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1957-04-18 第26回国会 衆議院 社会労働委員会 第40号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十二年四月十八日(木曜日)     午前十一時三十分開議  出席委員    委員長 藤本 捨助君    理事 大坪 保雄君 理事 大橋 武夫君    理事 亀山 孝一君 理事 野澤 清人君    理事 八木 一男君       植村 武一君    越智  茂君       小島 徹三君    小林  郁君       田中 正巳君    中山 マサ君       西村 直己君    八田 貞義君       古川 丈吉君    亘  四郎君       赤松  勇君    有馬 輝武君       岡本 隆一君    五島 虎雄君       多賀谷眞稔君    滝井 義高君  出席国務大臣         厚 生 大 臣 神田  博君         郵 政 大 臣 平井 太郎君  出席政府委員         大蔵政務次官  足立 篤郎君         厚生事務官         (医務局長)  小澤  龍君         厚生事務官         (社会局長)  安田  巖君         農林政務次官  八木 一郎君         通商産業政務次         官       長谷川四郎君         運輸政務次官  福永 一臣君         労働政務次官  伊能 芳雄君         労働事務官         (大臣官房総務         課長)     村上 茂利君         労働事務官         (大臣官房会計         課長)     松永 正男君         労働事務官        (労働基準局長) 百田 正弘君         労働事務官        (職業安定局長) 江下  孝君  委員外出席者         大蔵事務官         (主税局税制第         一課長)    塩崎  潤君         厚生事務官         (保険局次長) 小山進次郎君         労働事務官         (労働基準局労         災補償部長)  三治 重信君         労働事務官         (職業安定局失         業保険課長)  阿部 泰治君         専  門  員 川井 章知君     ――――――――――――― 四月十八日  委員山花秀雄君辞任につき、その補欠として有  馬輝武君が議長の指名で委員に選任された。     ――――――――――――― 四月十六日  公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定  に基き、国会議決を求めるの件(国鉄労働組  合関係)(内閣提出議決第二号)  公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定  に基き、国会議決を求めるの件(日本国有鉄  道機関車労働組合関係)(内閣提出議決第三  号)  公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定  に基き、国会議決を求めるの件(全国電気通  信労働組合関係)(内閣提出議決第四号)  公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定  に基き、国会議決を求めるの件(全逓信従業  員組合関係)(内閣提出議決第五号)  公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定  に基き、国会議決を求めるの件(全国特定局  従業員組合関係)(内閣提出議決第六号)  公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定  に基き、国会議決を求めるの件(全専売労働  組合関係)(内閣提出議決第七号)  公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定  に基き、国会議決を求めるの件(全印刷局労  働組合関係)(内閣提出議決第八号)  公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定  に基き、国会議決を求めるの件(アルコール  専売労働組合関係)(内閣提出議決第九号)  公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定  に捲き、国会議決を求めるの件(全造幣労働  組合関係)(内閣提出議決第一〇号)  公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定  に基き、国会議決を求めるの件(全林野労働  組合関係)(内閣提出議決第一一号) の審査を本委員会に付託された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  労働福祉事業団法案内閣提出第一一四号)  公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定  に基き、国会議決を求めるの件(国鉄労働組  合関係)(内閣提出議決第二号)  公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定  に基き、国会議決を求めるの件(日本国有鉄  道機関車労働組合関係)(内閣提出議決第三  号)  公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定  に基き、国会議決を求めるの件(全国電気通  信労働組合関係)(内閣提出議決第四号)  公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定  に基き、国会議決を求めるの件(全逓信従業  員組合関係)(内閣提出議決第五号)  公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定  に基き、国会議決を求めるの件(全国特定局  従業員組合関係)(内閣提出議決第六号)  公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定  に基き、国会議決を求めるの作(全専売労働  組合関係)(内閣提出議決第七号)  公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定  に基き、国会議決を求めるの件(全印刷局労  働組合関係)(内閣提出議決第八号)  公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規矩  に基き、国会議決を求めるの件(アルコール  専売労働組合関係)(内閣提出議決第九号)  公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定  に基き、国会議決を求めるの件(令造幣労働  組合関係)(内閣提出議決第一〇号)  公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定  に基き、国会議決を求めるの件(全林野労働  組合関係)(内閣提出議決第一一号)     ―――――――――――――
  2. 藤本捨助

    藤本委員長 これより会議を開きます。  労働福祉事業団法案を議題とし、審査を進めます。質疑を続行いたします。滝井義高君。
  3. 滝井義高

    滝井委員 前会、労働福祉事業団法の中において、現在この法案の中核になる労災協会の性格が財団法人である。今度そういう財団法人には、税制の改革によって、収益事業として医療事業が指定をされたために税がかかる可能性があるという点をいろいろ御質問申し上げた。それはこの法案の附則で所得税法改正法人税法改正地方税法改正等があるので、それと関連をしたわけです。財団法人のどういうところまで公益性を認めていくかという点について、なおいろいろ問題があるし、具体的な資料提出等が必要でございますので、その資料のできるまで、財団法人と税の関係については、一つ質問を留保いたしまして先に譲らしていただきます。  そこできょうは、労働省の方にこの前、現在労災病院が具体的にどういうような診療報酬の受け取り方になっておるのか、それを一つ具体的に労災病院を調査をして説明をしていただくようにお願いをしておったわけでございます。まず労働省の方からそこを御説明願いたい。   〔委員長退席大橋(武)委員長代理着席
  4. 三治重信

    三治説明員 御説明申し上げます。一昨日の御質問に引き続いた御質問と存じますが、労災保険の分の診療につきましては、健康保険単価でやっております。ただそのうちで、脊髄患者につきましては、食費だけを一般健康保険の十六点より増しまして、甲地域については一日について二百七十円、乙地域につきましては二百五十円にしております。それから脊髄損傷患者完全給食完全看護をやっておる病院でございますが、それにさらにつき添いの看護婦を二人について一人のつき添いを特別認めてございます。それから鬼怒川でございますが、けい肺病院につきましては、ここは特別に、けい肺治療が医学上まだよくわからぬということで、その試験研究診療も加えて一点単価を十二円五十銭としております。そのほかは、労災保険診療につきましては、すべて甲地域乙地域によって十二円五十銭、十一円五十銭でやっております。それから健康保険患者につきましては、厚生省所定健康保険単価でやっております。それから一般につきましては、先ほど各病院大体において健康保険に準じてやっているはずであると申し上げましたが、東京につきましては、社会保険患者以外の患者につきましては、一般のものについて十五円でございます。そのところが東京と中部、これは名古屋でございます。それから山口、そのほかのところは大体十一円五十銭、十二円五十銭でやっております。――岩見沢が十五円でございます。それ以外のところは大体甲地域乙地域によって一般患者につきましても健康保険単価でやっております。
  5. 滝井義高

    滝井委員 全労災病院患者治療費の受領の状態について説明をいただきましたが、労災病院入院患者を調べてみると、先日のお答えでは、健康保険関係が三六・八%で、 その他が七・五%、こういうことでございました。入院がすべてを入れて一日六百三十円ということでございましたが、これは厚生省にちょっとお尋ねしたいのですが、健康保険では入院をした場合に、現在食事がついていると二十七点、それに完全看護がつくと四点つき、寝具がつくと三点ついたと思いますが、そうしますと三十四点になりますが、その場合に、完全給食になったときには、それに三点さらに加算することになるのですか。
  6. 小山進次郎

    小山説明員 仰せの通りでございます。
  7. 滝井義高

    滝井委員 そうしますと、労災病院の――これは完全看護完全給食で、寝具も貸しているとすれば、幾ら取っていることになっておりますか。健康保険通りだということでございましたが、健康保険入院患者で幾らお取りになっているのか。注射、投薬を除いて、いわゆる入院だけです。
  8. 三治重信

    三治説明員 ちょっと今調べて御返事いたします。
  9. 滝井義高

    滝井委員 それでは次の質問にちょっと移りますから、その間に調べておいて下さい。  そこで今度は厚生省に移ることになるのですが、厚生大臣お尋ねをいたしたいのですが、御存じ通り、現在全国労災病院が二十四になりました。従って、職業補導施設その他失業保険関係施設を加えますと、相当膨大な施設になってきたわけです。従って労災協会というような一個の財団法人に二十四にもなった大きな病院をおまかせしておっては、なかなか運営その他がうまくいかない。従ってこの際労働福祉事業団というものを作って運営をうまくやっていこうというためにこの法律はできることになったのですが、事業団のこの法律を見ると厚生大臣という言葉一つも出てこないのです。一体厚生大臣事業団との関係はどこかあると大臣はお考えになるのかどうか。
  10. 神田博

    神田国務大臣 お尋ねのことは、厚生省といたしましては現行医療法関係でやはり一般的な監督と申しましょうか指導と申しましょうか、そういう関係においてある、特別に事業団ができたから何かそこに新しい監督規定とかそういったことがあるかということでありますれば、そういうふうには考えていない、こういうことになろうかと思っております。
  11. 滝井義高

    滝井委員 どうもちょっと声が小さくてはっきりわからなかったのですが、大して関係がないような意味の御答弁のようであったのですが、労働省お尋ねしますが、今まで労働省労災病院配置基準というものを持っておそらく二十四カ所の病院を作ったと思うのです。二十四カ所の労災病院がどういう配置になっておるか私はつまびらかにいたしません。あとでこの二十四のものが全国的にどういう配置になっておるかを資料として出していただきたいとともに、現在労災病院が二十四できておるが、その二十四の配置をするときにどういう基準をもって配置をしたのか、その配置基準をまず御説明願いたい。
  12. 伊能芳雄

    伊能政府委員 病院の性質上、労働者が相当集団的におる地域 また工場その他事業場が相当密集しておるような地域、同時にそういうものに対する公的医療機関配置の状況、こういうようなことを勘案いたしまして所在地を決定するという標準で参っております。
  13. 滝井義高

    滝井委員 配置基準労働者が集団的に住まっており、同時に工場事業所が密集をしておる公的医療機関配置をある程度考えながら作っていったという大ざっぱな基準が出て参りました。そこでそういう配置基準に従って――労災病院一つの例にあげていくので労働省には少しお気の毒なところがあるかと思いますが、これは他の病院もそういう傾向があることは同じでございますので、一応労災病院中心質問をしていきますが、配置基準ができるとそれによって労災病院をお作りになる、公的医療機関の分布の状態も考えた、こういうことでございます。労働省厚生省医療審議会というものがあることを御存じだと思いますが、労災病院を設置する場合に医療審議会にお諮りになったことがあるかどうか。
  14. 三治重信

    三治説明員 厚生省のその審議会には設置の前にかけたことはございません。
  15. 滝井義高

    滝井委員 厚生大臣お尋ねいたします。吉田内閣以来特に医療保障の六カ年計画、その後五カ年計画、四カ年計画というものが作られて参りました。その内容については非常に多くの変遷を見て参りました。しかし医療保障の全般的な計画を通じて一貫をして流れておったものはどういうものであったかというと、まず第一に疾病保険拡充強化ということと、二番目にはやはり医療機関整備というものがあがっておる。三番目に結核対策、四番目に精神衛生対策というものが医療保障充実完備という項目の中にあがってきた。厚生省はこういう四つのものを中心にして――いろいろそこで作る数、対象人員等はそのときの政治情勢、大蔵省との予算の折衝の状態等によって違って参りましたけれども、とにかく医療保障をやるためにはその四本の柱を中心論議をしたことは確実なのです。そうしますと、医療保障充実完備の中における医療機関整備という点について全く、今労働省の方の所管に属する、今回この事業団の有力な財産として供出をせられていく労災病院建設については、医療審議会には何ら相談をしていない、こういう実態なのですね。こういうことで医療保障充実完備、しかもそれが系統的にできるかどうかということなのです。この点一体厚生大臣は何をしておったかと言わなければならぬ。こういう実態だというと、これは大臣御存じのように、医療機関整備をやるために公的医療機関というものが医療法できまっております。これは三十二条で「厚生大臣の諮問に応じて、医療機関整備及び診療報酬に関する重要事項を調査審議させるために、厚生大臣監督に属する医療審議会を置く。」こうなっておる。そうすると労災病院医療機関ではないのかということになる。医療機関でありませんか。
  16. 神田博

    神田国務大臣 どうもまだ在任短かくて、はなはだ恐縮に存じておりますが、今の滝井委員お尋ねでございますが、従来の取扱いの例を申しますと、公的の医療機関を省いているというような考え方であったのでございます。これがいいか悪いかは今後の研究によって一つ善処いたしたい、こう考えております。なお今の福祉事業団の問題につきましては、今あるものの組織変えといいましょうか、そういった制度上の変革をしようということでございまして、私どもは実質上の変革になったとは考えておらないのでございます。そういう意味医療審議会にかけるというようなことまでは考えておらなかったわけであります。なお政府委員から一つ答弁させることにいたしたいと思います。
  17. 滝井義高

    滝井委員 今の答弁で十分でございます。医療審議会公的医療機関がかからぬということ、これは重大です。今大臣の御答弁のように公的医療機関はかからないのだ、そんなばかなことはない。それからこの法案は過去のものであって将来のものではないと言うけれども、ことしの予算御存じ通り、ことしの労働者災害補償保険特別会計の中を見ますと、病院等新営費十二億二千百十六万三千円というものがある。拡充整備二十カ所と書いてある。これだけ予算化がしてあるわけです。従ってこれは今後ますます拡充強化されていくものなんです。しかもこれは非常に労働災害その他が増加をしている最近の傾向から言えば、拡充をしなければならぬ施設なんです。従って、大臣これは過去のものだけ運営するという機関ではない。今後これを中心にしてどんどん拡充をし、末広がりになるので、労災協会だけにまかしておってはいかぬ。だから事業団法三十八条においては「建築基準法その他政令で定める法令については、政令で定めるところにより、事業団を国とみなして、これらの法令を準用する。」となっている。国と同じなんです。こういう国と同じような大きな取扱いをするものを今後作っていくのに、内閣の重要な柱である厚生大臣相談もしない、あなたの監督下にある医療審議会にもかけないで勝手にどんどんやって行く。厚生省はこれじゃあってなきがごとしです。しかもあなたの方の医療保障の四カ年計画なり五カ年計画で一番大事なことは何か、病院整備なんです。病院整備の中であなたのうたっておられるものを見るとどういうことになっているかといえば、当然公的な基幹病院整備というものがある。もしそれならば、東京のどまん中にどっかりと労災病院ができたとすれば、これは公的な基幹病院ですよ。これが公的な機関であるかないかということを実は私は税制との結びつきで昨日来論議をした。それはどうしてかというと、どういう診療報酬の支払いが行われているかによって、公益性があるかどうかを見たかったのです。きょうの御説明はまだ少し残っておりますけれども、まあ公的機関という範疇に属するというニュアンスが非常に強いということは明らかなんです。それでどっかりと労災病院ができた場合、あなたの方の公的医療機関整備計画との関係が無視されてしまって、あなたの方の整備計画は立たないですよ。こういう重要な点の相談がされない。しかもそれは厚生大臣監督下にある中央医療審議会にも相談をされないから、おそらく地方審議会にはなお相談をされていないだろうと思う。こういうことでは日本病院計画などというものはめちゃくちゃです。そういうことがいいというならば何をか言わんやです。しかもあなたの所管下における公的医療機関の代表的なものである赤十字というものは、営利追求にあくなきものであるという実態が現われてきた。まるっきり日本病院行政というものはなっていない。公的医療機関営利追求をやって税金を免除してもらう。しかも公的医療機関整備計画を作りながら、公的医療機関の最たるものになりそうな事業団病院というものが、厚生大臣にも相談されずに作られておる、こういうことならわれわれは質問をする気にもなれないのです。
  18. 神田博

    神田国務大臣 先ほど私がお答え申し上げたことは少し言葉が足らなかったようでございます。今言った労働省労災病院建設等については、厚生省には相談があったが、厚生省審議会にかけてない、こういうような事情に聞いております。
  19. 滝井義高

    滝井委員 そうしますと、労働省厚生省相談をした、ところが厚生省がそれをかけなかった、こういうことなんですか。そこらあたりの責任の所在がどうもぼやけてきますが……。
  20. 伊能芳雄

    伊能政府委員 先ほどの一番初めの御質問は、医療審議会にかけたかという御質問だったので、私の方は医療審議会へかけてくれということで、厚生省連絡しませんけれども、こういうところにこれから病院を開設したいという連絡はしておるのでありますから、厚生省との連絡は十分しております。先ほど何か厚生省を無視してやっているというような御質問でありましたが、無視するどころじゃない、開設に当っては十分連絡をしてやっております。医療審議会にかけておらないということは、厚生省のお取扱いの問題だと思っております。
  21. 小澤龍

    小澤政府委員 ただいま大臣から申し上げました通りでございますが、厚生省にあります中央医療審議会は、具体的に病院配置計画をするのではございませんので、たとえば人口対比でどれくらいのベッドを何カ年計画整備すれば適当であるかといったような原則的なことを審議するのでございます。  それから都道府県に設置してあります医療審議会は、これは知事監督に属しまして、その県内に設立される病院配置計画等中央医療審議会で示された基準に合せて適当に考慮いたしまして、病院配置について開設しようという者に対して適当なアドヴァイスをするという役目をになっているのでございます。  次に国鉄病院とかその他の官立の病院は、事前に厚生省各省間におきまして話し合いが個別につくものでございますから、一々その県におろしまして、その審議にかけるという手続を省いている次第でございます。
  22. 滝井義高

    滝井委員 そういう労働省等施設というものは各省で勝手に、おれはあそこに作るぞと言えばあなたの方はもら無条件でオーケーだ、こういう形になるわけですね、その通り了解して差しつかえありませんか。
  23. 小澤龍

    小澤政府委員 もちろん特殊の職域職員のみを対象とするところの病院は、その職域特殊性に応じまして、そして協議に応ずるという建前になっております。特殊の職域職員のみを対象とする、たとえば鉄道の従業員のみを対象とするというような病院がございます。それから一般的に開放されている病院でありますれば、これは全体の病院配置計画とあわせて相談をいたします。しかしながら現行医療法建前は、医療法設備その他におきまして適法の構造、設備等を持っておりますならば、許可せざるを得ないということになっておりますので、最終的にあくまで厚生大臣がこれを拒否することは事実上できないわけでございます。
  24. 滝井義高

    滝井委員 私も実情は拒否はできないと思っております。しかし私的医療機関と違うのですね。あなたは一般に開放されているかどうか、一般に開放されているならば当然これは医療審議会対象になる、こういう解釈です。そうすると労災病院あるいは年金病院――あなたの省の年金病院でもよろしい、これは一般に開放されているのかどうか、どういう認定をされておりますか、これは医務局長にお伺いします。
  25. 小澤龍

    小澤政府委員 私ども相談を受けますときは、それは主としてそれぞれの特殊対象を主たる対象とする、年金なら年金の被保険者を主たる対象とする病院ということで、御相談を受けているわけでございます。
  26. 滝井義高

    滝井委員 半分が労災関係で、半分が健康保険一般ですね。そうしますと、これは健康保険関係からいえば、この前の健康保険法審議の過程を通じて明白になっておったように、一人でも一般患者を見るものは、これは健康保険法の四十三条ノ三の一号に当る知事の指定するものに当ってくる。何らこれは一般病院と変るところはないはずである。それをもって一般病院と違うということは言えないと思うのです。しからば、厚生大臣は、年金病院労災病院というものは公的医療機関と認めるかどうか。
  27. 神田博

    神田国務大臣 年金病院等につきましては、一般に開放しておらないという建前をとっておるのでございまして、これは公的医療機関として認めてないという取扱いをしております。
  28. 滝井義高

    滝井委員 労働省お尋ねします。お聞きの通り、あなたの方は公的医療機関じゃないそうです。一般に開放していないという建前をとっている。そうしますと、この三六・八%の健康保険患者と、七・五%のその他の患者は、どこからきておるのですか。
  29. 小澤龍

    小澤政府委員 私、先ほどの言葉表現の非常にまずい点がありましたので、言い直しをさしていただきたいのでございますけれども一般に開放するしないという表現が不適当だったと思います。主たる任務が、労災対象あるいは被保険者対象、あるいは特定職域対象であるということでございまして、もちろん医療機関でありますから、余力があれば、その余力をもってその地方住民診療に任じていただくということは、これは日本医療の上において喜ばしいことだ、かように存じておる次第でございます。
  30. 滝井義高

    滝井委員 主たる任務労災患者対象だということであって、まあ私はそれでいいと思います。しかし、これは公的医療機関でないということなんですね。労災協会というものは公的医療機関じゃない。そうしますと、一般患者を見たものについては税金がかかってこなければならない、この理論が出てくるのですよ。今度は税金がかかる。
  31. 小澤龍

    小澤政府委員 なお、公的医療機関は、実は国の設置経営するものは公的医療機関からはずしてございます。それは特別な規制をしなくても、各省の話し合いにおいてそれぞれ公的な使命を果すことができるからはずしたのでございまして、国の設置する以外の、日赤、済生会等について、公的医療機関たる規制をやっておるわけでございます。
  32. 滝井義高

    滝井委員 どうもそこらになると私はわからなくなるのですが、国が作っても、労災協会とか、それからあなたの方は厚生団とか、それから結核予防会なんかも、みな病院をやっているのです。それで、あなたの方の厚生団、年金病院というものは――大体年金病院というのはどういう患者が入っているのですか。
  33. 小山進次郎

    小山説明員 年金病院患者は、大別いたしますと、健康保険関係患者が全体の半数ぐらいでございます。それから船員保険とか国民健康保険あるいは共済組合、こういったようなものを合せました社会保険関係が、大体三五%程度、従って残りの一五%程度が自費診療、こんなふうになっております。
  34. 滝井義高

    滝井委員 年金というのは、労働者がみんな積み立てて、そして自分たちの老後の安定をはかるためにしているのが目的ですね。そうしますと、これは労働者の積み立てたもので、今度は労働者の健康を守るための施設を作っているわけです ところが別に健康保険組合なり政府なりは、政府管掌の健康保険でみんな病院を持っているのです。二重になっている。目的は、厚生年金を主たる目的としておるのであって、疾病というものは別に健康保険というものがあるのですよ。そうすると、年金というものは病院が目的でないのにもかかわらず、そういうものを作っていっているのです。だから、主たる任務労災だということになれば、明らかに労災による費用というものが出てくるのです。これは病院がその主たる目的とすればよくわかるのです。年金はその理論でいくとはっきりしてこない。そうして、年金公的医療機関でないというなら、一体年金病院というものはどういうことになるのか。われわれは、病院というものは公的医療機関私的医療機関と二本しかないのだというものの考え方をしてきた。ところが、今度は公的医療機関私的医療機関のほかに、第三の範疇があるということがわかってきた。その第三の範疇に属する病院というものは、全国で見たら、医務局長所管でどういうものがあるか。公的医療機関私的医療機関に属さないもの、その第三のものを尋ねる前に、まず公的医療機関というものは、医療法の三十一条で定義がしてあります。「この章において、「公的医療機関」とは、都道府県、市町村その他厚生大臣の定める者の開設する病院又は診療所をいう。」従って、都道府県や市町村の開設するものは、これはわかります。「その他厚生大臣の定める者の開設する病院又は診療所」というものは、どういうものをいうのか、まずこれを聞いてみれば、それ以外のものが、公的でもない、私的でもない、いわゆる第三の範疇に属するものになってくるわけです。まずここをお尋ねしてみたい。
  35. 小山進次郎

    小山説明員 ただいまのことにお答えがある前に、若干補足さしていただきたいと思います。主として疾病保険関係から見た利用率の概略を申し上げたわけでございまして、もちろん年金病院につきましては、先ほどお話がありましたように、主たる任務年金保険の受給者に対する給付ということを目的としておるわけでございますので、そのようなものは別にあるわけでございます。それは数から言いますと、そう多い割合じゃございません。全体の三%内外ではございますが、実質的には非常に重要なものでございまして、年金保険法の七十九条によりまして、障害年金の受給者に対する各種の厚生医療の措置をやるのでございます。これは御承知のように、整形外科の分野でも、非常にむずかしい手術が多いのでございまして、それをやれる病院がなかなかないというようなことで、主としてそういう役割を担当させるものとして年金病院ができておるわけでございまして、あわせて、ただいま申し上げたよらな仕事をやっておる、こういう事情でございますから御了承願います。
  36. 滝井義高

    滝井委員 前の、三十一条の大手なところのお答えがないのですが、その前にあなたの方に反論しておきますが、厚生年金に災害補償がある、その災害補償などで、いわゆる整形外科には非常にむずかしい治療があると言うけれども、それは労災病院の方がそう言っている。労災病院が、その整形外科を専門に今後一生懸命にやるんだということを、労災病院の方でおっしゃっておる。災害というものは外科がおもなものです。内科的な疾患というものは少い。だから厚生年金のその役割と、労災病院の役割と偶然一致しているわけになる。整形外科は、厚生年金よりもむしろ労災の方が専門にやっている。整形外科の専門はどこだといえば、日本では労災病院だというのは常識ですよ。厚生年金病院が整形の専門だという人は少い。
  37. 小山進次郎

    小山説明員 先生がおっしゃいますように、労災病院がその方の一つの大きな役割を営んでおりますことは事実でございますが、同時に業務上の障害によらない障害というのが相当あるわけでございまして、これは申し上げるまでもなく厚生年金の系統において障害年金として処理されておるわけであります。そういうような人々に対するものを年金病院が担当しておるわけでございまして、年金病院労災病院はいわばそういう整形外科に対する大きな二大支柱とでもいうべきものになっておるわけであります。
  38. 小澤龍

    小澤政府委員 公的医療機関は、都道府県、市町村立の病院のほかに、ただいま日赤病院、済生会病院、厚生連の病院、これを指定しております。それ以外のものは指定をしておりません。と申しますのは、これは一般の人に平等に病院を利用させることを建前とし、かつその県内なりあるいは国内にそれぞれ同種の病院がありまして、互いに相寄り相助けて公的使命が達成し得るに違いない、こう思われるからでありまして、個々の病院ではなくして、それだけの力を備える病院に対して公的医療機関として指定しておるのでございます。なお、国の開設し経営する病院公的医療機関からはずしておりますということは、特に医療法において国の開設する病院公的医療機関として指定し規制しなくても、国みずからはそれぞれの任務によって公正なる医療を行うに違いないという建前をとったからでございます。
  39. 滝井義高

    滝井委員 きょうは私は自分ながらも偉くなったと思っています。今まで私はうっかりしておって、日本医療機関というものは私的医療機関公的医療機関の二つだ、そして国立病院や厚生年金病院労災病院はみんな公的医療機関に入ると思っておった。ところが、公的医療機関というものは、結局都道府県と市町村とそれから日赤と済生会、厚生連、こういうものである。そのほかに第三の範疇があり、その中心になるものは国がいわゆる施設を作っているものだ、こういう第三の範疇があることがわかりました。そこで、それならば、一体どういうものとどういうものとが国の作っているものになるのか、その第三の範疇に属するおもなものを四つ、五つあげてみてくれませんか。
  40. 小澤龍

    小澤政府委員 厚生省で開設しております国立病院、国立療養所、あるいは大学付属病院、それから鉄道病院、逓信病院、電電公社の病院、そういったものがおもなる病院であります。   〔大橋(武)委員長代理退席、委員長着席〕
  41. 滝井義高

    滝井委員 大臣も今おわかりになったと思います。私もよくわかりました。  そうしますと、日本医療機関整備するのに一番じゃまをしておるものは、あなた方はどこだとお考えになりますか。
  42. 小澤龍

    小澤政府委員 国民皆保険が進行するにつれまして、全国民にひとしく医療の機会を与えたいというのがわれわれの念願でございます。しかしながら、実際は地域的偏在があるということは隠れもない事実であります。従いまして、国の経費なり県の公費なりの片寄った投資というものはこれを排除いたしまして効率的な運営にいたすためには、今後は、国みずからが開設し経営するよらな病院につきましては、何とか現状以上に話し合いを進めまして、そうしてこれが適正に行われるように、これは将来の問題といたしまして努力していきたい、かように考えている次第でございます。
  43. 滝井義高

    滝井委員 いや、私が質問したところを一つ答えてもらいたいのです。
  44. 小澤龍

    小澤政府委員 私どもの考えを特にじゃまをしている病院が現在あるとは申し上げられないのでございます。
  45. 滝井義高

    滝井委員 今の御答弁はなかなか的を射ている御答弁でございまして、結局日本病院整備計画を一番じゃましているのは国であるということがわかった。  そこでお尋ねをしたいのだが、あなたの方のたとえば医療保障六カ年計画なんてものは、経済企画庁の経済六カ年計画に合せて、川崎君が厚生大臣の当時にも出ましたし、それから、その後小林さんが厚生大臣になってもやはり医療機関整備計画というものが出ました。神田さんが大臣になってからはまだ出していないようでありますが、歴代の大臣は大体みなずっと出している。その歴代の大臣が出した中に公的基幹病院整備というのがあるが、公的基幹病院というものは大体どういうものですか。
  46. 小澤龍

    小澤政府委員 その公的医療機関整備と申す公的医療機関は、医療法でいうところの公的医療機関よりももっと幅の広いものでございまして、国、それから都道府県、市町村等を主軸にする病院整備であります。
  47. 滝井義高

    滝井委員 公的基幹病院医療法公的医療機関よりも広い、国のものも入ってきた、そうしますと、労災病院や厚生年金病院も入ることになるが、一体これらのものを、あなた方は、申し出てくれば拒否ができないでみな許可するというたら、基幹病院整備計画は合わないじゃありませんか。それはむちゃくちゃじゃありませんか。
  48. 小澤龍

    小澤政府委員 非常につらいところをつかれているわけでございますが、医療法上の権限は先ほども申し上げたのでございまして、これはお互いの話し合いでだんだん規制していきたい、かように考えているわけでございます。
  49. 滝井義高

    滝井委員 お互いの話し合いでだんだん是正していきたいということは、過去にそういうものが累積しているということが大体はっきりして参りましたが、しかし旧悪をここで洗うつもりはございません。お互いに将来に向ってよりよきものを作るためにきょうは御質問を申し上げたのです。  そこで大臣お尋ねすることになるのですが、今いろいろ御質問もしておわかりになったと思いますが、このことは病院行政というものが一元化されていないということなんですね。一体病院行政の一元化ということは、そのうらはらの関係になるものは、私的診療所というようなものじゃなくて、もっと大きな病院という立場で適正配置の問題が出てくるのですが、この病院行政の一元化と適正配置というものを大体どういう工合に大臣は今後やっていくつもりなのか。もはや旧悪というものは今暴露された。この暴露さ出た旧悪をそのまま踏襲していけば大臣の行政はできませんよ。だから、大臣の行政を少くともあざやかにやってのけるためには、あるいは国民皆保険をやろうとするならば、病院行政の一元化と適正配置の問題というものを考えずしてはやっていけない。大臣はきょうは御答弁できないならばこの次でもかまわぬですが、これをどういうように厚生省はやっていくつもりなのか。今の情勢ではこれは一つ閣議にでもかけて、病院行政を今後どういう工合にやるのだ。その適正配置をどういうふうにやるのだというそこまでのものを閣議決定してここに持ってきてもらわなければ、労働省は言うことを聞かない、あるいは鉄道省は言うことを聞かない、今までそういう状態になってきている。大臣に対しては相談はするけれども、黙ってよろしい、その通りして下さいと言わざるを得ない形になっているのです。しかも今度はこういうものができれば国と同じです。非常に強力なものなんです。そうすると労働大臣がどんどんやっていく、鉄道大臣がどんどんやっていく、こういう形になると、全く病院行政というものはできないのです。この点私は厚生大臣だけの答弁ではどうも工合が悪いんです。一体今後病院行政の一元化のためにはどういう方針で内閣は臨むのだという基本方針を一つ議決定をして成案を得て、この委員会にこの法案があがるまでに持ってきてもらいたいと私は思います。そうしないと私はこの法案をどうもやるわけにいかない。広しこういう状態でこの法案を許すならば、あなたの方の厚生年金中心とする今度は厚生事業団法ができます。今度鉄道省が全国鉄道病院を持っています。診療所を持っています。それから今度は国鉄事業団法というものができてきます。各所でそういうものを作りますよ。そういうことでよければいいのです。私は労働大臣が来たら尋ねるつもりで労働大臣を呼んでいるけれども来ない。これは内閣がその方針でいけばいいのですが、おそらくそうでないと思う。今の状態を見ても支離滅裂でばらばらです。それを病院行政の一元化に園して閣議の決定をして、内閣の方針を出してもらいたいということです。それを出してもらえるような主張を閣議でおできになるのかどうか、依然として各省にまかせる、野となれ山となれということなのか、その点大臣の確信のほどを一つ伺いたい。
  50. 神田博

    神田国務大臣 ただいま滝井委員の御指摘のように、病院が今まではいろいろの事情で必要に応じてそれぞれの使命をもってその目的を達成するために専念されてきたものと私は思います。そこでいよいよ国民皆保険を一つやろう、現行医療法においてもいろいろ地域的偏在の問題が大きな問題になっておる。そこで適正化をはかるようなことも考えなければならない、こういうことでございまして、医療法改正をも一つ考慮したらどうだろうか。先般国民保険の改正案を国会に提案しようというような意図を持って、実は作業を始めた際にもそういうことを大きな一つの項目として取り上げたわけでございますが、先般もこの点お答え申し上げましたように、いろいろの資料等もまだ十分整理ができませんので、国民保険法の改正を来国会に見送った。この国会にはその整備をはかると同時に、皆保険実施上の不便等を除くために諸般の法的整備も考えよう、こういうことになっておるわけでございまして、今お尋ねのようなことにつきましては、閣議におきましてもいろいろ議題にといいましょうか、話題になって申し上げておるような次第でございます。そこで今御審議願っております労働省関係福祉事業団でございますが、これにつきましてもいろいろ閣議におきまして御説明が担当大臣からもございまして、今の労働省関係労災病院の管理がどうも適当でないと申しましょうか、より以上な効率をあげるという意味からいって公団組織にして、そうして所要の目的を達成いたしたい、これがいいか悪いかについては今御議論もあるようでございますが、当時の閣議の御報告によりますと、これは一つのテスト・ケースとしてやらしてもらいたい。この方法によって自分たちは確信ある経営ができると考えておる。この経営がよかったならばそれぞれ鉄道なり、その他こういうような仕組みになっておる病院の経営が、これを一つ考えてみるのが方法でなかろうか、こういうふうな御説明でございまして、私どももこの段階においては一つ労働大臣説明を了承して、十分な成果をあげることを期待してこういうことになったわけでございます。そこで問題は今のことがうまくいくとも考えて私ども納得いたしたわけでございまして、御疑念のあることについては十分一つこれを御説明申し上げまして、御疑念を取り除いていくことに努力しなければならないわけでございまして、将来の問題といたしまして厚生省なりあるいは運輸省がそのモデル・ケースの成果によってやるかやらないかといいことは今後の考えにあるわけでございます。しかしいずれにいたしましても、現行医療法においてはこの病院地域的偏在といいものがどいしても是正できない。この問題が今日の国民医療の問題として、急速にそういったものを取り除いてよくしなければならないということでございますので、私どもはこの問題とこれは関連するしないは別といたしましても、この際医療法改正というものをどうしても考えなければならないのじゃないか、こういうような考えをもちまして、資料その他を集めて十分国民保険法の改正と関連して考えてみよう。こういうことに相なっております。ただいま滝井委員から地域偏在、あるいは国の病院建設等に当って、厚生省が一元的な考えをもって十分な連絡なり、あるいは有力な発言権を持つことによって、医療行政の完璧を期するように、閣議の議題として了承を得てこいというような意味に承わったのでございますが、今私が申し上げておりますように、そういうことは十分念頭に置きまして、病院の適正配置というものは、政府といたしましてもこれは喫緊のことであり、当然のことであるから、そういう線でもっていきたい、こういうことに相なっておりますので、さよう一つ御了承を願いまして、この法案は御審議を進めていただく、こういうことに一つ御了承いただきたいのでございます。
  51. 滝井義高

    滝井委員 いや、私はこの法案審議は進めないというのじゃありません。この法案審議するに当って、やはり病院行政の一元化というものの内閣の基本方針がなければ、こういうものがどんどんできたら大へんですよ。私はむしろこういうものを作るならば、内閣全国の国立病院も何も集めて、そうして病院事業団法というものを作ったらいい、それなら賛成します。そうしてそれを厚生大臣がある程度内閣総理大臣と話し合いながらしていくということなら賛成します。しかし労働省だげにこういうものがぽつんとできるということは了承できないのです。こういうものが一つできれば、これば一城郭を築きますよ。城郭を築けば、今度は他の城郭ができることは明らかです。あなたの方は、厚生団といいます、財団法人厚生団です――ところがこれは作らないということを安田さんがこの前言明された。あなたの方は作りますかと言ったら、いやわれわれの方は作る方針じゃありません、厚生団はやらないと言ったでしょう。今のところはやらないという方針――この前はそういう御答弁だったと思いますがね。これは間違っておればやり直します。私はそういう理解をしておった。厚生省年金病院というものは、厚生団というものは、大臣答弁ではテスト・ケースとしてやらして、よかったらまたやるのだというようなことになっておるのだけれども、私はそういう工合にテスト、ケースがよかったらやるのだということになったら、城郭ができて大へんですよ。だからそういうことになれば各省みな作ります。そういうことでは病院行政がうまくいかない。だから私は病院行政の一元化に関する閣議決定かなんかしてもらって、それで大体内閣としては病院行政を今後どういう工合にやるかという基本的な方針がきまらなければ、われわれはちょっとやりにくい。厚生大臣ができなければ、次会には岸総理を呼んでもらって、そして私はやります。これは非常に大事です。これがもしこういう形になれば、今は時間がありませんから、今度は国民皆保険と事業団との関係を私は尋ねる。次会はそれを尋ねますが、大臣の方で、今後病院行政をどういう工合に運営していくのか、その内閣としての基本方針は一つ出してもらいたいと思う。今ないでしょう。それを出してもらえないということになれば、次会は岸総理を呼んで、これは岸総理に直接尋ねます。  きょうはこのくらいにしております。
  52. 八田貞義

    ○八田委員 関連。今滝井委員から病院行政あるいは医療行政の一本化というお話があったのですが、行政と所管事項とは明らかに区分して考えるべきだと私は思う。もしも滝井さんのように病院行政を一本化しなければならぬということになると、所管事項の問題との関連を十分に考えていかなければならぬと思うのです。厚生大臣の先ほどの答弁にありましたように、私は病院行政の一本化に対しては適正配置がその前提になると思うのです。これについては大臣からはっきりと、適正配置について十分に考慮してその対策も考えるという話があったようでありますから、私は病院行政の前提条件は厚生大臣の明言によって必ず達成されるものと確信しておるわけです。病院行政の一本化を主張するなら、私は水道行政の一本化も言わなければならぬと思う。行政と所管事項とは明らかに区分して、そして行政を立てていくことが制度化として正しいのであって、これをごっちゃにしてやると、衛生の発達の面から考えていろいろと文句が出てくるわけでございまして、この点私の意見も参照されましていろいろと御考慮されんことをお願いしたいと思います。
  53. 滝井義高

    滝井委員 私の言うのを間違えておるといかぬですから……。今の私の病院行政の一元化ということを少し意味を取り違えておるようでありますが、労働省所管労災病院厚生省に移せという意味ではございません。それはたとえば設置をする場合、適正な配置をどうするかというときに、労働省が言ってきたらそのままオーケーをするといろことでなくして、全国的な病院状態を把握しているのは厚生大臣なんだ、従って厚生大臣はその地区に労災病院を作ることが適正妥当な配置であるかどうかという認定を与えて、そこに作ってよろしい、いけない、こういう仁政を言うのでありまして、いわゆる監督行政なんですね。それを私は病院行政の一元化と言うのです。今運輸省なら運輸省で勝手に作ります、それから郵政省は郵政省で作る、都道府県は都道府県で勝手に作っている。大きな県立の病院のある横に大きな年金病院ができていく、その横に鉄道病院ができていく、こういう国費の二重、三重のむだな投資が行われているということなんです。これを是正するためにはやはり内閣としてその基本的の方針をきちっときめて、作る場合には厚生大臣なら厚生大臣の許可を得なければできないのだという基本方針がきまらぬというところに問題がある。今の態勢では、言うてきたものは全部作らせなければならないという形です。従ってそういう面を明確にして、内閣としては厚生大臣と協議しなければだめだ、こういうことでやってくれという意味なんです。従ってそういう点を一つ閣議で基本方針をきめてくれ――神田さんがきめられぬと言うならば、次会に岸総理を呼びますということです。
  54. 小島徹三

    ○小島委員 私は関連して資料を少しお願いしたいと思います。名古屋に労災病院ですか国保の病院ですか、二つ同じ場所にあるところがあると思いますが、それの開設以来の労災にかかっている人間、あるいは普通一般人、健康保険にかかっている人間、その割合と、それから現在の病院の能力というか、たとえば病院の病棟があいているとか、病床があいているとかあいていないとかいう数字の詳しいものを一つ……。
  55. 滝井義高

    滝井委員 私も次会に要求しようと思ったけれども質問の都合がありますから御要求しておきますが、各省別に病院診療所をお示し願いたい。これは大して多くありません。それから三公社五現業関係も同じです。これは国ということで御説明になっておりますから、各省別それから三公社五現業関係病院の一覧表をお願いしたい。そしてその中で特に一般に開放しておるものとそうでないものと分けたものもお願いしたい。
  56. 神田博

    神田国務大臣 先ほど私がお答え申し上げたのですが、なお徹底を欠いているようなきらいがございますので、もう一度滝井委員質問等に関連して政府の考えを申し述べたいと思います。  国民皆保険を進めていくために国民保険法の改正をしょう、さらにまたその前提といたしましては、どうしても病院地域的偏在というものを直さない限り所期の効果が上らないことは当然のことでございます。そういう建前をも考慮いたしまして現行医療法改正も考えたい、こういうことも厚生省といたしましては懸案として取り扱っておるわげでございまして、閣議等におきましてもこれらの点につきましてしばしば閣議了解と申しますか話題としておるのでございまして、滝井委員が非常に御心配になっておられますことは私ども、同感のことでございまして、そのように進んでおるのだというふうに御了承願いたい、こういうことなのでございまして、先ほど表現の仕方があるいは弱かったのか、回りくどかったのか、十分でなかったような気もいたしますが、それは滝井委員から述べられておるよらうことは全く同感のことで、そういうような方向で改正のことを取り上げていきたい、こういう意味でございますから御了承願いたいと思います。
  57. 藤本捨助

    藤本委員長 それでは午後二時半まで休憩いたします。    午後零時三十八分休憩      ――――◇―――――    午後四時三十五分開議
  58. 藤本捨助

    藤本委員長 休憩前に引き続き会議を再開いたします。  公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基き、国会議決を求めるの件(国鉄労働組合関係)(内閣提出議決第二号)、同じく(日本国有鉄道機関車労働組合関係)(内閣提出議決第三号)、同じく(全国電気通信労働組合関係)(内閣提出議決第四号)、同じく(全逓信従業員組合関係)(内閣提出議決第五号)、同じく(全国特定局従業員組合関係)(内閣提出議決第六号)、同じく(全専売労働組合関係)(内閣提出議決第七号)、同じく(全印刷局労働組合関係)(内閣提出議決第八号)、同じく(アルコール専売労働組合関係)(内閣提出議決第九号)、同じく(全造幣労働組合関係)(内閣提出議決第一〇号)、同じく(全林野労働組合関係)(内閣提出議決第一一号)、以上十件を一括議題とし、審査を進めます。  まず趣旨の説明を聴取いたします。議決第九号について、長谷川通商産業政務次官。
  59. 長谷川四郎

    ○長谷川政府委員 ただいま議題となりました公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基き、国会議決を求めるの件のうち、アルコール専売労働組合関係について、その提案の理由を御説明申し上げます。  本年二月九日に、アルコール専売労働組合は、昭和三十二年一月以降の基準内賃金改訂要求書を通商産業省当局に対し提出いたしまして、両当事者におきまして数次の団体交渉が行われましたが、当局側がこれを拒否いたしましたので、組合側は、二月十四日公共企業体等労働委員会に調停申請をいたしました。公共企業体等労働委員会は三月十一日調停案第七号を提示いたしましたが、当局側は三月十五日に公共企業体等労働関係法規定によりまして、仲裁申請を行なったのでございます。よって公共企業体等労働委員会審議を重ねました結果、四月六日これから御審議をいただきます仲裁裁定を行なった次第でございます。  右の裁定第一項を実施いたしますには、必要な経費を増額支出する必要があるわけでございますが、この経費は昭和三十二年度予算には計上されておりませんので、現況においては予算上可能と認めがたいのであります。従って本裁定は公共企業体等労働関係法第十六条第一項に該当するとするのが妥当と認められる次第でありますので、同条所定の手続をもちまして、裁定を国会に上程いたし御審議を願う次第でございます。  なお政府といたしましては、裁定を実施する建前のもとに、所要の財源措置についての具体策を鋭意検討中であります。  何とぞ慎重御審議の上、国会の御意思の表明を願いたいと存ずる次第でございます。
  60. 藤本捨助

    藤本委員長 次に議決第二号及び第三号について、福永運輸政務次官
  61. 福永一臣

    ○福永政府委員 ただいまから公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基き、国会議決を求めるの件のうち、国鉄労働組合関係及び日本国有鉄道機関車労働組合関係につきまして、提案理由を御説明いたします。  昭和三十一年十二月五日国鉄労働組合は、昭和三十一年十一月以降の賃金改訂に附する要求書を打本国有鉄道に対して提出し、団体交渉を重ねましたが、日本国有鉄道が、これを拒否いたしましたので調停段階に入り、昭和三十二年三月九日公共企業体等労働委員会は、調停案(第二号)を提示いたしました。これに対し、国鉄労働組合は、調停案の実施を条件に受諾いたしましたが、日本国有鉄道は、受諾しがたい旨を回答し、三月十五日、日本国有鉄道の申請によりまして、公共企業体等労働委員会の仲裁手続に移行し、同委員会は、これが審議を重ねました結果、四月六日に仲裁裁定(第三号)を行なった次第でございます。  次に、日本国有鉄道機関車労働組合関係について申し上げます。  昭和三十二年二月二十六日に同組合は、昭和三十二年一月以降の新賃金改訂に関する要求書を日本国有鉄道に対して提出いたし、団体交渉を重ねましたが、解決がつかなかったので、日本国有鉄道は、公共企業体等労働関係法第三十三条第二号によりまして、三月十五日公共企業体等労働委員会に仲裁申請を行い、仲裁手続に移行し、同委員会は、四月六日仲裁裁定(第四号)を行なった次第でございます。  仲裁裁定の内容につきましては、国鉄労働組合関係日本国有鉄道機関車労働組合関係とは、全く同一のものであります。この裁定の第一項をそのまま実施いたしますことは、現況におきましては、予算上不可能であると認められ、公共企業体等労働関係法第十六条第一項に該当するものと認められますので、同条所定の手続をもちまして、裁定を国会に上程いたし、御審議を願う次第でございます。  なお、政府といたしましては、本仲裁裁定を実施する建前のもとに所要の財源措置について具体策を鋭意検討中であります。  何とぞ慎重御審議の上、国会の御意思の表明を願いたいと存ずる次第でございます。
  62. 藤本捨助

    藤本委員長 次に議決第四号、第五号及び第六号について平井郵政大臣
  63. 平井太郎

    ○平井国務大臣 ただいま議題となりました公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基き、国会議決を求める件、三件について、その提案理由を御説明申し上げます。  まず、全逓信従業員組合の裁定について申し上げます。  本年二月五日全逓信従業員組合は、昭和三十二年一月以降の新賃金に関する要求書を郵政省に対し提出いたしまして、両当事者間で数次の団体交渉が行われましたが、郵政省はこれを拒否いたしましたので、調停段階に入り、三月九日公共企業体等労働委員会は調停案第四号を提示いたしました。これに対し、全逓信従業員組合は調停案の実施を条件に受諾いたしましたが、郵政省は受諾しがたい旨を回答し、三月十五日郵政省の申請により公共企業体等労働委員会の仲裁手続に移行し、同委員会は、四月六日仲裁裁定第六号を下したのであります。  右裁定第一項を実施いたしますことは、現況においては予算上不可能であり、本裁定は、公共企業体等労働関係法第十六条第一項に該当するものと認められますので、本件を国会に提出し、御審議を願う次第であります。  なお、政府といたしましては、本裁定を実施する建前のもとに所要の財源措置についての具体策を鋭意検討中であります。何とぞ慎重に御審議の上、国会の御意思の表明を願いたいと存ずる次第でございます。  次に、全国特定局従業員組合の裁定について申し上げます。  本年二月四日全国特定局従業員組合は、特定郵便局職員の給与べース改訂に関する要求書を郵政省に対し提出いたしまして、両当事者間で数次の団体交渉が行われましたが、郵政省はこれを拒否いたしましたので、全国特定局従業員組合は三月十一日公共企業体等労働委員会に対し調停申請を行い、三月十九日同委員会の決議により仲裁手続に移行し、同委員会は、四月六日仲裁裁定第七号を下したのであります。  右裁定第一項を実施いたしますことは、現況においては、予算上不可能であり、本裁定は、公共企業体等労働関係法第十六条第一項に該当するものと認められますので、本件を国会に提出し、御審議を願う次第であります。  なお、政府といたしましては、本裁定を実施する建前のもとに所要の財源措置についての具体策を鋭意検討中であります。  何とぞ慎重に御審議の上、国会の御意思の表明を願いたいと存ずる次第でございます。  次に、全国電気通信労働組合の裁定について申し上げます。  昭和三十一年十二月二十一日全国電気通信労働組合は、昭和三十二年一月以降の新賃金に関する要求書を日本電信電話公社に提出いたしまして、両当事者間で数次の団体交渉が重ねられましたが、日本電信電話公社はこれを拒否いたしましたので、調停段階に入り、三月九日公共企業体等労働委員会は調停案第三号を提示いたしました。これに対し、全国電気通信労働組合は直ちには受諾しがたい旨の回答を行い、また、日本電信電話公社は、受諾しがたい旨の回答を行うと同時に、公共企業体等労働委員会に仲裁申請書を提出いたし、同委員会は、四月六日仲裁裁定第五号を下したのであります。  右裁定第一項を実施いたしますことは、現況においては、予算上不可能であり、本裁定は、公共企業体等労働関係法第十六条第一項に該当するものと認められますので、本件を国会に提出し、御審議を願う次第であります。  なお、政府といたしましては、本裁定を実施する建前のもとに、所要の財源措置についての具体策を鋭意検討中であります。  何とぞ慎重に御審議の上、国会の御意思の表明を願いたいと存ずる次第でございます。
  64. 藤本捨助

    藤本委員長 次に議決第七号、第八号及び第十号について足立大蔵政務次官
  65. 足立篤郎

    ○足立政府委員 ただいま議題となりました公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基き、国会議決を求めるの件のうち全専売労働組合関係、同じく全印刷局労働組合関係、同じく全造幣労働組合関係の三件につきましてその提案の理由を御説明申し上げます。  最初に全専売労働組合関係につきまして申し上げます。  昭和三十一年十二月二十日全専売労働組合は、昭和三十一年新賃金に関する要求を日本専売公社に対し提出し、また、同日日本専売公社は、全専売労働組合に給与制度の改正案を提出し、それぞれについて団体交渉を重ねました。このほか、公共企業体等中央調停委員会の昭和三十一年三月三日付「日本専売公社職員に対する昭和三十年十月以降の賃金改訂に関する調停案」に基き、給与の不合理の是正について両当事者の間で団体交渉が重ねられました。しかしながら、これらの事案については、いずれも当事者双方の意見の合致が得られず、調停段階に入り、本年三月九日、公共企業体等労働委員会は、調停案を提示いたしました。これに対しては、全専売労働組合は、調停案の実施を条件に受諾いたしましたが、日本専売公社は、受諾しがたい旨を回答し、三月十五日日本専売公社の申請により、公共企業体等労働委員会の仲裁手続に移行し、同委員会は、四月六日裁定を行なったのであります。  右裁定の第一項を実施することは、現況においては、予算上不可能であると認められ、従ってこの裁定は、公共企業体等労働関係法第十六条第一項に該当すると思われますので、同条第二項の規定により本件を国会に提出し、御審議を願う次第であります。  なお、政府といたしましては、裁定を実施する建前のもとに所要の財源措置についての具体案を鋭意検討中であります。  次に、全印刷局労働組合関係につきまして御説明申し上げます。  昭和君三十一年十二月十八日全印刷局労働組合は、昭和三十二年四月以降の賃金改訂に関する要求書を印刷局に対して提出し、両当事者間で団体交渉を重ねましたが妥結に至らず調停段階に入り、昭和三十二年三月十一日公共企業体等労働委員会は、調停案第六号を提示いたしました。  これに対し全印刷局労働組合は、印刷局が調停案を受諾して予算措置を講ずることを条件として受諾いたしましたが、印刷局は、算定の基礎が明らかでなく、法律規定されている給与の原則との関係が具体的に示されていない等の理由により受諾しがたい旨を回答し、三月十五日印刷局の申請により公共企業体等労働委員会の仲裁手続に移行し、同委員会は、昭和三十二年四月六日仲裁裁定第九号を下したのであります。  右裁定第一項を実施することは、現況においては予算上不可能と認められ、従って、この裁定は、公共企業体等労働関係法第十六条第一項に該当するものと思われますので、同条第二項の充足により本件を国会に提出し、御審議を願う次第であります。  なお、政府といたしましては、裁定を実施する建前のもとに、所要の財源措置についての具体案を鋭意検討中であります。  最後に、全造幣労働組合関係につきまして、その提案の理由を御説明申し上げます。  昭和三十二年二月二日全造幣労働組合は、同年四月以降の賃金改訂に関する要求を造幣局に対し提出し、両当事者間で団体交渉を重ねましたが妥結に至らず、調停段階に入り、三月十一日公共企業体等労働委員会は、調停案を提示いたしました。これに対しては、造幣局は受諾しがたい旨を、全造幣労働組合は直ちには受諾しがたい旨を回答し、三月十六日造幣局の申請により、公共企業体等労働委員会の仲裁手続に移行し、同委員会は、四月六日裁定を下したのであります。  この裁定を実施することは、現況においては予算上不可能と認められ、従って、この裁定は、公共企業体等労働関係法第十六条第一項に該当するものと認められますので、同条第二項の規定により本件を国会に提出し、御審議を願う次第であります。  なお、政府といたしましては、裁定を実施する建前のもとに、所要の財源措置についての具体案を鋭意検討中であります。  以上公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基き、国会議決を求めるの件、全専売労働組合関係、同じく全印刷局労働組合関係、同じく全造幣労働組合関係り二件につきまして、その提案の理由を御説明申し上げましたが、何とぞ御審議の上、国会の御意思を表明願いたいと存ずる次第でございます。
  66. 藤本捨助

    藤本委員長 次に議決第十一号について、八木農林政務次官
  67. 八木一郎

    八木政府委員 ただいま議題となりました林野庁関係について御説明申し上げます。  昭和三十二年四月六日に、公共企業体等労働委員会が、公共企業体等労働関係法の適用を受ける林野庁の職員の昭和三十二年一月以降の賃金改訂に僕する紛争について行いました仲裁裁定第十二号を国会に上程いたし、御審議願う次第につきまして以下御説明申し上げます。  昭和三十二年二月二十三日全林野労働組合は、一月以降の賃金改訂に関する要求書を林野庁当局に対し提出いたしまして、両当事者間におきまして、数次の団体交渉が行われましたが、当局がこれを拒否いたしましたので、全林野労働組合は二月二十八日団体交渉を打ち切る旨を当局に通告し、三月四日公共企業体等労働委員会に対し調停申請をいたしました。同委員会は、三月十五日調停案を提示いたしました。これに対し、全林野労働組合は調停案の実施を条件に受諾いたしましたが、当局は十六日受諾しがたい旨を回答いたしまして、同日当局は同委員会に対して仲裁申請を行なったのであります。  よって、公共企業体等労働委員会は、これが審議を重ねました結果、四月六日これから御審議をいただきます仲裁裁定を行なったのでございます。  同裁定を実施いたしますことは、現況においては予算上不可能であると考えますので、公共企業体等労働関係法第十六条所定の手続をもちまして、裁定を国会に上程いたし御審議を願う次第でございます。  なお、政府といたしましては裁定を実施する建前のもとに所要の財源措置についての具体策を鋭意検討中であります。  何とぞ慎重御審議の上、国会の御意思の表明をお願いいたしたいと存ずる次第でございます。
  68. 藤本捨助

    藤本委員長 以上で説明は終りました。  暫時休憩いたします。    午後四時五十八分休憩      ――――◇―――――   〔休憩後は開会に至らなかった〕