○
日野委員 私は、
日本社会党を代表して、
本案に希望を付して
賛成の意思を表明するものであります。
本
法案は、
東北興業株式会社法の一部を
改正する
法律案でありますが、
内容は
名称を変更すること、
事業の
範囲を拡大しておること、
債券発行の
限度を広げていくこと、
監督の
強化をうたっておること等であります。このうち
名称の変更については、当然時代の要求から
本案が妥当であることと
考えられますが、新しく新潟がこの区域の中に加わっておるわけであります。これは重大な
会社の構成上の問題にもなりますので、これらの点については十分留意して、この
施行に当ってもらいたい。
事業の
範囲も、こういうことで拡大され、その中に新しく
産業立地条件の
整備という項目が加わっておるのでありますが、しばしば
論議にもありましたごとく、この点明確に、何をどうしてやるか、一切は
審議会にまかせる、こういう
態度でおられるようでありますけれども、このことは非常に重大なことであります。明確に
事業の
内容を規定して発足した
会社ですら、しばしば
政治力や
地方の
運動等によって、ゆがみられ、変更される例をわれわれは見ておるのであります。いわんや発足当時、何をやるかという明確な
内容を規定せずして発足するというこは、巷間いろいろうわさされておるように、
会社の
事業経営がゆがめられる
危険性をわれわれは強く感ぜざるを得ないのでありまして、この
執行に当りまして、
審議会等の
指導に当って、少くともかかる誤解を持たれることのないように、十分なる
指導、
監督等を
条件といたしまして、この点に
賛成をいたすわけであります。
債券発行の
限度等も、
政府が財政の許す限りという
条件がありますので、
事業量をできるだけ大きくして、地元の
開発のために寄与されることを希望するものであります。
最後の
監督の
強化の問題でありますが、この
会社は、しばしばの
論議で明らかになりましたように、これは
公社的性格を持った
会社であることにかんがみまして、
公社等は、今、
愛知用水公団の問題にしろ、いろいろの
事情があって、
計画通り進行いたしておらないのであります。こう
事情にかんがみ、特に
会社の
役員の
人選等につきましては、従来の
東北興業が繰り返して参りましたような、一部官僚のやり場に困ってあれするような
人事は避けてほしい。先ごろ来問題になっておりますように、
ほんとうに
東北の土になるという決意をもって当られる
人事——長官がきのう言っておられましたように、かつての
TVAがああいう成功をしたということは、
人事のよろしきを得たというところに
原因があったといわれているように、このことが直ちに
東北の
地元民との関連で
——今、
地元民は、熾烈な要望を持ってこの
会社に協力しようという
態度をとっておるのであります。
昭和十一年に
東北興業が発足する場合も同様、
地元民の要請に基いてできたのであるが、直ちに
運営の欠陥や
人事の
更迭等のことから、
地元民と遊離をいたしまして、むしろ
地元民の反撃の前に
事業が進捗しなかった。こういうような
実例等もありますから、絶えず
地元民と協力して、
ほんとうに
東北開発のためになる
事業振興のために、
一つ十分なる
配慮をされんことを私は希望いたしまして、
本案に
賛成をする次第であります。(拍手)