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横路委員 今総理からお答えございましたか、総理自身は今も両党百会談の信義を裏切ったと言われたことに対して非常に心外であるというのでああいう
答弁をしたというのですが、今度の問題の今までの経過並びにその背景については総理も十分御承知だと思うのです。今まで四回にわたり
国鉄の
仲裁裁定については一度も完全実施をしておりません。二回の協定についてもこれも全部違約しているわけです。だから今度の問題のそもそもの大きなる誤解というものは、
国鉄の
組合が
公社当局を全く信頼していないということです。そこから起きたことなんです。これは私
どもも非常に不幸なことだと思うのです。まず今日において、労働
組合か相手方を信頼しない一番の例は
国鉄労働
組合と
公社当局だと思う。その背景にあるのは
政府なんです。実は協定に判を押した。そうして実施をしている。最後には大蔵
大臣かその点について承認をしない。こういうことなんで、従って私か総理にとくと一つお考えをいただきたいのは、たびたび
官房長官の談話で、
自分たちは
組合の方に対しては
仲裁裁定は尊重するのだということを言うたにかかわらず
組合の方はとんと言うことを聞かないでこの
争議行為をやっているのだ、こう言うのですけれ
ども、実際には三月十一日を前にして、十日、
官房長官にお会いしたいと思って私は総理官邸にも行ったのですがお会いできなかった。三月十二日は何とかして中止をしたいと思って
お話しを総理にもいたしましたが、そのとき
官房長官がそばにおられて、総理も御記憶あっただろうと思うが、やはり今日の段階においては調停案が出されたということ、その経緯を尊重するということ以外に言えない。だから私はあのときに総理にぜひ一つ調停案を受諾するというように言ってもらいたい。調停案と
仲裁裁定とは同じ結果になるであろうということはみんなが考えたところなんです。そのことが総理からもはっきりしたお言葉かなくて三月十二日は不幸にしてああいう
職場大会か行われたが、しかし、その以降計画していた三月十六日の件並びに三月二十一日からの件、こういうものは少くとも両党首会談による
仲裁裁定を尊重する、完全実施をするという総理の気持が反映をして、
組合自体がその中止をしたわけです。ですからそういう意味で、そういういきさつ、そういう今度の問題の背景は、
組合が
公社当局を信頼しない、
公社の大凶にわたる裏切りなのです。ですから、やるぞといってもなかなか納得できないものを、この際私
たちとしても政党かこの問題に介入することはどうかと思いましたけれ
ども、しかし
国民に大きな迷惑をかける問題については、やはり両党間で収拾できるものならばした方がよいという
態度で実は臨んだのであります。そういう意味で、この三月十五日の問題については
官房長官からはいろいろ
お話がありましたが、しかしこの際
処分については慎重に考慮するということのその気持は、よもやこういう大量
処分であろうなどとはだれ一人考えた者はないのであります。これは私
たち総理の心の中をそんたくする仕方が間違っていたのかもしれませんが、そういう今までの
組合の経緯、しかも今度の三月十五日の経過を見て、そして十六日のあの今回の
職場大会、そして十九日以降の
職場大会が中止になったという経過から見れば、よもやこういう大量
処分が行われるとは思わない。それは淺沼書記長から、両党首会談における信義にもとるものではないですか、こう言うのは、私はわれわれの
立場からすれば当然だと思うのです。この点は、総理といえ
ども私は従前の経過はよく御存じであったと思う。これは
官房長官からこの際みな言うというから、私の方からも全部総理に申し上げたい。こういう問題は洗いざらい言った方がよいのです。これは
宮澤運輸大臣も、何とかこの
争議を中止する方向にいってもらえないか。総理はおそらく完全実施とは言えないだろう。そこでそれを一つ
運輸大臣の
責任において、
国鉄の
総裁に対して完全実施をする、そういう言葉と相待って、
組合が自主的に中止をした。だから、そういう
立場においてはだれもがよもやこういう
処分があろうとは思わなかった。これは
宮澤運輸大臣どうですか。あなたはこういう大量
処分があって、これはまことにけっこうなことだ、喜ばしいことだ、当然だとお思いになっておるのか、どうもあなた御自身の意思とはやや反しておるようだ。もう少しこの
処分が少く終らなかったものであろうかということは、いろいろな
新聞を見ておると、あなたがそういう心境を漏らしたようになっておるが、
委員会へ来ると当然なことだ、当然なこととはまさか喜ばしいとは言えないでしょう。あなたの今までこの問題に触れてきた
立場、あなたの心境から言えば、よもやこういう大量
処分かあろうなどとは、あなたは
運輸大臣としてもお考えにならなかったし、この点はやや心外ではなかったでしょうか。これは
官房長官に直接聞いたのなら、あなたはそう言えないかもしれませんか、
公社当局かやったのだから、こういう点からすれば、こういう
処分については、あなたの心境があるはずなのです。こういう点はどうですか。