○八木(一男)
委員 そういうことで与党の同僚各位が熱心に御検討になっておられると思うのですけれ
ども、たとえばそこに池田大蔵大臣もおられますが、予算の総ワクとか、それから今まで出した体面とかいろいろのことに制約されておる。与党の中でこの改悪案に反対の方がたくさんおられるのですから、そういうことをはずして検討して、よいということになれば見解の違いですからいいのです。そういう予算があるから、池田さんがうんと言わないからだめなんだということでなしに、それから前に出した面子があるから、厚生省がぶうぶう言うからだめなんだということでなしに、与党の熱心な先生方が十分に
考えていただけるように、そして
政府自体としても閣議でも
考えていただけるように、そういう場を総理大臣として、総裁代理として作っていただきたい。その結論がわれわれの
考え方と違ったら仕方がありません。しかしそういうワクがはまって反対の人も反対が言えない。われわれは与党の中にも反対の序をたくさん聞いているのです。だからそれからのことはしょうがないですけれ
ども、総理大臣として総裁代理として、
内閣の中においても、与党の中においても、早急にそういう場を作っていただきたい。
もう
一つは、総理大臣の御
意見の中に医療担当者その他から御
意見を聞いたという言葉がありました。その言葉だけで、党とは言われましたけれ
ども、裏を返せば被保険者の
意見をあまり聞いておられないということが推定できるのです。またそう思います。医師
団体とはいろいろ打ち合せをしておられることはわれわれ仄聞いたしております。しかしながらこの一部負担その他の問題で重大な抑圧を受けるのは医師
団体であるとともに被保険者なんです。患者なんだ。そういう人たちの
意見は与党の
方々は、聞いてはおられると思いますが十分には聞いておられないと思う。そのときに被保険者なり患者なり、医者以外のそういう打撃を受ける人たちの
意見も十分に参酌していただきたい。
政党の
関係で、私たちには関連が少いかもしれないけれ
ども、熱心に私たちに陳情しておられる方のあることは御
承知の
通り。それでそういう
関係で
自民党が信頼を得られて、その人たちの投票が
自民党に移っても、
日本の政治がよくなればかまいません。だからそういう被保険者や患者の人たちの
意見を十分に聞いて、政策を作る場を至急に作っていただきたいということを切にお願いしておきます。
最後にもう
一つ、最初の
法律違反の件でございまするが、これは明らかに事実でございます。というのはここに社会保障制度
審議会設置法という
法律がございます。これの第二条の第二項に、「
内閣総理大臣及び
関係各大臣は、社会保障に関する企画、
立法又は
運営の大綱に関しては、あらかじめ、
審議会の
意見を求めなければならない。」という条項がございます。これは総理大臣に
関係のある条文でございます。それからそれに似た
法律で
健康保険法第二十四条ノ二に「厚生大臣ハ
政府ノ管掌スル健康保険
事業ノ
運営ニ関スル事項ニシテ、企画、
立法又ハ
実施ノ大綱ニ関スルモノハ予メ
社会保険審議会ニ諮問スルモノトス」この
二つの
法律で明記されております。ところが
政府の出された今回の
改正案は、諮問をしておりません。
法律違反をしておるわけでございます。この点でいかに政策に自信がおありになっても
法律は守るという
立場で一回撤回されて、それから諮問をされて出し直さなければ、先ほど総理大臣の言われた
法律を順守すべきだという
立場と合わないわけでございます。ですから即時これを撤回されて、即時諮問されて、そうして諮問でいいということになったら出していただきたい。それについて御
答弁願います。