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1957-04-05 第26回国会 衆議院 建設委員会運輸委員会連合審査会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十二年四月五日(金曜日)     午前十時四十四分開議  出席委員  建設委員会    委員長 薩摩 雄次君    理事 大島 秀一君 理事 瀬戸山三男君    理事 二階堂 進君 理事 前田榮之助君    理事 三鍋 義三君       逢澤  寛君    荒舩清十郎君       伊東 隆治君    久野 忠治君       志賀健次郎君    徳安 實藏君       堀川 恭平君    山口 好一君       中島  巖君  運輸委員会    委員長 淵上房太郎君    理事 今松 治郎君 理事 松尾トシ子君       有田 喜一君    伊藤 郷一君       中嶋 太郎君    永山 忠則君       原 健三郎君    眞鍋 儀十君       池田 禎治君    中居英太郎君       正木  清君    松原喜之次君       森本  靖君    山口丈太郎君  出席国務大臣         運 輸 大 臣 宮澤 胤勇君         建 設 大 臣 南條 徳男君  出席政府委員         運輸事務官         (自動車局長) 山内 公猷君         建設政務次官  小沢久太郎君         建 設 技 官         (道路局長)  富樫 凱一君  委員外出席者         運輸事務官         (自動車局業務         部長)     国友 弘康君         建設委員会専門         員       山口 乾治君         運輸委員会専門         員       志鎌 一之君     ————————————— 本日の会議に付した案件  高速自動車国道法案内閣提出第八一号)  道路整備特別措置法の一部を改正する法律案(  内閣提出第八〇号)     —————————————     〔薩摩建設委員長委員長席に着く〕
  2. 薩摩雄次

    薩摩委員長 これより建設委員会運輸委員会連合審査会を開きます。  案件所管している委員会委員長であります私が、委員長の職務を行います。  高速自動車国道法案道路整備特別措置法の一部を改正する法律案の両軍を一括して議題とし、審査を進めます。質疑の通告がございますから順次お許しいたします。山口丈太郎君。
  3. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 まず私は本両法律中の骨子について、道路局長からお伺いをしたいのですが、この法律ができまして高速自動車道路整備を行うことになるわけでありますけれども、その経過から見まして、この高速自動車道路建設が実際には、話題になりましてから今日までその実施が非常におくれている。聞くところによると、これは運輸省建設省の話し合いといいますか、何といいますか、それが手間取って、そのために時日が遷延されたというようなことが伝えられております。これは巷間伝えられるところによると、官庁のなわ張り争いが、そういうようないわゆる弊害を如実に現わしておるのだというふうなうわさが飛んでおるわけであります。私はこの際この法を制定するに当って、建設委員会並びに運輸委員会の両方に併記せられたということは、またそういうところから出ておるのではないかと考えるわけであります。そういたしますると、将来この道路運輸省建設省共管の形で管理せられるということになりますと、どっちつかずのいわゆる押し合いということになって、これを実行するに当って積極性を欠くような弊害が生じはしないかということを憂えるわけであります。従ってこの際それらの経過について、一つはっきりと御説明いただきたい。
  4. 富樫凱一

    富樫政府委員 お話のございましたように、国土開発縦貫自動車道建設法案が出ましてから、だいぶ年数がたつわけでございますが、この法案が長い時を要したということは、この法案によりまして縦貫自動車道をどう建設管理するかという点がはっきりしなかった点がございますので、その間の調整がとられるのに時日を要したということでございます。幸い今回建設運輸大臣のお力で協定ができましたので、この高速自動車国道法案提案の運びになったわけでございます。この高速自動車国道法案におきましては、お話のように運輸建設両省共管でございますけれども、予定路線をきめ、整備計画を立てるまで共管でございまして、その整備計画によって建設管理いたしますのは建設大臣でございます。従いまして整備計画審議会に諮られ、その決定を見ますれば、その整備計画によって建設管理を進めて参るわけでございますので、今後におきましては、共管であるために仕事がおくれるというようなことはないと考えております。
  5. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 運輸大臣がお見えになったのでお伺いいたしたいと思います。今の建設省のお答えによりますと、この高速自動車国道整備する事業を遂行するところまでは運輸省との共管、その後でき上ったものの維持、補修については、これは建設省所管にしていく、こういうことでありますが、そういたしますと、これができ上れば直ちにこれは建設省所管が移管されて、実質上は運輸省の手を離れるという結果になるのではないかと思いますが、そういたしますると、高速道路でありまするから、将来運輸省においてもこの道路を利用しての輸送計画あるいはそれに伴いまする車両整備等、適切なる措置が当然対応策として考えられるわけであります。そういたしますると、この要請に基いて道路整備等についてもあるいはまた改善を要する要求が出されることもありましょうし、実施した後に道路の改修等適宜な措置が講ぜられてこそ、その道路の機能を発揮することができるようになると思うのでありまするけれども、その場合に、建設省に全然移管されて、運輸省共管から離れるという結果になれば、これは実質運輸大臣としてはそれに対する権限はなくなってくるわけでありますから、従ってこの道路保守維持修繕等につきましては、何ら管理の意思を持って実行に移すことができなくなるという結果になるのですが、一体どういうふうにお考えになりますか。でき上った後にも運輸省意見が出れば、これは適当なる機関を設けて、その協議を待って行い得るように措置する考えでありますか、その点を一つ
  6. 宮澤胤勇

    宮澤国務大臣 これは建設省所管でありますけれども、実際問題としては道路公団管理をさせるのであります。従って道路公団管理後における所管はなるほど建設省ですが、ただ料金の問題はすべて運輸省と共同できめなければならぬ。料金の問題に関してはその先とも同様な形です。設計をして工事に着手するまで両省協議して、あと管理公団でいいのではないか。ただ料金に関する限りは、料金は全体の輸送運賃に関係しますから、運輸省と両方協議するということになって、主として運輸省考え方料金には重きをなす、それで大体の運用はいいのではないかと考えております。
  7. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 質問に対する答えが少し先にいって、私の尋ねんとしたことを先に答弁されたわけですけれども、問題は道路を利用する、いわば需要者の場合——適切な料金設定またその料金収益によりまして、道路の適切なる管理方式協議して決定していく、こういう場合に、やはり需要考の側に立って考えるわけにも参らないし、あるいは供給する側に立って料金設定をしていく、こういうことではこの道路の行政はばらばらになって、常にそこに争いとまではいかなくとも、運営に非常な円滑を欠くような事態が生じはしないか。またその収益を運用するに当りまして、その活用の方法等についても非常な意見の食い違いを来たすようなこともないとも言えません。こういう点について運輸省並び建設省はどういうふうにお考えになるか。これについてただ公団にまかすとか、あるいはその後運輸大臣意見によって建設省へ連絡するとかいうようなことでは、どうも私はその協議の場というものが完全に行われるとは考えられません。従ってそういう協議の場というものを一体どういう機関でお持ちになるか、これはこの道路を将来運営する上にきわめて重要問題であろうと思いますから、一つ両省からその見解を御披瀝願いたいと思います。
  8. 宮澤胤勇

    宮澤国務大臣 今の御心配の点ですが、なるほど考えてみればいろいろなことが起りましょうが、とにかくこの自動車道路については従来建設運輸両省所管の問題からなかなか事が運びませんでしたのが一応ここまできて軌道に乗った、こういうふうに考えておるのです。それから後の非常にこまかい今のようなお話の点になると、大体やってみなければわからぬ点も出てくると思うのでありますが、今のところはおよそ想定してこれならいける、それから事実上道路公団有料道路で取っていくのですから、料金の問題もその一般運賃とそれから建設費償却していく分と見合って公正なものを作っていくという点で、これは大した問題なくでき上るのじゃないか。ただいまのお話は、その後の管理もしくは経営に関して、運輸省も何とか権限がなくちゃいかぬのじゃないかという点だと思うのですが、自動車交通の上からこの路線支障を来たすといえば、運輸省からも意見を出して、その意見建設省において考慮してもらえばそれでいける、こう考えております。
  9. 小沢久太郎

    小沢政府委員 ただいま料金の問題でございましたけれども、この料金の問題は建設する費用だとかその問題もファクターに入ります。それからまたあまり高い運賃では困りますから、公正妥当な点をきめまして、それから償還年限をどうするかということも運輸省協議をいたしましてきめますから、そういうトラブルの起きることはないと思います。  それから先ほど来問題になりましたこの高速自動車国道ができてからのあと運営管理の問題でございますけれども、建設省の方といたしましては、これを建設管理するということは建設省の方の任務でございますが、運輸面の方でこれをどうするということは運輸省の方の権限でございまして、決して建設省が専断にこれをやるということはありませんで、運輸省運輸省として運輸の面からこれを監督してやるというふうになっておるわけでございます。
  10. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 さらに私はこの道路維持等に関してお伺いをいたしたいのです。利用者負担に関してでありますが、今までとられて参りました政府政策を見ておりますと、たとえば今回問題になりましたガソリン税あるいは軽油引取税というような税を目的税として設定をいたしますと、あたかも道路保守修繕はそれを利用する、ガソリンあるいは軽油を使用して動かす、道路を使用するその者のみの責任であるかのような、いわゆる政府態度が、国の全体的な交通という面からの社会的責任を、どうも利用者のみに負わせて、道路保守なるものが、この自動車道利用者にのみ責任があるかのごとき態度で、実際には道路整備五カ年計画に基いて設定せられましたこのガソリン税軽油引取税にいたしましても、政府がその目的税を創設しましたときに、いわゆるこのガソリン税による五カ年計画予算のうち、五五%はガソリン税によってまかない、あとの四五%は政府のいわゆる一般会計から補充して、これで道路整備を行なっていくのだ、こういうことで、たしかガソリン税は創設せられたと思います。しかし今日まで政府の支出した金額を見ておりますと、政府の金は本年度までにわずかに八十六億程度にしかすぎません。それに対しまして、ガソリン税を本年度予算通りにいたしますと、軽油引取税を含めますと、すでに四カ年間で五カ年間に徴収する予算の総額を上回る額、今詳細な資料を持っておりませんが、たしか百六十億以上の金がすでに本年度のこの税金の改正等によって業者からは徴収せられておる。こうなりますと、私の言ったように、道路整備はあたかもそのガソリンやあるいは軽油を使用して、そして運送に従事しておる者のみの責任のようになってしまう。そういうような従来からの政府態度でありますから、従ってここで高速道路を作って、これを利用せしめる、こういうことになりますと、またまたその通行料金をどんどんと値上げして、この国道保守修繕はあたかもこれを利用する者のみの責任に帰するというような、そういう政策がとられないかということを非常におそれるわけであります。これを利用いたしまして、なるほど直接的に利益を得るものはそれを通行する通行者でありましょうけれども、その通行者を利用して利益を得るのは全体の国民であります。また全体の国の経済でありまして、従ってそれはここに提案理由として述べられておる通りでございます。私はそういう見地から考えますと、この道路を利用いたしまして、そして運行に従事いたしまする業者負担なるものが以上申し上げたようなことになって参れば、大へん当初の建設計画趣旨とは反することに相なるのでありますから、これについては十分なる両相の計画といいますか、信念といいますか、それがなくてはならぬと思います。この点について、将来のことではありますけれども、さしあたり今どのようにこれをお考えになっておるか、一つこの点は、特にこの際重要でありますから、はっきりと一つ見解をお述べいただきたいと思います。
  11. 宮澤胤勇

    宮澤国務大臣 私はただいまお話の、この間からガソリン税の問題で議論になっておりますあれは、むろん一般道路の話なんでありまして、この高速自動車道路は、初めから一般道路とは違って、料金によってまかなっていくという建前で、従って利用者だけのために、つまり一般道路国民全体、これは建設省で直接国道なり、府県府県でやっております。これは特殊の用途に充てるので、問題は、道路公団管理しておって、いつまで管理しておくか、たとえばアメリカあたりでは、御承知通り大体二十五年くらいで元を取ってしまって、それから後は全部無料にしてやっております。道路公団が持っておる間は料金を取らせる。そうすると残る問題は、その有料道路だけはペイしてしまつたけれども、それから上るものでまた次の道路建設していかせるか、あるいはそれはいかせない、現在のように国家資金の援助によって道路公団はすべてやらしているのですから、——国へ戻すときには無料になっておるのですから、国へ戻してから後は、国が修繕管理します。けれども、その戻すまでの間は、道路公団が上ってくる収益から全部保守もしていく、管理もしていく。大体二十年か二十五年でやっていく、こういう建前ですから、この点だけは一般道路とうんと違っておる、こう思うのであります。
  12. 南條徳男

    南條国務大臣 この高速度自動車道についての管理方式その他につきましては、今運輸大臣の御答弁通りでありまして、この高速度自動車道道路公団をして管理せしめ、有料で作るわけでありますから、その利用者から料金を取ってまかなうのでありますが、大体二十年か二十五年間、その年限は政令できめますが、償還ができた場合は、その道路は国に戻すということが建前であります。現在公団がやっております有料道路はすべてそうであります。今度できます高速自動車道も、その方式で実施しようということであります。御了承願います。
  13. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 償却済みのものは国の所有に戻す、それは大へん私はけっこうなことだと思うし、ぜひそうしていただきいと思います。ただ問題は、その償却期間を二十年なら二十年、あるいは二十五年ときめまして償却するとして、その償却のためのいわゆる通行料金の徴収ということになるわけでありますけれども、その通行料金設定の仕方が問題だと私は思うのです。もちろん建設したものを償却して参ることは、これは一般方式としては当りまえでありますけれども、少くともその支払われる償却金なるものを、言いかえると償却責任というものを利用者にのみ負わされていく、こういうことでは、私はこれを翻って考えると、その二十年なら二十年の償却期間内において利益を得る者は、これを利用する者だけじゃない。直接に通行する者だけが利益をするのではなくて、これを通行者が利用することによって、利用している者も大きな利益を得ることになるのであるから、従ってそこに公共性を有するということが私は言い得ると思います。またこの道路建設に当って、その国の経済開発ということが大きな目的設定せられるのでありますから、そうなりますると、その償却期間内におきましては、これは当然利用する者とそれから間接的にその利益を得る者との一般利益責任分担というところから、通行者利益というものの価値判断がなされて、そうしてその料金設定されるということでなければ、今のガソリン税のようにまたまた負担を増大する結果になる。こういうことになりますと、ひいてはまたそれが運賃やその他の面に非常な負担をかけることになる。あるいはこれを利用して行う企業者自体企業経営も至るところで危機に瀕する状態が生まれる。従ってこの通行料金設定の基本というものは、これはきわめて重要な意味を持つものでありますから、この際その通行料金設定計画等についても、十分なる資料と検討をされた後に、その計画が実施されるものと思うのであります。従ってその通行料金等設定計画がおありになれば、この際それを一つ明らかにしていただきたい。もしそれが明らかになれば、その設定せられまする料金についての根拠をもはっきりお示しを願いたい、かように考えます。
  14. 山内公猷

    山内政府委員 この自動車道に対しまする料金をどう設定するかといいますことは、そのルートがはっきりきまりまして、そこに通行する車両数がはっきり出まして、その結果出るわけでございまして、運輸省建設省といたしましても、この料金をどう設定し、どういう取り方をするかということにつきましては、今後この整備計画並びに建設計画に伴いまして、詳細なるデータをとりまして決定しなければならないわけでございまして、運輸省におきましても本年度調査におきましては、そういった経済調査というところに最重点を置きまして、これから調査をいたす段階になっておるわけでございます。まだこの道路の開通いたしますのは本年ではなく時間がありますので、われわれといたしましては十分時間をかけまして、適正な料金を算定するように努力いたしたいと思っております。
  15. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 さらにもう一点お伺いしたいのは、これが通過後第一次に着手せられるところは、どこからどこの区間を計画せられておるのですか。
  16. 南條徳男

    南條国務大臣 三十二年度予算に計上しております高速自動車道予定路線は、名古屋—神戸間がこの縦貫道の一環として今度提案されております約三十億でありますが、その他道路公団で新規に三十二年度予算計画いたしております路線が相当ございます。今までの継続のものもございます。これはすべて有料道路でありますが、高速自動車としては名古屋—神戸間が今度初めて計画される路線であります。
  17. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 その名古屋—神戸間の第一着手路線として指定せられたこの路線は、何年計画で完成するという計画ですか
  18. 富樫凱一

    富樫政府委員 名古屋—神戸間に本年度から着手するということは、ただいま大臣から申された通りでありますが、これを何年間に完成するかということでありますが、用地問題に相当時日が要るのではないかと予想しておるわけであります。仕事量そのものとしましては、三年くらいの量でございますが、旧地問題がからみますのではっきりお答えできないわけでございますが、私どもとしましてはここ三、四年の間に完成いたしたい、かように考えております。
  19. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 聞くところによりますと、この計画を実行するのに当って、今言われたように用地問題の解決の成否が、この計画計画通り実行させるかどうかということにかかっておる、私はこういうふうに考えて、きわめてこの用地の問題は重要な問題と考えております。またその通適地というものもきわめて重要な問題であります。聞くところによると当初計画されたこの通過予定地を、変更または計画がえをしなければならないという事態に陥るような動きが示されるようなうわさがすでに出ております。それからまたその計画路線にあります用地買収等についても、すでにそれを阻害するような動きがあるとも伝えられております。こういうことはきわめて遺憾なことでありまして、これが円滑なる計画の遂行は、こういうような動きを排除していくという強い決意が必要だというふうに考えるわけでありますが、これに現在どう対処されておるか、またどういう決意をもって打開していこうとされますか、一応承わりたい。
  20. 南條徳男

    南條国務大臣 ただいまのお話は、具体的な個所の御指摘が、ございませんけれども、用地買収についてそういううわさがある云々とおりしゃるのは、名古屋—神戸間の路線の上で、岐阜県寄りの大垣付近あたりの農家がいろいろなそういう点についての反対陳情をしておるということは承わっておりますが、これにつきましては十分地元関係者の方々にお願いをして、この支障を除去するような方法をとっております。また明年から始まりますのは、とりあえずは大津から神戸間を始めるわけであります。従って大津—名古屋間はもっとおくれますが、明年から始まります用地買収につきましては、さほどの抵抗はないわけでありまして、できるだけ、用地補償などするものもありますけれども、大体今のところそういう強い抵抗はないように聞いておるのであります。
  21. 山口丈太郎

    山口(丈)委員 ただいまの建設大臣答弁はきわめて適切な答弁であると考えて私は安心をいたしますが、さらにこの点につきましては特段の御配慮をいただいて、そうしてそういうような障害はないように、この計画を遂行するに当っては、そのときになっていろいろの問題を起しては、非常にこの計画支障を来たすわけでありますし、あらかじめ予測せられる事態については、そのときに当って解決するのではなしに、当初から極力その摩擦を避け、適切なる措置を講ずるように、今からの配慮を特に希望いたしたいと思います。私はこれで終ります。
  22. 薩摩雄次

  23. 瀬戸山三男

    瀬戸山委員 私は前に建設委員会で、私が重要な点だと考えておるところは質疑をいたしたのであります。実は建設委員会だけの質疑をと思っておったのでありますが、ちょうど運輸大臣もおられますので、幸いだと思い、ますから、政府考え方を聞いておき、たいと思います。というのは、この高速自動車国道法案を出されて、全国的な高速自動車道路網を作ろう、こういう計画でありますが、それと関連してこの東京都内——東京都内というわけではありませんが、東京都と東京都以外の連絡をする高速自動車道、私はこれは非常に急がなければならぬのじゃないかと思います。私が御説明申し上げるまでもなく、自動車からスクーター、オートバイ、三輪車、乗用車、トラック、各種のいわゆる輸送機関混淆交通で、正直なところ窒息状態のような格好になっております。これは交通安全からいっても、輸送の能力からいっても、非常に非能率的になっておることは御承知通りであります。でありますから、全国的な高速自動車道路網ももちろんやらなければならない、けっこうなことでありますけれども、大動脈の建設はすでに一部はかかることになるからけっこうでありますが、そういうものとつながる、一番逼迫しておる東京都内の外界とつながる高速自動車道、これは非常に緊急なことに私は考えております。この問題について、今日どういう考えを持っておられるか、建設大臣運輸大臣がちょうど幸いおられますから、この際承わっておきたいと思います。
  24. 宮澤胤勇

    宮澤国務大臣 ごもっともな点でございますが、大都市の高速自動車道路は非常に必要であるけれども、また非常に困難なことは、何といっても土地の買収道路用敷地を得るということが非常に困難であります。たとえばこの中央道にしましても、審議会において今度御決定を願うのですが、八王子から先は東京都においても一応めどがつくが、八王子辺から都内に、どの辺から持ってきたら道路敷地が手に入るかということは、非常に困難であります。また非常な耕地と住宅地とを端からつぶす。従って東京都の交通計画は、地下鉄によることに都内はいたします。御承知通り国鉄と地下鉄を中心として、それにその他の道路で一応の計画は立っておりますが、今瀬戸山さんのお話東京と近郊とを結ぶということは非常に困難で、たとえば今度水戸の方の原子力の東海村あたりの連絡も、私どもとすれば自動車の専用道路を作ったらいいと思いますが、やはり混合道路でいくでしょう。普通の一般道路でいかざるを得ない。おのずから今持っているものを補強していく。新しい道路で耕地、平坦地をつぶすということは非常に困難であります。それで中央道の特徴は、つぶした約二十倍以上の耕地ができることでありますが、しかしそれが同じところにできないで、少し違ったところにできるというところで困っておるのですけれども、いい耕地だけでも、つぶす耕地の約二十倍以上できる。それが中央道なので、割合に道路敷地の問題が楽にいける。これを都会の耕地をつぶしていくということになると、今お話の滋賀県あたりでも、ちょっと山に寄らなければ、むしろ旗を立てて中央道をやらせないというので、山寄りにしてようやくやっていくより事実上の問題としては仕方がない、そういうことですから、自動車専用道路東京から四方に出すということは非常に必要なことでありますけれども、これを高架にすれば、下を住宅にでもすればできるかもしれませんが、非常に金がかかる。そういう問題で非常に困難だけれども、何とか道をつけていかなければならない。第一中央自動車道路がいよいよ二、三年のうちにできてくるときに、八王子から都心へどこへ持ってくるかということが非常に大きな問題になってくるわけであります。そういう点でいいことではありますけれども、今直ちに専用道路によって都心からあちこち結ぶということは非常に困難であります。ごく都内の問題は、御承知通り地下鉄を縦横に作って、国鉄と地下鉄を結んで、郊外電車を地下鉄に乗り入れさせて緩和するということでやっておる。貨物は全部鉄道によるというような計画でいっておりますが、この点が非常に、これからの問題であるわけであります。
  25. 瀬戸山三男

    瀬戸山委員 都内高速自動車道路を作ることは非常に困難だということ、これはよくわかるわけでありますけれども、これをこのままにしておいたのでは、自動車は全然交通の用をなさないという実情ですから、その困難を押し切ってやるという大きな政治が私は必要だと思う。それで御承知のよりに首都圏整備委員会では、都内における高速自動車道路網計画を立てて、路線決定と申しますか、進む道をきめておるのであります。どのくらいになりましょうか、四十キロか五十キロくらいになると思うのでありますけれども、やはりこういうものは困難ではありますけれども、すみやかにやらなくちゃならぬ御承知通り状態であります。地下鉄ということはもちろん将来大いにやらなくちゃならないことでありますけれども、しかし地下鉄と自動車道路とは全然趣旨が違うわけでありますから、今首都圏整備委員会で案を立てておりますあの高速自動車道でも、これはやはりすみやかにやらなくちゃならない。その点について将来考えると言っておられましたが、私はどうも将来を待っておる時代ではないと思うのであります。そこでこれを深く御質問とか議論をするわけではありませんが、あれをやる場合に、今の道路公団でやらせるかどうかということは非常に問題だと思います。これは東京都が一部やるという考え方もあるでありましょうが、私はこの際、これは全国の高速自動車道路網を作る以上に重要で困難な問題だと思っておりますから、特に相当の資金をつぎ込んで一つの国家機関として、そういう道路網を整備するだけの機関を作ってやるくらいの方策を講じなければ、道路公団の今の状態で困難な東京都内高速自動車道路網を作るということは、なかなか事実上困難であります。今運輸大臣の言われましたように、特に困難な事情でありますから、しかもこれは一日も早くやらなくては解決のつかぬ問題であるので、強力な特別な機関、それだけの専門の機関を作って、これを実施するということが非常にいいのではないかと考えておりますが、今直ちにどうするこうするという結論をここでお尋ねするわけじゃありませんけれども、そういうことについての所信を伺っておきたい。
  26. 南條徳男

    南條国務大臣 首都圏整備委員会の方で、東京都内交通路線につきましてはいろいろな案があるのであります。先ほど運輸大臣が話されました地下鉄による面もあり、また高速度自動車によってやってほしいという面もあります。その路線の内容は政府委員から答弁してもらいますが、三十二年度予算にも、一応道路公団がこういう路線をやりたいというので、予算の要求もあったのがありますけれども、今年は他の方の新規や継続が多いために、その分は一応取りやめてありますけれども、将来はこの路線などはぜひやらなければならぬということも考えておる次第であります。その他先ほど申されました通りに、用地買収等が簡単に済むような場所については、できるだけそういう方向に進めていきたい、こう考えておるようなわけでございます。今道路公団で大体予定しております路線については政府委員から……。
  27. 富樫凱一

    富樫政府委員 ただいまお話の首都圏整備委員会で一応勧告しております線は、お話のように四十五キロ程度に上っております。ただいま道路公団では調査事務所を設けまして、専門にこの調査に当ることにしておりますが、本年度内におきまして、この調査をある程度格好をつけようということで進めておるわけでございます。その調査に基きまして将来どういう計画にするかは、その上で検討いたしたいと思っております。
  28. 薩摩雄次

    薩摩委員長 前田榮之助君。
  29. 前田榮之助

    ○前田(榮)委員 ただいま議題になっておる高速自動車国道法案に関連いたしまして、建設大臣にはいずれお尋ねする機会がございますので、きょうは運輸大臣にお尋ね申し上げたいのでありますが、建設運輸大臣が非常な御苦心をされまして、従来のなわ張り争いといいますか、セクショナリズムのためにいろいろな困難なことがあったものを、ようやく御相談がまとまって、その結果の一つとして高速自動車国道法案提案を見るような機会になったことは、日本の道路交通の上からいって大へん喜ばしいことだと思います。  そこで運輸大臣に、これに関連してお尋ね申し上げておきたいのは、日本の輸送の関係は、陸上においては鉄道によるか、あるいは自動車運送によるか、しかもまた両方によるべきであるけれども、将来どちらに重点が置かれるようになるか、これは運輸政策の上から重要な関係だと思う。またその方針のいかんによって、また道路計画等は画期的な計画を立てなければならぬ関係にもなると思うのであります。そこで現在の国鉄は、私の目から見ますると、もう現状では行き詰まった状態になっていはしないかと思うのであります。ことに日本の幹線の今日の交通量から見ますと、ちょっと何事かありますというと常に、客の輸送はもちろんのこと、貨物の輸送でも渋滞を来たす状態であります。従ってこの将来の改善を行うといたしますれば、現在の狭軌を広軌にするか、あるいは複線を複々線にするか、これ以外に私はないと思う。しかしながら、それが可能か可能でないかということになりますると非常に困難でありまして、これをもしきわめて困難といたしまするならば、私は道路輸送に重点を置くべき時代がきておるのじゃないかと思う。将来の日本の道路政策は、少くとも道路輸送というところに重点を置いて政策を立てるべきじゃないか。このことは同時に、日本ばかりでなしに、世界の趨勢であるとも思うのでありますが、運輸大臣の御所見はいかがでありましょうか。
  30. 宮澤胤勇

    宮澤国務大臣 御質問の御趣旨の大体はその通りでありまして、国鉄はある意味からいえば行き詰まっておる。現在大体貨物輸送の五割五分くらいは国鉄、その他は船舶、自動車その他でやっております。今のお話の国鉄自体として複々線にする場所と、それから今単線のところを複線にして、そうして輸送力を増すということは、必要に応じてやらなければいかぬと思いますが、その以外の点は自動車交通によってできるところは自動車にしていかなければならぬ。場所によれは線路をはずして自動車にした方がいいというようなところも出てくるかもわかりません。そういう例も、五月ころ一つ白河の方にできております。そういうわけで大体道路さえできてくれば、自動車で行けるところは自動車輸送の方に移っていく方がいい。ただ外国は御承知通り、ほとんど鉄道は貨物、乗客はほとんど自動車ということになって、日本のように乗客が鉄道を利用しているところはありませんが、これもだんだんそう移っていくと思うのでありまして、その必要に応じて——何しろ日本の道路は悪いものですから、そうして鉄道々々と言われますが、その必要に応じて、やはりその方へだんだんいく傾向にありますから、これは政府として、どれを主力、方針としていくということはありませんが、鉄道になるべくよらないで、できるだけ自動車その他の交通機関によっていく方がいいということだけは明らかだと思います。
  31. 前田榮之助

    ○前田(榮)委員 大体のお考えがわかりましたので、その点は了承するのでありますが、たとえば複々線の問題にいたしましても、京阪あるいは京浜というような地域は、これはもちろん特殊なところであります。全国の幹線というものの観点からお尋ねいたしたのであります。  そこでその次にお尋ね申し上げたいのは、道路という一つの観念であります。従来は道路といえば、人間が通り荷馬車が通るという感覚であったが、近代的道路というものは人間が通り荷馬車を通すとかいうものではなく、機械で利用するというもの、これが近代的道路だと思う。従って高速自動車道というものが生まれてくるわけですが、これが運輸省建設省共管になっておる。これは最初申し上げたように非常に御苦心の結果でありますが、もう一歩百尺竿頭を進めて、運輸省建設省の専管におまかせになる御意思はないだろうか、私はこう考えるのです。それは道路運送等の関係から言いますと、輸送の関係は運輸省だ、これは当然である。従って、高速自動車道料金を取るということでありますが、料金の問題は何も運輸省が関係しなくても、ただ輸送の関係の料金、こういう関係が私は重点であろうと思う。道路公団がやっております有料道路のうちでも、たとえば関門あるいは西海橋、江ノ島の道路など、いろいろなところがたくさんありますが、これは何も運輸省輸送の関係でどうこう言うのじゃなし、ただ道路整備する費用との関連で料金がだいぶ……。それにあわせて輸送料金にいかなる影響があるかという関係で、運輸省が関係されるべきである。この高速自動車道がかりに名古屋—神戸間、また進んでは東京—大阪間にできましても、道路の上を交通するところの自動車、トラック等で輸送する輸送料金との関係は、運輸省が専管であって、これは建設省があまり文句は言わない方がいいし、私は言うべきでもないと思う。ただ道路整備のために作ったところのものの関係から起る交通料金ですから、交通料金建設省におまかせになって、運輸省の関連するものは運輸省がやるという建前に立ちますと、近代的道路は——道路建設省である、しかも近代的道路という感覚をお認めになるといたしますならば、むしろ百尺竿頭一歩をお進めになって、高速自動車道共管などと言わないで建設省におまかせになった方が、私は行政がすっきりした形になるのではないかと思うのですが、運輸大臣の御所見だけをお聞かせ願いたいと思います。
  32. 宮澤胤勇

    宮澤国務大臣 大体において今の行政機構の根本からですが、行政機構の根本は、運輸という輸送の面は全部運輸省がやっておるのでありますが、その建前を変えていけば今のお話でよい。しかしこれはその建前を変えるほど飛躍して建設省に一切おまかせする。実際当面の問題としては運輸省としてはほとんど運輸行政の最小限の範囲にとどめて、あとをおまかせするという、これは一つの行き方を示したのですが、たとえば自動車、トラックにしろ、その他の交通にしろ、バスにしろ、輸送機関というものは今——これはよいか悪いかわかりませんが、運輸省が全部所管している。そして今までは自動車の専用道路というものは全部運輸省の専管であった。それをここまで飛躍して、ただ計画だけで一つ御相談に乗りましょう、あとはどうぞ一切おやり下さい、こういうのですから、今の行政組織の上ではもう清水の舞台から飛びおりたくらいのことをやっておりますので、一つこの上は行政機構を変えていく、たとえば交通省でも作ってどうするとかいう問題の場合でなければ……。こう考えております。
  33. 前田榮之助

    ○前田(榮)委員 従来の道路観念からいたしました場合における道路と、それからいろいろな輸送という関連においては、今運輸大臣がおっしゃることが理論的だと私もそれは考えております。しかしこの問題はすでに大体の方針が成立いたしておるので、ただこの点だけにとどめておくのが適当だと思いますから、この点だけにとどめておきます。  なおもう一つお尋ね申し上げたいのは、この高速自動車道路法案の中に、いわゆる自動車とはという問題なのでありますが、この定義は道路運送車両法によることになっております。そうすると道路運送車両法においては単車である、自転車に機械のついたもの、これは自動車の部類に入っておらないのであります。従って今度高速自動車道ができましても、オートバイ等の単車はこの中に入れぬことになっておると思う。しかしながら近代的機械科学の進歩した今日において、単なる小さい一馬力や二馬力程度のエンジンをつけた自転車であるなら、これはじゃま者だから困るじゃないかということは成り立つと思うのですが、相当大きいエンジンをつけて相当馬力のある、速力も百キロ以上百四、五十キロも飛ばせるようにできておるものを——道路運送車両法には適当だと思うので、この点は私は異論ないのですが、これをただ高速自動車道法案にこのまま取り入れてある点は、ちょっと適当でないのじゃないかと思う。高速度自動車道は高速度であるというところに重点があるのだから、高速度で、他の一般自動車交通に差しつかえのない速力を持ったものは通すべきじゃないか。一般自動車でも今日あるような二十キロ、三十キロ、五十キロ以内を飛ばすこともできぬような貧弱なものは、むしろ通してはいけないはずなんだ。だから、道路運送車両法にいう自動車という観念でなしに、ほんとうに高速自動車という上からいきますと、単車であろうと何であろうと、馬力で制限するのかあるいは速力で制限するのか、実際立法上なかなか困難であると思いますが、その点高速自動車という観点から、道路運送車両法のいう自動車ということを変えたらいかがなものかと思うのですが、運輸大臣、いかがですか。
  34. 山内公猷

    山内政府委員 高速自動車道の低速度の交通機関が入りますことは、非常に交通の効果を阻害するのじゃないかという御質問の趣旨だろうと思います。この問題につきましては建設当局とも私どもも、事務的にも技術的にも相談をいたしております。と申しますことは、この高速自動車道ができまして管理をいたします場合に、現在の道交法におきましては最高速度がハイヤーの場合で六十キロというのが、日本の最高速度になっております。こういう最高速度この高速自動車道運営されるということはわれわれ考えておりません。諸外国の例によりますと、大体平均速度八十キロ、と申しますとどうしても百二十キロぐらいの最高速度になります。それで日本の車両全般の問題になるわけでございますが、御承知通り日本の車両が最高速度六十キロで押えられておりますために、そういうエンジン・パワーの大きい車を作りましても実用的でないという点がありまして、現在全体的に車のエンジンがそう強くなっておりません。それでわれわれといたしましては、この点は十分通産省ともあるいは業界方面とも連絡いたしまして、当初一体何キロで走らせるかといいましても、なかなか全体の交通がそうなっておりませんので、われわれは段階的にこれを上げていくということでないと、また利用車両が少くなります点も考えまして、この点は詳細な調査をいたしたい、かように考えております。この点につきましては法律あるいは政令でそれをはっきりきめた方がいいのかと申しますと、今言いますように、段階的に上げていきますことによりまして、果してその利用が十分妥当であるかどうか、技術の進歩、いわゆる輸送状態において相当変えていかなければならないということを考えますので、道路公団がやります場合の供用規程によってやったらいいかという点につきましては、将来十分に考えまして、御趣旨のように非常に低速度のものが走ることによりまして交通が阻害されることのないように、まだ日がありますので研究を進めて参りたいと思います。この点は各方面に連絡をしてきめなければならないことでございまして、本席で何キロぐらいあるいはエンジン・パワーどのぐらいがいいかというお話は、まだできかねる状態でございます。この問題につきましては十分慎重に調査いたしまして、遺漏のないように、この道路ができますまでにきめたい、かように考えております。
  35. 前田榮之助

    ○前田(榮)委員 自動車の速力の点も今御答弁になったようなことで、いろいろ調査研究されて適当に行うということについてはいいと思うのです。ただこの法律の中にはっきりときめられてあるものは、オートバイは通してはならぬということになっておる。これははっきりそうなっておると私は理解しておるのですが、そうだとするとオートバイはそんな高速度を通せるようなものを作っても、何にもならぬということになるわけなんですが、それが適当かどうか、将来そういうものができた場合には、それをこれに加える意思があるのだというならば、さしあたりはこれで仕方がなかろう、こういうことで私も納得するのでありますが、はっきりここで区切りがついておるわけですから、私はお尋ね申し上げておる。
  36. 山内公猷

    山内政府委員 この車両法にいいますところの自動車といいますものは、二輪車も三輪車も四輪車も入っておるわけでございまして、エンジン・パワーが二百二十五CC以上のものは全部車両になっております。常識的に考えられておりますところのいわゆるオートバイは、車両法にいう車両ということになっておるわけでございまして、この中で常識的にはずされると思われますものは、自転車にエンジンをつけておる車両がございますが、ああいうものは入りません。大体市場にモーター・バイクといわれるものまで車両法に入っておりますために、私どもの方といたしましてはそういうものが入ってはまだちょっと困るのではないかという気を持っておるわけでございまして、車両法上の車両は大体モーター・バイク以上のもの、技術的に申し上げますとエンジン・パワーが二百二十五CC以上のものは全部含まれておるわけでございます。
  37. 前田榮之助

    ○前田(榮)委員 そこでお尋ねするわけですが、自動車を通すということになっておりますから、運輸省見解は日勤車とはあながち三輪車でなければならぬ、四輪車でなければならぬというわけではないのですね。二輪車でも自動車と同じ力のあるものならばいいというお考えなんですか。
  38. 山内公猷

    山内政府委員 この法律そのもので御説明を申し上げた方がよろしいと思いますので読ましていただきますが、この道路運送車両法の第二条の第一項では、「この法律で「道路運送車両」とは、自動車、原動機付自転車及び軽車両をいう。」第三項で「この法律で「原動機付自転車」とは、運輸省令で定める総排気量又は定格出力を有する原動機により陸上を移動させることを目的として製作した用具で軌条若しくは架線を用いないもの又はこれによりけん引して陸上を移動させることを目的として製作した用具をいう。」こうなっておりまして、第二項では、「この法律で「自動車」とは、原勅機により陸上を移動させることを目的として製作した用具で軌条若しくは架線を用いないもの又はこれによりけん引して陸上を移動させることを目的として製作した用具であって、次項に規定する原動機付自転車以外のものをいう。」とありまして、ただいま読みました第三項の原動機付自転車以外のものは、全部自動車であるという規定をしてあるわけでございます。
  39. 前田榮之助

    ○前田(榮)委員 原動機付自転車とあるから、つまり二輪車は原動機付自転車と総称されるのじゃないですか、それとは違うのですか、その点をはっきりしてもらえばいいのです。
  40. 山内公猷

    山内政府委員 それに対しまして省令が出ておりまして、ただいま御説明いたしましたように、二百二十五CC以上のものはこの第二項でいう原動機付自転車以外のものであるという規定をいたしておるわけであります。それで先ほどから常識的に御説明いたしましたように、いわゆるモーター・バイクというようなものは自動車の部類に入る、一般の自転車に原動機をつけておるようなものは、この原動機付自転車になるわけでございます。
  41. 瀬戸山三男

    瀬戸山委員 少し事務的な問題ですが、道路局長に聞きたいのです。第八条、いわゆる兼用工作物の管理の規定ですが、これは簡単なことですけれども、今の道路法の第二十条の規定と多少異なった内容が規定されております。このただし書きには、「他の工作物の管理者が私人である場合においては、当該高速自動車国道については、修繕に関する工事及び維持以外の管理を行わせることができない。」とある。私がお尋ねしておきたいのは、第八条の兼用工作物というのは、高速自動車道のときには、どういうのが普通にあるか、また私人がやるときに、道路法の場合には建設その他もやらせるようになっておるのですが、そういう区別をされたのはどういうわけか、この点をお伺いしたい。
  42. 富樫凱一

    富樫政府委員 ただいまお尋ねの第八条の兼用工作物の件でございますが、この兼用工作物といたしましては、河川の提防あるいはダムを考えておるのであります。それでこの高速国道におきましては、新設というようなことは、これは他の工作物の管理者にはやらせることができないわけでございますので、ただ維持あるいは修繕に関することだけをやらせるということにいたしておるわけであります。
  43. 瀬戸山三男

    瀬戸山委員 そうすると、高速自動車道は非常に重要な、高度の技術といいますか、そういう関係があるので、普通の道路法上の道路、現在の道路とは違うから、そういう取扱いをする、こういうことですね。
  44. 富樫凱一

    富樫政府委員 その通りであります。
  45. 瀬戸山三男

    瀬戸山委員 第十条の交差の方式でありますが、道路、鉄道、軌道云々とあって、これは立体交差にしなければならない。これは当然でありますが、このいわゆる道路というものは、非常に広範にあるわけです。町村道等もこれは道路なんですが、これは大へん多いだろうと思うのです。これは制限規定ですから、そういうものを全部立体交差にするということなんでしょうな。
  46. 富樫凱一

    富樫政府委員 趣旨は全部立体交差にするという趣旨でございます。
  47. 瀬戸山三男

    瀬戸山委員 高速自動車国道ですから、けっこうなことですが、町村道は相当なものだと思うですが、これは全部間違いなくやるという趣旨ですか。
  48. 富樫凱一

    富樫政府委員 これはやはり町村道、その他農道につきましても全部立体交差にする考えでございますが、ただ立体交差にいたします場合に、全部高架にしなければならぬような場合は別といたしまして、その他の場合におきましては、ある程度農道、町村道はしぼりまして、適当な間隔で立体交差にしていきたいという考えでございます。
  49. 瀬戸山三男

    瀬戸山委員 もう一つ簡単なことですが、第七条に、整備計画決定された場合には、その計画図面を一般の縦覧に供しなければならない、こういうふうになっておりますが、これはどんな方法でやられるのですか。日本全国を突き通るものを、どこにどういうふうにして一般の縦覧に供されるのですか。
  50. 富樫凱一

    富樫政府委員 図面を一般に縦覧に供しなければならないわけでございますが、これは主として県庁においてこの図面を縦覧に供する考えでございます。
  51. 瀬戸山三男

    瀬戸山委員 次は第十四条の規定ですが、特別沿道区域内の制限、これは政令によるということにな。ておりますが、大体どういうことを予定されているか。これは私権の制限でありますから、大体のことを聞いておきたい。
  52. 富樫凱一

    富樫政府委員 高速自動車国道に吹きましては、特別沿道制限をいたすようになっておりますが、これはごくしぼって考えておりまして、こういう制限区域はそうできないように考えて去るわけでございますが、制限しなければならぬところは主として曲線部でございます。曲線部の内側等に建築物ができますと、見通し距離がなくなりますので、こういうところに限って制限していきたいと考えておるのでございます。なおただいま予測はできませんが、将来におきまして道路交通支障があるような建築物等も予想されるわけでございますが、そういったものを制限いたしまして、特別沿道区域内にそういった建築物を設けないようにいたしたい考えでおります。
  53. 瀬戸山三男

    瀬戸山委員 こういう場合、どうなんですか。多くの場合、どうせ山の中を通るのでしょうから、二十メートル以内の植樹をどうするか、木を植えられるのか、木を切るのか、そういう点はどうなっておるのですか。
  54. 富樫凱一

    富樫政府委員 山の中等で見通し距離のとれないところは、付近の木を切る場合があります。そういう曲線部等で建築物などが建つようなおそれもあるところは、この特別制限区域にいたしたいと思っております。
  55. 瀬戸山三男

    瀬戸山委員 そこでそういう場合は植樹の関係、木の関係なんか相当あると思うのですが、第十四条で、撤去するとかいろいろの方法を命令で出すことになっております。命令を聞かないときには一万円以下の罰金あるいは五万円以下の罰金という、いろいろ罰則の規定がありますが、その命令を聞かないときには実際問題としてどうなるのでしょうかな。罰金を取りっぱなしということになるのですか。それ以上はどういうことになるのですか。
  56. 富樫凱一

    富樫政府委員 まず移転、除却、その他の命令をすることでございますが、まあこういうことで処置いたしたい考えでございます。それを聞かない場合には罰則を設けておるわけでございます。
  57. 瀬戸山三男

    瀬戸山委員 一万円納めればこの木を切らぬでもいいということになってしまったらどうなるのですか。
  58. 富樫凱一

    富樫政府委員 これはその木を切ってしまうわけでございますが、これは行政代執行で実施をいたすわけでございます。
  59. 瀬戸山三男

    瀬戸山委員 第二十条、費用の負担ということでございますが、この第二項に、国は高速自動車国道の存する都道府県が著しく利益を受ける場合においては、別に法律で定めるところによって当該都道府県に費用の一部を負担させる。この著しく利益を受けるということは、どういうことを想定されているのですか。
  60. 富樫凱一

    富樫政府委員 高速国道に接続いたします道路、インタチェンジと称しておりますが、そういうものができるところにおきましては、府県によりましてはその区域に非常な利益を受ける場合が予想できるわけでございます。そういうところに対しまして、負担の公平という見地からかような制度を設けているわけでございます。
  61. 瀬戸山三男

    瀬戸山委員 道路を作るとどこでも便利になるのですから、ほとんど日本全国の——今の考え方では、いつできるかなかなか見当がつきませんけれども、法律上の考え方では、実は日本全国を通るわけなんです。そうすると、便利になるために作るわけなんですが、著しく利益を受けるというのは、どういう場合を想定されているのですかね。それから別に法律で定めるというが、そういう負担法か何かを作られる考えですか。
  62. 富樫凱一

    富樫政府委員 これは高速国道通りましてこの取りつけ部分、ほかの道路と取りつく部分はきわめて制限されるわけでございます。そういう取りつけの道路ができる部分につきましては、その付近が非常に利益を受けることも予想されますので、そういう場合のことをいっておるわけでございます。それから「別に法律で定めるところにより、」というのは負担区分を別に法律で定めたいということでございます。
  63. 瀬戸山三男

    瀬戸山委員 直接高速国道法には関係ないのでありまして、道路行政一般に関係があるのですが、これは妙なことをお尋ねするようですが、一体道路というのはどういうものなんでしょうか。道路の定義と申しますか、もう少し具体的に言うと、道路の上と下はどこまでが一体道路になっておるか、それを一つ参考のために聞かしていただきたい。
  64. 富樫凱一

    富樫政府委員 道路は垂直に上空にも地下にも及ぶわけでございます。そこで何メートルぐらいまでかということは、これは何メートルというわけには参りませんのですが、およそ常識で考えられる上、あるいは下までを道路考えておるわけであります。
  65. 瀬戸山三男

    瀬戸山委員 はっきりしためどがつかないというわけですね。
  66. 富樫凱一

    富樫政府委員 はっきり何メートルということはできないわけでありますが、道路交通支障を及ぼす範囲、それを考えておるわけでございますし、地下の場合にもまた道路の構造に支障を及ぼす範囲の地下を考えておるわけであります。
  67. 瀬戸山三男

    瀬戸山委員 私がこういうことをお尋ねするのは、今政府が別に出しておられる建築基準法の一部改正、これらに関係があるからこういうことをお尋ねしておるのであります。道路の占用許可制の規定でございます。そうするとあの建築基準法で問題にしておりますのは、高層ビルをつなぐために道路の上空を通るわけです。そうするとその道路とはどこまで関係があるかということになってきますから、八階建のビル、九階建のビルを両方に建てて、そしてそれをつながせることができるかできないかということが今問題になっておる。そうすると道路の方では一体どこまでを道路占用として考えておられるか、こういう問題にもかかってきますから、あらためてこういうことを聞いておるわけであります。ああいう場合は道路の方としてはどういうふうにお考えになっておりますか。
  68. 富樫凱一

    富樫政府委員 これは先ほども申し上げたのでございますが、これは八階でも九階でもどんなに高くても、道路の占用と考えなければならないと考えております。
  69. 瀬戸山三男

    瀬戸山委員 そこで道路の占用は、もちろん許可を得て、場合によっては料金を払わなければならぬ、これは道路管理者がやるわけでありますが、こういう問題がちょいちょい起ってきますから、建築基準法の一部改正ということで、これは主として建築関係の方からそういう案が出ております。しかしそれをやるということは、道路に直接関係があるのですから、それを詳しくお尋ねするわけです。今具体的の問題になっておりますのは——問題になっておるというのはおかしい、問題にしたいと思っておるのは、例の渋谷駅から東急文化会館までに道路をまたがって建築物が築造されておる。しかもあの現場を見ますと、今の地下鉄のガードよりも何メートルか低めに工作物がされておるのです。そこで私が一体どのくらいの高さが道路だと考えておるかということをあらかじめ聞いたのはそういうことなのですが、先ほどのお話では七階、八階、やはりそれは道路だ、こうおっしゃる。あの建築物はどういう規定で、道路の方ではどういう趣旨で道路の占用を許可されたか、これをお尋ねしておきたい。
  70. 富樫凱一

    富樫政府委員 ただいまの道路法では、道路を占用できる物件として通路があるわけであります。お尋ねの渋谷の駅から東急文化会館の前の道路に接続する建物につきましては、あの道路の上を通る通路ということで占用を許可しておるわけでございますが、なおその下の空間と申しますか、路面から通路の下場までの距離は四メートル半をとっておるわけであります。ただいま問題になっております通路は、道路と駅舎とをつなぐ通路として占用を許可しておるものでございます。
  71. 瀬戸山三男

    瀬戸山委員 あれは文化会館につないであるようでありますが、そこで私はさっきお尋ねしたように、今政府は建築基準法の一部改正ということで、そういうものができるような方法をしようという趣旨の改正をいたされておると、私はそう理解しておる。そうすると今のように通路にするならばかまわぬという道路占用の規定によって許可を受けている、こういうことになりますれば、現にそれが実行されておるのですから、建築基準法によってそういう改正をする必要はないのじゃないかという気もするのです。たとえば昨年から問題になっておる松坂屋の両方のデパートをつなぐこと、これは建設省に相談された事実がある。そのときには許可されておりません。そうするとそういうものと東横の問題とはどういう関係があるか、建設大臣に承わっておきたい。建設大臣は建築基準法の改正を出されておりますが、これと東横の場合とどういう関係があるか。
  72. 南條徳男

    南條国務大臣 政府委員から答弁いたさせます。
  73. 富樫凱一

    富樫政府委員 ただいまの渋谷の駅から東急文化会館の前の道路につなぐ道路は、これは東急文化会館そのものにはつないでおりませんので、あの前の道路につないでおるわけでございます。それから前に問題になりました松坂屋の両方を結ぶ通路でございますが、当時はあの区道を廃止して建物をつなごうという計画があったわけでございますが、これは区道廃止ということは適当でありませんので、許可しなかったのであります。ただいま建築基準法で出ておりますのは、建物をつなぐ通路として、建築基準法で道路の上を占用する建築物の制限からあの部分をはずそうということと承知いたしておりますが、前の趣旨とは変って参っておるわけでございます。
  74. 瀬戸山三男

    瀬戸山委員 私は現場は詳細に見ておりません。図面だけ見たのでありますが、東急文化会館というのにちゃんとつないである。それであそこに人がたくさん行けるような方法で作ってあります。あの施設は一体だれが作ったのですか。それからどういう手続で許可されておるのですか。
  75. 富樫凱一

    富樫政府委員 あの施設は東急が施設いたしたものでございます。それからその占用につきましては、道路管理者であります東京都知事の許可を受けております。繰り返して申し上げますが、文化会館そのものにはつないでおりませんで、文化会館の前の道路につないであります。それが東急文化会館に接しておりますので、あだかも文化会館に入っておるごとく見えますが、つないでおりますところは都市計画街路につないであるわけであります。
  76. 瀬戸山三男

    瀬戸山委員 あれをやったのがいいとか悪いとかいうことを私はここで判断するのじゃないのです。それは非常に便利になっておるかもしれませんが、たまたまああいう問題を解決するために、そういう必要の場合があるかもしれない。そういうことで建築基準法が出されておるのだから、そこでもしそういう必要な場合には、そういう建築基準法の改正をしなくてもいいというなら、建築基準法は引っ込めなくちゃならない。そこでもし現行の法律でそういうことができるものであれば、建築基準法の改正を必要としない。もし建築基準法の改正が必要であるとするならば——あなたが今、それはどこかの道路につないでおるとおっしゃったけれども、東急の考え方は聞いてみなくちゃわかりませんが、東急文化会館というものはあそこにできて、そうしてちゃんと出入口をつけてあるのですから、いかに東急が社会公共のために尽すのか知りませんけれども、相当な金のかかるいわゆる通路というものを作るはずがないと私は思う。そういうことが許されるものであるならば、建築基準法の改正が必要でない。金があれば一般交通の用に供する道路の上を、自由自在に自分の事業の便利のために作るということ、これが許されていることは私はあまり感心しない。御承知のように道路交通取締りは非常に厳重で、自動車の運転手がちょっと。パーキングをしただけでも引っぱられて罰金を取られる。それが実情です。それは正当なことです。ところがそういう資力があって何かするときには、堂々とやられる。なるほど手続上許可を受けてあるかもしれません、あるかもしれませんが、運転手はいつでも罰金を取られる、金持ちはそういうことでなしに堂々と道路の上に大築造をする、こういうことが簡単に許されるという社会は、私はあまり好ましくないと思う。ああいうものが作られていいかどうかという判断は現場を見なければわかりませんけれども、そういうふうな法律の制度を今改めようかどうかという時代に、すでにそれかできておるということはどういうことかということを、私は非常に不審に思う。でありますから、私は特に建設大臣にそれについてのお考えを承わったわけです。もう一度建設大臣のお考えを承わりたい。
  77. 南條徳男

    南條国務大臣 基準法に関係する方に御質問のようでありますが、基準法で建物と建物との間の通路を許可したいという意味合いは、通路を作ることによって、両方の建物が交通上非常に便利になるというような特別な例として、これを設けて許可したいという意味でありまして、その通路の部分にいろいろな店とか事務所とか、そういうものができることによって道路の上を妨げるというようなことについては、絶対に許可しない方針であります。全くこれは人間の通路としての部分だけを許可して、そして便宜をはからせたいということがあの基準法にありまする規定でありますから、そこでそういうような場合を想定しまして、今度の基準法の中に規定したわけであります。
  78. 瀬戸山三男

    瀬戸山委員 法律の趣旨はもちろんそうであります。そうでありますが、今の東急会館の場合はああいうことができるならば、松坂屋であろうがどこであろうが、あるいは丸の内あたりのビルでもどこかの道路に先の方をつなげばそういうことができる、こういうことになるのじゃないでしょうか。どこかの道路につないであれば現行の法律、制度でああいうものができるということであれば、特に法律を改正しなくたって、それでできる場合があちこちあるのじゃないかと私は思うのですが、道路局長どうですか。
  79. 富樫凱一

    富樫政府委員 東急の場合は駅舎と道路でございまして、これは非常に多くの人が利用することでございますので、これは道路法上に言う道路を占用できる通路と見ることで支障がないと考えたわけでございますが、具体的の例といたしまして今松坂屋の場合が出たわけでございます。ああいうのは建物と建物を結ぶ通路でございまして、前の東急の場合と、多少趣旨が異なるものと考えるわけでございます。
  80. 瀬戸山三男

    瀬戸山委員 これはここで、私はこれ以上質問することをやめておきます。一応現場を見て、詳細にどういうふうなやり方をしておるか、これは建築基準法の改正に関係がありますから、あとでまた現場を見てから確かめたいと思います。
  81. 二階堂進

    ○二階堂委員 今問題になっております東急文化会館と道路をつなぐ歩廊の問題です。これは私はここの委員会でもいろいろ聞いてみたいと思うのですが、その前に一ぺん現場を見に行って、その上でいろいろ具体的にお尋ねしたいと思うのであります。ただ道路法の第三節、道路の占用の中の第三十二条の第五号「地下街、地下室、通路その他これらに類する施設」、これに該当するものだと思っておりますが、も上こういうものを施設する場合には、第三十三条の「前条第一項各号の一に該当するものであって道路敷地外に余地がないためにやむを得ない」場合に、これを許可する。東急文化会館のやり口は、第三十三条の規定によりますとこれは道路敷地外に余地がない場合にこういうような占用権を認めるものだ、東急文化会館をつなぐこの歩廊というものは、これは道路敷地外に余地がないものとは私は考えません。従ってこれを許可する場合には、これは正式に東京都に出して正式に許可をいたしておりますが、監督官庁である建設省道路局は、この第三十三条の規定とこれを許可されたこと、これとの関係はどういうふうにお考えになるか。道路敷地外に余地がない場合に占用権というものを認めるわけです。ところが東急文化会館の場合は、六メートル道路に直接面しております。これから入ろうと思えば幾らも入れる。これはただ東急文化会館の便利のために、この歩廊を作ったものであると私は思う。ただいろいろ問題が起るかと考えられたために、階段でもってこの六メートル道路に通路をあけている、こういうことになるわけですが、この道路法の三十二条、三十三条に照らしてみても、これを正式に許可したことは法律の精神からいっても適当でない、こういうふうに私は法律の条文から考えると解釈せざるを得ないのでありまするが、この点を道路局長はどういうふうにお考えになりますか。
  82. 富樫凱一

    富樫政府委員 三十三条では、お話のように道路敷地以外に余地がないために、やむを得ない場合に占用を許すということになっておるわけでございますが、東急の場合には駅舎から道路につないでいるわけでございまして、それをその前にある道路に出すことはその道路交通のためにも適当じゃないと考えて、その他の道路につないだものと考えておるわけでございます。そういう考え方に立ちますと、道路敷地外に余地があったとは言えないと思うのでございまして、どうしても道路の上を通らなければならなかったというふうに考えておるわけでございます。
  83. 久野忠治

    ○久野委員 私もただいまの問題について関連してちょっとお尋ねいたしたいのですが、六メートル道路に階段でつないである。それでこれが公共用の歩廊として許可されたというのであるならば、ただいま建築基準法についての改正の御意見も出ましたが、松坂屋の場合で、松坂屋の前のところかあるいはうしろのところへ、何といいますか、屋根のようなものを出して歩廊を出しまして、そしてその歩廊の先端のところを階段で通路へつなげば、これも現在の道路法規で許可されるということに相なりましょうか。これはそれと同じような施設だと私には思えるのです。そういうことは考えられると思う。さすれば現在の建築基準法の改正をやる必要はない。現在の道路法上の法規、あるいは現在の建築基準法の法規だけでも、それは簡単にでき得ると思うのです。ただその場合に、道路を縦断する区域はできるかもしれません。デパートの裏側のところは道路を縦断しなければならない。そうして最後に、今度は横断しておる道路のところへ、両側のところへ階段でつなげばいいじゃないですか。さすれば公共用の通路ということになる。それから、これが一つ許可されるということになれば、次から次へとそういう問題が起きてきて、最後には道路交通支障になるような問題が起きてきはしないか、そういうことを私どもは心配しておるからお尋ねをしておるのです。そういう場合どうですか、この行政官庁であります建設省としても許可なさいますか。
  84. 富樫凱一

    富樫政府委員 渋谷の場合につきましては、相手が駅舎と道路であるということでありますので、これは通路としての常識にはっきりはまらないものと考えるのでございますが、松坂屋の場合は建物と建物を結ぶ通路でありますので、多少趣きが違うものと考えておるわけでございます。
  85. 久野忠治

    ○久野委員 私は現実に具体的な事例まであげてお尋ねしておるのです。松坂屋も建物と建物とをつなぐような、現在では計画のようです。しかしながらそうでなくして、そのビルの裏側のところへ縦断するような、何といいますか歩廊を前へ出して、そうして最後のところを横断する道路に階段でつないだ場合、それもまさに公共用の歩廊じゃないですか。それをやれば許可になるということになるのですか。許可基準に合うということですか。法的にいって何ら不備はないと思う。そういった申請がなされた場合に許可なさるというのですか。その点をお尋ねしておきます。
  86. 富樫凱一

    富樫政府委員 松坂屋に沿うて縦断的に通路をおろすことも可能でありましょうけれども、駅舎となりますと、これは松坂屋の場合とは違いまして、やはり公共的な施設と見なければならぬと思うのであります。そこでまあ道路交通支障のないようにしなければならぬわけでありますので、今その縦断的な通路ができた場合にそれを許すかというお話がございましたけれども、こういう場合に道路交通にどういう支障があるかないかを検討しなければならぬと思うわけであります。今基準法で考えられておりますのは、そういったものも現在の基準法ではできませんので、その改正をしようとされているように承知いたしております。
  87. 久野忠治

    ○久野委員 駅舎につなぐなら何でもできるような御答弁でした。さすれば丸ビルから東京駅へつなぐ場合もありましょう、銀座通りから有楽町へつなぐ場合もありましょう。そういうことが許されるということになれば、当然道路行政上重大な支障が趣きはしないかと私は思うのであります。駅舎へつなぐから許可したと、あなたさっきから何度も同じことをおっしゃるのですが、どうですか。
  88. 富樫凱一

    富樫政府委員 これは今丸ビルから東京駅というようなこともございましたが、東急の場合は、駅舎から道路へ出るということでございますので、その点には差があるのではないかと考えます。
  89. 久野忠治

    ○久野委員 それは違います。これでもデパートから東急文化会館へつなぐのです。そうして最後のところを階段で道路へつないでいるのです。そうだといたしますれば、丸ビルと東京駅の間へ通路を作って、丸ビルの最後のところに階段を一つ作っておくということにすれば、許可基準に合うということになるのですか。現実にそれが許可されたということになれば、そういう申請を出しても不当でないということになる。そういうふうに私には思えるのです。思えますから、これは重大な疑義がある。そういうことが許されるということなら、先ほど瀬戸山委員からも御質問がありましたように、建築基準法の改正は必要はないということです。もう一度その点について。
  90. 富樫凱一

    富樫政府委員 どうも申し上げ方が悪いのかと思いますけれども、駅から外の道路へつなぐということでありますから……。どうも何回も同じことを繰り返すようでございますが、なお一つよく研究してみます。
  91. 薩摩雄次

    薩摩委員長 それでは連合審査会はこれにて散会いたします。    午後、零時三十六分散会