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蓮池参考人 この問題は、先日
お話し申し上げましたように、中身の
検討は、法律通過後、審議会及び主務官庁が中心でおこなしいただくことでありますから、今の
段階で、お役所からも私からもお答え申し上げるのは、的確には当らないと存ずるのであります。しかしながら、私どもが
東北船渠についてどう考えてきて、今の
段階で
政府当局に向ってどういう希望を持ってきたか、こういう経過について
お話し申し上げるならば、従来は
資金源が閉ざされておりますが、
東北船渠をドックとして再建するという以上、一億足らずの
東北興業の力をもってしては、どうも
資金参加によってこれを盛り上げていくということは、言うべくして力のないことでございましたので、やはり
東北興業がつながっている
関係会社の問題も取り上げて
東北開発のおためになるということを進めるためには、どうしてもそういう部面の
資金源の獲得をさせていただかなければならない、ぜひそうお願いしたいということを、あらゆる機会にお願いをして参ったわけでございます。しかし、それとて、なかなか財政上の都合もあり、また国の政策の固まる都合もありまして、なかなかそう早急には参らないのが実態であります。しかし、それかといって、その間、
東北船渠の
経営それ
自体、多くの労務者をかかえてそのまま時日を経過するというのでは、これはあの
程度の
資本金でやっておる
会社でありますから、とても持ちこたえる力はないのでございます。そういうことで、そういう間で、お互いにいろいろと苦労をして参っておるものでありますから、必ずしもプラスになる部面がなくて、むしろ荷厄介になる部面が非常に多いということが主になって、結局
工場閉鎖の悲しい
状態になって今日にきておるということであります。
そういうことでありますから、
東北興業が今の
状態で力を出してこれが再建をはかるといったところで、
資金源も持たないのだし、容易にできないのだから、むしろそのドックとしての再建問題については、宮城、
福島両県にわたる
会社であり、また両県の地元
施設としても、きわめて重要な
施設であるから、両県知事が
一つ主役になって、その再建の肝いり役をやってやろうじゃないか。だから、その再建の肝いり役については、
東北興業に、むしろ両県に一任したらどうか、こういう非常に積極的な、また熱意のある
お話もございまして、私どもは喜んでそういう方法について主務官庁にも御了解をいただいて、歩を進めていったわけでありまして、その過程において、数多の専門のドック
事業をやっておる業界の主役者が、あるいは企業診断をする、あるいは実際に自分の手で
経営していくためのプラン等を立てられるということはあったのでありますが、なかなかそれが実現に至らなかった。その最終過程でと申しますか、
一つは志村化工の問題でございますが、志村加工の問題については、やや話が具体的に進みまして、実際の今のドックの
資産並びにその将来の措置を具体的にどうするかというめどまで一応持って、そして地固めに入った過程もありますし、また、それまでいかないと、ほんとうに仕事が実を結ぶめどがつくかどうかということもできないので、宮城県等では非常に苦心をしてそこまで仕事を進められ、志村化工を中心にするドックの再建案ということに話が進んだ過程を、私も両県知事からよく承わっておるのであります。
ところが、その再建過程のめどになりますと、なかなか具体的に固まりません。そこで両県知事としては、この案でいくべしという結論を、ついに私どもは承われないで、今日に至っておるわけであります。その間、私どもは再建についての協力者を
——必ずしもここがいい、あそこが悪いという選択をする意図を持っておるわけではございません。しかし再建の方法については、どうしても地元の本来の輿望にこたえてそれが実を結ぶ方向に進まなければならぬ、そうなると、他人さまのお力だけで、あれを
東北の希望するところへ持っていって再建していただきたいといっても、なかなか容易なことじゃないので、これはどうしても振り出しに戻って、
政府に
資金手当をしていただいて、少くとも、小さいながらもドックとしての土台だけを
資金で固めるということを条件にして、業界に参加をしてもらわないと、なかなか本来希望せられておるドック
事業の再建にはならないだろうということで、業界も参加をし、そしてあれをドックとして仕上げていただくために、必要最小限度の
設備資金その他の
計画に必要な金額をぜひ
一つ資金手当の中に入れていただきたいということを、お役所にお願いして、今日に至ったわけでございます。