ程度のものであるべきであって——その程度であるべきであるというと語弊があるかもしれませんが、とにかく戦前と今と頻度が違うからどうだこうだというお考えをその中に入れていただくと、今は比較的医学的な知識が啓蒙されて医者をよけい利用するようになっておる、だから医者はそれだけ忙しくやっているのだから実質的に収入が多くなっておる、こういうふうなことなんですが、そうなれば患者が医療機関を利用する頻度が多くなればそれだけ医療機関をふやすべきであって——現実に医療機関はふえておるのです。だから、そういう意味においては頻度というものをあまり強調されない方がいいのじゃないかと私は思うのです。それは邪道だと思うのですがね。頻度というものを単価のきめ方の中に持ち込んでくるということは、私は邪道だと思うのです。
  25. 高田正巳

    ○高田(正)政府委員 先生がおっしゃったように、これは工業の生産品とは違うのです。三時間機械を動かすのと六野間動かすのとでは倍違うとか、あるいはいわゆる量産すればコストが下る、そういうような性格のものじゃないと思うのです。それからまた医師の待遇、処遇問題を考えるときに、研究とか読書とか、そういうようなものも入れて当然考えなければならないと思うのですが、ただ今のような点数単価方式でやっておりますと、二十六年の単価をきめたときの方程式でいいますと、分母になっておる稼働点数ですね、これは先生が今仰せのように、大体標準の医師の稼働点数というものを押えたものだというふうにおっしゃったのですが、それには今私が申し上げたような配慮をして、そうして標準の稼働点数を抑えて、それを分母にしてやったというふうに私どもは記憶しております。その稼働点数というもので割って単価が出るのですが、そのときの稼働点数というものは出づらじゃないのです。たとえば集い薬を使えば低い薬を使ったよりは稼働点数が多くなる、こういういわゆる出来高なんです。しかもそういう要素の入った出来島です。だからそういうもので割るとすれば、これはやはりそこに当然その稼働点数の伸びというものが、出づらがふえて、稼働点数がふえたというのなら、これは今先生のおっしゃったことが当てはまってくるわけですが、しかしそうではなしに、同じ注射一本さすにしても非常に点数の高い注射が出てきた、そのために非常に稼働点数が増した、しかもその単価の中には技術料まで入っておる、その入り方は、薬が高ければ高いほど割がよく入っておるというようなことであるとすれば、やはりそれでふえた稼働点数というものは、ただふえたというふうに考えていったところで先生の御指摘のようなことではなくなる。それが出づらであれば、今先生が御指摘のようなことになるわけです。だからそういう意味で、いわゆる稼働点数というようなものも、現在のような制度をとっておるとすれば、これは単価決定の場合には当然考えていかなければならぬ要素であるというふうに私は考えるわけです。
  26. 岡本隆一

    ○岡本小委員 今のそういうふうな非常に高価な注射、あるいは償却ないしは消耗的な資材が多く要るような治療もしくは診断主義、たとえばレントゲンなどについては着々と厚生省では物と技術分離という行き方を点数制度の中に現在すでにだいぶ織り込んでおられる。それて大体薬価基準をきめて、出す。それはそこにロスとかいろいろなむだになる分を含んで——点数で割ったそのままネットの点数ではありませんが、グラムで価格を割った点数ではありませんが、しかし一応薬価の費用というものについてはマージンを少くして、それにプラス材料もしくは診断行為といったようなものを付加した実質上診療機関の技術によるようなものは、大体一つ診療行為に対してはあまり変らないようになるような制度へだんだん持っていっておられると思のです。一時から申しますと、現在はそうなってきていると思う。たとえばジフテリアの注射一つにいたしましても、吉はサルバルサンをぽんと注射すれば、それでジフテリアというものがきっとなおるんだから、そういうものについては診察報酬が相当高くてもいいというような考えがあったんですね。ところが現在では薬価プラス技術料という形のものを注射料としてきめるというふうな傾向にだんだんなってきているわけです。サルバルサンの注射にしても血清の注射にしてもそういう傾向になってきているわけですね。だからそういうものは材料費とかいうようなものがいろいろ出てきましても、結局においては戦前の点数というもの、たとえば一回の診察行為もしくは往診あるいは手術、注射というような行為かける今の物価指数あるいはその他のものが、私は一つのよりどころになるのじゃないかというふうな考え方を持っているんです。それで問題になってくることは、そういうふうな一つの出し方、あるいは今までしばしば行われているようないろいろな審議会で、こまかい計算の上に立って数字を出していくか、あるいはもう一つのきめ方の基本的な重要問題は、現在の段階において医師をどういうふうに処遇するかということについての問題があると思うんですね。たとえば戦前の点数単価かける今の物価指数、それがそのまま出てくれば戦前の医師の待遇になるわけです。その戦前の形において医師を待遇するのか、あるいは非常に世の中が変ってきているんだから、戦前のそういうものでは待遇できないというのか。あるいは戦前においては健康保険というものは医師診療行為の中の一小部分だった、しかしこれから後国民皆保険するから、医師の生活は保険に依存するんだ、そういうふうな段階においては、医師の待遇というものは全く保険の点数のいかんによってきまるんですからね。だからそういう点から戦前よりも厚く遇しないと——戦前の医師は健康保険をたよらずに自由診療の患者によって生活していた。だからいわゆる社会政策、社会に対するサービスと考えていた医者も相当あったと思うのです。そうして保険にほんとうにまじめに協力する医師は、奇特なお医者さんだというふうな見方を厚生省の方でもされるような傾向がなきにしもあらずだったと思うのです。表彰さるべき人であるというふうな見方さえされる時期もあったと思うんですね。それが今から後は変る。だからそういう意味においてどう待遇していくのかということについてはまだ何もお考えがまとまっていませんか。
  27. 高田正巳

    ○高田(正)政府委員 結論から先に申し上げますと、そういうのは最高方針によってきめるべきもので、われわれがそれをどうするんだというふうなことを今きめるべき筋ではない。むしろわれわれとしては、たとえば戦前の、その当博の国民所得がどらであって、そして医師の収入がどうであったというふうな資料を集めるということがわれわれの任務だと実は結論的には考えているわけです。従って今私が医師の待遇を戦前と同じにするのだとか、あるいは戦前よりも低くするのだというようなことをとてもお答えをすべき筋ではない。ただ先生が今仰せになったように、戦前は健康保険なんていうものは医師の生活から言えばまあ刺身のつま程度の時代があった。ところが今日では健康保険法によってきめられた医療報酬の規格というものは相当医師の報酬の大きな部分を占めているいわゆる社会政策——しかも先生のお説のように、国民皆保険というようなことになれば、それがますます大きくなるということを十分頭に置いてものを考えなければならぬだろうということが決定的に言えると思います。  もう一つは、かりに戦前の医師の待遇と国民所得との比較において、医師の待遇を同じに扱うんだという方針をきめたにしても、それかといってさっき先生が仰せのように、諸物価の値上りと同じように単価をスライドした日には、これはまた変なことになるという点は十分考えていかなければならないと思います。先生のお話の中で二点気がついたものですから、お答えじゃありませんがちょっと申し上げておきます。  御質問に対してはいわゆる決定的に——たとえば一般の国民所得の二倍なら二倍にする、また三倍なら三倍にする、あるいは戦前の五倍になったら五倍にするのだというふうに基本的にわれわれが打ち出すべきではない、むしろそれは最高のところで、またいろいろなことをにらみ合せて調整された上で最後に出てくるのではないか、われわれとしてはできるだけそういう判断を求めるための資料を集める。あらゆる資料ということになりますと非常にむずかしいと思って私は非常に頭を痛めておるのですが、とにかくできる程度の資料を集めたいという気持を持っております。
  28. 滝井義高

    滝井委員 途中で各論に入りましたが、先を急ぐから各論の方がいいですね。  今いろいろ御説明を聞きましたが、中央社会保険医療協議会においても臨時社会保険医療審議会においても低迷していることは大体よくわかりました。そこで今後僕ら急速に結論を出してこの委員会を進行せしめていくために、最終的に出た今井メモというのはもらえますか。
  29. 高田正巳

    ○高田(正)政府委員 これは一応非公開で、外に出さぬということにして小委員会の方はずっと御審議いただいておりますので、一応私ども御相談をしてみたいと思います。ここで次会に提出いたしますとかあるいは出しませんとかいうことを申し上げないで、御相談をして、できるだけお出しできるように努力をいたしたいと思っておりますので、しばらく時日を与えていただきたいと思います。
  30. 滝井義高

    滝井委員 もし出していただけなければそういうものはなかったものとして審議を進めていきたいと思います。  次には審議会経過整理メモの一次、二次は出していただけますね。次会までにぜひこれを出していただきたいと思います。  次に少し本論に入っていきますが、今まで医療費体系論議するときには、総医療費ワクというものが頭にかぶさってきておった。ところが一度は大臣も、先日の小山君も、大胆率直に医師の待遇改善を今秋までに結論を出してやろうということになりました。待遇改善をするということは、おそらく単価ということに限っていえば単価を上げるということだと思うのですが、当然これは総医療費ワクは上ってくるのですが、そういう認識をして論議を進めていいですか。
  31. 高田正巳

    ○高田(正)政府委員 医師の待遇を改善するということになりますと、結局はどういう形であるにしろ総医療費ワクは広がると思います。そうしなければ医師の取り分を多くするには患者を減らすよりほかない。患者が同じであるという仮定に立てば、これはいかなる形になるか知りませんが、当然医療費ワクは広がらざるを得ない、かように考えております。  それから、なお御参考までに申し上げますが、今臨時審議会の方もそれから中央医療協議会の方も低迷しているというお話でございましたが、中央医療協議会の方は先ほど御説明いたしましたように、最近までぐんぐん真剣な討議が重ねられておりますから、私は医療協議会の方は低迷という形は当らぬと思うのです。ただ問題の性質からいって、直ちに結論が出るかどうかということについては疑問でございますけれども、しかし低迷しているということはちょっとこちらの方は申せないのじゃないか。  それからなお医療協議会の方は一応総医療費ワクを離れて、合理的で診療内容の向上を促すものを作ってみる必要があるがということで、一応こういう総医療費ワクを頭に置かないで作業してみよう、しかし最終段階において総医療費の膨張にならぬように調整をはかる必要が生じてくるだろう。しかしその場合は場合として一応そういうふうなことを離れて、いろいろなことをやってみようという整理メモで了解の上で、実は専門委員会等で御検討いただいておるのであります。それでその点も御参考のためにつけ加えておきたいと思います。
  32. 滝井義高

    滝井委員 医療協議会の三十八回に、総医療費ワクとは無関係に適正な原価計算によって設定すべきものというふうに書かれておりますが、今までわれわれが医療費体系を長年論議してきた過程を通じてみると、総医療費ワクをはずすなどといったことを国会の委員会であなた方が言われたことはなかった。きょう初めて総医療費ワクをはずしてもよろしいという御言明があった。この前小山さんは、秋までに結論を出すのだということも今までかつて委員会に言ったことのない大胆率直な言明だとみずからも表明された。きょうは二つ結論が出ました。そこでお尋ねしますが、一般開業医の平均年令は幾らかおわかりになりますか。
  33. 小澤龍

    ○小澤政府委員 五才年令階級別でわかります。
  34. 滝井義高

    滝井委員 そうしますと、一般開業医の平均年令を五才区分でなくて今幾らかわかっておれば教えてもらいたいのですが、私が二、三年前くらいに調べたところでは四十六才くらいであったと記憶しておるのですが、現在は二、三年たっておりますし、三千人くらい若い医者が出てきて、その中から相当開業しているだろうと思うのですが……。
  35. 小澤龍

    ○小澤政府委員 夫は五才年令階級別に病院の開設者、診療所の開設者、勤務者というふうな区分でそれぞれの数字がわかっております。しかしこれを平均化いたしますと、それぞれのグループが五才年令で区切ってありますので、必ずしも厳正な意味での平均値は出ないと思いますけれども、大体それに近い近似値を求めることができると思います。これは追って計算してみないと今ここで直ちに数字を出すことは困難かと思います。
  36. 滝井義高

    滝井委員 それならばごめんどうでしょうが次会までに開業医と、開業医の中に勤務しておる医師、この総数の人たちの平均年令をぜひ出していただきたいと思います。
  37. 小澤龍

    ○小澤政府委員 今の御要求の中で、病院診療所別の勤務医師はわかるのでありますが、それが個人開業医であるか、あるいはその他の開設者に勤めておるかということは、実は区分していないのであります。
  38. 滝井義高

    滝井委員 多分今年の一月十五日現在であったか、私はその調査を何か二枚の紙で受けたような感じがするのでありますが、それには生年月日も書いて全部出してある。これは毎年厚生省で保健所を通じてやっていらっしゃるのですね。
  39. 小澤龍

    ○小澤政府委員 その通りでございます。調査はその通りでございますが、集計項目として結果表に今御希望の数字が御希望のようにまとまっておるかどうかは、実は私どもにはわかりませんので、この点も統計調査部の方に照会いたしまして、もしもありましたならば御提出を申し上げたい、こういうふうに存じます。
  40. 滝井義高

    滝井委員 そうしますと、多分調査の項目の中には名前を書いて生年月日もみな書いてあるのです。それから勤務の場所も書いてあります。従って開業医に勤めておるか、公的医療機関に勤めておるか、その他の機関に勤めておるかわかるはずだと思いますが、もしそれができておらなければ、それを整理するのにどのくらいの日にちがかかりますか。
  41. 小澤龍

    ○小澤政府委員 これも統計調査部にさっそく問い合せて御返事を申し上げたいと思います。
  42. 滝井義高

    滝井委員 できるだけ一つ早くやっていただきたいと思います。  次に、今度御存じのように国家公務員の給与が改訂になり、そうして国家公務員の医療職というものが確立されることになったが、もし今御要請を申し上げました、開業医並びにその開業医の中に勤務する医師の平均年令が出ましたならば、たとえば私がかつて調査したときには四十六才ぐらいであったと記憶するのでありますが、四十六才なら四十六才の国家公務員の医療職の給料とそれから諸手当を別にして出してもらいたいと思います。これはすぐ出ると思いますが、出るでしょうか。
  43. 小澤龍

    ○小澤政府委員 実は医療職は、院長給与、医長給与、それ以外の一般の医員の給与というように三段階に分れております。従ってこれを院長給与でとるか、医長給与でとるか、あるいは一般勤務員の給与でとるか、とる標準によってそれぞれ違うと思いますが、それぞれ別には大体出ると思います。
  44. 滝井義高

    滝井委員 今医院長、医長、それから何かもう一つ言われましたが、個別に出されてけっこうですから、もし四十六才であるなら四十六才のところで出していただきたいと思います。  その次には、現在四十六才の方々が大体何年したら退職をするかということは、過去の実績を見たらわかると思う。民間なら五十五、六才で大体定年に達しますので、役所で医療職の四十六才くらいの人がどの程度いけば退職していくかということはすぐわかると思います。従って退職したときにその人のもらう退職金、それに続いてその恩給を考えてもらいたい。つまり四十六才の医療職の人がたとえば一五十六才で退職をするという結論が出たら、その五十六才のときの退職金と恩給、同時に五十六才の人の余命率、この人が十年生きるならば六十六才ですね。これは生命保険の表を見ればすぐに出てくるはずですから、余命率を一つ。これはそうむずかしくはないと思うのですがね、出るでしょう。
  45. 小島徹三

    小島委員長 勤務年限は要らないのか、四十六才になるまでの。
  46. 滝井義高

    滝井委員 およそ平均で出てくるのじゃないかと思いますね、四十六才ということになれば。国家公務員の医療職というのは大体過去の経歴その他で格づけされて、たとえば保健所なんかにでも勤務するでしょう。そうしますとその人は、役人が一年であっても、それはもうぽっとしに格づけされてくるのですよ。相当の高給をもって保健所の次長とか所長に迎えられるわけです。ですからその点は大して心配要らないと思います。
  47. 小澤龍

    ○小澤政府委員 御承知のように国立病院昭和二十年の十二月から開始——結核療養所の中で傷痍軍人療養所から転換されたものは、これはもう昭和十五、六年あるいは六、七年からのものがございますので、古いものがございますが、国立病院、療養所は開設してから今日までの期間が短かいので、現実に退職した人はそう多くはないのじゃなかろうか、従ってその数字を取りまとめて御希望の資料を作りたいと思いますけれども、全体の信頼度からいって、あるいは将来をトする資料としてはどういうものであろうかという点が心配されますが、一応現在までに退職した者につきまして、できるだけ御希望に沿うような資料を作ることに努力してみます。果してこれがその通りになるかならないかは作ってみないと何とも言えませんので、その点御了承願いたいと思います。  それから退職した人のその後の余命率、これは日本人全体のそれぞれの年令の余命ということであれば明瞭にわかります。おそらくは医師だけでもある程度わかると思いますから、これは御提出できると思います。
  48. 滝井義高

    滝井委員 日本人全体と普通の医師で、私はそれはけっこうだと思います。   その次に、今国家公務員の給与のこともお願いしたのですが、一般の民間の病院に勤務しておる医師の給料ですね、特に代表的なもの、済生会とか日本赤十字社、こういうものをとった方があるいはいいかと思います。それから大きな会社の、たとえば三井鉱山とか三菱重工業だとかいうのは事業主病院なり組合病院を持っております。そういうところを参考に、これは医療費体系調査するときにずいぶんやられておりますから、御調査ができているだろうと思い、ますが、一つ一般の勤務一員、四十六才なら四十六才の同じものを出していただきたい。
  49. 小澤龍

    ○小澤政府委員 ただいまの民間病院資料については、おそらく国家公務員の給与資料といたしまして人事院の方で調製しているのではないかと思いますので、人事院の方に資料を御要求いただいた方がいいのではないかと思います。私どもそちらの方が最近のものがあるのではないか、これは想像でございますが、そう思います。
  50. 滝井義高

    滝井委員 医務局の方で人事院からもらってもらうようにしていただけませんか。
  51. 小澤龍

    ○小澤政府委員 連絡しておきます。
  52. 滝井義高

    滝井委員 ぜひそうお願いいたします。  次に稼働点数が問題になったのですが、そこで昭和二十六年の十二月にきまった嘩価というものは稼働点数が四千九百二十五点であった。この稼働点数はどうして出したのですか。ちょっとその出し方を……。
  53. 館林宣夫

    館林説明員 次会に正確なことを申し上げたいと思いますが、多分そのときの総点数を保険医数で割った数字かと思います。ちょっと正確でございませんので、この次に……。
  54. 滝井義高

    滝井委員 多分、私も保険医数で総点数を割ったものと記憶いたしておりますので、私の記憶を確かめる意味で御質問したのですが、なお正確を期する意味一つ調べていただきたいと思います。  そこであなた方は現在自由診療と保険診療との割合を全国的にどういう工合に見ているか、これは地域によって非常に違うと思いますが、一応全国を、平均してみるとどういうことになりますか。当時この稼働点数その他をきめたときに、自由診療というものが私は相当多くこの中に含まれておったと記憶している。いずれこの次の説明をしていただくときに自由診療がどのくらいで、保険診療がどのくらいということがわかってくると思いますが、現在一体どの程度にごらんになっているか。稼働点数論議するときにこれがなくちゃ診療報酬の基本方針は立たない。
  55. 館林宣夫

    館林説明員 これも正確な数字ではございませんけれども、大体のところを申し上げますと、患者数ほ現在全国平均で約七割程度が社会医療の方に属するものでございますが、医療費の額では約八割近いものが社会医療でございます。その理由は、入院患者の大部分社会医療関係でございます。自由診療の入院患者は非常に少く、一人当りの医療費は社会医療の方が多いためにこのような現象があるわけであります。ただしただいま滝井委員のお尋ねのように、地域的にはなお自由診療の方が多い農村のようなところもございます。またほとんど保険診療のような都会もございます。
  56. 滝井義高

    滝井委員 患者でいって七割が社会医療、医療費の領でいって八割ですね。そうしますと、結局三割の自由診療が、医療費の額でいえば二割の自由診療がある、こういうことになる。大蔵省から出ておった一本の財政という本か何かでは、大蔵省の見方は、二割が自由診療だと見ておった、医療費と解しておったのですね。わかりました。  そうしますと、今度は次にお願いしたいのは、基金の支払い額の中で個人開業医に支払われる総額を出してもらいたいと思いますが、それは出るのじゃないですか。
  57. 館林宣夫

    館林説明員 出せると思います。
  58. 滝井義高

    滝井委員 それから、たとえば一千億基金が支払った。その中の四百億なら四百億、あるいは五百億なら五百億は開業医にいった、こうなるわけですね。そうしますと、この基金に請求書を出した開業医の数と、そしてその中で勤務している勤務員とは、さいぜんお願いした医務局から出てくる個人開業医と、勤務員と調べる時点を合せておかぬと工合が悪いですね。そこで私はどちらも三十一年度をお願いしたいのです。
  59. 小澤龍

    ○小澤政府委員 医務局で出せるのは、昭和三十年十二月三十一日現在のものであります。三十一年十二月三十一日現在のものはたしか今製表の最中だと思います。
  60. 滝井義高

    滝井委員 保険局の方は三十一年度のが出るんですね。——これは待遇改善をやろうというなら、一番近い問題を基礎にして論議をしないと工合が悪いのですが、全国から資料が集まってきて統計調査部でやられているのじゃないですか。
  61. 小澤龍

    ○小澤政府委員 この医師歯科医師薬剤師調査があらゆる調査の中で一番調査票の集まりが悪いのでございます。なかなか予定の日までに参りませんので、締め切りの日にちを一月々々延ばしまして、毎年ほんとうに全部集まるのは五月ころではないかと承知しておりますが、そのためにどうしても製表結果がおくれるわけでございます。
  62. 滝井義高

    滝井委員 それなら毎年どの程度の開業医が増加をするかということがわかるでしょうから、それでその増加の率をお示しいただけば、保険局の方を三十一年度でやってもらったらいいのじゃないかと思います。
  63. 小澤龍

    ○小澤政府委員 それでは統計調査部に頼んで推計数字でも出してもらいましょうか。
  64. 滝井義高

    滝井委員 それでけっこうだと思います。  この稼働点数を考える場合に、自由診療と保険診療との関係で、稼働点数をきめるときに自由診療をどういう工合に保険点数に引き延ばしていったのか、引き延ばし方を教えてもらいたいと思います。
  65. 館林宣夫

    館林説明員 昭和二十七年の調査をいたしましたときには、各医療行為別に調査して、それを保険診療点数に引き直してあります。ただいま申しました自由診療の占める割合という場合の医療費は、実際のセンサスでかかった費用から調査いたしておりますので、保険診療に直してございません。ほんとうに支払った額でございます。二割と申しますのは、ほんとうに二割医療のために医師と患者との間に金銭の授受が行われたわけであります。ところが昭和二十七年十月調査のとま、あるいは三月調査のときの資料の作り方は、あの自由診療点数は、医療行為を保険の点数に直した点数でございます。
  66. 滝井義高

    滝井委員 自由診療を保険点数に直すのは、どういう工合にして直すのですか。
  67. 館林宣夫

    館林説明員 たとえば、自由診療の初診回数が千回あるとすれば、それに四点をかけたというふうにしてあの点数を出してあります。実際の金銭の授受は、もっと多数の授受が行われております。
  68. 滝井義高

    滝井委員 わかりました。
  69. 岡本隆一

    ○岡本小委員 保険局長に伺っておきたいのですけれども、今までに保険医の共済組合を作ろうというふうな何か話か、議論が出たことがあるかないか、あるとすれば、ごく簡単でけっこうですから、どういうふうな形でどの程度まで議論が進行したか、その辺のところをちょっとお聞かせいただきたいと思います。
  70. 館林宣夫

    館林説明員 かつて、武見現医師会長が副会長の時分にその議が出まして、かなり具体的なところまで進んだと聞いております。医師福祉組合法というような形のものを作りたいということで、かなり具体的に法案の検討が進んだわけでございますが、武見副会長がおやめになった以後においては、それが比較的具体化されずにしまいました。その当時の事情は、私らはあまり詳しく知っておりません。
  71. 岡本隆一

    ○岡本小委員 保険医の待遇改善の問題の中に、単価の引上げということがあります。もちろんそのとき、そのときの生活を向上きせるために、単価の引きしげということも一つのあれになりますが、同時に、生活を向上さすだけでなしに、やはりみずからの老後とか、死後の保障を得たい、そのためにある程度の蓄積を持たなければ困るという要求がやはり相当気持の中にあると思うのですね。だから財政的に今何ぼわれわれが努力してみても、単価の引き上げにはある程度の限度があって、とても医療担当者が満足するような単価の引き上げは、もう日本の今の財政的な何から私は限界があると思うのですね。それを補う一つ方法として、比較的低単価に甘んじて医療面を担当する、しかしながら一つ間違ったときには、死後とか老後の保障があるということになれば、この単価問題の解決もある程度楽になるのではないかと思うのです。そういう観点から政府の方でも、あるいはわれわれがそれはまた考えてもいいのですが、みんなで協力して、保険医療を担当する者の社会保障といいますか、そういうふうな機関を共済組合のような形で、たとえば公務員に恩給の制度があり、あるいは健康保険の制度があり、失業保障の制度があるのと同じような制度を保険医にも作っていく、こういう努力をしていただいたらどうかと思う。これも医療の保障の単価の問題、報酬引き上げの問題と一緒に今度真剣に取り組んでそれを打ち出していく、というふうなことを一つ考えていただけないでしょうか、私らもお手伝いしますが……。そうすると一力で単価を上げる、また税制の面でもなにしていく、それから他方こういう疾病もしくはその他老後の保障というものを考えていく、そういうような計画が立っていくことによって解決が容易になるのじゃないかと思うのですが、局長どうでしょう。
  72. 高田正巳

    ○高田(正)政府委員 研究をしてみたいと思います。待遇改善という面からいえば、先生御指摘の通りでありまして、役人、労働者の場合でも、何も賃金を上げることだけが待遇改善ではありませんから、そういうことも十分検討してみたいと思います。ただ時間的に——これも取っ組んでみると相当な大問題になる、そういうことになれば一体われわれにその能力があるかどうかということを心配いたしますが、しかし十分やってみたいと思います。
  73. 岡本隆一

    ○岡本小委員 別々にいたしますと、たとえば二を出す、二を出す、二を出すというふうに別々に出すと、これは二じゃあというので、その一つ一つがまとまらないと思います。それを全部まとめて、この方で二だ、これで二だ、これで二だ、合計六だというような形に出せば、十ほしいんだが六でがまんしょうかということになってくる。だから局長さんには御苦労さんですけれども、大車輪で馬力をかけていただいて、私らも真剣にお手伝いすることにして、そして各方面からのものをばさっと出して、これで一つしんぼうしていただきたい、こういうことで秋までにという御方針なら、そういうことが一挙に解決つくと思いますから、一つ大英断をもってお出し願いたいと思います。
  74. 野澤清人

    ○野澤小委員 今の岡本君の意見は、二十七年の暮れから八年のばかやろう解散までだいぶもまれた案なんです。それですでにもう法制局の方も上って、大石君が親玉でだいぶ検討されたのですが、そのときは今と同じようなケースなんです。せっかく医師会の要請によって共済組合案を作ろうというので原案までできて、自由党の方でもそれを扱うということになって、国会に持ち込まれる段階になったときに、医師の待遇改善の問題とかみ合せてそんなものを出されたら、点数が上らぬからというので、結局医者仲間でもって反対が出てきた。今度の場合も——そのときもやはり議員立法でいこうということでした。だから今度の岡本君の要請は非常に適切な要求だけれども、政府がこれを二、二、二というような比率でかかえ込んでいくということは、それでなくても疑心暗鬼を生むので、それはそれで一応政府の方で検討してもらうことは必要だ。また反面われわれとしても政府の方でいいならやるぞというだけの準備をしておいて、時宜に適した扱い方をせぬと、逆効果になるのではないか、こういう感