○
渡辺(惣)
委員 道路の問題を質問いたしましたついでに、少し話が飛躍するかもしれませんが、若干の
一つ一つの問題につき、
大臣の所信をお伺いしたいと思うのであります。
先ほど申し上げました
ように、高速
道路と一般
道路の整備を強化するという
政府の
方針が打ち出されておる。ところが、最近
北海道では、実は
道路に関連した新しい問題が非常な脚光を浴びておるわけであります。それは五島慶太氏が
北海道にいよいよ乗り込んで参ってきておるわけであります。
大臣もすでに御了承の通り、バス
会社を手に入れ、定山渓鉄道を乗っ取り、さらに夕張鉄道に手をつけ、さらに江別から札幌への電車の乗り入れ
計画が進められておる。こういう
ような形になってくるわけであります。私の聞くところによりますと、おそらく札幌の一流の大ホテルもやがてとられるのじゃないかと、戦々きょうきょうとしておるといいますし、おそらくその他の
北海道の主要なバス
会社もその手中におさめられる時期が遠からずくるであろう。そういたしますと、
北海道における交通網の整備を中心にして、ある特定の財閥の企画する企業
計画が、ほとんど
道路、バスその他の主要交通
資源を独占する時期が間近にあると思うのであります。私は、
北海道開発につきまして、約八十年間かかってしし営々として
北海道の地域住民が努力を重ね、生活の向上を念願しつつ築き上げたものが、第二次五カ年
計画に入る段階にきますと、一朝にして利にさとい中央の資本家が乗り込んできて、一挙に資本の収奪を企てるという形が今後において出てくると思います。今日は質問いたしませんが、
北海道開発公庫の業務な
ども、そういう危険をたくさん内蔵した
やり方になっております。道内の中小企業者、
ほんとうの道内の者が、みずから築き上げる資本の不足から、
公庫に供給を求めるというつもりで作ったものが、道内資本に対してはほとんど金を貸さない。大部分の
資金は、中央から乗り込んでくる中央財界とつながりを持つ者に貸し付けてしまっているという
ような傾向を、すでに昨年から
北海道開発公庫は顕著に現わしているわけです。
東北の
開発の場合もそうなると思います。
ところが、そこへ持ってきまして、そういう従来のものですら、
地方の
資源あるいは
資金の収奪がおそれられておったにもかかわらず、今度は具体的にそういうものが登場して参りました。これに対抗いたしまして、支笏湖のほとりの丸駒温泉には著名なる某氏がホテルを作っている。そうしますと、箱根騒動を
北海道に持ち込んで参るという形になるわけで、非常ににぎやかになっては参りますが、そのにぎやかな反面、
道民の八十年蓄積した努力が、一朝にして金融資本の手中に掌握されていくという問題が出て参ると思います。私はこの点について
北海道産業開発の過程において、地域住民の生活の向上と、それを守ることを
道民として念願をしておるわけでありますが、さしずめそういう将来の大問題よりも、すぐここから方程式で引き出されてきますのは、
北海道の一級国道を整備したり、二級国道を整備してバスを通しますと、それはみなバスの独占資本家にとられる。川村君の方の函館バスというものも、すでにその運命になっているわけであります。
北海道が
開発道路、一級国道、二級国道を整備いたしますと、その地上権、その交通路線はことごとく特定のバス資本家、交通資本家の手中におさめられる結果が出てくるわけであります。これは
開発庁長官直接の行政上の
責任として私は申し上げているのではないのであって、重大な問題を今後幾つかはらんで参りますので、こういう点につきましてたとえば政・府
関係機関であります国鉄公社は、
北海道の
道路網、交通網の整備のために、やはり特定の者に、私益優先、独占されない
ようにすべきだ、
政府関係機関その他での、そういうものに対するそういう施策を前提としなければ、路線を求めて次々やってきますと、
北海道はすみからすみまで特定交通資本家の手中に掌握されて、そのことが
北海道の
産業経済を支配する
一つの基本になっていくまことに重大な問題が投げかけられていると思うのであります。この点につきまして、副
総理の地位にあられます
大臣は、国策全体として
北海道開発という視野に立って、こういう
ような形で、その
開発に便乗して
北海道支配の陰謀を推進するということに対しまして、どういう所信を表明されているか、この点お聞きしたいと思うわけでございます。