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渡辺(惣)
委員 建設
大臣お急ぎのようでありますから、ここで私は建設
大臣に
一つ質問いたしまして、建設
大臣に対する質問は終ります。
それは最近自衛隊が非常に増強されまして、陸上自衛隊が全部で十七万も
いるわけであります。その自衛隊が配置されております地積
——特に
北海道においては非常に多数のものが参っております。現に施設されております分だけでも
札幌、東千歳、北千歳、真駒内、北恵庭、南恵庭、岩見沢、幌別、倶知安、函館、旭川、名寄、滝川、留萌、上富良野、帯広、釧路、美幌、遠軽、島松、安平、こういうような全道くまなく広範な地積にわたりまして、自衛隊がそれぞれの施設を持っております。
ところがこの自衛隊は、ほかの府県にもこういう例はたくさんあるのでありますが、
北海道における、
東北六県を含めるような大地積に二十幾つの施設が分散をして、そしてそれのキャンプと演習場がみな離れておるわけであります。キャンプから演習場に至りますには、数里にわたる長い距離の間を、毎日のように十五トン、十七トンという膨大なトラックを動かして演習をしておる。はなはだしいのになりますと、
道路のまん中でトラクターをひっくり返したり、動かしたりして、そして穴へ陥没させて、その穴からはい上る演習まで御丁寧にやっておるわけであります。そして一本の
道路で、回転作業の訓練をやるわけであります。そういう結果、道がどんどんこわれて参るわけであります。
ところが、これは数里にわたる演習場から往復をやるわけでありますから、国道を荒してしまうと、今度は
道路に移って、
道路も通れなくなると、今度は市町村道に移っていく。荒した
ところで、動けなくなりますと、次々と新しい
道路を遠回りして、そして
道路を破壊してしまう。そしてこの修復は全然いたさない。そこで一般住民の交通も困難になってくる。こういう事態が発生しておるわけであります。ことに
北海道の場合におきましては、秋口になりますと、もう十月ごろから霜が降りまして、泥濘の
状態になりますので、この
道路のために、秋口の収穫によります貨物の運送等も全く困難になる。こういうような事態に直面いたしまして、すでにこの問題につきましては、大きな事件を起しておるわけであります。
昨年の八月から九月にかけまして、帯広の自衛隊は、演習場に行くために車を動かしておりますうちに、走路も町村道も破壊いたしまして、ついに昨年の九月には新得と本別の間の
道路を破壊してしまったので、迂回いたしまして、上士幌から士幌の町村道に向けてこの演習用のトラクターが動き始め、そのために道は全部破壊されて
——実はもともと自衛隊を誘致してきたという町村長に弱い
ところがあって、町村長も痛い
ところがあるから、正面切って防衛庁あるいは自衛隊の北部総監に対して強い要求ができない。こういう弱みにつけ込みまして、自衛隊は横暴の限りをしておるわけであります。そこで住民は怒りまして、町村当・局を介しても動かないし、やむを得ず
道路にバリケードを築いて、自衛隊通るべからずという立て看板を立てて阻止に当ったわけであります。そうしますと、夜中に来てそれをひっこ抜いて、また通るというような事態で、これは手元に当時の
北海道の新聞もありますので、ここでそれぞれ具体的に申し上げてもいいのでありますが、多分建設
大臣も、
北海道開発庁も、
道路局長も、この事態については御存じだと思います。
こういう大きなトラブルが起りまして、住民が自衛隊通るべからずという制札を立てたのをひっこ抜いて、そこを強引に押し切っていくという
状態で、やむを得ず住民が、再三自衛隊に向けまして、進路補修の責任追及の陳情を起して参りました。もちろん道議会も陳情を受けまして、取り上げております。こういうような
状態から、再三自衛隊に対しまして交渉いたしますと、自衛隊では、天下の公道だから通って
当りまえだ、こわれたら
道路管理者が責任を負うべきだ、こういう意見であります。この破壊されて、しかも自衛隊が全然修理もしない。しかも自衛隊の方は、二百数十億の使い残りの金も抱いておるし、きわめて不必要な
ところにまで金を投入したり、使い残りを持っているというような
状態でありながら、自分の隊の演習に、一般住民の必要な公道を破壊して、その補修の責任を負わない。しかも自衛隊に交渉いたしますと
——自衛隊との交渉に当って、発言いたしました者の名前あげても差しつかえないのでありますが、その自衛隊の者は、これは公道だから通るのが
当りまえだ、こわしたら
道路管理者がその責任を負うべきである、こういう
あいさつであります。住民と対決いたしまして、部分的には、やむを得ず、この士幌等につきましては、一部自衛隊がバラス等を入れまして、修理をいたした事実はありますけれども、これは幾ら修理をしても、またそこを通るのですから、すぐ次から次に破壊されまして、根本問題はちっとも解決されずに追いかけられております。
こういうような
状態で、地方の自衛隊が存在いたしております
ところの住民は、この問題の解決を鋭く要請いたしておるわけでありますが、
道路管理者たる建設
大臣は、この問題につきまして一体どういう
所見を持っておられるのか、どういう対策をしようとするのか。政府はこの点について
大蔵省、建設省及び防衛庁の間におきまして こういうような
北海道のケースばかりではございません。全国至る
ところにこういう問題が、大小にかかわらず、起っておりますので、こういう問題に対しまして、
道路管理者たる
大臣はいかなる処置をとられようとするのか、いかなる政府の部内統一でこの問題を解決されようとするのか、その
所見をお伺いしたいと思うわけであります。