○渡辺(惣)
委員 それでは
大臣のお答えでありますから、この問題は明日に譲りたいと思います。
そこで、
石井大臣にお伺いをいたしたいのであります。先ほど小中君からもお話がありましたように、また昨日岸さんにもお尋ねしましたが、
産業計画会議のことが問題になっております。それから特に問題になりましたのは、文芸春秋のジャーナリストが取り上げたことによったのですが、この問題は世論として問題になったといたしましても、行政の中から出たものではないので、
大臣からここで
答弁を承わりますのにも、おのずから限界がありますし、それ以上責任ある御
答弁をいただこうとは
考えません。
しかし、どうしてもここで問題になりますのは、
政府の部内から
北海道開発に対しまして
批判的な文書がたくさん出てきておるということは、
北海道開発に対する
政府部内の見解が統一されておらない、著しく分裂しておるという事態が出て参るわけであります。具体的に私の手元にあります文書だけにいたしましても、それは本年
閣議の
決定によりまして実施をいたしております行政管理庁
長官の諮問機関であります公共
事業特別調査
委員会の調査報告書、これは
閣議決定によって実施いたしておるものであります。それから、さらに同じく行政管理庁の監察部が発表いたしまして、三月二十九日
閣議において
決定をいたしました公共補助
事業現地監察結果要旨等に基くところの
開発行政に対するそれぞれの
批判、それからもう一点は、ただいま明日に保留いたしました
経済企画庁から出されておりまする
北海道第一次五カ年
計画要綱案に対するところの
批判文書、こういう幾つものものが出ております。こういう官庁の中においてそれぞれの
意見が出ておりますのも、しょせんは、
北海道開発に関する問題の
政府の責任の所在が明確でない、
閣議決定もいたしておらなければ、この問題を、
政府として統一的な
意見をとりまとめて、責任ある実施を行おうといたしておりません結果、至るところに、こういうそれぞれの
批判の文書が出て参る根拠が実はあると思うわけであります。ことに公共
事業特別調査
委員会の行政管理庁
長官に提出をいたしております文書によりますと、この
内容は、
産業計画会議の
内容と著しく類似をいたしております。この
産業計画会議に集まってこれを策定されました
日本の
経済界の一流のメンバーの人々、それからこの公共
事業特別調査
委員の人々も、また河合良成氏を中心とする同じく
経済界の専門家の方々でありますから、一連の
関係を持つことは当然でありますが、同時にこの調査報告書によりますと、この公共
事業特別調査
委員会は、
北海道の問題を
現地視察に参ります前に、この人々は特に十月十二日に、
北海道の問題を取り上げる最初におきまして、
北海道総合開発計画に関する説明聴取ということで、
北海道開発庁と同時に、
産業計画会議の人々を呼んだか、会ったかいたしまして、そして
現地視察に入ります前に、すでに
産業計画会議の人々の
意見を聞いて入って行っているわけであります。従って、この公共
事業特別調査
委員の人々の
考え方の中には、そのよって立つ
経済的、社会的基盤が同一の人々であり、しかも
現地調査に当りまして、あらかじめ
産業計画会議の諸君と話し合いをして行ったという事実がここにあります
関係上、
政府に出されましたこの答申というものは、勢いその思想的影響を受けておりますし、また
現地でもそういう観測で見て参った、こういう傾向があるわけであります。従いまして、
閣議決定に基く、調査
委員会が正式に行政管理庁
長官に答申をいたしたこの答申書というものは、私は非常に重要性を持ってくる、こう
考えるわけであります。
そこで、この中で特に
北海道開発に関しまして幾多の問題を取り上げておりますが、私は、これをここで
一つ一つ北海道の問題はこうだ、という部分部分について
質問を申し上げようとは
考えておりません。石井さんは多分――この膨大な報告書のうちで、この調査
委員会は特に項をあげて、
北海道開発事業について第四項におきまして明確に
北海道の問題だけを取り上げて摘出して、この調査報告を行なっておりますが、多分
ごらんになっていらっしゃると思いますので、これにつきまして、同じ行政機構、同じ
政府部内における報告書として、この公共
事業特別調査
委員会の答申書に対しまして、どういう見解を持たれていらっしゃるか、ここで明らかにしていただきたいと思います。もし御
答弁が得られなければ、これも重ねて明日でも行政管理庁
長官に
出席を願いまして、
北海道開発庁長官と行政管理庁
長官との見解の相違がどこから出てきたのかということを、明確にしていただかなければならぬと思うわけであります。