○川俣
委員 大臣の前段のことはよく理解できる。前段の国の
総合開発としての意向というものは御説明の
通りであろうし、そういう
計画だろうと思うのです。その
計画は、この
総合開発法と
予算の
裏づけさえあれば達成できるはずなのです。あえて
東北振興法に待たないでもできるはずなのです。それを、この
法案を出された多くの人の熱意といいますか、
政府も同意されまして提案されました
趣旨というものは、特別法を必要とするゆえんのものは、やはりそれらのものを早期に達成してやろう、しかし全部ではないぞというくらいなことが、明らかになる必要があるのじゃないかと思う。全部を
東北振興法に期待するような意見も
東北の中には非常に多いのです。これは期待はずれになるおそれがあるのじゃないか。やはりそれは日本の国全体としての
総合開発の点から
関連してやらなきゃならぬ問題と、この特別法を作るからには、
総合開発の上から特に取り上げて、これだけは早期に達成するのだという目途がなければ、特別法の
趣旨は成り立たないと思うのです。そうして早くこの
東北振興法というものが廃案になって、国全体のレベルの上から、
東北が必要なのかどこが必要なのかという別な見地に立って、
東北に必要であれば、それでやられることはちっとも差上つかえありません。振興法があろうと、なかろうと、国全体の
計画の上から、どこが必要であるか、こういう取扱いにやはり帰るべきだと思うのです。
ただ、その前提
条件として、
東北の産業というものが片寄っておったり、それに
関連する産業が興るべくして興らなかったり、いろいろな
土地条件や地理的
条件、
自然的条件によってはばまれておりまするものの中で、特に国家的に取り上げていくものを取り上げる、それから一般の商業ベースで
東北の
開発ができる面もあるのです。たとえば銅の値上り等によりましては、必ずしも
東北振興会社または国の
東北だけに関する特別な援助を仰がないでも、やり得る面もあるわけです。これにまた特別な援助をやるということは、国の
財政の上から不公平になります。そういうことはやるべきでないと私は思う。われわれはどんなに
東北振興のためとは言いながら、一般の商業ベースでやり得るものまで特別に援助するということは、これは邪道だと思うのです。ただ一般の商業ベースでは、なかなか資本の注入できないもの、民間資本だけでは、なかなか産業の興ってこないようなものを特に
指定して早期に達成し、それと
関連する産業は、民間資本なり、商業ベースで採算がとれるような会社の振興の基礎を作ってやるということでなければ、こんな膨大な
予算を
東北振興だけにつぎ込めるものではないのです。
また現段階においては、国だけが全部をやるべきではないと思う。われわれの時代においては別ですけれ
ども、あなた方の時代においては、これはなかなか困難だと理解をする。それであるからこそ、
東北の代議士が
地方へ帰って、から宣伝をするためのような形の
法律は、私はこれは必ずしも好ましい形ではないと思う。やはり
東北振興の必要なのは早期達成にあるのだ、これは何をやるかということがはっきりして、このためには国の
財政的な
資金もこの点については最優先されるのだ、
予算のワクの中でもこれが最優先されるのだということにならなければ、いつでも
予算上不安定な形になる。何年
計画かわからぬということになると、
予算の配分がますます困難になると思う。やはり
予算の
重点的な、効率的な利用の上、活用の上からも、明確なものでなければならない。それには、やはり五年の間にこれをやるのだからということで、
予算の
裏づけをしておきませんと、ずるずるべったりになりまして効果が上らないことになる、気休めだけになる。これではせっかく特別法を出しましても、せっかくの
法律の権威というものを失わしめる、
法律の乱立の形になっていく。むしろ弊害を生む結果になると思う。今ではこういう特殊立法はむしろ整理の段階に入ってきている、私
どもはそう理解している。国としてはむしろ総合的にやるべきなのを、
総合性がなかったために、幾多の特殊立法ができてきている。特殊立法のために、むしろ
総合性を欠いてくるきらいがあって、この際はむしろ特殊立法の整理期間に入ったと私は見るのに、あえてこの
法律を出されるゆえんのものは、何かそこに画期的なものがなければならぬと思う。この点、
大臣、どうでしょうか。