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宮澤国務大臣 ごもっともな点でございますが、大都市の
高速自動車道路は非常に必要であるけれども、また非常に困難なことは、何といっても土地の
買収、
道路用の
敷地を得るということが非常に困難であります。たとえばこの
中央道にしましても、
審議会において今度御
決定を願うのですが、
八王子から先は
東京都においても一応めどがつくが、
八王子辺から
都内に、どの辺から持ってきたら
道路の
敷地が手に入るかということは、非常に困難であります。また非常な耕地と
住宅地とを端からつぶす。従って
東京都の
交通の
計画は、地下鉄によることに
都内はいたします。御
承知の
通り国鉄と地下鉄を中心として、それにその他の
道路で一応の
計画は立っておりますが、今瀬戸山さんの
お話の
東京と近郊とを結ぶということは非常に困難で、たとえば今度水戸の方の原子力の東海村あたりの連絡も、私どもとすれば
自動車の専用
道路を作ったらいいと思いますが、やはり混合
道路でいくでしょう。普通の
一般道路でいかざるを得ない。おのずから今持っているものを補強していく。新しい
道路で耕地、平坦地をつぶすということは非常に困難であります。それで
中央道の特徴は、つぶした約二十倍以上の耕地ができることでありますが、しかしそれが同じところにできないで、少し違ったところにできるというところで困っておるのですけれども、いい耕地だけでも、つぶす耕地の約二十倍以上できる。それが
中央道なので、割合に
道路敷地の問題が楽にいける。これを都会の耕地をつぶしていくということになると、今
お話の滋賀県あたりでも、ちょっと山に寄らなければ、むしろ旗を立てて
中央道をやらせないというので、山寄りにしてようやくやっていくより事実上の問題としては仕方がない、そういうことですから、
自動車専用
道路を
東京から四方に出すということは非常に必要なことでありますけれども、これを高架にすれば、下を住宅にでもすればできるかもしれませんが、非常に金がかかる。そういう問題で非常に困難だけれども、何とか道をつけていかなければならない。第一中央
自動車道路がいよいよ二、三年のうちにできてくるときに、
八王子から都心へどこへ持ってくるかということが非常に大きな問題になってくるわけであります。そういう点でいいことではありますけれども、今直ちに専用
道路によって都心からあちこち結ぶということは非常に困難であります。ごく
都内の問題は、御
承知の
通り地下鉄を縦横に作って、国鉄と地下鉄を結んで、郊外電車を地下鉄に乗り入れさせて緩和するということでやっておる。貨物は全部鉄道によるというような
計画でいっておりますが、この点が非常に、これからの問題であるわけであります。