○神田国務大臣 第一点の四十四条の
簡易水道事業といういわゆる従来から使っておる言葉でございますが、
簡易水道という用語がどうもおもしろくない、簡易というのは取って
水道事業にしてはどうだという御説でございました。この点は私
どもも従来ある言葉をそのまま引き継いだような形になったわけでございまして、他によい言葉がありますればこれはこだわることもございませんが、市町村あるいはその区域の二部というような大じかけな
工事でないようなものとの区別をこの言葉でして、そうして独立採算制のない一部のわずかの方々で、
費用が持てないというような方面についての
水道に
補助しよう、それには名目も単に
水道事業でははっきりいたしませんから、
簡易水道事業というような名称を使って区別したわけでございまして、全部の
水道事業に
補助をやるということになりますると、都市によっては独立採算制がりっぱにやっていけるものも出て参りますから、それとの問題もございますので独立採算制でりっぱにやっていくものには
補助がなくてもいいじゃないか、むしろそういった独立採算制によってやっていけない、しかし水質が悪くて伝染病その他、むしろ高くつくのだが
水道の
布設の急を要するものがある、こういう面については助成をしてもそうした悪環境を
一つなくしていきたい、こういう
考えでこれは立法したわけでございます。将来だんだん
あとに参りましてどうしても独立採算制ではできない、
水道がみな市町村にできたのだが非常に高くつくためにできないというような特殊なケースが残った場合、相当
補助をして、そうしてすみやかに
水道事業の普及をはかり、当該市町村民の環境衛生がよくなるようにするということは当然なことではないか、今の
段階においてはとりあえずそうでない方からやっていこうということでございまして、それは必ずしもいいとは
考えておりませんが、
財政上の問題でしばらくがまんしていただく、こういう
考え方のように
一つ御了承願いたいと思います。しかし
政府といたしましては、できるだけ採算の合うように
起債等の
心配をいたしますが、特に今年度からは厚生年金の還元融資も
水道には
一つワクを拡張しようというようなことで、これは
大蔵省とも
相談ができまして今年からその方に還元したいと思っております。これは御承知の
通りこの道を開きますれば今後相当巨額の金を
水道事業に出していくことができるのではないか。そういうことをまずできる面からやって参りまして、それでもなつおかできないところについては、今
八田委員のお述べになったような、
水道事業一般について
国庫補助をする問題については、
補助がなくては経営困難なほど巨費を要するものであって、
つまり単価が高くつくものについては助成の必要はあるが、個々のケースについて
考えていく時代がくるのではないか、今日の
段階では非常に希望が多いものですから採算性のあるものを取り上げていこう、それから市町村の一部あるいは市町村の全部等、小規模のものであって、しかも水の便が悪い、あるいは水質の悪いものについては助成をして早く普及していきたい、こういう
考えでございます。
そこで、もう
一つ国庫補助の積算の問題でございますが、非常に要望がたくさんございまして、そしてそれをできるだけ
一つやっていただこうということになりますと、つい今お述べになりましたような例が出るのでございまして、二割五分、四分の一を
補助しろということがそうしたようなことになりがちで、今年度も特にこれは非常な御要望でございまして、
予算も十五億というような、十億台に初めて乗ったわけでございますが、まだまだ私
どもこれではとうてい十分どころではない。またどうもそういう今御
指摘のようなことがあるんじゃないかということをおそれております。いずれにいたしましても
簡易水道を早く普及したいということ、それにはやはり
予算をもっとうんと計上しなければならぬという問題が残ると思います。いろいろ
財政の都合もあるわけでございますが、できるだけ今後とも一そう努力いたしまして、今お述べになられたようなことのないように、二割五分を
補助するというならば二割五分を
補助していこう、
予算の定める
範囲内でというようなことで実際は延べてしまって一市町村当りでは一割とか一割五分になってしまうというようなことのないように努力いたしたいと思っております。